日本標準商品分類番号 〔禁忌(次の患者には使用しないこと)〕 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の 既往歴のある患者 871214 開発 の 経 緯 ペンレステープ 18mgはリドカインを有効成分とする貼付用局所麻酔剤であり、皮膚浸透性が良く 使用が簡便なテープ剤として日東電工株式会社とワイス株式会社により共同開発されました。 臨床の場において静脈留置針穿刺時や伝染性軟属腫摘除時、皮膚レーザー照射療法時の疼痛 緩和は、患者さんの精神的苦痛の緩和及び医師・看護師の医療処置を容易にする上で必要と されており、これらに対して局所麻酔剤の適用が有用です。 本剤は、1994 年10月に静脈留置針穿刺時の疼痛緩和の効能で製造承認を取得し、同年12月より 販売を開始、2001年12月に再審査結果が公示されました。その後、2012 年 6月に伝染性軟属腫 摘除時の疼痛緩和、2013 年 6月に皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和の効能がそれぞれ追加 承認されました。 なお、本剤は 2007年1月、日東電工株式会社に製造販売承認が承継され、2007年 3月よりマルホ 株式会社が販売しています。 特 徴 リドカインを 18 mg 含有する、 使用が簡便な貼付用局所麻酔剤です。 結晶レジボア システムを採用した薬物放出性の高い バーストタイプのテープ剤です。 (2 頁) ® 静脈留置針穿刺時の疼痛、伝染性軟属腫摘除時の疼痛、 皮膚レーザー照射療法時の疼痛を緩和します。(6~9頁) 副作用 (4頁) 静脈留置針穿刺時の疼痛緩和 総症例 6,316 例中、 135 例(2.14%)に副作用が認められ、その主なものは 使用部位の発赤101件(1.60%) 、 そう痒 34 件(0.54%)、接触皮膚炎 10 件 (0.16%)等でした。(承認時及び再審査終了時) ● 伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和 小児臨床試験において総症例 61例中、2 例(3.28%)に副作用が認めら れ、そ の 内 訳 は 適 用 部 位 皮 膚 炎 1 件(1.64%)、適 用 部 位 そう痒感 1 件 (1.64%)でした。(効能追加時) ● ● 1 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和 総症例 148 例中、5 例(3.38%)に副作用が認められ、その内訳は適用 部位紅斑 4 件(2.70%)、蕁麻疹 1 件(0.68%)でした。(効能追加時) 重大な副作用としてショック、アナフィラキシーを起こすことがあります。 薬物放出の仕組み ペンレステープ 18mg は、特許技術である結晶レジボア® システムを採用しています。結晶レジボア® システムとは、下図のように薬物を結晶のまま貯蔵し、薬物放出をコントロールするシステムです。 貼付開始直後 膏体中のリドカイン濃度が 30%以上になると 光 学 顕 微 鏡( L V 10 0 、ニ コ ン 社 製 )を 用 い て 透過光により観察(900倍)。 飽和状態となり、膏体表面にも結晶が露出する。 本剤はリドカインを 60%含有しており、貼付す ると膏体表面に露出した結晶と皮膚表面が接触し て、リドカイン分子が速やかに経皮吸収される 1)。 膏体中の結晶 貼 付 中 20μm/div 膏体中の結晶からリドカイン分子が順次溶け 出し、皮膚中へ移行していく。 光学顕微鏡(VH-8000、キーエンス社製)を用いて、偏光 した透過光により観察 (1500倍) 。 結晶レジボア® システムを採用することにより、本剤ではリドカインを高濃度(60%)に含有すること ができ、放出速度の速い、いわゆる“バーストタイプ”の製剤化が可能となりました。 1) ● 放出試験(in vitro) (%) 100 膏体中のリドカイン濃度を変化させた リドカイン濃度 60% では 20 分後の 放出率がほぼ 100% であった。 80 放出率 ときの放出挙動を検討したところ、 60 リドカイン濃度 10% 40 20% 30% 20 0 測定法:吸光度測定法 0 10 時間 20 (min) 40% 50% 60% 2 ドラッグ・インフォメーション ● 「警告・禁忌を含む使用上の注意」の改訂に十分ご留意ください。 〔 禁忌(次の患者には使用しないこと)〕 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者 組成・性状 成 分・含 量 (1 枚中) リドカイン 18 mg 添 加 物 アクリル酸・アクリル酸オクチル エステル共重合体 色 ・ 剤 白色半透明の粘着テープ剤 形 30.5×50.0 mm 30 mg 外 形・大 き さ 膏体重量 識 別 コ ード ND101 有効成分に関する理化学的知見 一 般 名:リドカイン(Lidocaine) (JAN) 構 造 式: CH3 H 化 学 名: 2 - Diethylamino - N (2, 6 - dimethylphenyl)acetamide N N CH3 分 子 式:C 14 H 22 N 2 O O 分 子 量:234.34 CH3 CH3 融 点:66~69℃ 性 状:本品は白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。 