光学的性質

プラスチヅ 材料蹄寄動特性の
誠験法と評価 果
」へ
〈18〉
安田 武夫*
2.プラスチックの各種試験法(続き)
さな色とくすんだ色があるが,この色の鮮やかさの程
度を彩度という。彩度の高い色を清色,濁った色を濁
2−10.光学的性質’
色という。
2−10−1. はじめに
明度:色の明るさの度合をいう。無彩色のうちでも
光学的性質のうち,一般に実用上もっとも問題とな
っとも明るいのが白で,明るさが減るに従ってグレー
るのは,色,光沢,透明性および屈折率である。しか
になり,もっとも暗いのが黒である。有彩色にも明るい
し,このほか・複屈折はCDなどの光ディスクなどの光
色と暗い色があり,赤と緑というように色相が異なっ
学的要素では,その機能上重要な光学的特性になる1〕。
ていても同じ明るさの赤と緑を見い出すことができる。
2−10−2.色
人問が色を見る場合,以上の3要素のほかに光沢,
電磁波のうちで目に見えるものを光という。テレビ
白さ,透明度なども同時に感じるが,これらは色の属
や各種通信システムで使用される電波,暖房機などで
性というよりも物理的性質によるものである。光沢の
使用される赤外線,肌に日焼けをさせる紫外線も電磁
度合いは物体表面の滑かさによって決まり,透明度は
波の一種である。普通,電磁波は波長が短くなるに従
光の透過度によって決まるので・色の要素と切り離し
って電波,赤外線,光(可視光線),紫外線,X線,ガ
てもよい。人間の目で識別できる色数は50万∼100万
ンマ(γ)線などに区別して呼ぱれている。人間の目に
といわれ,人問の視覚機能は非常に精巧をきわめた測
感じる光の波長は3,800∼7,800五で,この範囲の波長
色機械といえる。
の電磁波を目に受けると人問は色を感じる。
したがってプラスチックの成形品の色,塗料の色は
太陽光は白く感じられるが,これを分析してみると
この精巧な機械で判定を受けることとなるので,色合
非常に多種類の色光の集まりで,1665年ニュートンは
わせの技術も大変なものであり,塗料などの色を主と
太陽光をプリズムに当て,これを赤,橦,黄,緑,藍,董
する仕事は色違いのクレー
(すみれ)に分解し・虹の色とまったく同じものである
ことを発見した。これが太陽のスペクトルといわれる
もので,これを波長で分類すると図1のようになるI〕。
ムが非常に多く,厳密な判
10−A・一一一一一一一一一一一一一一一一一一
定が必要となる1〕。 赤外線
7,oo〇五・一一一
(2)色を測る:測色 赤
6,4㏄五一一・一一
(1)色の3要素
色を測り,これを定量的 5,gO〇五_澄
色には,三つの要素がある。すなわち,色相(hue),
に表す試験方法として,JIS 5,700五_賛 可
緑 視
K7!05−19812〕(プラスチッ 5,100五一一一一
青縁 光
クの光学的特性試験方法) 41800五1…
青 線
に記載がある。この方法で 4’500五…藍
彩度(chroma),・明度(value)である。
色相:赤・黄,緑などの色味の種類をいう。色には・
赤,黄,緑の色相をもつ色と,白,グレー,・黒のよう
に色相をもたない色がある。色相をもつ色を有彩色・
色相をもたない色を無彩色という。
4,200五一一一一
は,光の分光エネルギー分 紫
布の相違により,その性質 紫外線
10皿A・一…一…一一一一一一一一一一
4,O00五一一一一
彩度:飽和度(SaturatiOn)ともいう。色には鮮やか
の差異が認められる可視放 O.O1五、..........三災
‡Takeo YASUDA,安田ポリマーリサーチ研究所所長
射の特性または視知覚の様 図1A単位で分類した光の
〒168−O082東京都杉並区久我山4−24−7
Vo1.52,No.7
相を三刺激値および色度座 波長1〕
83
顔料には有機顔料と無機顔料があり,有
機顔料は染料に似ており,透明または半透
明で,染料より移行が少なく,比重が小さ
い。無機顔料は低コストであるが,不透明
(b〕反射の犬きい塗膜 (b)透明性塗膜 (o)吸収の大きい塗膜
(明色,隠蔽カ大〕 (隠蔽力小) (暗色I隠蔽中犬〕
で着色力は弱い。着色剤は,色彩,透明性
と同時に,成形時の耐熱性,使用時の耐候
図2着色塗料の塗膜による光の反射,吸収
性,耐薬晶性に優れ,移行性がないことが
標または色相,明度,彩度によって表すものとして,
必要である。またプラスチックとの相性(適性)があ
