直前対策・ズバリ予想

(補助レジュメ)
2009年9月試験対策
2級 FP 技能士・AFP 試験
直前対策・ズバリ
直前対策・ズバリ予想
・ズバリ予想
[学科編]
学科編]
<ライフプランニング>
ライフプランニング>
①コンプライアンス
税理士法、消費者契約法、金融商品販売法、金融商品取引法、著作権
②労災
③企業年金制度
確定拠出年金、中小企業退職金共済制度、小規模共済、国民年金基金
④遺族厚生年金
⑤老齢厚生年金のしくみ
公的年金併給調整、年金の繰上げ請求
⑥国民年金のしくみ
⑦退職者、高齢者の医療保険制度
任意継続被保険者制度、後期高齢者医療保険制度
⑧クレジットカードの特徴
⑨中小企業の資金調達
<過去問抜粋>
(過去問・
過去問・H19 年 5 月試験 問題 10)
10)
中小企業の
中小企業の資金調達と
資金調達と財務諸表に
財務諸表に関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切なものはどれか
不適切なものはどれか。
なものはどれか。
1.資金調達に当たっては、企業活動による資金調達による資金循環を表す財務諸表等を把握、
検討する必要がある。
2.企業活動のうち、販売・管理活動による一定期間の営業成果を損益として記録、集約した
ものが、
「損益計算書」として作成される。
3.財務諸表のうち、決算日等に資産、負債、純資産(資本)の区分けで残高を集約したもの
が、
「貸借対照表」として作成される。
4.
「資金運用表」は、日々(月次、年次)の資金の動きを把握するために作成され、
「資金繰
り表」は、資金運用・調達の結果を把握、検討するために作成される。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 4
1.適切
記述の通り。
2.適切
記述の通り。
3.適切
記述の通り。
4.不適切 「資金繰り表」が、日々(月次、年次)の資金の動きを把握するために作成され
るものであり、「資金運用表」が、資金運用・調達の結果を把握、検討するため
2
に作成されるものである。記述が逆である。
(過去問・
過去問・H20 年 1 月試験 問題 9)
企業の
企業の資金調達に
資金調達に関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切なものはどれか
不適切なものはどれか。
なものはどれか。
1.運転資金の調達計画においては、経常運転資金のほか、一時的な運転資金(例えば季節的
な仕入れ増や売上減に伴うもの)も考慮に入れる必要がある。
2.設備投資においては、投資目的やその効果、投資時期のタイミング、さらには資金計画・
償還財源などを検討する必要がある。
3.長期借入金の年間返済額が減価償却前の税引後当期利益以上の場合、企業の資金繰りを圧
迫する要因となるおそれがある。
4.受注先や販売先から取得した受取手形の割引・裏書譲渡は、資金運用の一手法である。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 4
1.適切
経常運転資金だけでなく、一時的な運転資金も支出には変わりないので、資金
の調達計画には考慮する必要がある。
2.適切
設備投資では投資目的やその効果、投資時期のタイミングが重要であり、投資に
対する資金計画・償還財源なども考慮しなくてはならない。
3.適切
長期借入金の年間返済額が減価償却前の税引後当期利益以上ということは、毎年
の収入以上に返済するということであり、企業の資金繰りを圧迫する要因となる。
4.不適切
受取手形は現金になるまで時差があるので、手形の割引や裏書譲渡は、早急に現
金が必要な場合の資金調達方法であるが、資金運用の一手法であるとはいえない。
⑩住宅ローン
変動金利、固定金利、係数の使い方、フラット35、住宅ローン控除
3
<リスク管理
リスク管理>
管理>
①生命保険の税務
生命保険の課税関係、生命保険料控除
②法人の経理処理
ハーフタックスプラン、長期平準定期保険等
③リスク管理と保険加入アドバイス
<過去問抜粋>
(過去問・
過去問・H19 年 5 月試験 問題 19)
19)
生命保険を
生命保険を利用した
利用した家計
した家計のリスク
家計のリスク管理
のリスク管理に
管理に関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切なものはどれ
不適切なものはどれ
か。
1.Aさんは、一生涯の死亡保障に加え、子が独立するまでの責任の重い一定期間において、
大きな死亡保障を確保するため、定期保険特約付終身保険に加入した。
2.Bさんは、養老保険の加入に当たり、払込保険料総額が少なくて済むことから、保険料を
月払いではなく、一時払いで加入した。
3.Cさんは、病気やケガによって働けなくなった場合の生活費を確保するため、生活保障保
険(収入保障保険)に加入した。
4.Dさんは、老後生活資金を準備するため、基本年金額が保証されている定額個人年金保険
に加入した。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 3
1.適切
定期保険特約付終身保険は、一生涯の死亡保障のある終身保険を主契約とし、
一定期間大きな保障が得られる定期保険を特約として付保した保険である。
子が独立するまでの責任の重い一定期間において、大きな死亡保障を確保す
ることができるので、適切な記述である。
2.適切
養老保険に加入する場合、月払いで保険料を支払うよりも、保険期間一括の
一時払いで加入した方が払込保険料総額は少なくなる。
3.不適切
生活保障保険(収入保障保険)は、被保険者死亡時に保険金を年金払で受け
取るタイプの保険である。なお、病気やケガで働けなくなった場合の生活費
を確保する保険は、所得補償保険である。
4.適切
定額個人年金保険への加入は、毎年の基本年金額が固定されているので老後
生活資金準備として有効である。
4
(過去問・
過去問・H20 年 1 月試験 問題 20)
20)
家庭のリスク
家庭のリスク管理
のリスク管理と
管理と損害保険についてのアドバイスに
損害保険についてのアドバイスに関
についてのアドバイスに関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切
なものはどれか。
なものはどれか。
1.自動車事故により被保険者が死傷した場合に、相手の過失の割合に関係なく被保険者本人
に生じた損害が補償されるよう、人身傷害補償保険へのアドバイスをした。
2.自宅を火災で焼失した場合に、同程度の家を再調達することができるよう、住宅総合保険
