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植物公園コラム
水戸藩にまつわる
薬草
救民妙薬
第 三 話
花に似合わぬキキョウの根
秋の七草の1つで幅広い釣鐘型の紫花が美しく、
半夏はカラスビシャク。陳皮は温州ミカンの果皮。
観賞を目的に庭先で栽培されることが多いキキョ
茯苓はサルノコシカケ科のマツホドの菌核を乾燥
ウ。茎や葉を折ると白い乳液を出す特徴がありま
させたものです。
す。多くの歌に詠まれたり、家紋などの模様に使
キキョウは、日本全土の日当たりの良い草地に
われたり、日本で昔から愛されている植物です。
生育していましたが、乱獲や環境の変化で群落が
朝鮮では食用に、中国では古くから薬用として
見られなくなりました。春に株分けをして、キキョ
用いられています。キキョウの根は優しい花のイ
ウの群落を作ってみるのもいいですね。
植物公園 園長 西川綾子
メージと違い、チョウセンニンジンの根と間違え
てしまうほど、太く肥大しています。
薬用には、この根を使います。地上部が枯れた
晩秋に根を掘り、水洗いして表皮を除き、天日干
きょたん
しで乾燥させます。これは桔梗根といい、去痰作
用があるサポニンを含んでいます。救民妙薬でも
痰の薬として、4種類の生薬を同量で粉にして用
いる処方が紹介されています。
キキョウの花
「半夏(はんげ) 陳皮(ちんぴ) 白茯苓(しろふく
右等分 粉にして用
(もちゆ)
」
りょう) 桔梗(ききょう)
植物公園カレンダー
展示会
フラワーデザイン展~花の植生・
自然を生ける 7/28(木) ~ 31(日)
植生的な生け方をした作品の展示。ま
るでその植物がその場に生えているか
のような空間を作り上げます。
植物公園の不思議な住人たち展
8/5(金) ~ 17(水)
植物公園に住んでいそうな不思議な生
き物たちを想像力豊かに子どもたちが
描き、図鑑を作りました。その原画を
展示します。
参加者募集
※参加料のほかに入園料が必要です。
花をテーマとした写真を展示。
押し花教室「額に押し花を飾り
ましょう」 8/21(日)・28(日)
サギソウ展 8/2(火) ~ 7(日)
時間/ 10:30 ~ 12:00、13:30 ~ 15:00
定員/各20名 参加料/ 1,500円 申
込み/ 8月4日(木)から電話で受付
花の写真展 ~ 7/31(日)
き
ぐ
絶滅危惧種である
「サギソウ」
。
「大塚成
就院池のサギソウを育てる会」が保存・
育成しているサギソウを展示。
キキョウの根
植物公園 ☎243-9311、
241-1211
月曜日休園(祝日・振替休日のときは翌日)
(入園は16:00まで)
開園時間 9:00~17:00
サギソウ観賞会
大塚町の成就院池公園で、サギソウの
開花時期にあわせて観賞会を行います。
サギソウは、県の絶滅危惧種に指定され
ている野生ランです。
観賞会では、自生地復元の紹介や鉢植
えの展示のほか、園芸種のサギソウや野
菜の販売も行います。
日時/ 8月7日(日)、午前10時~午後3時
問合せ/大塚成就院池のサギソウを育て
る会鯉渕方(☎251-8286)または植物
公園(☎243-9311)
水戸のサギソウについて
一時、環境の変化などでほとんど姿
を消してしまったサギソウ。自生地に
復元させようと、水戸市で増殖に取り
組んだのが20年ほど前のことです。地
元住民の皆さんの協力もあり、今では
毎年美しい花を見ることができます。
公園
大塚池
2011. 7. 15 広報みと
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