報告書:済州大学校(2013)

報告書:済州大学校(2013)
学部/研究科・学年
海事科学研究科 M2
留学先国・大学名
韓国・済州大学校
プログラム期間
2013 年 8 月 13 日~8 月 23 日
1.
プログラム、授業、クラス編成などについて
プログラムについて:
プログラム構成は基本的に毎日、午前中は授業、午後は文化体験やアクティビティ、もしくは自由時間
でした。午後のプログラムは海女体験や乗馬体験、写経をしたりしてお寺の生活を体験したり、済州4.
3事件平和記念館を見学しました。海女体験は、暑くて海女用のウェットスーツを着るのが一苦労で、
海女さんの苦労がわかりました。また、海に潜るのが難しく海女の学校に通っている韓国の方に教え
てもらいながら練習しました。乗馬体験は2人1組で馬を引くのと乗るのを交代しました。普段なかなか
できない乗馬の体験で皆とても楽しみました。済州4.3事件は、韓国でも最近になって公表されるよう
になった事件で、記念館も新しかったです。展示の説明書きが韓国語か英語しかなかったので、日本
語のガイドさんが説明をしてくれました。事件の内容がとてもよくわかり、勉強になりました。また今回、
土日で予定されていたホームスティがなくなったため、一泊二日で少年自然の家のようなところへ遊び
に行きました。済州島はオルレ・キルと呼ばれる自然の中を歩くことができる道が整備されていて、そ
の一つを歩きました。山の中でしたが、急な坂などはなく、ゆっくりと歩いて自然を満喫できました。夜
はキャンプファイアーやレクレーションをしました。この様に午後の予定が多く、あまりゆっくりする時間
はありませんでしたが、色々な体験が出来て楽しかったです。
フリータイムには、滝を見に行きたい人、海に行きたい人、買い物に行きたい人などが自然とそれぞれ
に集まって遊びに行っていました。私も滝を見に行ったり、チムチルバンへ行ったりして自由時間を楽し
みました。また、済州大学の韓国人学生がチューターとして色々とサポートしてくれましたので、チュー
ターと仲良くなった人は色々な所に連れていってもらったりしていました。午後のプログラムのときはも
ちろん、フリータイムにも英語、日本語、中国語を話せるチューターがいて、それぞれの国の人たちが
困ったことがあった時に相談できるようにしてくれていました。
最終日は送別会があり、国ごとに出し物をしました。今回、日本からは「日本の夏休み」と題してラジオ
体操を披露したり浴衣を披露したりしました。とても楽しんでもらえて良かったです。
授業について:
初めに面接形式でクラス分けを行いました。筆記テストなどはなく、何年ぐらい韓国語を勉強したのか、
ハングルは読めるかなどを韓国語で質問されます。その答え方一つでクラスが決まります。ですので、
少し話せてハングルも勉強したことがあるのなら、この口頭面接で自分は話せるし、読めるというアピ
ールをしっかりした方がいいと思います。今回のクラス分けは、上級と初級2つしかありませんでした。
初級のクラスでは、全く勉強したことのない学生に合わせて、まずはハングルの書き方、読み方から始
めていて授業もほとんど英語だったようです。ですので、中級レベルの力があれば物足りなく感じると
思います。私は何とか上級に入りました。上級のクラスでは先生は韓国語しか話しません。話すスピー
ドも速くて「動詞」「形容詞」といった言葉まで韓国語で理解できないと授業内容が理解できないと思い
ます。ですので、中級レベルだと少し苦労しますが、耳が韓国語に慣れてきて、最後には先生の話が
良く分かるようになり、単語力もアップしてとても勉強になりました。上級のクラスでは、日本で教えても
らうような基本的な文法の他に、細かい表現の違いや言い回し、感情表現なども学べました。韓国では、
質問されたことだけ答えるのではなくて、次々と話題をひろげていくことがとても重要であると教えられ、
話題を見つけて話すという練習を何度もしました。最後の授業ではテストがあり、2人1組になって5分
間のフリートークをしました。授業は毎日とても充実していて、楽しかったです。先生は、早く話す練習
や、ネイティブの話を聞きとれるようになるために普通の韓国人が話す速度で話をしてくださり、時々厳
しかったですが本当に勉強になりました。ぜひ上級レベルのクラスに入れるよう頑張ってください。
2.