本品はメタノール又はエタノール (95) に極めて溶けやすく、酢酸 (100) 又はジエチルエーテルに溶けやすく、 水にほとんど溶けない。 本品は、希塩酸に溶ける。 * 効能・効果 1. 静脈留置針穿刺時の疼痛緩和 2. 伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和 3. 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和 * 用法・用量 1. 静脈留置針穿刺時の疼痛緩和 本剤を 1 回 1 枚、静脈留置針穿刺予定部位に約 30 分間貼付する。 2. 伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和 通常、小児には本剤 1 回 2 枚までを、伝染性軟属腫摘除予定部位に約 1 時間貼付する。 3. 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和 通常、成人には本剤 1 回 6 枚まで、小児には下記枚数までを、レーザー照射予定部位に約 1 時間貼付する。 年齢 1 回あたりの最大貼付枚数 3 歳以下 2枚 4 歳~5 歳 3枚 6 歳~7 歳 4枚 8 歳~9 歳 5枚 10 歳以上 6枚 <用法・用量に関連する使用上の注意> 1. 本剤除去後直ちに処置等を行うこと。 2. 伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和に使用する場合、本剤を患部に応じた適切な大きさに切って貼付すること。 3. 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和に使用する場合、小児における本剤の貼付枚数は、体重、患部の大きさを 考慮して、必要最小限にとどめること(「小児等への投与」、 「臨床成績」の項参照)。 3 *2013 年 6 月改訂 使用上の注意 1. 相互作用 本剤は、主として肝代謝酵素 CYP1A2 及び CYP3A4 で代謝される。 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等 クラスⅢ抗不整脈剤 アミオダロン等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、 作用が増強することが 心電図検査等によるモニタリングを行うこと。 考えられる。 * 2. 副作用 ・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和 総症例 6,316 例中、135 例(2.14%)に副作用が認められた。その主なものは使用部位の発赤 101 件(1.60%)、そ う痒 34 件(0.54%)、接触皮膚炎 10 件(0.16%)等であった。[承認時及び再審査終了時] ・伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和 小児臨床試験において総症例 61 例中、2 例(3.28%)に副作用が認められた。その内訳は適用部位皮膚炎 1 件 (1.64%)、適用部位そう痒感 1 件(1.64%)であった。[効能追加時] ・皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和 総症例148例中、5例(3.38%)に副作用が認められた。その内訳は適用部位紅斑4件(2.70%)、蕁麻疹1件(0.68%) であった。[効能追加時] (1)重大な副作用(頻度不明) ショック、アナフィラキシー ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳 鳴、発汗、全身潮紅、呼吸困難、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、血圧低下、顔面蒼白、脈拍の異常、意識障害等の 異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。 なお、本剤除去後にも、同様症状を起こすことがあるので、注意すること。 (2)その他の副作用 以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。 なお、貼付が長時間にわたると皮膚症状が強くあらわれるおそれがあるので注意すること。 副作用の頻度 0.1~5%未満 0.1%未満 頻度不明 過敏症注 1) 発赤、そう痒、接触皮膚炎 刺激感、蕁麻疹 熱感 皮 膚 色素沈着 皮膚剥離注 2) 注 1)使用を中止するなど適切な処置を行うこと。 注 2)本剤除去時に起こることがあるので注意すること。 3. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用する こと。 [妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。] * 4. 小児等への投与 低出生体重児、新生児及び乳児に対する安全性は確立していない。 [臨床試験において使用経験がない。] 5. 過量投与 局所麻酔剤の血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。その症状は、主に中枢神経系及び心血管系の徴候、症 状としてあらわれる。 徴候、症状: 中枢神経系の症状:初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、 耳 鳴 、視 覚 障 害 、振 戦 等 が あ ら わ れ る 。 