に付保割合100%の価格協定保険特約を付けることをアドバイスした。
3.病気やケガの療養のために就業できなくなった場合に、その間に得ることができない所得
が補償されるよう、所得補償保険への加入をアドバイスした。
4.自己所有の原動機付自転車の運転中の事故により歩行者を死傷させた場合に、被害者に対
する損害賠償金を補償することができるよう、個人賠償責任保険への加入をアドバイスし
た。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 4
1.適切
人身傷害補償保険は、自動車事故で被保険者が死傷した場合に、相手側の過失
に関係なく、損害額が保険金額を限度に補償される保険である。
2.適切
価格協定保険特約では、原則として保険価格を再調達価格で設定するため、住宅
総合保険に付保割合100%の価格協定保険特約を付帯することにより、焼失前
と同程度の家を再建することができる。
3.適切
所得補償保険は、病気やケガで働けなくなった場合の所得の減少分を補償する保
険である。
4.不適切
個人賠償責任保険は、個人が日常生活等の偶然な事故により、第三者に損害を与
えた場合の法律上の損害賠償責任を補償する保険であるが、原動機付自転車を含
む自動車による損害賠償責任は補償されない。
(過去問・
過去問・H20 年 5 月試験 問題 20)
20)
会社員の
会社員のAさん(40 歳、妻〈専業主婦>
専業主婦>および 10 歳と 8 歳の子ども2
ども2人の4人家族〉
人家族〉に対
する生命保険
する生命保険についてのアドバイスに
生命保険についてのアドバイスに関
についてのアドバイスに関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切なものはどれか
不適切なものはどれか。
なものはどれか。
なお、A
なお、Aさん
、Aさん家族
さん家族は
家族は生命保険に
生命保険に加入していないものとする
加入していないものとする。
していないものとする。
1.「2人の子どもが独立するまでの責任の重い一定期間における大きな死亡保障を確保した
い」というAさんの相談に対して、終身保険に加入するのが最もよいとアドバイスをした。
2.「自分がガン・脳卒中・急性心筋梗塞になった場合の高額な治療費に備えたい」というA
さんの相談に対して、健康保険の高額療養費制度も考慮したうえで、特定疾病補償特約に
加入するのがよいとアドバイスをした。
5
3.「余剰資金の一部を活用して、老後の生活費の備えを充実させたい」というAさんの相談
に対して、年金原資額に最低保証のあるタイプの変額個人年金保険を活用することも一つ
の方法であるとアドバイスをした。
4.
「自分が公的介護保険の第 2 号被保険者である間に、要介護状態になった場合に備えたい」
というAさんの相談に対して、生命保険会社の介護保険に加入するのがよいとアドバイス
をした。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 1
1.不適切
子どもが独立するまでの一定期間の大きな保障を確保するためには、定期保険
やアカウント型保険等が適している。終身保険は、一生涯の保険であり、大き
な死亡保障を得るためには保険料が高くなりすぎる。
2.適切
ガン・脳卒中・急性心筋梗塞で所定の状態になった場合に、生前に死亡保険金と
同額の保険金が払われるのが、特定疾病保障保険である。
3.適切
変額個人年金保険は、投資型年金とも呼ばれ、運用実績により受け取る年金額が
増減する個人年金保険である。年金原資に最低保証があれば、余剰資金の一部を
活用して老後に備えることもできる。
4.適切
公的介護保険では、40 歳以上 65 歳未満の第2号被保険者の給付対象は、老化に
よる特定疾病による介護のみである。第2号被保険者が事故等により要介護状態
になった場合に備えるためには、生命保険会社の介護保険等に加入する必要があ
る。
(過去問・
過去問・H20 年 9 月試験 問題 19)
19)
生命保険を
生命保険を活用した
活用した法人
した法人のリスク
法人のリスク管理
のリスク管理に
管理に関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切なものはどれ
不適切なものはどれ
か。
1.法人を契約者、特定の従業員を被保険者、被保険者の遺族を死亡保険金受取人とする定期
保険契約において、法人が支払った月払保険料は、法人税法上、その特定の従業員に対す
る給与とみなされる。
2.総合福祉団体定期保険契約の締結に際しては、一般に、保険約款に基づく被保険者の告知
及び被保険者になることへの加入予定者の同意が必要である。
3.長期平準定期保険や逓増定期保険は、死亡退職金の準備を目的とした保険なので、生存(勇
退)退職金の準備には活用できない。
4.法人を契約者・保険金受取人、役員を被保険者とする生命保険契約について、役員勇退時
に契約者を役員、保険金受取人を被保険者の遺族にそれぞれ変更し、生命保険契約に関す
る権利をその役員への生存(勇退)退職金の全部または一部とする方法がある。
6
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 3
1.適切
記述の通り。
2.適切
記述の通り。
3.不適切
長期平準定期保険や逓増定期保険は、中途解約により高額な解約返戻金が発生す
る保険であり、死亡退職金の準備のほか、生存(勇退)の際の退職金の準備とし
ても活用できる。
4.適切
記述の通り。
(過去問・
過去問・H20 年 9 月試験 問題 20)
20)
損害保険を
損害保険を利用した
利用した事業活動
した事業活動のリスク
事業活動のリスク管理
のリスク管理に
管理に関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切なものは
不適切なものは
どれか。
どれか。
1.来店客が、レストランで調理した料理を原因とする食中毒により入院した場合に備えて、
施設所有(管理)者賠償責任保険に加入した。
2.従業員の業務中の災害事故に備えて、労働災害総合保険に加入した。
3.社有車で従業員が交通事故を起こした場合に備えて、自動車保険に加入した。
4.海外へ出張する役員が旅行中急病になった場合に備えて、海外旅行傷害保険に加入した。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 1
1.不適切
来店客が、レストランで調理した料理で食中毒をおこし入院した場合、施設所