宿舎について
宿舎(男女別)は2人で1部屋の相部屋です。部屋にはそれぞれにベッドと勉強机、クローゼットが用意
されています。部屋にはトイレとシャワー、物干し台があります。トイレにはトイレットペーパーが付いて
いないので、初日に購入しておく必要があります。外から宿舎の廊下に入ってくる蚊が多いので、かゆ
み止め薬は必須です。あと、シャワー室とトイレに仕切りがないので、洗面所とトイレの床はびしょ濡れ
になりますから、スリッパを買うなどの対策が必要だと思います。私たちは洗面所を出たところにタオル
マットをひいて部屋が濡れないようにしました。あと共同で使える洗濯機と乾燥機、冷蔵庫、電子レンジ、
給水機があります。コンビニも宿舎のすぐ近くにあるので不便はないと思います。ただ、お土産や服な
どの買い物をしたいときには市内へ出る必要がありますが、寄宿舎から正門を出たところのバス停ま
で行くのが遠く、歩いて20分くらいかかります。
食事は朝、晩は食堂で食べることが出来ます。野菜も豊富で、栄養バランスを考えた食事なので、健
康面は心配ありません。最初指定された食堂は、皆同じメニューのバイキング形式の学食でしたが、
途中から夏休みの関係で違う食堂に移りました。食券をもらえて、6000W以内の食事ならその食券を
使って好きなものを注文できました。そこはサムギョプサルやユッケジャンなどメニューも豊富で、とても
おいしかったです。そのほかにも色々と学内に食事が出来るところがあったので、ぜひ行ってみてくだ
さい。
寄宿舎内にパソコンルームがあり、20台ほどパソコンがあり、夜の1時まで使うことが出来ました。携
帯電話(iPhone)だけしか持ってきていない人が多かったので、どうしてもパソコンを使いたいときはそ
こを使っていました。私は Windows の surface を持って行きました。Wi-Fiは無線も有線も使えます。
初日にチューターにIDとパスワードを聞いておく必要があります。ただ、携帯電話はすぐに使えました
が、パソコンの場合このIDとパスワードだけではすぐに使えませんでした。済州大学のWi-Fiを使うた
めの別のパスワード設定が必要だったようで、それがわからず大変苦労しました。私は Information
Telecommunication Center という学内の施設へ行って設定を教えてもらいました。韓国語しか通じない
ので、チューターさんや留学生センターの先生について行ってもらうと安心だと思います。パソコンを持
っていくときは注意してください。
3.
留学先のサポート体制について
留学生センターの先生方やチューターの方々は本当に親切で、よく面倒を見てくれました。日本語がで
きる先生ももちろんいますから、不安なことはすぐに相談できます。また、私は大学院生で歳も他の学
生よりも上だったので、キャンプに行った時には先生と同じ静かな部屋にしてくれるなど、学生ひとりひ
とりに対しても細やかな気遣いを感じました。チューターの方は、常に行事に一緒に参加して、帰るとき
には空港まで見送りに来てくれたりと、本当に親切でした。留学生センターの先生は、鹿児島に留学の
経験がある方で、日本語も堪能で面倒見がよく、明るくて本当にいい方でした。
4.
費用について
渡航費
約 5 万円
渡航手段
飛行機
その他
関西国際空港→ソウル金浦空港→済州空港
5.
空港/港~大学間のアクセスについて
着いた日は、大学の車で空港まで迎えに来てくださいました。帰りは各自で空港まで行きましたが、コ
ールタクシーを呼んでくれたり、きちんと最後まで対応してくださいました。時間的にはバスで30分、タ
クシーで20分ぐらいでアクセスは良かったです。帰り、私はタクシーに乗りましたが、時間的には20分
くらいで料金は9000Wくらいでした。帰りは荷物も多いので、タクシーでもいいと思います。
6.
その他感想・意見/今後このプログラムに参加する学生へのアドバイス
このプログラムに参加した学生は、23人中15人が日本人、台湾人が2人、アメリカ人1人、ベトナム
人2人、中国人2人、インドネシア人1人でした。日本人だけでなく、各国の友達もできて楽しかったです。
でも上級クラスに入ったのはほとんどが日本人で、日本の学生は良く勉強してきているのだと思いまし
た。韓国語に対する向上心にもあふれ、見習うところがたくさんありました。寝食を共にして、楽しい時
間を一緒に過ごし、最後には兄弟と別れるような気持ちになるくらい本当に寂しかったです。韓国のチ
ューターさんともメールアドレスを交換したりして、今でも連絡を取り合うほど仲良くなりました。神戸大
学からは一人で参加しましたが、皆明るく親切に接してくれ、不安な気持ちはすぐに消えました。楽しい
留学生活にしてくれた皆に感謝します。
韓国語は必ず行く前に基本的なことは勉強しておいた方が良いと思います。少しでも自分の意思を伝
えることができたり、聞き取れることが出来れば行動範囲も広がるし、留学生活が何倍も楽しくなります。
事前の勉強をお勧めします。そして、積極的に話しかけるようにしてください。
また、ソウルもいいですが、済州島のような地方では自然を満喫できて、時にはタクシーの運転手さん
から方言を教えてもらえたりしますから、とても楽しいです。ぜひこのプログラムに参加して楽しんでくだ
さい。