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日消外会誌 26(3):899∼ 903,1993年
開存 した傍踏静脈閉鎖術 が有効 で あ った猪瀬型肝性脳症 の 3例
日本医科大学第 1 外 科, 同
真 々田裕宏
金 徳 栄
吉田
大矢
恩 田 昌 彦 田
鳥 羽 昌仁 足
寛
西 久保秀紀 谷
中田
徹
島 度 之キ 弦
放 射線科 Ⅲ
尻 孝
山 下 精 彦
立 幹 夫 梅 原 松 巨
合 信 彦 限 崎 達 夫Ⅲ
間 和 仁本
開存 した傍踏 静脈 を有 し反復 性肝性脳症 を塁 した肝硬 変症例 3例 (全例食道静脈瘤 合併)に 対 し,
傍磨 静脈結熱術 あ るいは経 カテ ー テル的塞栓術 を施行 し,良 好 な成績 を得 たので報告す る。3例 とも
高 アンモ ニア血 症 と反復す る意 識障害 が認 め られ,保 存療法 にて対処 していた。 血管 造影上,傍 磨 静
脈 の開存 に よる門脈 一 大循環短絡路 に起 因 した 猪瀬型肝性脳 症 と診断 し,閉 鎖術 を施行 した 。方法 は
門脈圧 モ ニ タ ー下,暦 上部 にて皮切 を加 え,症 例 1, 2に は傍暦 静脈 を露 出後結繁,症 例 3は 同静脈
よ リコイ ル と無 水 ニ タ ノール で 塞 栓 した。全例 で 術 後 門脈 圧 は上 昇 し, と くに症 例 3は 塞 栓 後 246
mmH20か
ら320mmH20と
上昇 したので陣動脈 塞栓術 (SAE)を 追加 し,285mmH20へ
と低下 した 。
また,い ず れの症例 も食道静脈瘤 の悪化 は認 め られず,血 中 ア ンモ ニ ア値 の低 下,脳 症 の改善 がみ ら
れ,本 治療 法 の有効性 が示唆 された。
Key words:
portal hypertension, portosystemic encephalopathy, occlusion of paraumbilical vein
は じめ に
Table I Clinical summary of three patients with
portosystemic encephalopathy.
反復性肝性脳症 を起 こす病態 の 1つ に,門 脈 一 大循
環系短絡 の存在,い わ ゆ る猪瀬型 肝性脳症 1)があ る。本
疾患 に対 して,内科的保存療法 が主 体 とされて きたが,
(嗣 201
この治療法 に も限界があ る。 そ こで,軽 度肝障害4/1で
の外科的 な短絡 路遮 断術 の∼ゆや,interventional radiol‐
∼
ogyに よる塞栓 術い 1い
の有効性 が報告 されてい る。
回
れわれは
今 ,わ
開存 した傍謄 静脈 を有 して反復性
肝性脳症 を呈 した肝 硬変症例 3例 に傍磨 静脈結熱術 お
よび塞栓術 を施行 し良好 な成績 を えたので,若 子 の文
PUV:Pattun聞
田 v輸
,VP:Partat vetn"雄suに
SAE:sH3市 C artery 8mb8Lttan
献的考察 を くわ え報告す る。
各症例 の臨床像 を Table lに 示す。
症
入院 とな った。 入院時,意 識 は昏睡状態で,血 中 ア ン
モ ニ ア値 は230μg/diと 高値 を示 して いた。硬 化療 法
(症例 1)
35歳の 男性.昭 和59年12月よ り,肝 硬変 ・食道 静脈
脈 の開存 のみを認 めた。 そ こで脳症 の改善 を 目的 に傍
例
瘤 を指 摘 され,昭 和 61年 2月 に牌動脈 塞栓術 (splenic
artery embolization i SAE)お
よび経皮経肝的食道 静
(EIS)後 の血 管造影で は,遠 肝性 血 行路 として傍踏 静
磨 静脈結繁術 を施行 した 。方法 は硬膜外麻酔下 で tran‐
sileocolic portography法
(TIP法 )に よ リカテ ーテル
脈瘤塞栓術 (percutaneous transhepatic obliteration i を門脈 内 まで挿 入 し,門 脈造影後,門 脈圧 を モ ニ タ リ
P T O ) を 施行 した。 その後 , 食 道静脈瘤 の再発 お よび
ン グ した。次 に,謄 上部 にて皮切 を加 え,傍 暦 静脈 を
反復性肝性脳症 が発症 し昭 和 6 2 年 3 月 , 治 療 目的 にて
<1992年10月7日受理>別 屈U請求先 :真 々田裕宏
〒113 文京区千駄木 1-1-5 日
本医科大学第 1
外科
露 出 した。 同静脈 の短絡路 閉鎖試験 (以下, ク ランプ
テ ス ト)を す る と,門 脈圧上昇 は軽度 で あ ったため,
同静脈 の結紫 が可能 と判 断 し,施 行 した。術直後 門脈
圧 は416mmH20か
ら481mmH20へ
と上 昇 し,開 存 し
開存 した傍 暗静脈 閉鎖術 が 有 効で あ った猪瀬型 肝性悩 症 の 3 例
146(900)
Fig. l
日 消 外会誌
26巻 3号
Ca韓 2 ヽア
enous phase of superior lnettnteric angiogram
(a)Before ligatiOn Of paraumbilical vein, it reveals paraumbilical vein patent
vs) (b)After ligation,paraulnbilical vein is not visualized
(small arrO、
た傍磨 静脈 は消失 した. 術 後, 意 識 は 明瞭 とな り, 血
中 ア ンモ ニア値 は4 5 μg / d l と正常化 し, 肝 機能 障害 も
軽度 の まま著変 な く, 食 道静脈瘤 の悪化 も認 め られ な
か った。本症例 は, 観 察期間中, 脳 症 の発症 は認 め ら
Fig. 2 Clinical courseof the case 2. Immediately
after complete ligation of paraumbilical vein,
blood ammonia level falls down to a normal
range and remains within a normal range for 19
months.
