地域特産種量産放流技術開発事業 ( ホ ッキガイ) ( 要 約) 天野 勝三 平成 5年度か ら平成 9年度 に行 われた当事業 の結果及 び考察の概要 につ いて報告す る。 なお、詳細 は 二枚貝 グループ)」 ( 平成 1 0年 3月) に報告 し 「 平成 5- 9年度地域特 産種量産放流技術 開発事業報告書 ( た。 結果及び考察の概要 ( 親貝 について) 身入率等の変化状況か ら天然海域 における産卵盛期 は年 によ り変動がある ものの概 ね 4月下旬か ら 5月下旬 と推定 された。 成熟 した親月 を天然海域 か ら採取 で きれば、 5- 8℃ ろ過海水で無給餌飼育 して も 2ケ月程度の期 間は採卵 が可能 と判明 した。 ( 浮遊幼生飼育 について) 飼育途中で飼料濃度 を低 め に抑 えることによ り飼育水 の汚れ をよ り少 な くす ることがで き、比較 的 高い回収率が得 られた事例があった。また、 4個体 /meの収容密度で十分量産が可能 と判断 された。 ( 底生稚貝飼育 について) 底生椎貝飼育 においては、投入す る浮遊幼生の経歴 をよ く吟味す ることが大事であ り、 また、沈着 幼生の大量へ い死 はほ とん どが殻長 1mm未満 で起 こっていることか ら飼育途 中において原生動物 、 チ グリオパ ス等の発生 を極力抑 える必要が示唆 された。 また、餌科 プランク トンについては複数種 の 混合給餌 が望 ま しい こ とが考 え られた。 また、飼育条件 に よっては高成長 (日間成長量 1 3 0-1 6 0〟 m/da y)の椎月 を生産で きることがわか った。 ( 中間育成飼育 について) 陸上 における飼育方法 につ いては、収容時 に、 よ り大型の椎貝 を収容 した方が取上げ時の成績が よ い ことが判 明 した。 これは、陸上飼育の場合 には全般的に過密飼育、餌量不足等飼育環境 としてはあ ま り良 くない状態 になってお り、その中で よ り抵抗力 ( 生命力)の強い大型椎貝が比較的順調 に生育 で きたため と考 え られた。 ( 稚貝放流 ・追跡調査 について) 放流用椎月 としては最低 で も殻長 1 0 mm以上が必要 と考 え られた。 また、潮流、波浪 によ り逸散が 大 きい場合 があること及 び現行の種苗生産工程 では放流が冬期低水温期の 1 2月 となるため、放流後 の 成長 は2 0-3 0〟m/da yと低 く抑 え られるこ とか ら、放流後の生残、定着 を上げるためには極力大型 の椎貝 を放流す る必要がある と考 え られた。 ( 資源調査 について) 平成 5- 9年度 に三沢市沖の漁場 内において資源量調査 を行 った。 各年度担 当者 :平成 5- 6年度、高林信雄 ( 現、漁政課) 現、漁業管理課) 平成 7- 8年度、活藤真樹 ( 平成 9年度、 天野勝三 -252-
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