第 17 回日本在宅医学会大会 シンポジウムテーマ 開催日 シンポジスト 日本サイコオンコロジー学会合同シンポジウム「在宅におけるがん患者・家族の 精神心理的苦痛とその支援を考える」 2015 年 4 月 25 日(土) ふりがな ご芳名 講師情報 抄録集・ホームページ掲載用原稿 ご所属 姓 時間 17:00-18:30 たかはし 収容人数 名 高橋 350 名 みほ 美保 ホームケアクリニックえん 部署 役職 看護師長 演題名(80 字以内) 在宅における患者・家族の精神心理的苦痛とその支援を考える ご略歴(300 字以内) 略歴:1993 年 岩手県立衛生学院(現岩手県立大学) 保健学科卒業 1993~1998 年 財団法人総合花巻病院 脳外科病棟・保健指導科 1998~2009 年 総合花巻病院訪問看護ステーション 所長 2009~2010 年 総合花巻病院訪問看護ステーションこっぽら 2010~2013 年 訪問看護ステーションあゆみ 副所長 2013 年~ ホームケアクリニック えん 看護師長 資格:保健師・介護支援専門員・緩和ケア認定看護師 講演概要(1000 字以内) がんになっても住み慣れた場所で、大切な人と一緒に暮らしたいと考える人は多い。治療を終え、退院を 考える時期になって「家に帰りたい」と考える一方、医療機関から離れることへの不安も大きい。近年、在 宅療養を取り巻く環境は厳しさを増している。介護者の高齢化、家族内多疾患、経済的困難、多様な居住施 設、何より刻々と変わる病状の変化があり、患者・家族共に精神心理的苦痛は大きいのが現状である。 当院では在宅で療養する方への訪問診療を行っているが、約半数ががんの方である。生活する中での療養 は、これまでの生活してきた時間や関係性の課題が表面化・顕在化することもある。多様な価値観と意思決 定の困難さがあり、病院と比べて介護負担が大きく、またこれまで経験したことのない死を間近に感じる機 会となる。患者自身は身体の苦痛への不安と共に、死の怖れを抱いている。家族は死が近いことを感じなが らも最後まで回復への希望を持っている。このような患者・家族の精神心理的苦痛に関わる医療・介護職も また様々な不安や精神心理的苦痛を抱える。こうした苦痛の多い状況の中において、患者・ご家族が穏やか に最期まで過ごされる方も多くいるのも事実である。それは、症状緩和や十分なサポート体制はもちろんの こと、これまでの療養経験や生や死に対する考えが影響していると感じることが多い。精神心理的苦痛につ いては病気になってからだけでなく、日々の生活の中から生や死を考える機会をもつことも重要と考える。 多様な療養の場における多職種への支援、医療者以外でも精神心理的苦痛に対応できる知識を得られ、困っ た時にいつでも相談できる場と関係の構築が必要と考える。
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