れ なか った.
0isorders
( 症例 2 )
6 9 歳の女性 . 昭 和5 9 年1 1 月, 肝 硬 変 ・食道 静脈瘤破
裂 の診 断 にて S A E お よび P T O を 施行 した。そ の後 よ
Therapies
│
↓
↓
↓
り意識消失発作 を繰返す よ うにな り保存的 お よび部 分
的傍階静脈結紫術 にて治療 して きた が十 分 な効果 が え
られ なか った 。平成 2 年 6 月 , 傾 眠状態 と異常 行動 の
出現 にて再入 院 とな った。入院時 の血 中 アンモ ニ ア値
は1 1 0 / g / d l と高値 を示 していた。最終的 に, 開 存 した
傍磨 静脈 の シ ャン トに対す る全 閉鎖 が 必要 と考 え, 症
例 1 と 同様 の方法 で傍踏 静脈 を露 出後, ク ランプテス
トにて完全結繁 可能 と判 断 した. 術 直 後 門脈 圧 は3 1 2
mmH20か
ら3 5 1 m m H 2 0 へ
6
'90
1
'91
1(month)
'92
と上 昇 した が, 開 存 した
傍踏 静脈 の シ ャン トは消失 した ( F i g . 1 ) . 術 後 に意識
は 明瞭 とな り, 血 中 ア ンモ ニ ア値 も2 5 μg / d l まで低 下
した 。以降, 肝 機能や食道静脈瘤 の悪化 は認 め られ な
く, 合 成 二 糖類製剤 の投与 の必 要 もな く, 血 中 ア ンモ
ニ ア値 は正常化 し, 脳 症 の発症 もみ られて い な い。本
症例 は1 9 か月後 の現在, 外 来通院中であ る( F i g . 2 ) ,
( 症4 / 1 3 )
8 0 歳の男性。昭和 6 3 年よ り, 肝 硬 変 ・食道静l F R 瘤
を
指摘 され, E I S が 施行 されて きた。そ の頃 よ り反復性意
識 障害 がみ られたため保存療法 にて対処 して きたが次
第 に治療効果 が え られ な くな り, 平 成 2 年 7 月 , 再 び
意識障害 の 出現 にて入 院 とな った。 入院時 , 意 識 は昏
睡状態 で, 血 中 アンモ ニ ア値 も2 7 2 μ
g / d l と高値 を示 し
ていた 。血 管造P / / 上
, 傍 踏 静脈 の開存 のみ の 門脈 一 大
循環短絡 を認 めた 。脳 症 の改善 を 目的 に短絡路 閉鎖術
1993年 3月
147(901)
Fig. 3 Case 3. Transileocolic portography. (a) Before embolization of paraumbilical vein, it reveals paraumbilical vein with some branches patent (small
arrows). (b) After embolization, paraumbilical veins are not visualized (large
alrows: steel coils).
が必要 と考 えたが,末 梢 にて傍磨 静脈 が 3本 に分枝す
るため踏 上部 の結繁術単独 では不 十 分 と考 え,各 分校
中枢側 での経 カテ ー テル的塞栓術 を施行 した。方法 は
TIP法 にて 門脈 圧 モ ニ タ リング下,傍 踏 静脈 を露 出
し,同 静脈 ヘ バ ル ー ンカテ ーテルを挿 入, ク ランプテ
Fig. 4 Clinical course of the case 3. After embolization of paraumbilical vein, blood ammonia
level falls down to a normal range and remains
within a normal range for 5 months.