有(管理)者賠償責任保険では補償されない。この場合は、生産物賠償責任保
険に加入する必要がある。
2.適切
従業員が業務中に災害にあった場合に補償するのが、労働災害総合保険である。
ただし、労働災害補償保険(政府労災保険)の認定が保険金支払の条件となっ
ている。
3.適切
社有車で従業員が交通事故を起こした場合、自動車保険で補償される。
4.適切
海外旅行傷害保険では、会社の業務で海外出張した場合も補償される。
(過去問・
過去問・H21 年 1 月試験 問題 20)
20)
損害保険を
損害保険を活用した
活用した家庭
した家庭のリスク
家庭のリスク管理
のリスク管理に
管理に関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切なものはどれ
不適切なものはどれ
か。
1.自己所有の原動機付自転車を運転中に事故を起こし、歩行者を死傷させた場合に、被害者
に対して損害賠償金を支払うこととなるリスクに備えて、個人賠償責任保険に加入した。
2.自動車事故により死傷した場合に、自己の過失割合にかかわらず、自己に生じた損害が補
7
償されるよう、人身傷害補償保険に加入した。
3.病気やケガのために就業できなくなった場合に、その間に喪失する所得が補償されるよう、
所得補償保険に加入した。
4.ゴルフ場構内でゴルフクラブが盗難に遭った場合に、その損害が補償されるよう、ゴルフ
ァー保険に加入した。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 1
1.不適切
原動機付自転車の運転中に事故を起こし、損害賠償責任を負った場合に適用
できるのは自動車保険であり、個人賠償責任保険では補償されない。自転車
の運転中に事故を起こし、損害賠償責任を負った場合には、個人賠償責任保
険で補償される。
2.適切
人身傷害補償保険は、自動車事故で死傷した場合に、自己の過失部分を含め、
自己に生じた損害が補償される保険である。
3.適切
所得補償保険は、就労者が病気やケガで働けなくなった場合に、喪失する所得
を補償する保険である。年金や利子所得、不動産所得などの不労所得のみで生
計を立てている人は被保険者になれない。
4.適切
ゴルファー保険では、ゴルフプレイ中や練習中の賠償責任や自己の傷害のほ
か、ゴルフ場構内のゴルフクラブの破損や盗難等のゴルフ用品の損害も補償
される。
④第三分野保険
⑤生保・損保契約者保護機構
⑥個人年金の特徴(税務も含む)
⑦損害保険
地震保険、傷害保険、賠償責任保険、自動車保険(任意保険)
8
<金融資産運用>
金融資産運用>
①金融に関する経済の基礎
GDP、日銀金融政策、経済指標、景気動向、円高要因一般論
②金融商品一般
③投信信託
投信信託のしくみ、投信信託一般論(投資信託のリスク、投資信託商品
等)
④債券
債券リスク、債券の利回り計算、債券のしくみ、債券投資一般論
⑤株式
株式投資指標(PER、PBR、ROE、配当利回り、配当性向)、日
経平均とTOPIXの定義、株式取引の仕組みと特徴
⑥外貨建て金融商品
⑦ポートフォリオ
⑧金融セーフティネット(投資者保護基金、生命保険契約者保護基金、預
金保険制度)
⑨金融商品取引法
9
<タックスプランニング>
タックスプランニング>
①所得税の基礎
②退職所得
③不動産所得
④譲渡所得
⑤給与所得
⑥一時所得
⑦損益通算
⑧税額控除
⑨所得控除
医療費控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除が中心論点
⑩青色申告
⑪法人税
<過去問抜粋>
(過去問・
過去問・H19 年 5 月試験 問題37
問題37)
37)
法人税の
法人税の申告に
申告に関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切なものはどれか
不適切なものはどれか。
なものはどれか。
1. 法人税法上の青色申告の特典の一つに、欠損金を翌期以降の7年間において繰り越して
所得金額から控除することができる制度である。
2. 平成18年9月3日に新規で3月決算の法人を設立した場合、第1期目に青色申告する
場合には、設立後最初の事業年度終了の日前日までに、納税地の所轄税務署長に「青色申
告承認申請書」を提出し、承認を受けることが必要となる。
3. 減価償却資産について、法人税法上、損金の額に算入される金額は、法人が減価償却費
として損金経理した金額のうち、償却限度額に達するまでの金額である。
4. 法人税の税率は、原則として30%の比例税率となっているが、資本金の額等により一
部軽減税率が適用される。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 2
1.適切
記述の通り。
2.不適切
法人税における青色申告承認申請書は、設立後最初の事業年度の終了の日の前
日、または設立の日から3ヵ月を経過した日の前日かのいずれか早い方が提出
の期限である。よって、本選択肢においては、設立日(平成18年9月3日)
から3ヵ月を経過した前日までに提出しなければならない。
3.適切
記述の通り。
4.適切
記述の通り。
10
(過去問・
過去問・H19 年 5 月試験 問題39
問題39)
39)
下記の
下記のA社の損益計算書(
損益計算書(抜粋)
抜粋)を基に計算した
計算した場合
した場合、A
場合、A社
、A社の「売上高営業利益率」
売上高営業利益率」とし
て、正しいものはどれか。
しいものはどれか。
損益計算書(抜粋)
(単位:千円)
売上高
100,000
売上原価
80,000
売上総利益
20,000
販売費および一般管理費
15,000
営業利益
5,000
営業外収益
1,000
経常利益
6,000
特別損失
2,000
税引前当期純利益
4,000
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 3
売上高営業利益率=(営業利益率/売上高)×100(%)で算出される。
よって、
(5,000千円/100,000千円)×100=5%
問題8
問題8-3(過去問・
過去問・H19 年 5 月試験 問題40
問題40)
40)
法人税の
法人税の申告書に
申告書に関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切なものはどれか
不適切なものはどれか。
なものはどれか。なお、
なお、別表一は
別表一は、
法人税申告書の
「所得
法人税申告書の表紙部分、
表紙部分、別表四は
別表四は、
「所得の
所得の金額の
金額の計算に
計算に関する明細書
する明細書」
明細書」である。