症 状 が 進 行 す る と 意 識 消 失、全 身 痙 攣 が あ ら わ れ、こ れ ら の 症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来す こともある。 心血管系の症状:血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心 室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。 4 ドラッグ・インフォメーション *2013 年 6 月改訂 処置: 過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい。 (1)中枢神経系及び心血管系の症状が起きたら直ちに本剤を剥離する。 (2)呼吸を維持し、酸素を十分投与することが重要である。必要に応じて人工呼吸を行う。振戦や痙攣が 著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を 投与する。心機能抑制に対しては、カテコールアミン等の昇圧剤を投与する。心停止を来した場合に は直ちに心マッサージを開始する。 * 6. 適用上の注意 使用部位 (1)湿疹又は発疹の部位に使用しないこと。 (2)損傷皮膚及び粘膜に使用しないこと。 (3)静脈留置針穿刺時の疼痛緩和に使用する場合、本剤を皮膚からはがした後、穿刺部位を消毒すること。 使用時 本剤を切って使用した場合、残薬は廃棄すること。 * 7. その他の注意 (1)ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがある。 (2)シミ、シワ、ニキビ跡、脱毛等(半導体レーザーや炭酸ガスレーザー等を用いた皮膚レーザー照射療法)に対する 本剤の有効性及び安全性は検討されていない(「臨床成績」の項参照)。 5 臨床成績 「警告・禁忌を含む使用上の注意」等は3~5 頁をご参照ください。 ● 臨床効果 2) ● 静脈留置針穿刺時の疼痛緩和 (後期第Ⅱ相試験) 試験デザイン:多施設共同二重盲検比較試験 対 象:静脈留置針穿刺を必要とする手術予定患者 方 法:穿刺予定部位にペンレステープ※または 10%リドカインテープ 1 枚を約 30 分間 貼付し、除去後直ちに静脈留置針(16 ~ 22G)を穿刺した。 有効性解析対象:10%リドカインテープ群 123 例 ペンレステープ群 129 例 安全性解析対象:10%リドカインテープ群 135 例 ペンレステープ群 134 例 評 価 項 目:有効性、安全性、概括安全度、相対的満足度 有効性は、留置針穿刺時の疼痛の程度により下記の 5 段階で評価した。 1:著効、2:有効、3:やや有効、4:どちらともいえない、5:無効 ※ペンレステープはリドカインを 60% 含有しています。 ペンレステープ群の有効性 ペンレステープ群は、著効 22 例、有効 66 例で有効以上の有効率は 68.2%であった。 (n=129) 17.1 51.2 11.6 0 14.0 50 100 (%) 有効率 著効 有効 6.2 やや有効 どちらともいえない 無効 本試験における副作用 10%リドカインテープ群で 135 例中1例(0.7%)、ペンレステープ群で 134 例中1例(0.7%)に貼付部の 皮膚発赤が認められた。 2) 花岡一雄ら:基礎と臨床 , 26 (9) , 4101 (1992) (承認時評価資料) 用法・用量に関連する使用上の注意:本剤除去後直ちに処置等を行うこと。 関連する使用上の注意:適用上の注意 静脈留置針穿刺時の疼痛緩和に使用する場合、本剤を皮膚からはがした後、穿刺部位を消毒すること。 本剤を切って使用した場合、残薬は廃棄すること。 6 3) ● 伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和 (第Ⅲ相試験) 試験デザイン:無作為化二重盲検比較試験 対 象:4~ 11 歳の伝染性軟属腫患者 方 法:伝染性軟属腫 1個に対し、ペンレステープまたはプラセボの 8 分割小片を1枚貼 付した。それぞれ 4 枚ずつ計8枚を60 分間(最長 90 分まで)貼付し、除去後、 貼付部位の伝染性軟属腫を各3 個摘除した。摘除後、被験者本人がプラセボ の疼痛緩和効果の優劣比較判定を行った。 有効性および安全性解析対象:61例 評 価 項 目: [主要評価項目]疼痛緩和効果の優劣比較判定 ペンレステープ貼付部位の方が痛くなかった例数 ※有効率(%)= ×100 疼痛緩和効果の優劣比較判定が評価された例数 [副次評価項目]疼痛緩和効果のVRS 評価 [安 全 性]有害事象、理学的検査の推移、臨床検査値の推移 解 析 計 画:主要評価項目に関しては、疼痛緩和効果の優劣比較の集計を行い、有効率 およびその 95%信頼区間を算出し、副次的に符号検定を行った。有意水準は 両側 5%とした。 疼痛緩和効果の優劣比較判定 主要評価項目 ペンレステープの有効率は 83.6%、95%信頼区間は 71.9 ~ 91.8%であった。 p<0.0001、符号検定(A vs B 及び C) 83.6 (n= 61) 4.9 0 50 100 (%) 有効率 ペンレステープ 18 mg 貼付部位の方が痛くなかった(A) 11.5 ペンレステープ 18 mg 貼付部位の方が痛かった(B) テープ基剤貼付部位とペンレステープ 18 mg 貼付部位で痛みの違いはなかった(C) 本試験における副作用 安全性解析対象 61例中 2 例(3.3%)に認められた。