ス ト後,金 属 ヨイル と無水 エ タノール を用 いて塞栓術
を施行 した.な お基栓 後 門脈圧 は246mmH20か
品は
s
格督
I
n“
“
。
刑
V
椎鮒
格“
s盤器号
品ン轍押コ
●
●
│
●
ら320
mmH20に
上 昇 した た め 門脈 圧 上 昇 を抑 え るた め に
ゼ ル フ ォー ム ス ポ ン ジ を 用 い た 約 50%の SAEを 加
え,門 脈圧 は285mmH20へ と低下 した。確認 の 門脈造
影 にて シ ャ ン ト静脈 は消失 した (Fig。3).治 療 後,意
識 は 明瞭 とな り,血 中 ア ンモ ニ ア値 も15μg/dlま で低
下 を示 し,肝 機 能 や食 道 静脈瘤 の 悪 化 は 認 め られ な
か った。 また退院後 も合成 二 糖類製剤や特殊 ア ミノ酸
'88
'39
'90
製剤 の投与 の必要 もな く血 中 ア ンモ ニア濃度 は正常化
し,脳 症 の発症 もみ られ なか った 。本症例 は 5か 月後,
中濃度 が上 昇す る ことで あ る。
他病死 した (Fig.4).
考
察
今 回われわれ は, 肝 硬変 に合 併 した傍謄 静脈 の開存
肝性脳 症 は,門 脈 因子 (ア ンモ ニ ア)と 肝不全 因子
のみが原 因 と考 え られた。猪瀬型肝性脳症例 3 例 に対
の 2大 因子 の組 み合せ に よ り発症す る と考 え られてい
る。 とくに,猪 瀬型肝性脳症 1)は
前者 の影響 が大 きい。
は
の
その特徴 ,反 復 性 肝性脳症 を きたす が,肝 機能 の
た 。 ここで は全例, 反 復 性脳症 を認め , 入 院時 の血 中
ア ンモ ニ ア値 は1 0 0 ″
g / d l 以上 と高値 で あ った 。また 門
障害 は軽度 で あ る こ とが多 く,門 脈 血 の大循環系 へ の
シ ャン トの存在 と昏睡 起 因物質 で あ るア ンモ ニ アの血
し短絡路閉鎖術 を施行 し良好 な成績 を得 る ことがで き
脈 一 大循 環 シ ャン トとして は傍 踏 静脈 が 開存 して お
り, 脳 症 の改善 には, この短絡路 を閉鎖 す るこ とが必
148(902)
開存 した傍踏静脈閉鎖術 が有効 で あ った猪瀬型肝性脳症の 3例
日 消外会誌 26巻
3号
要 であ った. 術 前 の肝機能障害 は軽度 で あ り, ま た ク
脈 血 の 鬱 血 に よ る門脈 血 栓 の形 成 , 食道 静脈 瘤 の 悪 化 ,
ランプテス トで も全身 の血 行動態 に与 える影響 は少 な
新 た な側 副血 行 路 の 発 生 な どが ″
Ь配 され る。 そ こで 瀬
1ゆ
ン
は
プテ ス ト) の 有 用 性 に
ラ
ら
絡
尾
短 路 閉鎖 試 験 ( ク
い こ とを確認 し, 短絡路閉鎖術 の適応 あ りと判断 した。
近年, この猪瀬型肝性脳症 に対 して, 外 科的 な短絡
路遮 断術 わ ゆや, i n t e r v e n t i o n a l r a d i o l o gよる塞栓
yに
`1 い
い
い
の
が
術
有効性 報 告 されて る。 しか し, そ の 多 く
・
は上 下腸間膜 静脈系短絡, 陣 腎 ・胃腎短絡 に対す る
ものが主 で あ り, 本 症例 の よ うな開存 した傍 踏 静脈 の
短絡路 閉鎖術 の有用性 につ いては文献的 に調 べ えた範
囲で は報告例 が な い。
門脈圧元進症 の側 副血 行路 の中 で傍踏 静脈 は噴 門 ・
食道静脈瘤, 陣 後腹膜短絡 とな らんで重要 な ル ー トの
1 つ で あ る, そ の発生頻度 は, 隆 ら1 1 ) に
よれば各種肝疾
患 の うち の2 7 . 7 % に 認 め られ, 門 脈圧元進症 に限れば
は その1 2 % に , 江 口l 。
は5 . 6 % に 認 めた と報 告
石 山 ら1 分
してい る。
一 般的 に門脈圧克進症 の側 副血 行路 は単独 の肝外短
絡路 を有す るこ とは まれで, 大 多数 はい くつ かの肝外
短絡路 を同時 に認 め る ことが 多 い。今回 は, 脳 症発症
時 はいずれ の症例 も傍磨 静脈 の開存 のみが認 め られた
が, これ は E I S や P T O な
どに よ り, 他 の肝外短絡路 が
塞栓 ざれた結果, もともと存在 した細 い傍踏 静脈群 の
1 つ が怒張 した もの1 。と思われた 。
肝性脳症 に対す る外科的治療 は, 非 選択的 シ ャン ト
手術後 の脳 症 に対す る手術 的短 絡路 閉鎮術 l D や c o l o n
e x c l u s i o n 1 6 ) ,たま
本邦例 での開腹下短絡路遮 断術 の有
∼
効性 が報 告 され てい るの 5 ) が
, 麻 酔や開腹操作 な ど, 侵
襲 の大 きさや背景 に あ る肝 の病態 か ら, そ の適応 は慎
重 に す べ き と考 え る。 一 方, U n a c k e r ら のは, i n t e r ‐