である。
1.決算書の当期純利益・純損失の額は、法人税の申告書別表四の「当期利益又は当期欠損の
額」と一致する。
2.法人税の申告書別表四では、決算書の当期純利益に法人税法による加算・減算など所定の
申告調整を行って、法人税の課税所得金額を計算する。
3.法人税の申告書別表一と別表用四の「所得金額又は欠損金額」は一致しない。
4.法人税の申告書に添付されている「勘定課目内訳明細書」からは、決算書に記載されてい
る主な勘定科目ごとの明細がわかるため、会社の資産内容や負債状況、役員給与等が把握
できる。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 3
11
1.適切
記述の通り。
2.適切
記述の通り。
3.不適切
法人税の申告書「別表四」で算出した課税所得金額の「所得金額又は欠損金額」
は、法人税申告書「別表一」の「所得金額または欠損金額」の欄に入る。よっ
て、法人税の申告書別表一と別表用四の「所得金額又は欠損金額」は一致する。
4.適切
記述の通
(過去問・
過去問・H19 年 9 月試験 問題 39)
39)
法人税の
法人税の益金の
益金の額に関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切なものはどれか
不適切なものはどれか。
なものはどれか。なお、
なお、下記の
下記の会
社はすべて内国法人
はすべて内国法人とする
内国法人とする。
とする。
1.会社所有の資産を無償で役員に譲渡した場合、この資産の時価相当額は、法人税法上、そ
の会社の益金の額に算入される。
2.役員所有の資産を無償で会社が譲り受けた場合、この資産の時価相当額は、法人税法上、
その会社の益金の額に算入される。
3.会社が役員に、無利息で金銭の貸付けを行った場合、一定の基準の利率による利息相当額
が、法人税法上、その会社の益金の額に算入される。
4.会社が法人税の還付金を受けた場合、この還付金の額は、法人税法上、還付を受けた事業
年度の益金の額に算入される。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 4
1.適切
法人税法では、無償で物や役務を提供しても、それは相当の金額を一旦受け取
り、それを相手に贈与したとして考える。したがって、無償で土地・金銭を譲渡
しても課税される。
2.適切
法人税法上、役員所有の資産を無償で譲り受けた場合は、その時価相当額が会社
の益金となる。
3.適切
法人税法上、会社が役員への無利息貸付をした場合は、通常、認定利息(年4%
+公定歩合の利率で計算した利息収入)が会社の益金となる。
4.不適切
法人税の還付金は、還付を受けた日の属する事業年度の所得の計算上、益金の額
に算入されないため、申告書上で減算することになる。
12
(過去問・
過去問・H20 年 1 月試験 問題 38)
38)
法人税に
法人税に関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も適切なものはどれか
適切なものはどれか。
なものはどれか。
1.財団法人や社団法人は公益法人等に該当するため、収益事業から生じた所得についても、
法人税は課税されない。
2.特定同族会社の留保金課税における税額は、課税所得金額に課税留保金額を加算した金額
に対し、一定の税率を乗じて法人税額を算出する。
3.法人が預金の利子の支払を受ける際に源泉徴収された所得税については、原則としてその
金額をその事業年度の法人税額から控除することができる。
4.法人が、その設立の日の属する事業年度から青色申告の適用を受けようとする場合は、法
人設立の日の前日までに、納税地の所轄税務署長に青色申告承認申請書を提出して承認を
受ける必要がある。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 3
1.不適切
財団法人、社団法人等の公益性を有する公益法人等は、その収益事業に係る所得
に限って法人税が課税される。なお、公益法人等には、特定非営利法人(NPO 法
人)も含まれる。
2.不適切
留保金課税とは、同族会社が個人の所得税の負担を軽くしようと、法人の利益を
配当しないで社内に留保した一定の場合に課税される特別税率の法人税をいう。
その税額は、課税留保金額に対して定められた税率を乗じて算出される。
3.適切
法人が源泉徴収された預金利子に係る所得税は、法人税の計算の際に控除または
還付(赤字の場合)される。
4.不適切
法人の青色申告の承認申請書の提出期限は、法人の最初の事業年度終了の日の前
日、または法人の設立の日から 3 ヶ月を経過した日の前日のいずれか早い方の日
である。
(過去問・
過去問・H20 年 5 月試験 問題 37)
37)
法人税の
法人税の仕組みに
仕組みに関
みに関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も不適切なものはどれか
不適切なものはどれか。
なものはどれか。
1.法人税における事業年度は、法令または定款等の定めによる会計期間にかかわらず、所轄
税務署長に届け出た会計期間とされる。
2.法人税の納税地は原則として法人の本店または主たる事務所の所在地とされる。
3.法人税の対象となる各事業年度の所得の金額は、その事業年度の益金の額から損金の額を
控除して計算する。
4.法人は、原則として各事業年度終了の日の翌日から 2 ヶ月以内に、確定した決算に基づい
て作成た法人税の確定申告書を所轄税務署長に提出しなければならない。
13
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 1
1.不適切
法人の事業年度は、法令または定款等に定める営業年度を指し、一般的には、
4月1日から翌年3月31日までといった任意の 1 年となる。この期間について
所轄税務署に届け出ることになる。
2.適切
記述のとおり。
3.適切
記述のとおり。
4.適切
法人税の申告・納付は、災害などのやむを得ない理由を除いて、原則として各事
業年度の終了の日から 2 ヶ月以内に行わなければならない。
(過去問・
過去問・H20 年 5 月試験 問題 38)
38)
下記の
下記の<A 社資料>
社資料>に基づく A 社の交際費の
交際費の損金不算入額として
損金不算入額として、
として、正しいものはどれか。
しいものはどれか。
<A 社資料>
・ 事業年度
平成19年4月1日~平成20年3月31日
・ 期末資本金額
2億円
・ 交際費の金額
500万円(全額が税務上の交際費に該当する)
1.