内訳は適用部位皮膚炎、適用部位そう痒感が 各1件であった。 3) 川島 眞ら:臨床医薬 , 28(6) , 489 (2012) (効能追加承認時評価資料) 承認用法・用量:伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和では通常、小児には本剤 1 回 2 枚までを、伝染性軟属腫摘除予定部位に約 1 時間貼付する。 用法・用量に関連する使用上の注意:本剤除去後直ちに処置等を行うこと。 7 臨床成績 ● 太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症に対する 4) 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和(第Ⅲ相比較臨床試験) 試験デザイン:多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験 対 象:15 歳以上の太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑及び外傷性色素沈着症患者 方 法:試験薬非貼付部位にレーザーを6ショット照射しVASを評価した後、ペンレス テープまたはプラセボ 1~6 枚を60 分間貼付し、除去後、レーザーの照射エネル ギーを変えずに6ショット照射しVASを評価した。 有効性および安全性解析対象:ペンレステープ群 58 例、プラセボ群 30 例 評 価 項 目: [主要評価項目] VAS 変化率=(非貼付部位のVAS 値-貼付部位のVAS 値) /非貼付部位のVAS 値×100 ※VAS(Visual Analogue Scale) :100mmのスケールを用い、痛みを評価する視覚アナログス ケール。数値が大きい方が痛みは強い。 [副次評価項目]試験薬貼付部位のVAS 値、VAS 変化量、試験薬貼付部位の VRS 値 [安 全 性]有害事象、バイタルサインの推移、臨床検査値の推移 解 析 計 画:主要評価項目のVAS 変化率の群間比較は 2 標本t検定を用いた。有意水準は すべて両側5%とした。 VAS 変化率 主要評価項目 VAS 変化率の平均±標準偏差は、ペンレステープ群は-26.71±41.69%、プラセボ群は-6.74±35.08% であり、ペンレステープ群はプラセボテープ群に対して有意な差が認められた。 2 標本 t 検定、mean±S.D. 本剤貼付群 -26.71 (n= 58) p=0.0274 テープ基剤 貼付群 -6.74 (n= 30) 0 -50 -100 (%) VAS 変化率 *1:VAS(Visual Analogue Scale) :100mm のスケールを用い痛みを評価する視覚アナログスケール。数値が大きい方が痛みは強い。 *2:VAS 変化率:-(非貼付部位の VAS 値-貼付部位の VAS 値)/非貼付部位の VAS 値 ×100 本試験における副作用 ペンレステープ群において、適用部位紅斑が58例中3例(5.2%)および蕁麻疹が58例中1例(1.7%)に、 プラセボ群において適用部位紅斑が 30 例中1例(3.3%)に認められた。 4) 渡辺晋一ら:臨床医薬 , 29 (6) , 571 (2013) (効能追加承認時評価資料) 用法・用量に関連する使用上の注意:皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和に使用する場合、小児における本剤の貼付枚数は、体重、患部の大き さを考慮して、必要最小限にとどめること(「小児等への投与」、 「臨床成績」の項参照)。 8 5) ● 血管腫に対する皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和 (第Ⅲ相比較臨床試験) 試験デザイン:多施設共同非盲検非対照試験 対 象:顔面、体幹、四肢に血管腫を有し、レーザー治療を受ける1 歳以上の患者42 例 (単純性血管腫:21例、苺状血管腫:10 例、毛細血管拡張症:11例)。 方 法:ペンレステープを血管腫の面積、年齢に応じて、1 歳以上 6 歳以下は 1 ~ 2 枚、 7 歳以上 9 歳以下は 1 ~ 4 枚、10 歳以上は 1 ~ 6 枚を 60 分間貼付した。 試験薬を除去後、貼付部位に 6ショットのレーザー照射を行い、照射終了後に 本剤の疼痛緩和効果を評価した。 有効性解析対象:29 例 安全性解析対象:42 例 評 価 項 目:被験薬貼付部位のVRS および医師評価 ※VRS(Verbal Rating Scale) :レーザー照射時の疼痛の程度により、痛くないまたはレーザー 照射の間隔はあるが痛くない、少し痛い、痛い、すごく痛いの 4 段階で評価 [安 全 性]有害事象、バイタルサインの推移 解 析 計 画:有効性解析対象集団を対象に被験薬貼付後のレーザー照射時の疼痛について、 VRS および医師評価を集計した。 VRS 評価 「痛くないまたはレーザー照射の感覚はあるが痛くない」が 34.5%(10/29 例)、 「少し痛い」が 58.6% (17/29 例)で最も多く、 「痛い」が 6.9%(2/29 例)、 「すごく痛い」が 0%であった。 34.5 (n=29) 0 58.6 6.9 50 100 (%) 痛みの評価 痛くないまたはレーザー照射の感覚はあるが痛くない 0 少し痛い 痛い すごく痛い 本試験における副作用 安全性解析対象 42 例中1例(2.4%)に適用部位紅斑が認められた。 