v e n t i o n a l r a d i o l o g利点
y の として, 外 科的結 繁術 の術
死率 が4 0 % で あ る反面, あ らゆ る状 態 にその適応 が あ
る と し て い る。本 症 例 で は, 肝 萎 縮 の た め p e r ‐
が応
cutaneous transhepatic portography (PTP)法
ニ
モ
ン
の
タ
で
リ
グに
TIP法
を応用す る
用 きず,門脈圧
こ とで硬膜外麻酔下 での開腹操作 を加 える ことに な っ
たが,そ の侵襲 は少 な く,安 全 に傍踏 静脈 の結熱術 お
よび経 カテ ーテ ル的塞栓術 を施行 しえた 。 なお,症 例
3で は血 管造影上,傍 踏 静脈 の分枝形態 よ り結熱術単
独 では不十 分 と考 え,中 枢側 での経 カテ ーテル的塞栓
術 を選択 した 。
と ころで,短 絡路 を閉鎖す る こ とに よ り急激 な門脈
圧 の上 昇や全身 血 行動態 の急激 な変化 が危 ぐされ,市
は この よ うな変化 を きたす症例 は外科的短 絡路
原 ら1つ
遮 断術 の適応外 で あ る と述 べ てい る。病態 としては門
つ いて 述 べ て お り, 本 症 例 で も全 例 に ク ラ ン プ テ ス ト
を施 行 し, 症 例 1 , 2 は 門脈 圧 上 昇 が 軽 度 で あ った た
め 短 絡 路 閉鎖 術 のみ を施 行 した 。 さ らに, 教 室 で は 食
道 静 脈 瘤 に 対 す る治 療 と して P T O と S A E 併 施 の 有
や S A E に よ る 門脈 圧 の 減 圧 効 果 2 い
を 報 告 して
用性1り
い るが , と くに本 症 例 3 で は 閉鎖 術 後 の 急 激 な門脈 圧
上 昇 が み られ た が , S A E 後 に 門脈 圧 は低 下 し, S A E で
門脈 圧 の コン トロー ル が 可能 で あ った 。 術 後 , 臨 床 症
状 の 改善 は もち ろ ん 食 道 静脈 瘤 の 悪 化 も認 め られず ,
本 治 療 法 が QOLの
向 上 に 有 用 で あ った と考 え られ
る。
文 献
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伴 う門脈圧元進症に対す る選択的陣動脈塞栓術
(SAE)の 影響一門脈圧 と血管造影 の検討から一.
日辞
首
将=革
テ
志 83: 1951--1959, 1986
言
Ligation and Embolization of Paraumbilical Vein for Portosystemic Encephalopathy
-Report of Three CasesYasuhiroMamada,MasahikoOnda,TakashiTajiri, D.Y.Kim, MasahitoToba,Mikio Adachi,
MatsuomiUmehara,HiroshiYoshida,HidekiNishikubo,NobuhikoTaniai,TatsuoKumazaki*,
Tohru Ohya*,HiroyukiTajima* andKazuhitoGenma*
First Departmentof Surgeryand Departmentof Radiology*,NipponMedicalSchool
The patencyof the paraumbilical vein (PUV) may contribute to hepaticencephalopathyas a portosystemic
shunt in patientswith liver cirrhosis.Accordingly,ligation andembolizationof the PVu is thought to affecthepatic
encephalopathy.Sowe haveperformedligation of the PIIV in 2 patientsand embolizationin onepatient. After the
treatments,symptomsof encephalopathy
were absent,and the bloodammonialevelwas improvedin all cases.
Although portal vein pressureincreased,esophago-gastric
variceswere not affected.In case3, subsequentsplenic
artery embolizationdecreased
the portal vein pressure.
Reprint requests: YasuhiroMamada First Departmentof Surgery,NipponMedicalSchool
1-1-5SendagiBunkyo-ku,Tokyo,113JAPAN