通し番号 4369 分類番号 20-32-15-01 (成果情報名)不知火の腐敗果軽減には袋掛けが有効である [要約] ‘不知火’の貯蔵中の腐敗を抑制するには、2,3月収穫のいずれにおいても袋掛け 栽培が効果がある。 (実施機関・部名)神奈川県農業技術センター・足柄地区事務所 連絡先0465-29-0506 [背景・ねらい] ‘不知火’は、3月から出荷されるウンシュウミカンに続く品種として全国に導入が進 んでいるが、貯蔵時の腐敗果の発生や樹勢の急激な低下、果実品質のばらつきなどの問題 点がある。本課題では貯蔵中の腐敗果の発生軽減への収穫前の袋掛けの有無と併せてジベ レリン処理の効果について調査を行った。 [成果の内容・特徴] 1 2月及び3月に収穫した果実(2006年度:2007年2月22日・3月14日、2007年度:2008年 2月25日・3月18日)のうち袋掛け処理(2006年11月16日・2007年11月15日)の有無と腐敗 果の発生程度の関係をみると、2月収穫、3月収穫いずれの場合も有袋区の腐敗率抑制 効果が認められた(図1)。 2 3月に収穫した果実(2008年度:2009年3月3日、2007年度:2008年3月18日)を貯蔵庫 で40日間程度貯蔵すると、有袋で栽培した果実の方がジベレリン処理の有無に係わら ず腐敗果が少ない傾向にあった。しかし、ジベレリンのみでの腐敗果の抑制について ははっきりとした効果は確認されなかった(図2)。 [成果の活用面・留意点] 1 2 ‘不知火’の腐敗果を減少させるためには、袋掛けが有効である。 収穫時の取扱いや果実品質、貯蔵中の気象条件にも考慮する必要がある。 [具体的データ] 2月無袋(n=83) 3月無袋(n=88) 30% 20% 10% 0% 20% 10% 4/ 8 4/ 15 4/ 22 4/ 1 3/ 25 3/ 18 3/ 11 3/ 4 2/ 26 2/ 19 4/12 4/5 3/29 3/22 3/15 3/8 3/1 ジベ+有袋 2L(n=72) ジベ+無袋 2L(n=71 有袋 3L・4L(n=62) 無袋 3L・4L(n=64) ジベ+有袋 2L(n=32) ジベ+無袋 2L(n=29) 有袋 3L(n=32) 無袋 3L(n=35) 80% 腐敗果発生率 腐敗果発生率 30% 腐敗果発生率に及ぼす袋掛けとの年次間差と収穫時期の影響(左2006、右2007年度) 80% 60% 40% 20% 60% 40% 20% 0% 0% 0 図2 40% 0% 2/22 図1 2月有袋(n=33) 3月有袋(n=32) 50% 腐敗果発生率 腐敗果発生率 50% 40% 2月無袋(n=33) 3月無袋(n=35) 2月有袋(n=84) 3月有袋(n=75) 14 収穫日からの日数 49 21 0 37 収穫日からの日数 袋掛け処理とジベレリン処理が腐敗果の発生に及ぼす影響(左2008、右2007年度) [資料名] 平成19年度試験研究成績書〈カンキツ・キウイフルーツ〉 平成20年度試験研究成績書〈カンキツ・キウイフルーツ〉 [研究課題名]不知火・はるみの栽培法試験 [研究期間]平成17~21年 [研究者担当名]浅田真一・青木隆・真壁敏明 (1)収穫時期と腐敗果の発生の関係
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