ユニバーサル・シリアスゲームの開発

産学官連携フェア2014 Dec. みやぎ
~研究成果発表・交流の集い~
ユニバーサル・シリアスゲームの開発
東北福祉大学
情報福祉マネジメント学科 大内
誠
研究室
障害のある人も健常者もいっしょに楽しめるスポーツがユニバーサルスポーツ
です。中でも「ボッチャ」は、重度障害者のために考案されたスポーツで、パラ
リンピックの公式種目にもなっています。今回は、ボッチャのトレーニングが可
能なユニバーサル・シリアスゲーム「みんなのボッチャ」を展示します。また、
介護予防を目指した運動連動型脳トレゲームや咀嚼認識ソフトの展示も行います。
1-1. パラリンピック正式種目「ボッチャ」とは?
脳性麻痺など重度運動機能障害者のために考案さ
れたスポーツで、パラリンピックの正式種目となっ
れたスポーツで
ています。
ています
ジャックボールと呼ばれる白い球に、青色と赤色
のそれぞれ
のそれぞれ6球ずつのカラーボールを投げ、ジャック
ボールに近い方のチームが得点するゲームです。
ボールに近い方のチームが得点するゲームです
ボールを投げることができない選手は、ランプス
と呼ばれる勾配の付いた器具を使って、ボールを転
と呼ばれる勾配の付いた器具を使って
がすことも可能です。
がすことも可能です
北京オリンピックにおけるボッ
チャの試合(Wikipediaより引用)
障害者による審判も可能です。
1-2. ユニバーサル・シリアスゲーム「みんなのボッチャ」
Wiiリモコンによる簡単操作
Wiiリモコンは、任天堂Wii用に開発されたゲームコント
ローラです。加速度センサやジャイロセンサを内蔵してお
り、手で持ってアンダースローの動作をすることでボール
を投げることができます。障害により投げる動作ができな
い場合は、ボタン操作により投球することも可能です。
「みんなのボッチャ」の特徴
①PCとWiiリモコンがあればどこでもプレイ可能
②ボッチャのトレーニングが可能
③最低限の介助者がいればプレイ可能
利用技術
①3DCGモデリング:Blender
②レンダリング:DirectX
③開発言語:C#
開発者:齋藤咲栄、佐藤瑞季、早坂彩希
今後の予定
「みんなのボッチャ」の実行画面
①ボールの動きは、実際のボッチャのものをシミュレーションしておりますが、よりリアルさを追求するた
めには、ボッチャの選手に使っていただき、調整する必要があると考えております。
②完成後は、フリーソフトとして公開する予定です。
産学官連携フェア2014 Dec. みやぎ
本研究に関するお問い合わせ先: [email protected]
大内誠
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東北福祉大学
情報福祉マネジメント学科 大内
誠
研究室
2. 咀嚼認識ソフトウェア「ウェル・噛むかむ」
咀嚼回数増加による健康向上
咀嚼回数が増加すると、がん予防、肥満予防、歯の病気
予防、脳の発達などに効果があると言われています。しか
し、咀嚼回数を数えながら食事をするのは容易ではありま
せん。
そこで、私たちは、Microsoft社のKinect for Xbox 360
センサを用いてフェイストラッキングを行い、咀嚼回数を
カウントするソフトウェアを開発しました。
Kinect for Xbox360
実装済みの機能
①箸やスプーンを口元に持って行くと自動的にカウント
が始まります。
②咀嚼と会話を区別することが可能
実証実験
①予備実験の結果、認識率に個人差があることが判明
②個人差を軽減するアルゴリズムを実装し、本実験を実
施する予定です。
開発者:柳田恵梨奈、斉藤夏美
「ウェル・噛むかむ」の実行画面
3. 認知症予防・改善のための運動連動型シリアスゲーム
MCIを改善する脳トレ+有酸素運動
国立長寿医療研究センターの鈴木らは、「しりとり踏み
台昇降」や「引き算歩行」などを考案し、運動時に頭を使
う こ と で 、 軽 度 認 知 障 害 (Mild Cognitive Impairment :
MCI)から認知症への移行を遅らせたり、改善できると報告
しています。
そこで私たちは、脳トレをしながら有酸素運動が可能な
「PCしりとりゲーム」と「ゼスチャー式Nバック課題ゲー
ム」を開発しました。
PCしりとりゲーム
PCを相手にしりとりゲームができます。その際、踏み台
昇降などの有酸素運動と組み合わせると認知機能改善に効
果があります。
「PCしりとりゲーム」の実行画面
ゼスチャー式Nバック課題ゲーム
PCが示す体の動きを記憶し、ゼスチャーで回答するNバッ
ク課題ゲームです。ゼスチャーは、Kinectで認識します。
実証実験
開発した2つのゲームに認知機能改善の効果があるかど
うか、現在、光トポグラフィーを用いて実験中です。
開発者:小石川未来、丹野隼斗
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東北福祉大 大内誠 研究室
私たちの研究室では障害のある方や高齢者が利
用できるさまざまなICTシステムの開発を行ってお
り,産学官連携事業にも積極的に取り組んでいま
す。
本研究に関するお問い合わせ先: [email protected]
大内誠