CITY カレッジ部門 8期アドバンス ハープの音楽を聴く 竹内幹雄 本日の講座は、講師に近藤秀樹先生、演奏者に大阪音 楽大学演奏員の佐々木美香さんのハープの生演奏で始ま った。ハープといえばオーケスト ラでは付けたしのような存在でい つも端っこでポロロンといったイ メージを抱くが、本日のように身 近で演奏を聴くとなかなか味のあ るすばらしい音色である。すこし ピアノに似た音域でもある。大き さは約180センチ、重さ35キ ロ、47本の絃があり赤や黒の絃 で音階を見つけるらしい。また彼女の出身の福井県がハ ープの生産日本一である。ドビッシーの「亜麻色の髪の 乙女」 、マクスウェルの「シェラザードより愛のテーマ」 と演奏は続きアンドレの「デューク」を聴いていると何 だかジャズっぽい。 ひょっとしてタイトルの 「デューク」 はデュークエリントンか?最後にトゥルニエ作品の「ハ ープのためのジャズバンド」 、 この楽曲はハープ一台でバ ンジョー、トロンボーン、ダブルベース、ドラムスと高 度な演奏技術を駆使してジャズバンドを見事に再現して みせた演奏に拍手喝采の楽しい一日でした。 人の情にこれでもかと訴え迫ってくる。これぞまさに文 楽の醍醐味と言えよう。後半の圧巻は宙乗り。妖狐が人 形遣い共々ワイヤーロープで空を駆け抜ける。斬新な演 出に度肝を抜かれた。他にも両面や双面を巧みに操り、 美女が一瞬にして狐に変身したり、早変わりで様々な七 変化を見せたりと見所満載の舞台だった。4 時間の長丁 場を最後まで飽きることなく楽しむことができた。さす が金毛九尾の妖狐のなせる業か、私達はいつのまにか文 楽の魅力に取り憑かれてしまったようだ。 9 期カレッジ 聖徳太子とその時代 岡本 宣喜 11 月 25 日、関西大学・若井先生は持ち時間に対して 伝えたいことが多く、 ちょっと早口の説明からスタート。 話が進むにつれて当時の出来事を現代版に置き換えて大 変わかりやすく説明され、とても興味深い講義でした。 要約すると、聖徳太子は遣隋使を 3 回派遣したらしい。 1回目は隋に記録はあるが使者の言説は要領を得ない。 日本書紀に記録はなく、恥ずかしくて記録できなかった のかも知れない。このとき国家機構について重要なヒン トをもらった模様。 2 回目は小野妹子が有名な「日出ずるところの天子・・・」 の国書を持参したが、日本書紀には国書の内容の記載は ない。隋と対等であることを主張したというより、外交 上の無知をさらけ出してしまったのかもしれない。この 文学・歴史2期 文楽に魅せられて とき留学生を派遣した。 3 回目は隋と高句麗との戦争があったので、隋に到達し 北田、谷川、山本、苧阪 11 月 17 日。鑑賞に向けての なかった模様。 講義の後、生の舞台への期待を 最初の遣隋使派遣で得られたヒントを参考に聖徳太子 胸にいざ国立文楽劇場へ。演目 が重要な改革を行ったかどうかは定かではない。 は「玉藻前曦袂(たまものまえ 冠位十二階制度は個人単位のランキングシステム、憲 あさひのたもと) 」 妖狐が巻き起 法十七条は役人の服務規定で、ランクを上下させる基準 こすスペクタクルと聞いて心が となる。 現代の成果主義にも似た進んだ制度であったが、 躍り開演が待ち遠しい。幸運にも開演待ちを利用して楽 隋が滅んだことでせっかくの留学生の能力は大化の改新 屋裏を見せていただけた。そこで何と、人形遣いの方か まで生かされなかった。 ら直接お話を伺うことができた。思わぬサプライズに感 午後は杉本國治 激し、ハイテンションのうちに公演はスタートした。 さん(9 期生)を 解説を受けた直後のせいか、ついつい人形さばきに目 リーダーに 6 人の が行く。しかし、いつのまにか人形遣いの姿は消え、舞 ボランティアガイ 台は生命を得た人形達だけの世界に。特に金籐次が臨終 ドの案内で聖徳太 に際し桂姫の父だと明かす場面。大夫が思いを込め圧倒 子が建立した四天 的な迫力で語る時、思わず涙するほどひきこまれた。間 王寺見学。やはり 近で眼にする大夫の流れ落ちる汗や浮き上がる血管、三 1400 年もたつ日 味線の哀切な響きと幽かに聞こえる低い声音の合いの手。 本最初のお寺には創建当時のものはあまり残っていない 大夫と三味線の見事な駆け引きが人形に生命を吹き込み、 が、はるか古代の雰囲気を感じることができました。 - 12 -
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