水稲直播管理情報 第 2 号 平 成 2 5 年 5 月 アルプス農協管内農業技術者協議会 除草剤はイネの葉齢を確認し、遅れずに散布しましょう。その後は浅水管理で分げつの発生を促進しましょう。 1. 播種後の管理 (1)播種後の田干し ・播種同時(当日)、5~10m間隔で溝を掘り、表面水の排除を促す。 ・水たまりがある場合、手溝などで落水を促す。 ・出芽が揃うまで(播種後5~7日程度)、表面に小さくヒビが入る程度の田干しを行う。 ・ただし、強風が吹くなど荒天の場合には、乾きすぎにも注意する。 ノビエの葉令展開は極めて早い! (2)除草剤散布(使用薬剤は水稲直播管理情報第1号を参照) ・散布前に入水し、湛水状態が安定してから散布する。 ・散布後7日間は湛水状態を維持し、『落水』や『かけ流し』をしない。 苗立ち状況を確認し、除草剤は 遅れずに散布しましょう! (3)除草剤散布後の水管理 ・除草剤散布7日間の湛水後は、水深2~3cm程度の浅水で管理し、分げつの発生を促進する。 ・入水は朝又は夕方に短時間で行い、日中は止め水にして田水温の上昇に努める。 ノビエの生育は イネより早い! 【除草剤散布のタイミング】 3.5 3.0 イネ 2.5 ノビエ 2.0 ( ・除草剤を散布する際には、イネの葉令を確認してから散布 葉 齢 する。 ・一発処理剤(リボルバーエース1キロ粒剤またはサラブレッド L RXフロアブル)はイネの葉令は1.5葉以降となります。 ・上記の除草剤はノビエの葉令が2.5葉までとなっているので、 遅れないように注意する。 1.5 ) 1.0 5/1播種 0.5 0.0 0 5 10 15 20 25 代かき後日数 (日) ノビエの 2.5 葉期とイネ の 1.5 葉期は、ほぼ一致 するので、除草剤散布の タイミングが難しい。 30 35 【播種後の水管理と除草剤散布の目安】 田干し [水管理等] [播種前後日数] 入水 播種 (除草剤散布後7日間は湛水管理) 浅水管理 (代かき) 0 1 2 3 4 5 6 7 9 8 10 11 12 13 14 15 16 -5~-1 ヒエの生育 1.0L 1.5L 2.0L 一発処理剤はヒエ 2.5 葉までに散布 2.5L 一発処理剤はイネ 1.5 葉以降に散布 1.5L 1.0L イネの生育 散布適期 出芽促進すると、イネの 生育が3日間早まる! 散布適期が1日しかない! [除草剤散布適期] 出芽促進した 1.0L 1.5L イネの生育 散布適期が広がります <一発処理剤> リボルバーエース1キロ粒剤 除草剤を効果的に使うためにも、出芽促進処理は重要です! またはサラブレッド RX フロアブル 17 2.初期 害虫 の防 除 直 播 栽 培 は病 害 虫 が発 生 しやすい環 境 のため、害 虫 の発 生 がみられたら、早 めに対 応 する。 表 防除の目安および防除薬剤 対 象 害 虫 イネミズゾウムシ イネドロオイムシ 防除の目安 薬 剤 名 10a当たり散布量 シクロパック粒剤 トレボン粉剤DL 60g×10個 3kg (5月下旬~6月上旬) 成虫数3.0頭/10株 成虫数0.5頭/10株 3.溝掘りの実施 ・水 の出 し入 れをスムーズにし、中 干 しの効 果 を高 めるため、6月 上 旬 までに溝 掘 りを実 施 する。 ・作 溝 は10~15条 に1本 の間 隔 を目 安 に行 い、播 種 機 でできた溝 の手 直 しや、溝 の連 結 を確 実 に行 う。 溝掘りにはこんな効果があります 水口 排 水 口 乾きにくい部分は 10 条(3m)に1本を目安に! 4.雑草が残った場合の除草剤散布 ヒエや広葉雑草が残っている場合は、雑草とイネの葉齢を確認して、適期に除草剤を散布する。 発生草種 除草剤名 使用時期 クリンチャー 1キロ粒剤 播種後 10 日以降 ノビエ3葉期まで (ただし、収穫 30 日前まで) 播種後 25 日以降 ノビエ4葉期まで (ただし、収穫 30 日前まで) ノビエ クリンチャーEW ノビエ、マツバイ、 ホタルイ、ウリカワ、 ミズガヤツリ 新 カービー1キロ 粒剤 播種後 10 日以降 ノビエ5葉期まで (ただし、収穫 30 日前まで) イネ 4.0 葉期以降 ノビエ3葉期まで (ただし、収穫 90 日前まで) ノビエ、マツバイ、 ホタルイ クリンチャーバス ME液剤 播種後 10 日以降 ノビエ5葉期まで (ただし、収穫 50 日前まで) マツバイ、ホタルイ、 ウリカワ、ミズガヤツリ 他 バサグラン液剤 播種後 35~50 日 (ただし、収穫 50 日前まで) 適用 土壌 10a当たり散布量 使用上の注意点 1.0kg ・ 散布時には5cm 程度の深水とし、散布後5 日間は湛水状態を保つ。 ・ 散布後に多量の降雨が予想される場 合は使用を避ける。 1.5kg 砂壌 土 ~ 埴土 ・ 雑草の茎葉に確実に付着するよう、散布 100mℓ する。 (希釈水量 25~100ℓ) ・ 展着剤を加用する。 ・ 晴天日を選んで散布する。 ・ 異常な低温(15℃以下)が予想される場合 は使用を避ける。 ・ 散布後5日間は湛水状態を保ち、田面を 1.0kg 露出させたり、水を切らさない。 ・ 散布後に多量の降雨が予想される場合は 使用を避ける。 ・ 落水状態で散布し、散布後 3~4 日間は 1000mℓ 入水、落水をしない。 (希釈水量 70~100ℓ) ・ 晴天日を選んで散布する。 ・ 落水状態で散布し、散布後 3~4 日間は 500~700mℓ 入水、落水をしない。 (希釈水量 70~100ℓ) ・ 晴天日を選んで散布する。 ※上記除草剤散布例は、富山県農林水産部発行の平成25年度農作物病害虫・雑草防除指針に基づき作成
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