以下の2種類の試験方法が記されている。
①分光測色方法
スチックカ音食品包装用途などに使用される場合,衛生
②刺激値直読方法
性も重要な要素である。
試験装置は①,②に対して,以下のものである。
塗料に顔料を分散させた着色塗料の塗膜に光を当て
り,使用に当たっては十分な選択が必要である。プラ
①分光測色方法の場合の測定に用いる分光測光器
た場合,反射の大きい塗膜は隠蔽力が大きく明色で,
は,JIS Z8722(物体色の測定方法)の4.2による。
反対に吸収の大きい塗膜は暗色となる(図2)。
②刺激値直読方法の場合の測定に用いる光電色彩計
このような顔料粒子による光の反射,屈折,吸収の
は,JISZ8722の5.2による。
測定方法は,つぎのように行い,測定条件はつぎの
現象は,粒子の大きさが光の波長の4,000∼7,000A
とおりである。
散乱,偏向が起こり,結果として次第に透明となり,
(可視光線)以上で起こるもので・粒子の大きさが光の
(a)反射測定の場合は,試験片の裏打ちは原則とし
隠蔽力が減少してくる。
て黒色のフェルトまたはライトトップを用いる。この
プラスチックに顔料を混ぜて着色させる場合の最大
時試料が半透明の場合は積分球式測光器を用いる。
の問題は,いかにして均一に分散させるかにある。均
また,試料が透明または半透明の場合は,試料の裏
一に分散できないと色むら(色の濃淡がでる)を生じ,
打ちは常用標準白色面または当事者問の協定により白
製品とならない。また混練中に色分離を起こし均一な
色ほうろう板などを使用してもよい。ただし,この場
色彩が得られないこともある。顔料の表面積,形状,
合に.は,使用した白色板の三刺激値を付記することが
粒度分布などは分散に大きく影響する。このように顔
望ましい。
料ρ分散は製品の品質に大きい影響を与えるので,い
(b)透過測定の場合は,JIS Z8722の4,4による。
ろいろな手段で分散を均一にする方法がとられてい
る。たとえぱ,軟質塩化ビニル樹脂では顔料をあらか
分光測光器または光電色彩計を用いて三刺激値X,
γ,Zを測定する。
じめ可塑剤と練ってぺ一スト状とし,これをゲル化し
測定した三刺激値X,γ,Zから,つぎの式によって
た塩化ビニル樹脂に添加する方法は古くから行われて
色度座標”およびμを算出する。
いる。
x . ア
しかし,ぺ一ストでは使用に不便であるので,これ
結果の表し方としては,刺激値γを小数点以下1桁
から発売されている。
および色度座標”,μを小数点以下3桁まで表す。ま
マスターバッチ法1ま・便用する樹脂の一部を用い高
た,測定値には,つぎの例のようにJISZ8722の6.3.2
濃度に顔料を分散させたペレット(マスターバッチ)
”二X+γ十Z 4=X+γ十Z
に規定の記号および測定に用いた装置名を付記する。
例:.1・卜25.8%・”=0・473・μ=O・381・
O−d分光測光計
を固体のチップ状(板状)にしたものが顔料メーカー
を作り,これを使用時に所定濃度に樹脂で希釈して(薄
めて)用いる方法である。
顔料濃度が1%以下の場合に広く便用される方法と
2・γi19・7%・炉0・302・μ=0・407・
して,ドライカラリングがあるqこれは顔料を金属石
45−0光電色彩計
けんなどとともにあらかじめ混合し,できるだけ微粉
(3)色をっける:着色
砕しておき(これをドライカラーと呼んでいる),タン
プラスチックに色をっけるには一般には着色剤を添
加する。着色剤は顔料と染料に大別される。染料は分
子単位そプラスチツクに溶解するが,顔料は1μm以
着させたのち押出機で混練し,カッターまたはペレタ
下の粒径でプラスチックに分散され,溶解しない。
ンドをっくる。これを未着色樹脂にたとえぱ10%くら
84
ブラ中でペレット状の樹脂にまぶし,顔料を均一に付
ィザでヵツトして粒状とし,いわゆるカラーコンパウ
プラスチックス
試験片
レンズ受光器の絞リ
レンズ
光源レンズ Ψ
受光器
㌻
回1
珍 絞1
受光器
備考 視感度フィルタを,光源側に入れてもよい。
光源 レンズ レンズ 試験片 レンズ
愛光器の絞り
受光器
図4積分球式測定装置
β・
[
・掴
β・
絞リ 幻 . 皿
光源の像
図3光沢蕎十の原理図(JIS K7105一岨m〕
い混ぜて混練し,成形すると着色剤が均一に分散着色
射光と入射光と等しい角度で受光したときの光
の強さを受光器で測定し・屈折率1,567のガラ
ス表面の光沢を100としたときの値(%)で表