5) 渡辺晋一ら:臨床医薬 , 29 (6) , 585 (2013) (効能追加承認時評価資料) 用法・用量に関連する使用上の注意:皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和に使用する場合、小児における本剤の貼付枚数は、体重、患部の大き さを考慮して、必要最小限にとどめること(「小児等への投与」、 「臨床成績」の項参照)。 9 臨床成績 副 作 用 6) ● 静脈留置針穿刺時の疼痛緩和 総症例 6,316 例中、135 例(2.14%)に副作用が認められた。その主なものは使用部位の発赤 101 件 (1.60%)、そう痒34件(0.54%)、接触皮膚炎10件(0.16%)等であった。[承認時及び再審査終了時] 調査症例数 副作用発現症例数 副作用発現件数 副作用発現症例率 (%) 承認時まで 使用成績調査 計 374 6 6 1.60 5,942 129 153 2.17 6,316 135 159 2.14 副作用の種類 副作用発現件数 (%) 過敏症 発 赤 そう痒 湿 疹 接触皮膚炎 刺激感 皮膚炎 皮膚の腫脹 発 疹 96( 1.62) 33( 0.56) 2( 0.03) 10( 0.17) 1( 0.02) 3( 0.05) 1( 0.02) 1( 0.02) 101( 1.60) 34( 0.54) 2( 0.03) 10( 0.16) 1( 0.02) 3( 0.05) 1( 0.02) 1( 0.02) 0 0 4( 0.07) 1( 0.02) 4( 0.06) 1( 0.02) 0 1( 0.02) 1( 0.02) 5( 1.34) 1( 0.27) 0 0 0 0 0 0 皮 膚 色素沈着 圧 迫 中枢・末梢神経系障害 感覚鈍麻 6) 日東電工 (株) 社内資料(副作用集計) 10 ● 伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和 小児臨床試験において総症例 61 例中、2 例(3.28%)に副作用が認められた。その内訳は適用部位 皮膚炎 1 件(1.64%)、適用部位そう痒感 1 件(1.64%)であった。[効能追加時] 計 61 2 2 3.28 調査症例数 副作用発現症例数 副作用発現件数 副作用発現症例率 (%) 副作用の種類 副作用発現件数 (%) 一般・全身障害 及び 投与部位の状態 適用部位そう痒感 適用部位皮膚炎 1( 1.64) 1( 1.64) ● 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和 総症例 148 例中、5 例(3.38%)に副作用が認められた。その内訳は適用部位紅斑 4 件(2.70%)、 蕁麻疹 1 件(0.68%)であった。[効能追加時] 計 調査症例数 副作用発現症例数 副作用発現件数 副作用発現症例率 (%) 副作用の種類 148 5 5 3.38 副作用発現件数 (%) 一般・全身障害 及び 投与部位の状態 適用部位紅斑 蕁麻疹 11 4( 2.70) 1( 0.68) 臨床成績 皮膚刺激性試験 7) 健康成人男女各 15 例、皮膚疾患患者 5 例(アトピー性皮膚炎 4 例、多形紅斑 1 例)を対象に 2 時間 又は 4 時間のパッチテスト(貼付部位:上肢屈側)を実施した。その結果、本剤の刺激指数は 2 時間貼付では 14.3、4 時間貼付では 24.3 であり、総合判定では許容品と判定された。 ■ 判定基準:15 未満:安全品、15 以上 30 未満:許容品、30 以上 60 未満:要改良品、60 以上:リスク品(本邦パッチテスト研究会の判定基準による) 対 象 貼付 時間 (hr) 試 料 24 時間後 判定 例数 被験者 総 数 評点 総和 皮膚 刺激 指数 判 定 - ± + - ± テープ基剤 19 5 4 1 1 30 8.0 26.7 許容品 ペンレス テープ18mg 23 6 1 0 0 30 4.0 13.3 安全品 テープ基剤 26 4 0 0 0 30 2.0 6.7 安全品 ペンレス テープ18mg 17 10 3 0 0 30 8.0 26.7 許容品 テープ基剤 5 0 0 0 0 5 0.0 0.0 安全品 ペンレス テープ18mg 4 0 1 0 0 5 1.0 20.0 許容品 テープ基剤 5 0 0 0 0 5 0.0 0.0 安全品 ペンレス テープ18mg 4 1 0 0 0 5 0.5 10.0 安全品 2 ペンレス テープ18mg 27 6 2 0 0 35 5.0 14.3 安全品 4 ペンレス テープ18mg 21 11 3 0 0 35 8.5 24.3 許容品 2 健康成人 4 2 皮膚疾患 患 者 4 ペンレス テープ18mg 合計 30 分後 判定 例数 7) 須貝哲郎:皮膚 , 34 (3) , 355 (1992) (承認時評価資料) 承認用法・用量:静脈留置針穿刺時の疼痛緩和では、本剤を 1 回 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和を目的に小児に使用する際の年齢別最大貼付枚数 1 枚、静脈留置針穿刺予定部位に約 30 分間貼付する。伝染性軟 1 回あたりの 1 回あたりの 年齢 年齢 属腫摘除時の疼痛緩和では通常、小児には本剤 1 回 2 枚までを、 最大貼付枚数 最大貼付枚数 伝染性軟属腫摘除予定部位に約 1 時間貼付する。