早稲田大学 ナノ理工学研究機構 義人、関口 哲志、平岩 篤、川原田 洋 Institute for Nanoscience & Nanotechnology, Waseda University ○Yoshito Nozaki, Tetsushi Sekiguchi, Atsushi Hiraiwa, Hiroshi Kawarada ○野崎 1 TMA+ H2O (Al(CH3)3) O3 はじめに ⇒ Al2O3+CH4 パージ TMA 供給 1 サイクル 酸化剤(H2OまたはO3) 供給 パージ アルテック社 HPより TMA(Trimethylaluminium): http://www.ksv.jp/picosun/ トリメチルアルミニウム 2 実験方法 成膜 成膜装置:Picosun社製 SUNALE TM R150 ALD 基板 φ100mm c-Si(100) (比抵抗2-4Ω・cm) (膜厚 屈折率 表面 分析) ② 20mm×20mm c-Si(100) (比抵抗0.002-0.004Ω・cm) (絶縁性) ① 成膜温度 300℃ (膜厚 屈折率 表面 分析) ② 350℃ (絶縁性) ① 原料:TMA 酸化剤:H2OまたはO3 実験方法 評価 測定装置:分光エリ プソメーター M-240(日本分光) 入射角:60° 波長範囲:300-800 nm 波長間隔:2 nm 解析:Cauchy(透明) モデル 1層(Al2O3 のみ) 吸収なし ALD装置写真 3 膜厚、屈折率 測定装置:分光エリプ ソメーター UVISEL/IR-AGMS(堀 場製作所) 入射角:75° 波長範囲:190-2100 nm 波長間隔:0.05 eV 解析:Lorentz振動子 モデル 2層(SiO2と Al2O3) 吸収あり 4 実験方法 評価 絶縁性 + マスク Ti/Au マスク Al2O3(20 nm) Si(525μm) Ti(10 nm)/Au(1μm) ステンレス製マスクを作製し、 Al2O3膜表面にマスクスパッタリ ングにより、Ti(10nm)/Au(1μm) 電極を作製。 基板裏面にはArイオンミリング により回り込んだAl2O3膜を除去 後、スパッタリングによりTi/Au 裏面電極を作製。 絶縁性は裏面電極をグランドと し、半導体パラメータアナライ ザ4200-SCS(ケースレー)により、 電極に+電位を与えて電流値を 計測。 Ar イオンミリング サンプル写真 実験方法 評価 5 絶縁性 50μm×50μm 75μm×75μm 200μm×200μm 300μm×300μm 600μm×600μm 1mm×1mm 電極の寸法図 6 実験方法 評価 FE-SEM SU8240(日立 ハイテク) 表面状態 コーティング:なし 加速電圧:2 kV Z方向位置:1.5 mm ワーキングディスタ ンス: 2.4-2.7mm 倍率:200 k倍 SPM-9600(島津製作所) モード:ダイナ ミックモード スキャンサイズ: 1μm×1μm スキャンスピー ド:1 Hz Z方向レンジ: 1-5 nm 7 実験方法 評価 分析 成膜前処理:0.5% フッ酸水溶液 1.5 分 ⇒水洗⇒スピンドライ GD-OES JY 5000RF(堀場製作所) モード:パルスモード 分析時間:45秒 測定間隔:0.02秒 分析元素:C, H, Si, O, Al Al2O3標準試料により検量線を作成して定量 8 結果 ALDサイクル数と膜厚 成膜速度はO3酸化と比べて H2O酸化のほうが早い。 Fig.1 Al2O3 Thickness vs Number of ALD Cycles Using H2O and O3 as Oxidant Source. 成膜速度 H2O酸化:0.08nm/Cycle O3酸化:0.06nm/Cycle S-C. Ha, et al. “Influence of oxidant source on the property of atomic layer deposited Al2O3 on hydrogen-terminated Si substrate”, Thin Solid Films (2005) 9 結果 絶縁特性 絶縁破壊強度 H2O酸化:7.7 MV/cm O3酸化:8.2 MV/cm 1.44E-02 A/cm2 1.85E-06 2 絶縁膜の性能としてはH A/cm 2O酸化よりも O3酸化のほうが優れている。 Al2O3 Thickness=20nm Fig.2 Current-Voltage Characteristics Using H2O and O3 as Oxidant Source. 