50万円
2.100万円
3.140万円
4.500万円
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 4
交際費の損金不算入額は、その期末資本金額に応じて定められている。期末資本金1
億円超の場合は、支出交際費の全額が損金不算入となる。したがって、期末資本金が2
億円の A 社は、交際費の500万円全額が損金不算入となる。
14
(過去問・
過去問・H20 年 5 月試験 問題 40)
40)
会社と
会社と役員間の
役員間の取引における
取引における法人税
における法人税または
法人税または所得税
または所得税の
所得税の取り扱いに関
いに関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最
も不適切なものはどれか
不適切なものはどれか。
なものはどれか。
1.会社がその所有する資産を低額で役員に譲渡した場合、法人税法上、適正な時価との差額
が臨時的な役員給与として取り扱われる。
2.役員がその所有する資産を時価の2分の1未満の価額で会社に譲渡した場合、所得税法上、
適正な時価で譲渡があったものとみなされる。
3.会社の社宅に役員が居住する場合に、適正額以上の負担金を役員が負担していない場合に
は、役員は会社から経済的な利益を受けたものとみなされ、給与所得として所得税・住民
税が課税される。
4.通常、権利金を授受すべき地域で役員所有の土地の上に会社が建物を建てた場合、土地の
賃貸借契約において権利金の授受がないときは、役員側においては借地権に係る権利金収
入が認定課税される。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 4
1.適切
法人税法では法人が他のものと取引を行う場合は、原則としてすべての資産は時
価により取引されたものとみなされる。この場合、法人が役員に資産を低額譲渡
したときには、時価との差額が役員給与とみなされる。
2.適切
役員が法人に資産を時価の 1/2 未満の価格で譲渡した場合は、時価で譲渡があっ
たものとみなして、役員の譲渡所得が計算される。また、法人については、時価
との差額が益金算入される。
3.適切
社宅に役員が居住する場合には、適正な家賃に比べて低い家賃を支払っている場
合、経済的利益を受けたものとみなされ、その差額分が役員給与に加算されるこ
とになる。よって、その金額を含めて、所得税や住民税が計算されることになる。
4.不適切
個人が所有する土地を法人に貸し、建物などを建てたときには、借地権が設定さ
れたことになる。この場合、通常、権利金を収受する慣行があるにもかかわらず
権利金を収受しないときは、権利金の認定課税が行われるが、その土地の価額か
らみて、相当の地代を収受している場合や「土地の無償返還に関する届出書」を
借地人と連名で提出している場合には、この限りではない。設問のケースでは借
地人である法人側が権利金の認定課税をうけることになる。
(過去問・
過去問・H20 年 9 月試験 問題 38)
38)
法人税に
法人税に関する次
する次の記述のうち
記述のうち、
のうち、最も適切なものはどれか
適切なものはどれか。
なものはどれか。
1.公益法人等に該当する財団法人や社団法人は、収益事業から生じた所得についても、法人
15
税が課されることはない。
2.内国普通法人の各事業年度の所得の金額に対する法人税の税率は、資本金や所得金額にか
かわらず、一律30%である。
3.法人が預金の利子の支払いを受ける際に源泉徴収された所得税については、原則としてそ
の全額をその事業年度の法人税額から控除することができる。
4.使用人兼務役員の使用人分賞与は、支給時期および支給金額にかかわらず、損金算入が認
められる。
<正解・
正解・解説>
解説>
正解 3
1.不適切
公益法人である宗教法人・学校法人・社会福祉法人等では、収益事業にのみ法人
税が課される。
2.不適切
内国法人のうち、普通法人に対する税率は、原則として30%の比例税率になっ
ているが、資本金や課税所得金額によって一部軽減税率が適用される。
3.適切
預貯金の利子は一律源泉分離課税であるので、個人の場合は確定申告を要しない。
しかし、法人の場合は利子が収益になるため、法人税の確定申告の段階で、源泉
徴収された利子税を法人税から差し引くことになる。
4.不適切
使用人兼務役員に支給される賞与については、他の使用人に対する賞与と同時期
であること、他の使用人に対する賞与の額と比較して適性であることを要件に損
金算入が認められる。
⑫消費税
⑬個人住民税
16
<不動産>
不動産>
①不動産登記
②借地借家法
借地権、借家権
③建築基準法
④区分所有法
⑤宅地建物取引業法
⑥民法(売買契約)
解約手付、瑕疵担保責任、危険負担
⑦不動産取得に関する税務
⑧不動産保有に関する税務
⑨不動産所得
⑩不動産譲渡の特例
⑪不動産の有効活用
自己建設方式、事業受託方式、土地信託方式、等価交換方式
⑫不動産投資
⑬土地価格の種類
公示価格、基準値標準価格、相続税評価額(路線価)、固定資産税評価額
17
<相続事業承継>
相続事業承継>
①贈与契約
②贈与の種類
③贈与税の課税財産・非課税財産
④遺言
⑤遺産分割
⑥配偶者の税額軽減
⑦贈与税の配偶者控除
⑧小規模宅地等の評価減の特例
⑨相続時精算課税制度
⑩不動産の相続税評価額
借地権、貸宅地、使用貸借の場合の貸宅地(自用地評価額)、貸家建付地
自用家屋、賃貸用家屋
⑪上場株式の評価
⑫相続税の申告と納付方法
延納、物納
⑬相続対策
⑭死亡退職金
⑮相続税・債務控除
⑯親族関係図
⑰事業承継
18
[参考資料]
<ライフプランニングと資金計画>
公的年金制度一般
①国民年金の被保険者
②国民年金の保険料(法定免除、申請免除、学生納付特例、若年者納付猶
予制度)
a)法定免除
b)全額免除
c)3/4免除
d)半額免除
e)1/4免除
f)学生納付特例
g)若年者納付特例制度
③厚生年金の被保険者
④マクロ経済による年金額の調整
⑤老齢基礎年金の受給資格
⑥老齢厚生年金のしくみ(振替加算)
遺族年金
①遺族基礎年金の支給要件
②遺族厚生年金の支給要件