皮膚レーザー 3 歳以下 8 歳~9 歳 2枚 5枚 照 射 療 法 時 の 疼 痛 緩 和 で は 通 常、成 人 に は 本 剤 1 回 6 枚 ま で、 4 歳~5 歳 10 歳以上 3枚 6枚 小児には右表の枚数までを、レーザー照射予定部位に約1時間 6 歳~7 歳 4枚 貼付する。 12 薬物動態 吸 収・排 泄 健康成人 8) 健康成人男子 6 例の上肢内側に本剤 2 枚(リドカインとして 36mg)を 4 時間単回貼付したところ、 リドカインの血清中濃度推移、尿中排泄率及びテープ中残存率は以下のとおりであった。 血清中濃度推移 貼付開始 6 時間後(除去 2 時間後)に最高血清中濃度(リドカインとして 13 . 2 ng/mL)に達した。血清中 濃度はその後緩やかに減少し、貼付開始 24 時間後では定量限界(2 ng/mL)未満となった。 (ng/mL) 測定法:GC 30 mean±S.D. n=5~6 血清中リドカイン濃度 薬物動態パラメータ 25 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) AUC0~28(ng・hr/mL) 13.2±14.0 ペンレステープ18 mg 2枚 4 時間貼付 20 6.0 90.5±53.8 T1/2(hr) 1.65 15 10 5 2 (定量限界) 0 2 4 5 6 7 8 貼 付 開 始 後 時 間 12 24 28 (hr) 尿中排泄率 貼付開始から 28 時間後(除去 24 時間後)までの未変化体の累積尿中排泄率は、貼付量の 0.04% で あった。 貼付後のテープ中リドカイン残存率 4 時間貼付後のテープにおけるリドカイン平均残存率は 83.0% であり、経皮吸収率は約 17%と推察された。 13 伝染性軟属腫患者 9) 群別血清中濃度推移 6~8 歳の小児伝染性軟属腫患者 18 例に、本剤 2 枚(リドカインとして36mg)を非分割群 12 例又は 分割群(1 枚につき 8 分割)6 例に 2 時間単回貼付したところ、リドカインの群別血清中濃度推移 は以下のとおりであった。なお、被験者毎の測定ポイントは 2 点であった。 測定法:LC/MS/MS mean±S.D. (ng/mL) 100 血清中濃度推移 非分割群 90 貼付後 時間 ペンレステープ18 mg 2枚 2 時間貼付 80 1hr 分割群 最小値 ー 最小値 ー mean± mean± 最大値 最大値 S.D. (中央値) S.D. (中央値) 血清中リドカイン濃度 0.000ー 1.86± 9.182 3.62 (0.3580) - - 70 0.000ー 0.9547ー 2hr 30.15± 12.52± 195.7 23.37 (除去直後) 56.74 (5.075) 7.99 (13.00) 60 4hr 1.457ー 3.627ー 13.85± 10.62± (除去後 27.31 17.97 2hr) 9.73 (12.98) 4.87 (11.33) 50 (ng/mL) 40 非分割群 (n=12) 分割群 30 (n=6) 20 (n=6) 10 0 (n=6) 0 1 (n=6) 2 4 貼 付 開 始 後 時 間 (hr) 承認用法・用量:伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和では通常、小児には本剤 1 回 2 枚までを、伝染性軟属腫摘除予定部位に約 1 時間貼付する。 関連する使用上の注意:適用上の注意 本剤を切って使用した場合、残薬は廃棄すること。 14 被験者別血清中濃度推移 6~8 歳の小児伝染性軟属腫患者 18 例に、本剤 2 枚(リドカインとして36mg)を非分割群 12 例又は 分割群(1 枚につき 8 分割)6 例に 2 時間単回貼付したところ、リドカインの被験者別血清中濃度 推移は以下のとおりであった。なお、被験者毎の測定ポイントは 2 点であった。 〈 非分割群 〉 (ng/mL) 〈 分割群 〉 ペンレステープ18 mg 2 枚 2 時間貼付 (ng/mL) 200 200 測定法:LC/MS/MS 測定法:LC/MS/MS n=12 n=6 血清中リドカイン濃度 血清中リドカイン濃度 65 60 55 50 45 40 65 60 55 50 45 40 35 35 30 30 25 25 20 20 15 15 10 10 5 5 0 ペンレステープ18 mg 2 枚 2 時間貼付 0 1 2 貼付開始後時間 4 0 0 (hr) 1 2 貼 付 開 始 後 時 間 4 (hr) 承認用法・用量:伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和では通常、小児には本剤 1 回 2 枚までを、伝染性軟属腫摘除予定部位に約 1 時間貼付する。 関連する使用上の注意:適用上の注意 本剤を切って使用した場合、残薬は廃棄すること。 15 薬物動態 皮膚レーザー照射療法患者 10) 血清中濃度推移 成人の太田母斑、扁平母斑患者 12 例の顔面母斑患部に、本剤 1 枚(リドカインとして 18mg)又は 3 枚(リドカインとして 54mg)を 2 時間貼付したところ、リドカインの血清中濃度推移は以下の とおりであった。 測定法:LC/MS/MS (ng/mL) 170 mean±S.D. 