す。光沢度の種類は60。鏡面光沢度を標準とす
るが4民2ぴの角度を用いてもよい。普通のプ
ラスチックでは,角度(θ)は60。または45。が
適しており,光沢度の高い塗料面には20’も用いられ
した成形品が得られる。
る。測定法の原理は図3に示すとおりである。
(4)色には感覚と感情がある:色彩学
最後に商品価値としてプラスチックの色は非常に重
要であることの例を二,三挙げる。色は外来刺激とし
光沢度につぎの例のように,光沢度を示すGεの記
て目に入ってくるが,人間はこれを感覚,感情,情緒
例:G宙(6ぴ):76%
の3段階に分けて受け入れるとされ,その心理効果は
2−10−4.透明性
透明性を表すには,明るさの尺度としての光線透過
大きい。たとえぱ,緑と紫は中性色と呼び,熱い,冷
号の後に光沢度の角度を括弧内に記載し,整数位で表
す。なお,%は省路してもよい。
たいを感じさせないが,この中性色から一番遠い赤の
率と,鮮明さの尺度としてのくもり価がある。
へんの色は非常に熱く感じ,青のへんは非常に冷たく
(1)光線透過率
感じる。黄色の付近の色は近寄って見え,その補色の
物体に光が当たると,その光の一部は反射され・物
ブルー,紫などは遠ざかって見える。黄色味の部屋は
体に入った光の一部は物体内で吸収され,残りが透過
狭く・青味の部屋は広く見え乱明るい色は軽く,暗
い色は重い。近寄る色(黄色)はもっとも情緒の少な
い色で,遠ざかる色(紫,ブルー)はもっとも情緒感
散された拡散透過光と入射された方向に直進する平行
をもつ色である。
過光と呼ばれる)とに分けられる。透過率には透過し
された光となる。そしてこの透過光は物体によって拡
透過光(光が試験片に垂直に入射された場合は垂直透
色の記憶のされ方は男女によって違うとされてい
た光線の全量を表わす全光線透過率(η)と拡散透過
る。女性はダークブルー(濃紺),パープル(紫),レッ
率(乃),平行光線透過率(乃)の3種がある。全光
ドの順によく記憶され,魅力ある色としてはバイオレ
線透過率の測定には,図4のような積分球色測定装置
ット(すみれ色),ライトプルー,オリーブ・グリーン
を使用し,全光線透過量,拡散透過量を測定し,全光
の順とされている1)。
線透過率,拡散透過率およびこれらの差として平行光
2−10−3.光沢
線透過率を求める。JIS K7105−1。。。2〕・によれば,試験
光沢(g互OSS)は物体表面に光を当てたときの輝き,
片の状況により以下のような二つの方法で行われる。
またはつやをいう。光沢は反射光分布の相違によって
①試験片が薄い場合および厚い場合でもへ一ズ値が
生じるもので,試験片の表面の平滑さ・照明の種類,
小さい場合,測定法Aによって積分球式測定装置を用
強さ,照明角度,観測角度などによって異なる。
いて,全光線透過率,拡散透過率およびこれ;ら・の差と
光沢を量的に表したものを光沢度といい,JIS K
7105−19812〕に記載されている光沢度測定方法はつぎ
②試験片のヘイズ偉が大きく(30%以上)かつ,厚
して平行光線透過率を求める。
のとおりである。
さが大きい場合(開口部の直径に対して厚さが1/10以
標準光源からの光を規定の角度で試料面に当て・反
上)は,厚さ方向への光拡散による端部からの光の逸
Vol.52,No.7
85
表1装置の光学的条件(測定法A〕
受光器開口:o
条 件
項 目
光の出入口(試料およぴ標準白色板取付部)の面積の
和(α十あ十〇〕は,球の全内表面積の4%以下とする(図
積分球
入口蘭口1o
5参照)。
出口と入口の中心線は球の同一大円上にあって,出口
の直径と入口の中心とのなす角度は86以内である。
1.3’土0.r 出口開口:凸
8o以内
光束
光束の断面:円形
標準白色板は可視光線の全波長に対して一様な局い反
射率を有するものとする。酸化マグネシウム,硫酸バリ
ウム,酸化アルミニウムなどがこれに適する。
積分球の内壁には,標準白色板と同⊥反射率を有する
反射面
ものを塗布する。
試料を照らす光束は,ほとんど平行光線で,光軸から
3。以上ずれる光線があってはならない。光東の中心は,
出口の中心と一致する。
図5積分球の条件(測定法A)
出口における光束の断面は円形であって,鮮明でなけ
光束
れぱならない。
受光器開口:d
また,その直径が入口の中心に対してなす角度は,出
口の半径がなす角度より1.3±O.1.だけ小さくする。
入口開口:匝
試験片ホルダ.
