13概要(PDF:302KB)

平成 26 年度「職員による政策研究」報告書(概要版)
No.13
「GO
VOTE
選挙に行こう!」
兵藤裕一(北信地方事務所 地域政策課)、櫻井敦祥(同 税務課)、松盛真直(同 農政課)、
畑中達之(同 農地整備課)、丸山真一郎(同 林務課)
、宮岡和雄(同 建築課)、
吉村牧(北信建設事務所 中野事務所 維持管理課)、小林来世展(中野市選挙管理委員会事務局)、
湯本順子(山ノ内町総務課)
1 背景・課題
平成 25 年7月の参院選の投票結果は、中野市が県内 19 市中最下位、山ノ内町は県内
58 町村中最下位という結果であり、
「都市部でもない北信地域の中野市と山ノ内町は、な
ぜこんなに低いのか」という素朴な疑問から私たちの取組はスタートしました。
最初にグループの取組の方向性をどうするか議論した際に、この地域の投票率が低い
原因を調査・分析し、それを発表したらどうかと考えましたが、選挙の専門家である佐
藤淳テーマアドバイザーから「調査・分析より、8月 10 日の県知事選に向けて、投票率
UPのための取組を考え、できることから実践してみよう。結果にはこだわらずに、ま
ずやってみて、その中から全県に広げられる方策を探る方が政策研究の趣旨に合う。
」と
の明確なアドバイスをいただき、短期的な目標として「長野県知事選挙で最下位脱出」、
中長期的な目標として「長野県は健康長寿も投票率も全国一!」を合言葉に、メンバー
が一致団結して、投票率UPのための取組を実践しました。
2 長野県知事選挙での投票率UPに向けた取組
(1) メンバーからのアイデア
まず、投票率UPのためのアイデアを、実現可能性は抜きにして、メンバーが自由な
発想で考え、59 項目の提案が出されました。これをミーティングで精査、検討し以下の
3グループに分類しました。
①すぐに実行できそうな提案 ②中・長期的に目指す提案 ③実行は難しい提案
(2) 長野県知事選挙での取組
3グループのうち、
「①すぐに実行できそうな提案」を基に、中野市と山ノ内町選挙管
理委員会の意見を聞きながら、8月 10 日の長野県知事選で実践し、その効果を探ること
としました。主な取組は次のとおりです。
① 投票所のイメージアップ
「ゴールド投票箱」
「レッドカーペット」「ウェルカムドリンク」の設置等
② イベントなどでの啓発
「中野ションションまつり」「山ノ内どんどん」「信濃グランセローズのBCリーグ
公式戦」での選挙啓発
③ 出張期日前投票所の開設
④ 地元高校生による選挙事務体験 等
こうした取組はマスコミの注目をあつめ、テレビや新聞に数多く取り上げていただき、
投票率が最下位であることや選挙管理委員会が必死に取り組んでいることが多くの市民
に伝わることとなりました。
ゴールド投票箱とレッドカーペット
信濃グランセローズの選手との選挙啓発
(3) 長野県知事選挙の結果
① 中野市の投票率順位(19 市比較)
H25 参院選:19 位(最下位) ⇒ H26 知事選:14 位(5位アップ)
② 山ノ内町の投票率順位(58 町村比較)
H25 参院選:58 位(最下位) ⇒ H26 知事選:50 位(8位アップ)
以上のとおり、私たちグループの短期目標である「県知事選での最下位脱出」を達成
することができました。
3 今後の取組(提案)
投票率を向上させる今回の取組を継続していくため、また更なる投票率の向上につな
げるため以下の4つの取組を提案します。
(1) 「有権者に寄り添う」取組
選挙権を行使したいのに(できるはずなのに)できない(できることに気づかない)
有権者に対して積極的に寄り添い、投票しやすい環境を整えること。
・若い世代など従来の投票所に足を向けることを躊躇する方に対して、大学や商業施
設への期日前投票所の開設等。
(2) 「有権者に知ってもらう」取組
投票率の現状や各種取組を知ってもらうことで「投票に行こう」という気持ちを高め
ることが必要。
・ホームページやSNSなどの積極的な活用等
(3) 「未来の有権者を育てる」取組
投票率向上には子どもの頃から政治や選挙に関心を持つことが重要で、大人から子ど
もへの働きかけに力を入れていくことが必要。
・全県で高校生の選挙運動への参加
・全県統一の未成年模擬選挙の実施等
(4) 県と市町村全体での取組
・自治体間の垣根を低くした活発な人材交流
・市町村単独選挙での県や近隣市町村の相互協力等
最後に、
「長野県は健康長寿も投票率も全国一!」を達成するには私たち一人一人の政
治や選挙に対する意識が最も重要です。政治家、行政、そして県民が危機感を持って取
り組んでいかねばならない重要な課題であると私たちは考えます。