各群 n = 6 2 時間貼付 薬物動態パラメータ 160 投与群 150 血清中リドカイン濃度 140 130 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) AUC0~24(ng・hr/mL) T1/2(hr) 1 枚貼付群 25.2±22.5 2.2±0.4 112.7±86.4 3.7±0.9 3 枚貼付群 92.4±68.8 2.2±0.4 395.9±259.0 3.7±1.0 120 110 100 90 80 1 枚貼付群 3 枚貼付群 70 60 50 40 30 20 10 0 0.5 1 2 3 4 5 6 8 貼 付 開 始 後 時 間 12 24 (hr) また、成人の太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症患者 58 例に、本剤 1 枚~ 6 枚 を 1 時間貼付したときの血清中リドカイン濃度の最大値は 144.8ng/mL(顔面 3 枚貼付、除去直後 時)4)、1 歳以上の小児及び成人血管腫患者(単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症)42 例に、 本剤 1 枚~6 枚を 1 時間貼付したときの血清中リドカイン濃度の最大値は 322.1ng/mL(1 歳、体重 11kg、顔面 2 枚貼付、除去直後時)、成人で 206.7ng/mL(52 歳、体重 46kg、顔面 6 枚貼付、除去直後 時)であった 5)。 承認用法・用量:皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和では通常、 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和を目的に小児に使用する際の年齢別最大貼付枚数 成人には本剤 1 回 6 枚まで、小児には右表の枚数までを、レーザ 1 回あたりの 1 回あたりの 年齢 年齢 ー照射予定部位に約1時間貼付する。 最大貼付枚数 最大貼付枚数 3 歳以下 8 歳~9 歳 2枚 5枚 用法・用量に関連する使用上の注意:皮膚レーザー照射療法時の 疼痛緩和に使用する場合、小児における本剤の貼付枚数は、体重、 4 歳~5 歳 10 歳以上 3枚 6枚 患部の大きさを考慮して、必要最小限にとどめること(「小児等へ 6 歳~7 歳 4枚 の投与」、 「臨床成績」の項参照)。 16 薬物動態 分布(ラット) 1) ラット(体重 184.5~196.2g)に本剤 1 枚を 2 時間貼付し、貼付部位の皮膚中、筋肉中及び血清中濃度 を測定したところ、リドカインの皮膚中濃度は貼付開始 2 時間後に最高(121.4μg/g)となり、筋肉 中濃度は貼付開始 2 時間後まで 0.19~0.27μg/g と緩やかに上昇し、以後、速やかに減少した。 測定法:窒素検出器を装着した GC (μg/mL or g) mean±S.E. ペンレステープ18 mg 1 枚 2 時間貼付 n=2~5 1000 皮 膚 100 リドカイン濃度 10 1 筋 肉 0.1 ( 皮 膚 中・筋 肉 中 濃 度 定 量 限 界:0.025μg/g) 0.01 血 清 ( 血 清 中 濃 度 定 量 限 界:0.002μg/mL) 0.001 0.5 1 2 2.5 3 4 6 貼付開始後時間 17 8 10 24 (hr) 薬効薬理 臨床薬理試験 11) 麻酔持続効果 健康成人男子の左右手甲にあらかじめ確認選定した痛点が中央になるようにテープ基剤及び 本剤各 1 枚を 30 分間貼付し、除去後 30 分毎に痛点をマンドリン線で圧して痛みを問診した結果、 本剤の平均疼痛スコアの推移は以下のとおりであった。 ■ 評価基準:疼痛の程度を無痛 0 点、少し痛い 1 点、痛い 2 点、すごく痛い 3 点として評価 (点) 3 テープ基剤 平均疼痛スコア 2 * 1 ペンレステープ 18 mg * *:p<0.05 Scheffé の多重比較検定(vsテープ基剤) 30 分間貼付 0 貼付前 除去直後 各群 n =10 30 60 テ ー プ 除 去 後 時 間 90 120 (min) 18 薬効薬理 非臨床試験 12) 局所麻酔作用(モルモット) モルモットの背部皮膚に 3×2.5 cm の各種テープ(リドカイン濃度 0、10、30 及び 60%)を 30 分又は 60 分間貼付した。除去後 10 分毎に貼付部位をマンドリン線で 6 回刺激し、惹起された攣縮反応の 回数を経時的に測定した。その結果、10、30 及び 60%リドカインテープは濃度依存的に攣縮反応を 抑制し、60%リドカインテープの抑制効果が最大であった。 〈30 分貼付〉 〈60 分貼付〉 (回) (回) 6 6 * * * 5 ** ** ** ** ** ** ** ** 4 ** ** ** ** ** ** ** ** 3 2 リドカイン濃度 n =10 mean±S.E. * : p<0.05 ** : p<0.01 Dunnett の多重比較検定(vs0%群) 0% 10% 30% 60% 1 0 10 20 30 40 50 60 90 ** 5 攣 縮 反 応 回 数 攣 縮 反 応 回 数 ** ** ** ** 4 ** ** ** ** ** ** ** ** ** 2 リドカイン濃度 n =10 mean±S.E. * : p<0.05 ** : p<0.01 Dunnett の多重比較検定(vs0%群) 0% 10% 30% 60% 1 0 10 20 30 40 50 (min) テープ除去後の時間 19 ** ** ** 3 ** ** ** 60 90 (min) テープ除去後の時間 一般薬理試験及び毒性試験 一般薬理試験 13) ラットの一般行動に及ぼす影響 ラットに本剤及びテープ基剤を 24 時間貼付したところ、貼付中及び除去 24 時間後まで一般行動に 影響を及ぼさなかった。 