経営革新承認 企業訪問 No.13

経営革新承認 株式会社
企業訪問 No.13 大川しいたけ菌床栽培センター
シイタケを特産品にする
大川しいたけ菌床栽培センターは、福岡県大川市で生シイタケを生産する。出荷先は
農産物直売所やスーパー、ショッピングセンターなど幅広い。全国のシイタケ生産者が
参加している菌床栽培ブランド「サンマッシュ和(なごみ)
」と自社ブランド「木の香し
いたけ」が商品。経営革新計画では地元での菌床栽培の普及と自社ブランドの普及に取
り組む。大川市をシイタケの一大産地にすることを目指す。
浄水施設を改装
創業は 2010 年 11 月。末次芳光社長は、それ
になっている。これは水の対流を考慮したもの
以前は福岡市内で建設コンサルタントをしてい
で空気も対流しやすく、空調が効率的だ。
た。シイタケ栽培事業に乗り出すため、08 年こ
その部屋に棚を置き、ブナやナラなど広葉樹
ろから場所を探していたところ大川市の熱心な
のチップで作ったブロックを並べて栽培する。
企業誘致があった。シイタケを選んだのは、栽
培工場の水処理システム工事を手がけた経験が
あったため。また、菌床メーカーの協力で販売
先の確保に見通しが立っていた。
工場は、使われなくなった浄水施設の貯水槽
を改装したもの。窓がない鉄筋コンクリート造
りは密閉性が高く、空調管理がしやすい。その
ため栽培に必要な湿度 80%が正確に保てる。床
シイタケの菌床栽培
や天井と壁が接する部分は直角ではなく、斜め
でき上がった生シイタケは「色が奇麗で味に甘
みがある」
(末次社長)のが特徴だ。
自社ブランド名に使っている「木の香」は「家
具の街・大川」をイメージした。地元では、マ
ラソン大会の名称に使われるなどなじみのある
言葉だ。末次社長は「生産地の大川を忘れず、
これからもこの土地でやっていく決意を示して
浄水施設を活用した工場
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いる」と力を込める。
ブランド化目指す
経営革新計画の承認を受けたのは 14 年3月。
拡大はシイタケ業界の課題となっている。末次
「しいたけ菌床の自社製造と新ブランド『木の香
社長は料理を提案しようと、ショッピングセン
しいたけ』の生産・販売」がテーマで、18 年3
ターの売り場でシイタケの南蛮漬けなどを作り、
月までを期間とする。
試食してもらっている。今後、特に好評な料理
菌床の自社製造はシイタケ栽培の普及が目的。
は商品にして特産品化を狙う。シイタケの特産
将来は栽培法の指導と菌床の供給をセットで事
が出てくれば産地イメージの強化につながると
業化する。そして「木の香しいたけ」を地元の
の考えだ。
統一ブランドにする構想だ。末次社長は「大川
市内の空き工場や倉庫を活用できるのではない
か」と期待。栽培工場の設計や施工への協力に
も意欲をみせる。
一方「ブランド化には需要拡大が必要」と消
費拡大にも取り組んでいる。生シイタケは鍋物
用で需要が増える冬がシーズン。冬以外の需要
パック詰めした生シイタケ
ネットワーク広げる
ブランド名「木の香しいたけ」は、大川市を
生産支援事業に特化させる。センターは設備の
流れる筑後川の異名「筑紫次郎」を加えて「木
コンサルティングと栽培ノウハウの提供も手が
の香しいたけ筑紫次郎」に変える計画がある。
ける。販売会社は、センターが菌床を供給した
福岡県南部一帯を流れ、県南部のシンボルと言
生産者からシイタケを仕入れて販売する体制を
える川の名称を付けることでイメージの広域化
構築する。また、シイタケ加工品を含めたイン
を図る。
ターネット販売も行う。末次社長は「自社を大
将来はシイタケ販売の別会社を設立し、大川
きくするよりもネットワークを広げ、地場産業
しいたけ菌床栽培センターは、菌床の提供など
として発展させたい」と意気込む。
企業概要
企 業 名
代 表 者
所 在 地
T E L
F A X
E メール
社 員 数
事業内容
株式会社 大川しいたけ菌床栽培センター
代表取締役 末次 芳光
福岡県大川市下木佐木瓦巻 1161- 1
0944- 88- 9528
0944- 88- 9638
kinoka/[email protected]
14 人
シイタケの菌床栽培
社長 末次 芳光
お問い合わせ
経営革新センター TEL:092-622-5432
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