ライトトラップ
開口1o
光束 ブ
試験片
τ
光源は,標準の光λを用いる。
光源
金属光沢面
受光器の総合感度は,視感度フィルタを用いて標準の
光Cにおけるルータ条件のγの値を満足していなけれ
ぱならない。ただし,特に指定のある場合は,標準の光
λにおけるルータ条件のγの値を満足したもので測定
誠分球
内壁
開口1凸
積分球出口の光東の断面は,図5のとおりとする。
ライトトラップは,試験片または標準白色板を取り付
けないときは,光を完全に吸収しなけれぱならない。
受光器
してもよい。
図6積分球の条件(測定法B)
表2装置の光学的条件(測定法B〕
100
,
11 1
一
’
80
ダフスg・225二・
光の出入口の面積の和(α十凸十6+∂〕は,球の全内表
面積の4%以下とする(図6参照〕。
開口αと開口cの中心線は球の同一大円上にあって・
. 1− I
一
射出成形アクリル 1 ’’ ’ 旦 圧縮成形ボリカーポネーO.135in 1 0,128i皿 ■ I 川射出成形芦リカi一ポ辛一一0・351
積分球
“
) 60
掛
輿
蝿
開口αと開口むの中心線と,開口むと開口5の中心線
の角度はユ4。とする。
開口部切,凸およびcは同]面積とする。
i
簸40
;
;
,
!
I
1
;
’
表ユの反射面に同じ。
反射面
I
’
栄
割
噺20
条 件
項 目
=
ライトトラ.ツプ
試料を照らす光束は,ほとんど平行光線で,光軸から
30以上ずれる光線であってはならない。光束の中心は,
開口αの中心と]致する。
光束g断面は円形であって,鮮明でなけれぱならない。
ま衣.,.・そ.の直径は開口αにあっては試料直径の
0−5∼q、.6倍とする。ただし,不透明の試料の反射率を求
める場合はこの限りではない。
表1一のライトトラップに同じ。
光源
表1’の光源に同じ。
受光器
表1の受光器に同じ。
光束
400 450 500 550 600 650 700
.波 長(mμ〕
〔注〕lmμ(ミリミクロン〕=101㌔m
図7各種プラスチックの光線透過率引
散が大きくなるので,これを捕捉するため測定方法B
型の平滑度も直接関連するが,この図に示されるよう
によって全光線透過率を求める。
に,本質的には当てた光線の波長および試験片厚さが
③全光線透過率は,試験片の鏡面反射を捕捉するた
関連する(この図ではガラスの厚さがプラスチック材
め,光軸に対して積分球の中心角に角度をもたせた積
料の2倍のものになっている点に注意が必要)。
分球を用いる測定法Bによって求める。
(2)ヘイズ(くもり価)
光が透明な材料中を通過するとき,材料の種類によ
測定法Aの場合の積分球の条件を図5,表1に,測
定法B場合の積分球の条件を図6,表2に示す。
図7は,ポリメチルメタクリレート(PMMA)とポ
って反射や吸収のほかにその材料の固有の性質によっ
て光が拡散され,不明瞭なくもり状外観を示すものが
リカーボネート(PC)の光線透過率とガラスの比較を
ある。この現象をヘイズ(haze)と呼ぶ。このように,
示す。光線透過率は成形品においては,成形条件や金
透明なものに入射した光線が拡散する度合いをヘイズ
86
プラスチックス
あるいはくもり価といい・拡散光線透過
表3代表的な透明プラスチックの特性別瑚刎7〕別則
率(τ・)と全光線透過率(τ1)を測定し,
屈折率
その比(τ。/τ。)で表す。
(〃。)
アツベ
数
比 重
ポリメタクリル酸メチル
1.49
ハイドロオキシ