麻酔ラットの循環器系に及ぼす影響 ウレタン・クロラロース麻酔下のラットに本剤及びテープ基剤を 2 時間貼付したところ、貼付中及び 除去 2 時間後まで血圧、心拍数に有意な影響を及ぼさなかった。(Dunnett の多重比較検定) また、心電図にも変化は認められなかった。 毒性試験 14) 局所刺激性(モルモット) 本剤及びテープ基剤をモルモットの健常皮膚及び角質剥離皮膚に 2、5、10 又は 24 時間貼付した 皮膚一次刺激性試験において、貼付 2 時間及び 5 時間では刺激反応は認められず、10 時間貼付 後に非常に軽度の紅斑が、24 時間貼付後に軽度~重度の紅斑及び非常に軽度~軽度の浮腫が 認められた。なお、この皮膚反応の程度は両製剤間、健常皮膚と角質剥離皮膚間でほぼ同等 であった。 15) 抗原性(モルモット) モルモットを用いた皮膚感作性試験(Adjuvant and patch test)の結果、感作性は認められな かった。 20 製剤学的事項 各種条件下における安定性 保存条件 温度 湿度 光 保存 形態 保存 期間 長期保存 試験 25℃ ─ 暗所 包装品※ 3年 加速試験 40℃ 75%RH 暗所 包装品※ 6ヵ月 変化なし 6ヵ月 変化なし 暗所 包装品※ 4ヵ月 変化なし 試験 40℃ ─ 50℃ 25℃ 90%RH 40℃ 未包装品 6ヵ月 75%RH 室温 ─ 定量値のわずかな低下(規格内) 変化なし 暗所 苛酷試験 結果 包装品※ 白色 蛍光灯下 1,000Lux 未包装品 1ヵ月目以降テープ周辺部の透明化 定量値、放出率の低下 変化なし 63日 42 日目以降テープ周辺部の透明化 定量値、放出率のわずかな低下(規格内) 保存条件 ─:制御せず ※ ポリエステルラミネートフィルム袋包装 試験項目:性状、確認試験、形状試験、粘着性試験、放出試験、類縁物質、定量 取扱い上の注意 規制区分:劇薬 貯 法:室温保存 使用期限:表示の使用期限内に使用すること。 (3 年) (使用期限内であっても、開封後はなるべく速やかに使用すること。) 包装 50 枚(1 枚 ×50)、200 枚(1 枚 ×200) 21 関連情報 承認番号:22000AMX01557000 承認年月:2008 年 4 月〔旧販売名「ペンレス®」 :1994 年 10 月〕 薬価基準収載年月:2008 年 6 月〔旧販売名「ペンレス®」 :1994 年 12 月〕 販売開始年月:1994 年 12 月 再審査結果公表年月:2001 年 12 月〔静脈留置針穿刺時の疼痛緩和〕 再審査期間満了年月:2016 年 6 月(4 年) 〔伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和〕 2017 年 6 月(4 年) 〔皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和〕 効能追加承認年月:2012 年 6 月〔伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和〕 2013 年 6 月〔皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和〕 主要文献 1)徳田祥一ら:日東技報 , 31(2),70(1993) 2)花岡一雄ら:基礎と臨床 , 26(9),4101(1992) (承認時評価資料) 3)川島 眞ら:臨床医薬 , 28(6),489(2012) (効能追加承認時評価資料) 4)渡辺晋一ら:臨床医薬 , 29(6),571(2013) (効能追加承認時評価資料) 5)渡辺晋一ら:臨床医薬 , 29(6),585(2013) (効能追加承認時評価資料) 6)日東電工(株)社内資料(副作用集計) 7)須貝哲郎:皮膚 , 34(3),355(1992) (承認時評価資料) 8)横田秀雄ら:基礎と臨床 , 26(12),4711(1992) 9)川島 眞ら:臨床医薬 , 28(6),481(2012) 10)藤村昭夫ら:臨床医薬 , 29(6),561(2013) 11)花岡一雄ら:基礎と臨床 , 26(9),4077(1992) 12)日東電工(株)社内資料(リドカインテープの薬効試験-モルモット背部皮膚による局所麻酔作用-) (1992) 13)日東電工(株)社内資料(リドカインテープのラット一般行動および循環器系に及ぼす影響) (1993) 14)日東電工(株)社内資料(リドカインテープのモルモットにおける皮膚一次刺激性試験) (1991) 15)日東電工(株)社内資料(L-740( リドカインテープ)のモルモットにおける皮膚感作性試験-Adjuvant and patch 法-) (1991) 〔文献請求先・製品情報に関するお問い合わせ先〕 マルホ株式会社 製品情報センター TEL 012 0‐12‐2 8 3 4 ● 本資材は 『医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領』に則り作成しています。 22 1075501009 2016 年 6月作成 A9999 BX‐FD
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