③遺族厚生年金をけられる遺族
④中高齢寡婦加算と経過的寡婦加算
公的年金併給調整
・老齢基礎年金+老齢厚生年金(本人)
・老齢基礎年金+遺族厚生年金(配偶者の老齢厚生年金の3/4)
・老齢基礎年金+(老齢厚生年金×1/2)+(遺族厚生年金×2/3)
(※)
※本人の老齢厚生年金と配偶者の受給できた老齢厚生年金の半分ずつという選択
配偶者の老齢厚生年金の1/2
=配偶者の老齢厚生年金の3/4×2/3=遺族厚生年金×2/3
19
カード関連
①カードローンの返済方法
a)アドオン方式
b)リボルビング払い
②カード決済の特徴
a)クレジットカード
b)デビットカード
c)電子マネー
<リスク管理>
死亡保険金・満期保険金に対する税金
保険金
契約者
被保険
受取人
課税関係
者
①「契約者」=「被保険者」
夫
夫
妻
相続税
非課税枠あり
(500 万円×法定相続人の数)
相続税
非課税枠なし
(相続放棄者も非課税枠の適用は
できない)
(相続人)
夫
死亡
保険金
夫
他人
(相続人以
外)
②「契約者」=「死亡保険金受取人」
夫
妻
夫
所得税
( 住 民
税)
一時所得の課税(総合課税)
(受取保険金-保険料-50 万円)×
1/2
③「契約者」≠「被保険者」≠「死亡保険金受取人」
夫
妻
子
贈与税
(受取保険金-基礎控除 110 万円)
④「契約者」=「満期保険金受取人」
夫
-
夫
所得税
( 住 民
税)
満期
保険金
一時所得の課税(総合課税)
(計算式は死亡保険金と同じ)
※下記の金融類似商品は 20%の源
泉分離課税
⑤「契約者」≠「満期保険金受取人」
夫
-
妻
贈与税
20
(受取保険金-基礎控除 110 万円)
※死亡保険金を年金形式で受け取る場合は個人年金保険と同様の課税関係にな
る。
<金融資産運用>
投資信託の分類等
(1)販売会社
販売会社とは、投資信託を募集、販売する証券会社や銀行等のことである。
主な業務は、証券の募集販売、分配金・償還金の支払、解約請求の取次ぎ、目
論見書・運用報告書の顧客への交付等である。
(2)委託会社(投信委託会社)
委託会社とは、投資家から集めた資金(信託財産)を運用する会社のことであ
る。
主な業務は、信託財産の運用の指示を行うことで、他にも目論見書・運用報告
書の作成・交付(交付は販売会社が代行することが一般的である)、基準価額の
計算等である。
投信委託会社は、金融庁長官の認可を受ける必要があり、運用責任者のことを
ファンドマネージャーとよぶ。
(3)受託会社
受託会社とは、投資家から集めた資金(信託財産)の管理や投信委託会社から
の運用の指示を受けて、実際に資金を投資する業務を行う信託銀行のことである。
主な業務は、信託財産の保管と計算、信託財産の運用と執行、受益証券発行の認
証等である。
(4)運用対象による分類
公社債
投資信託
株式
投資信託
「株式」は一切組み入れず、国債や社債など安全性の高い公社債を中心に
運用し、安定した収益をめざす
運用対象が公社債や短期金融商品に限られていても、元本が保証されてい
るものではない
投資対象に「株式」を一定限度内あるいは制限なく、組み入れる、または
「株式」を組み入れることが可能な投資信託である
少しでも株式を組み入れたものや、債券 100%であるがタイミングにより
株式に投資するというファンドも株式投資信託となる
21
(5)募集方法による分類
運用期間に定めがなく(決まっていても 10 年以上などの長期)
、途
追加型
中からでも随時購入・追加設定が可能なため、いつでもそのときの
(オープン型)
時価で購入・換金できる
購入は当初の募集期間に限られ、最初の設定時以外、途中から購入・
追加できないもの。あらかじめ、5 年程度の運用期間が定められてい
る
定時定形型
スポット型
同じ性格のもの
が毎月継続的に
募集される
その時々の金融・経済情勢や株式・債券市場の動
向などをみはからって随時募集される。
通常 1 回限りしか募集されず、しかも募集が不定
期なので、当初の募集期間が過ぎると同じものは
買えなくなる。そのため「スポット型」と呼ばれ
る
単位型
(ユニット型)
投資信託運用方法
日経平均やTOPIXなどのベンチマークを上回る収益を目指す
アクティブ
運用
パッシブ運用
トップダウンアプローチ
ボトムアップアプローチ
マクロ的な分析により、まず業種
別組入比率や国別組入比率を決
め、その比率の中で組入銘柄を決
めていく
まず魅力のある株式個別銘柄を選
択しその積上げによってポートフ
ォリオが構築されていく
グロース投資
バリュー投資
株式銘柄の成長性を重視して投 株式銘柄の割安性を重視して投
資。市場平均に比べて、PER、 資。市場平均に比べてPER、P
BRは低い
PBRは高い
ベンチマークと同等の収益を目指す
主な商品に株価指数等に連動するインデックスファンドがある
ポートフォリオ
(1)ポートフォリオ
ポートフォリオとは、株式や債券、不動産等の資産全体、またはその資産の組
み合わせのことである。
(2)ポートフォリオ運用する目的
ポートフォリオ運用する目的は、複数の資産に分散して投資することによって、
リスクを低減することである。ひとつの商品に投資した場合には、その商品の変
動の影響を直接受けることになるが、商品を分散して投資することにより、資産
運用の効率性や合理性を高めることができる。
(3)アセット・アロケーション
22
一般に、「ポートフォリオ」も「アセット・アロケーション」も分散投資のこ
とを指しているが、「ポートフォリオ」は複数の銘柄に投資することを指し、「ア
セット・アロケーション」は国内株式、海外債券、不動産等の複数の資産への投
資を指している。
銘柄選択による要因よりも、アセット・アロケーションによる要因のほうが運
用の成果に大きな影響を及ぼすといわれている。
(4)ポートフォリオ理論
ポートフォリオ理論は、リターンとリスクという 2 つの尺度を使って、投資先
を検討する考え方である。
一般的に、高いリターンを得るには高いリスクを取る必要があり、リスクの低
い商品を選択すれば、低いリターンしか得ることができない。
(5)リターン
①投資収益率
投資収益率とは、インカムゲイン(配当や利息)と、キャピタルゲイン(値上