齊藤ら,“絶縁性と 耐環境性に優れた 原子層堆積 (ALD)Al2O3膜によ る水素終端ダイヤ モンド表面の保 護”, 春季第60回 応用物理学会 (2013) 10 考察 絶縁特性の違い Ti/Au Al2O3(20 nm) Si(525μm) Ti(10 nm)/Au(1μm) Y. Shen, et al. “Excellent insulating behavior Al2O3 thin films grown by atomic layer deposition efficiently at room temperature”, Optoelectronics and advanced materials-Rapid communications (2012) 11 結果 Al2O3膜の表面の観察 H2O O3 SEM H2O酸化とO200 nm 200 nm 3酸化で絶縁性が異なる原因は Al2O3膜の表面の差ではない。 H2O O3 AFM Ra=0.344 nm Ra=0.388 nm Fig.3 SEM and AFM Image of Al2O3 Layer Surface on Silicon Using H2O and O3 as Oxidant Source. 12 考察 絶縁特性の違い Ti/Au Al2O3(20 nm) Si(525μm) Ti(10 nm)/Au(1μm) 13 結果 Al2O3膜の分析 Ar イオン Al2O3 実線:H2O酸化 破線:O3酸化 Si H2O酸化とO3酸化で絶縁性が 異なる原因は膜中の酸素量の違いではない。 Fig.4 GD-OES Analysis Profile of Al2O3 Layer on Silicon Using H2O and O3 as Oxidant Source. 14 結果 Al2O3膜厚と屈折率 屈折率はH2O酸化とO3酸化で 差は見られない。 膜厚が薄くなるに従い、 屈折率は大きくなり、ばらつきも大きくなる。 Fig.5 Refractive Index vs Al2O3 Thickness Using H2O and O3 as Oxidant Source. 15 考察 屈折率の測定、解析条件 Table. 1 Comparison of Measurement and Analysis Conditions for Spectroscopic Ellipsometry (SE) Item M-240 (日本分光) UVISEL/IR-AGMS (堀場製作所) Incidence Angle 60° 75° Spectrum Range 300-800 nm 190-2100 nm Model Cauchy(透明) Lorentz振動子 Number of Layers 1 Layer 2 Layers Optical Absorption None SiO2:None Al2O3:Weak Absorption Al2O3 Si Al2O3 SiO2 Si 16 結果 測定装置と屈折率 屈折率は膜厚が薄い範囲(10-50nm)で 分光エリプソメーターの装置間差がある。 Fig.6 Refractive Index vs Al2O3 Thickness Using M-240 and UVISEL as SE. 17 まとめ ALD法によって成膜されたAl2O3膜は酸化剤としてH2Oを使用 した場合とO3を使用した場合とで成膜のされ方、絶縁特性が 異なる。 絶縁特性が異なる原因として膜表面の状態や膜内部の酸素の 量が異なると考え、検討したが差が見られなかった。 Al2O3膜の屈折率についてはH2O酸化とO3酸化では差が見られ なかった。 屈折率は膜厚が薄い範囲(10-50nm)で分光エリプソメーター の装置間差があることがわかった。 今後の課題 Al2O3膜とSiの界面に着目し、絶縁性が異なる原因を追及する。 屈折率の装置間差についてはどちらの屈折率が正しいのかを 誘電率の評価やXRRによる密度の評価で検証する。 18 謝辞 本研究は下記の支援を受けて行われた。 ここに感謝の意を表します。 文部科学省 ナノテクノロジープ ラットフォーム事業 微細加工プ ラットフォームコンソーシアム 文部科学省「低炭素社会構築に向け た研究基盤ネットワーク整備事業」 (LCnet) 19
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