心配ない頭痛

よくあるシリーズ④
☆頭痛の定義☆
頭部に感じる痛みを総称して頭痛といいます。
頭痛には、くも膜下出血や脳腫瘍などの生命に危険がある可能性のある「危険な頭痛」
と、「心配ない頭痛」があります。
では、「危険な頭痛」
「心配ない頭痛」とはどんなものがあるのでしょうか?
★心配ない頭痛★
・特に女性に多い。
→母親からの遺伝で、女性ホルモンも関与しており、
そのため女性は月経前後に起こることが多い。
・こめかみにズキンズキンと脈打つような強い痛み。
・週~ひと月に1回程度繰り返して起こり、4時間から3日持続。
前駆症状
閃輝性暗点(視野に光がちらつき物がみえにくくなる)
異常感覚
誘発因子
ストレス、食べ物、睡眠不足などの体調の変化
→こめかみ辺りの血管が急に広がり、周囲を圧迫することが原因で起こります。
合併症
セルフケア
吐き気、嘔吐、下痢、めまい
◎痛みのあるこめかみを揉むと悪化するため、揉まずに冷やす!
◎お風呂に入ると悪化するため、避ける!
◎寝不足、寝すぎに注意!
◎規則正しく食事を摂る!
◎原因となる飲食物を避ける!
◎暗い部屋に閉じこもって休む!
・20~30歳代の男性に多い。
・決まった片側の目の奥や周辺がえぐられるような激しい痛み。
・顔面の発赤・流涙がみられる。
・半年~3年に1回くらいの頻度で、1回の頭痛は15分~3時間程度持続。
・特に睡眠中に起こりやすい。
前駆症状
なし
誘発因子
ストレス、疲労、睡眠不足、お酒、亜硝酸薬
→原因は解明されていませんが、目の後ろの脳に栄養を送り込む血管が腫れ、周囲の神経を
圧迫して起こります。
合併症
セルフケア
自律神経症状
◎症状が出る時期は、お酒を飲まない!
◎浴槽につかると痛みが出る場合は、シャワーのみ!
◎飛行機に乗ったら気を付ける!
◎発作が起きたら病院へ!
→発作時の痛みには100パーセント濃度の酸素吸入が有効。
・20~30歳代の男性に多い。
・1日中パソコン操作を行う人に多い。
・肩からくる、両側性に持続性の頭がしめつけられる痛み。
・日中、特に夕方に強く、痛みは30分程度のこともあれば、
7日間あるいは年中連続して持続。
前駆症状
なし
誘発因子
ストレス、肩こり
→頭から首、肩にかけての筋肉にたまった疲れが神経を刺激して頭が痛みます。
合併症
セルフケア
自律神経症状
◎仕事や運転で長時間同じ姿勢をとらなければならない場合は、
適度に休憩を入れる、姿勢を変える!
◎精神的・肉体的ストレスが大敵なので、趣味や運動で息抜きを!
◎痛みがひどい場合は、病院へ!
→鎮痛剤や筋肉のこりをほぐす筋弛緩薬などで治療。
★危険な頭痛★
危険な頭痛の特徴:
「いつもと違う頭痛」
一番こわい!
すぐに救急車を!!
脳は外側から硬膜、くも膜、軟膜の
3 枚の膜でおおわれています。
くも膜下には脳脊髄液という液体が
ありますが、この部分に出血するのが
くも膜下出血です。
原因としては、脳動脈瘤破裂(脳の動
脈が瘤のようにふくれて破裂)
。24時
間以内に再破裂することが多い。
症状
突然の激しい頭痛(バットで殴られた痛みと表現されるこ
とが多い)
頭全体、時に前頭部や後頭部の痛み
吐き気、嘔吐、けいれん、意識障害
髄膜(硬膜、クモ膜、軟膜からなる)は脳を包み込み、いわば脳を保護する
クッションのような役目をしている膜を言います。この軟膜とクモ膜との間に
クモ膜下腔というスペースがあり、脳脊髄液という
栄養たっぷりの液体がたまっています。この髄膜に
細菌やウイルスがつくと髄膜炎になります。
症状
発熱、頭痛、嘔吐
3徴
脳腫瘍は、頭蓋内(頭蓋骨の内側)に発生するすべての新生物(できもの)を総称し
たものです。すなわち、脳の実質のみならず脳を包む髄膜や脳に出入りする神経など
様々な部分に発生する腫瘍をすべて含めて脳腫瘍と呼んでいます。
1 ヵ月~数カ月でだんだんひどくなり、片麻痺等の症状が出始めます。
症状
朝方、目を覚ましたときに頭痛。
気持ち悪さ、嘔吐、複視。
毎日繰り返し(慢性進行性頭痛)
起きてしばらくすると改善。
【徐々に片麻痺、失語症、半盲、難聴が始まり随時進行】
※失語症…話す言葉や話された言葉を理解したり、読む、書くなど言語の能力の一部または全部が失われ
た状態。
軽微な頭部外傷による微量の出血などが原因で、
硬膜下に被膜を伴う血腫(血の塊)が形成され除々
に拡大したものを、慢性硬膜下血腫といいます。
アルコール多飲者、老人、乳幼児に多いです
(外傷の記憶のないことも多いです)。
受傷後 3 週間~6 カ月以上で発症し、最も多いのは
2~3カ月後。
症状
頭痛、尿失禁、片麻痺
性格変化や認知症、うつ病など精神症状
これらの「危険な頭痛」を疑った場合はすぐに病院を受診して下さい!!
その他に、病院へ急いで行った方がよい症状を挙げたいと思います。
病院へ急いで行った方がよい症状
◎鎮痛剤が効かない!
◎頭痛がどんどんひどくなる!
◎今まで経験したことのない頭痛!
◎頭痛以外の症状を伴う!
・意識が遠のく
・手足のしびれ
・発熱
病院を受診するときに注意することは!?
☆受診前に自分の頭痛の特徴をメモしておく。
・初めて頭痛が始まった時期とその後の経過
・頭痛の頻度
・どんなときにその部分が痛むか
救急車を呼んだ場合は、メモした内容
・頭痛の持続時間
を救急隊に伝えてください。
・頭痛以外の症状
・飲んでいる薬
・頭痛を悪化させる要因
・頭痛の家族歴
など