がり益)の合計額を投資金額で割ったものである。
投資収益率
インカムゲイン+キャピタルゲイン
×100
投資金額
②期待収益率
期待収益率とは、将来の収益率を確率的に予測できると仮定し、実現可能な収
益率を加重平均したものである。
期待収益率
(ある状態の下での収益率×その状態が起こる確率)の
合計
(6)リスク
①リスクの考え方
投資におけるリスクとは、期待していたリターン(期待収益率)と実際の結果
が異なる可能性(不確実性)のことである。期待収益率を中心に、プラスにもマ
イナスにも大きく散らばるものはリスクが大きく、散らばり具合が小さいものは
リスクが小さい。
このリスクを測る尺度として、分散や標準偏差を利用することができる。
②相関係数
ポートフォリオに組入れる各商品の動きが、同じ動きをするものに分散して投
資をしても、リスク低減の効果(ポートフォリオ効果)はない。よって、ポート
23
フォリオ効果を得るには、組入れる各商品の連動性を知る必要がある。この連動
性は相関係数でみることができる。相関係数は関連性の強さを表す尺度で、1 から
-1 までの範囲の数値をとる。
<相関係数とポートフォリオ効果>
相関係数=1
完全に同一方向に動く
相関係数=-1 まったく逆方向に動く
相関係数=0
まったく関係をもたない
※相関係数=-1のときに、ポートフォリオ効果は最大にな
り、
相関係数=1のとき、ポートフォリオ効果はまったく見られ
ない
(7)ポートフォリオのパフォーマンス評価
ポートフォリオの代表的なパフォーマンス評価方法のひとつに、「シャープの
測度(シャープレシオ)」が挙げられる。
シャープの測度とは、
「リスク(標準偏差)1 単位に対するリターン」を算出し、
リスクとリターンの両面からポートフォリオを評価する指標である。つまり、同
じリスクを取るのであれば、リターンが多いほうがパフォーマンスが高いという
評価になる。
<シャープレシオの求め方>
シャープレシオ=
ポートフォリオの収益率-無リスク資産の収益率
標準偏差
※シャープレシオの数値が大きいほど、高い評価となる
※シャープレシオは標準偏差の異なるポートフォリオ間のパフォーマンスの比較
に
用いることができる
※無リスク資産の収益率の一例として、国債の利率がある
24
<タックスプランニング>
住宅借入金等特別控除
(1)内容
金融機関等からの借入金(住宅ローン等)により居住用家屋を取得し
たり、増改築を行ったりした場合などに、その借入金に一定割合を乗じ
た金額を税額控除として控除できる。
(2)適用要件
①住宅取得者等
控除を受ける者の適用要件は次のとおりである。
・住宅の
住宅の取得等の
取得等の時点で
時点で居住者であること
居住者であること
・一定の
一定の親族からの
親族からの取得
からの取得でないこと
取得でないこと
・住宅の
住宅の取得または
取得または増改築
または増改築をしてから
増改築をしてから6
をしてから6ヵ月以内に
月以内に居住の
居住の用に供し、
控除を
控除を受ける各年
ける各年の
各年の12月
12月31日
31日まで引
まで引き続き居住していること
居住していること
・合計所得金額が
合計所得金額が3,000万円以下
000万円以下であること
万円以下であること
・住宅借入金等の
住宅借入金等の年末残高があること
年末残高があること
②対象となる住宅等
適用対象となる住宅等は、次の要件を満たすものに限られる。
イ)新築住宅
・居住用の住宅であること
・家屋の登記床面積が50㎡以上であること(その家屋が要件を満
たしていれば、家屋とともに取得する土地についても適用可)
・店舗併用住宅は、居住用部分の床面積が2分の1以上であること
ロ)中古住宅
新築住宅の要件に加え、以下の要件を満たすものに限られる。
・建築後の年数が20年以内(耐火建築物は25年)であること
・親族などからの取得でないこと
ハ)増改築等
新築住宅の要件に加え、以下の要件を満たすものに限られる。
・自己で所有し、居住の用に供している家屋についての増改築等で
あること
・工事費用が100万円超であること(居住用部分の工事費が全体
の工事費の2分の1以上であること)
25
③対象となる借入金等
適用対象となる借入金は、次の要件を満たすものである。
・住宅取得等のための
住宅取得等のための借入金
のための借入金で
借入金で償還期間が
償還期間が10年以上
10年以上であること
年以上であること(借
入金を
入金を繰上げ
繰上げ返済した
返済した場合
した場合、
場合、その返済
その返済により
返済により借入金
により借入金の
借入金の償還期間が
償還期間が
10年未満
10年未満となる
年未満となる場合
となる場合には
場合には適用
には適用が
適用が受けられない)
けられない)
・返済が
返済が月・年など1
など1年以下の
年以下の期間を
期間を単位として
単位として規則的
として規則的に
規則的に行うもの
であること
・金融機関、
金融機関、勤務先等からの
勤務先等からの借入金
からの借入金であること
借入金であること(
であること(勤務先融資の
勤務先融資の場合
には金利
には金利1
金利1%以上のものに
以上のものに限
のものに限る)
(3)控除額
控除額は次のとおりである。
☆図表 3-21
入居年
平成 19 年
平成 20 年
平成 21 年
平成 22 年
平成 23 年
平成 24 年
平成 25 年
入居年度別控除額
控除対象
限度額
2,500 万
円
2,000 万
円
5,000 万
円
5,000 万
円
4,000 万
円
3,000 万
円
2,000 万
円
控除率(選択)
最大
控除額
控除期間 10 年
控除期間 15 年
1~6 年目
1%
7~10 年目
0.5%
1~10 年目
0.6%
11~15 年目
0.4%
160 万円
1%
―
500 万円
1%
―
500 万円
1%
―
400 万円
1%
―
300 万円
1%
―
200 万円
26
200 万円
(4)転勤等により
転勤等により転居
により転居した
転居した場合
した場合
「住宅借入金等特別控除」の適用を受けていた居住者が、平成15年
4月1日以後転勤などのやむを得ない事情により、その住宅を居住の用
