第 4 回

4-1
機器分析講義第 4 回
測定装置(紫外可視分光光度計、吸光光度計)
吸光光度計(分光光度計)
光源
紫外部:( 1 )
可視部:( 2 )
ハロゲンランプ
紫外・可視部:キセノンランプ
分光部
プリズム
回折格子
試料部
紫外部:( 3 )
可視部:( 4 )
石英ガラスセル
測光部
記録部
光電子増倍管
ホトダイオード
光
光吸収
P
I
N
電子正孔対生成
電流(光の強さに比例)
4-2
どのように測定するか(第3回続き)
問 左図について答えよ
( 1 )
(6)
各波長 (λ 横軸) ごとにその吸光度 (A 縦軸) を
プロットすると ( 1 ) が得られる。
(2)
A3
吸収の山の頂点を( 2 ) という。
また、( 2 ) を示す波長を ( 3 ) という。
右へ行くほど振動数は ( 4 ) くなり、
エネルギーも ( 5 ) くなる。
波長  と振動数  の関係は
で表される。
( 6 )  ( 7 )  3  108 (m)
An
A2
A1
2
1
 3 (3)  n
波長 nm
(5)
(4)
本法に用いられる電磁波の波長域は、
紫外線 ( 8 ) nm~ 可視光線 ( 9 ) nm である。
溶媒 : 測定波長領域で吸収を示さない
溶
1
2
3

n
I0
I
A1
A2
A3

An
媒
アセトニトリル CH3CN
イソオクタン C8H18
エタノール C2H5OH
クロロホルム CHCl3
シクロヘキサン C6H12
n-ヘキサン C6H14
メタノール CH3OH
水 H2O
測定波長域 (nm)
210 ~ 800
220 ~ 800
210 ~ 800
245 ~ 800
210 ~ 800
220 ~ 800
210 ~ 800
200 ~ 800
4-3
吸収スペクトルについて
A
吸
光
度
濃色効果 A2
吸光度増加
( 1 )
C1 mol/L
A1
C2 mol/L
淡色効果 A3
吸光度減少
C3 mol/L
λmax1
( 2 )
λmax2
λ3
波長 nm
スペクトルと濃度との関係
濃度により、吸光度 A は変化するが、
吸収極大波長 λmax は変わらない。
λ1
浅色移動(blue shift)
吸収極大短波長へ
λ2
深色移動(red shift)
吸収極大長波長へ
発色団と助色団との関係
発色団(光吸収部位)
-C=C-, -C=C-, -C=O, -COOH
-COOR, -C=N-, -N=N- など
助色団(吸収波長、吸光度に影響を及ぼす)
-NH2, -NHR, -OH, -OR
-SH, -SO3H, -COOH など
4-4
吸収スペクトルによる定性(構造決定)
標品
A
200
300
試料1
A
400 500
nm
200 300
A
400 500
nm
極大波長が異なるがAは同じ
同一物質としての条件: 1) 吸収極大波長が一致
試料2
200
300 400 500
nm
A が異なるが極大波長は同じ
2) 複数の吸収極大のAの比が一致
化学構造より吸収極大波長の予測(決定):共役二重結合系
を持つ場合、吸収極大波長を予測可能( Woodward-Fieser 則)
λmax  215  2  12  5  244
λmax  215  12  227
実測値:λmax 245 nm
数値は教科書 p 17 の表を参照
4-1
紫外可視吸光度測定法を利用した定量分析 (p17)
A 検量線を用いる方法
標準試料の濃度既知の溶液を準備 : a, b, c, d・・・・・(mol/L, %, mol, mg, mg,・・・)
a (%)
b (%)
c (%)
検量線
d (%)
A
Aa
それぞれの吸光度 A を測定
As
Aa,
Ab,
Ac,
Ad
Ab
Ac
Ad
試料中のSの濃度(量): s (mol/L, %, mol, mg, ・・・・)
吸光度 A を測定
As
s (%)
a
b
c s
d
1. 標準溶液により検量線を作成
2. 試料溶液の吸光度を測定
○ 物質を測定するための基本的な方法
○ 標準品が必要
濃度(%)
4-5
4-6
B 標準物質を用いる方法
吸光度測定
吸光度測定
As
At
S (%)
T (%)
標準溶液
試料溶液
S  As
T  At
 T
S  At
As
アセトアミノフェンの定量
本品及び標準品約 0.02g ずつを精密に量り、メタノール 2 mL に溶かし、水を加えて
正確に100 mL とする。これらの液3 mL ずつを正確に量り、水を加えて正確に 100 mL とし、
試料溶液、標準溶液とする。これらの溶液を1 cm のセルを用いて波長 244 nm で測定し、
吸光度をそれぞれ At 及び As とする。
約 0.2 g ずつ量る : 化学てんびんで量る 本品: T mg
標品:S mg
T mg  At
S mg  As
 T mg 
S mg  At
As
4-7
C 絶対吸収法
化合物(医薬品)の比吸光度 E がわかっている ( 1% 溶液の吸光度が E であるということ)
吸光度測定
At
1 %( w / v )  E
T %( w / v )  At
 T
At
E
T (%)
試料溶液
アセトゾラミドの定量
本品約0.15 g を精密に量り、水 400 mL に加えて加熱して溶かし、冷後、
水を加えて 1000 mL とする。この液5 mL を正確に量り、1mol/L 塩酸10 mL を加え、
さらに水を加えて正確に 100 mLとする。この液につき 1 cm のセルを用いて、
265 nm 付近の吸収極大の波長における吸光度 Aを測定する。
ただし、アセタゾラミドの比吸光度を474 とする。
本品約0.15g中に含まれるアセタゾラミドの量を T mg とすると、
試料溶液の濃度は (% w/v)
T  10  3 mg / 1000 mL  5 mL  100 mL  %( w / v )  T  10  3 
1 %( w / v )
T
%( w / v )
200000
 E(  474 )
A
 T
1
1
T


10 20 200000
1 A
A
  200000
E  200000 E
4-8
演習問題
1.
化合物 X (分子量 150) を6.000 mg 量り、エタノールに溶かして全量200 mL とした。この溶液を層長1cm のセルを用いて,
波長240 nm における吸光度A を測定したところ 0.780 であった。ただし、log 2 = 0.30, log 3 = 0.48 とする。
1)
2)
3)
4)
1)
吸光度 0. を透過率 T に換算しなさい。
溶液の濃度 (% w/v, mol/L) を求めなさい。
溶液の比吸光度 E 及び モル吸光係数 e を求めなさい。
試料 5.000 mg を量り、上と同様に処理して、吸光度を測定したところ、0.624 であった。試料中の X の含量 (%) を求めなさい。
A  2  log T より、log T  2  0.780  log100  (og3  log 2)  log
100
6
 10
6.000  10 3
3.0  10 3
 100  3.0  10 3 mol / L 
200
150
0.780
0.780
3) E 
 260 e 
 3,900
3.0  10 3  1
2.0  10  4  1
0.624  6.0
4 .8
4) 試料中の X の量 (mg)は
 4 .8 
 100  96.0%
0.780
5 .0
2)
%( w / v ) 
 T  16.7
 2.0  10  4