エチルメタクリレート
ユ.43
プラスチックが透明であるということ
ポリカーボネート
ポリスチレン
1.59
1.59
1.57
1.50
特性を示す呂〕。
(3)透明性の改良
は,ボリマーの表面および内部の不均一
AS
性による可視光線の吸収と反射がないと
CR−39
いうことである。
ポリエチレン
テレフタレート
ボリメチルペンテン
ユ.53∼1.6
ポリエチレン,ポリアミド(ナイロン)
の透明性の悪さは結晶相と非晶相が共存
58
1.ユ9
30
31
35
58
1.20
1.06
1.07
1.32
5∼8
7,5
6∼8
7
米PPG社
ユO∼ユ2
モノマー注型重合
分子配向によ傭し
1.38∼ユ.41
い複屈折性を示す
56
1.463
セルローストリアセテート
1.493
し,その屈折率が異なり,その境界で反
エポキシ樹脂
射が起こるためである。
ポリふっ化ビニリデン
ABS樹脂の場合,結晶化しないが,ゴ
ポリサルホン
1.53
1.42
1.63
ポリエーテルサルホン
1.642
ポリアリレー.ト(Uポリマー〕
1.61
ム相とガラスから成り立ち,屈折率が違
傭 考
(10■冒κ〕
(∂)
表3に代表的な透明性プラスチックの
線膨張
係数
11,7
O.835
7
1.19
1.75∼1.78
1.24
23∼24 1.37
1.21
7∼14
5.5
透明コハク色
5.5
6.1
〃
透明淡黄色
うので透明にならない。しかし,ポリメ
チルペンテンのように結晶性が高くても
表4透明性と構造との関係(透明性の改良)帥
構 造
透明のものもある。これは非晶相と結晶
相の屈折率がほぽ等しく,屈折,反射が
起こらないためである。塩化ビニル樹脂
が透明なのは,ガラス相中の結晶相が少’
なく,またガラス相と屈折率の差が小さ
いためであろう。
超分子的
(鷲竺ポ)
超分子的
(雛芒)
④
④
④
⑮
急冷PP
PE延伸系
異種ボリマー相を微細化
④
S−Bブロックコポリマー,
⑮
PVCブレン.ド用ABS
透明ABS
④
PVC/NBR系ブレンド
配合剤を加えない。
④
PMMAモノマーキャス
配合剤の分散の微細化。
表面を平滑にする。
ひずみをなくす。
④
◎
液体安定剤を用いたPVC
する。
異種ポリマーと屈折率を
はつぎの3方法でかなり改良できる。
テイング板
その他
け近づける。
③表面の平滑度をよくし,光の散乱を
防ぐ。
ポリー4一メチルペンテンー1
をよくする。
①球晶などの粒子径を小さくする。
②2相(両成分)の屈折率をできるだ
C1化PE
合わせる。
異種ポリマーとの相瀞性
以上のことからわかるように,透明性
例
改良の指針
球晶を小さくする。
球晶を消滅させる。
結晶領域を消減させる。
結晶の屈折率を下げる。
PMMAモノマーキャス
テイング板
改良の指針:④ 粒子微細化ないしは消滅させる.⑮ 2成分闇の屈折塾を合わ
改良の指針 ④ 粒子微細化ないしは消滅させる,⑧ 2成分聞の屈折率を合わ
せる,◎ 表面での散乱をなくす。
2相の屈折率の差がなけれぱ,粒径が
いくら大きくても透明である。2相の屈折率に差があ
球晶が砕かれて微結晶体になるためであり,急冷によ
る場合でも・粒径を300A以下にすれぱ透明にな乱結
晶性プラスチックでは,粒径に相当するものが球晶ま
ク研究会の透明性改良の指針を表4に示す。
る透明性は球晶が小さくなるからである。プラスチッ
たは微結晶である,延伸によって透明性が増すのは,
Vol.52,No.7
87