に供さなくなる場合、その間はこの控除の適用は受けられないが、再び
居住の用に供した場合には控除の再適用を受けることができる。例えば、
本来10年間にわたって適用を受けることが可能な者が、入居して3年
経て転勤し、その2年後に転勤が解除され自宅に戻った場合、自宅に居
住していなかった2年間は適用を受けることはできないが、再入居した
年から残りの5年間は適用対象になる。
ただし、控除の適用がなかった期間がその分延長されることはない。
また、平成15年3月31日以前に転勤などにより住宅を居住の用に供
さなくなり、再び居住の用に供した場合は、控除の適用期間が残ってい
たとしても再適用は受けられない。
(5)注意点
控除の適用を受ける際にはいくつかの注意すべき点がある。
①給与所得者であっても、適用を受ける初年度については確定申告
をする必要がある。翌年以降は、年末調整によって適用を受ける
ことができる。
②住民税においては適用がないため、この控除の適用の結果所得税
がゼロになった場合でも、住民税が課税される場合がある。ただ
し、平成11年から平成18年までに入居した者で、平成19年
分以降の所得税において住宅借入金等特別控除の適用がある場合、
所得税での控除残額が生じた時は、翌年分の個人住民税から減額
することができる。
③入居した年およびその年の前後2年以内に居住用財産を譲渡した
場合の「3,000万円特別控除」、「軽減税率」、「居住用財
産の買換えの特例」を適用した場合には、住宅借入金等特別控除
の適用を受けることはできない。「居住用財産の譲渡損失の繰越
控除」とは、併用して適用を受けることができる。
27
[実技編
実技編]
1.実技試験の構成
①FP総論
(ア)コンプライアンス
(イ)FPの定義
ファイナンシャル・プランニングとは、個人のライフデザイン(個人の生き
方)とライフプラン(ライフデザインを具体化した生涯生活設計)を実現する
ために、個人の収入・支出、資産・負債、保障内容などに関するあらゆるデー
タを集め、必要に応じて専門家の協力を得ながら現状分析を行い、パーソナル・
ファイナンスに関する様々なプランを立案し、併せて実行援助と見直しをする
ことである。
(ウ)FPの6ステップ
②金融商品知識
③金融計算問題
④株式投資指標
PER、PBR、ROE、配当利回り、配当性向
⑤金融に関する経済の基礎知識
⑥建ぺい率、容積率
⑦不動産資料に関する基礎知識
(ア)不動産登記
(イ)不動産資料に関する問題
⑧所得税に関する計算
(ア)譲渡所得
(イ)退職所得
(ウ)一時所得
(エ)不動産所得
(オ)事業所得
(カ)雑所得
(キ)給与所得
28
※減価償却について
減価償却費の計算において、平成 10 年 4 月 1 日以後に取得した建物については、
定額法により処理する。建物以外の減価償却資産については、所得税では、定額
法が法定償却法であるが、届出によって定率法を選択することができる。
また、平成 19 年度税制改正により残存価額・償却可能限度額についての規制が
撤廃され、減価償却費の取得価額の 100%損金算入が可能となった。
定額法=
取得価額×耐用年数に応じた償却率
業務の用に供した月数
×
12
定率法=
年初未償却残高×耐用年数に応じた償却率
業務の用に供した月数
×
12
なお、平成 19 年 3 月 31 日以前に取得した既存の減価償却資産を、償却可能限
度額(取得価額の 95%)まで償却した場合には、その翌年以降 5 年間に渡り、残
存価額を 1 円(備忘価額)まで均等償却する。
⑨路線価の計算
⑩保険証券の読み取り問題
⑪保険商品一般
⑫所得税・確定申告書
⑬相続時精算課税制度
⑭親族関係図(法定相続分)
⑮相続税の課税価格の合計と基礎控除の計算
⑯遺言・遺産分割
⑰キャッシュフロー表
(ア)ライフイベント表
(イ)C/Fの計算
⑱係数
⑲金融の計算問題(難問)
⑳公的医療保険制度
21 個人バランスシート
○
22 医療費控除
○
29
23 外国為替レート
○
<外貨預金の税引き後利回りの計算手順>
①円ベースまたは外貨ベースでの元本と外貨ベースでの利息を求める
円ベースでの元本=外貨ベース×預入時のTTS
外貨ベースでの元本=円ベースでの元本÷預入日のTTS
外貨ベースでの利息=外貨ベースでの元本×利率×
日数
365日
②税額(外貨ベース)を求める
所得税=外貨ベースでの利息×15%
住民税=外貨ベースでの利息×5%
③円ベースでの受取額を求める
(外貨ベースでの元本+外貨ベースでの利息-税額)×満期時のTT
B
④税引き後の年利回りを求める
円ベースでの受取額-円ベースでの元本
365日
×
×100
円ベースでの元本
日数
(具体例)米ドルの 1 年定期預金(年利率 3%)に 10,000 ドル預けた場合の円
ベースの税引き後利回りを求める。1 年は 365 日とする。
TTS
預入時
1 ドル=120 円
満期時
1 ドル=128 円
TTB
1 ドル=118 円
1 ドル=126 円
①円ベースの元本と外貨ベースの利息を求める
10,000 ドル×120 円(預入時TTS)=1,200,000 円
外貨ベースでの利息を求める
10,000 ドル×3%=300 ドル
②税額(外貨ベース)を求める
300ドル×15%(所得税)+300ドル×5%(住民税)=60ドル
③円ベースでの受取額を求める
(10,000ドル+300ドル-60ドル)×126円(満期時TTB)
=1,290,240円
④税引き後の年利回りを求める
1,290,240 円-1,200,000 円
1,200,000 円
×100=7.52%
30
24 公的年金制度
○
2.試験問題の効率的な解き方
①できる問題(毎回出題されている問題は特に意識する)から解いていく。
②難しい計算問題、見たことのない問題には付き合わない。
③設例提示問題は、
1)最初に問題を読み、
2)その後に設例から数字を拾ってくる。
④見たことのない計算問題・・・計算式が提示されている場合は、計算式にあて
はめるだけで解決する単純な問題の場合がほと
んどである。
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