PDF - 食品産業センター

様式2
地域食品ブランド表示基準
1.名 称
鳥取砂丘らっきょう(とっとりさきゅうらっきょう)
(1)名称の由来
「砂丘らっきょう」は、山陰海岸国立公園の特別保護区域にされている日本最大の砂丘
地「鳥取砂丘」の一部で栽培されたことから「砂丘らっきょう」と称されている。
2.産 地
(1)範 囲
鳥取県鳥取市福部町を産地の範囲とする。
(2)範囲の設定根拠
原料となる「砂丘らっきょう」の殆どが福部町の砂丘地で栽培されていることから鳥取
県鳥取市福部町を「鳥取砂丘らっきょう」製造範囲とする。
3.歴史的伝統性
「砂丘らっきょう」を栽培している「鳥取砂丘」は、山陰海岸国立公園の西部に位置し
ており、長い歴史を経て形成された自然の造形美が特徴的で県内最大の観光資源の一つ
です。正確には、福部から白兎までの東西16Km、南北2Kmに広がる地域全体を指す
その鳥取砂丘は、海岸にも関らず起伏が大きく、高低差は最大90mにもなります。
「砂丘らっきょう」は、その様な起伏がある畑、痩せた土壌、渇水地で作物が育ち難い
環境下でも再生産が可能な農産物になりました。「砂丘らっきょう」の栽培は、古く、
江戸時代に参勤交代のとき江戸より持ち帰ったことが始まりと伝えられています。当時
は、尐数の農家で自家用として栽培されていましたが、大正初期に産業組合を設立し本
格的に生産及び販売に取組むようになりました。その後らっきょうは、干ばつに強いこ
とが認められ作付けが増加しました。昭和40年頃、作付けの増加により大幅な増収に
なったが市場価格が暴落しました。これを機に福部村農業協同組合(現 鳥取いなば農
業協同組合)が加工事業を設置し、加工原料として買入れ出荷調整機能となり生産者が
再生産可能な利益を確保出来る生産体制となりました。
現在は、「洗いらっきょう」「根付らっきょう」同様に「加工らっきょう」も日本全
国に販路を拡大しています。平成17年に「砂丘らっきょう」の商標登録(登録第487
5758号)を鳥取いなば農業協同組合が取得し、より一層のブランド化を促進しています
。
砂丘らっきょうの加工品は、自然に乳酸発酵させ、その後全量温度管理を行い年間を通
じて安定的な、良質の状態で保存しています。その砂丘らっきょうを使用した加工品の
特徴は、色が白くまた、繊維が細かく歯切れが良いのが最大の特徴です。
近年、塩蔵施設を増設し、保存能力を高める事で作柄に関係なく原料を買入、青果市
場の価格安定を図ると伴に加工事業として安定した原料の量を確保することが可能と
なりました。
JA鳥取いなばは、らっきょうに関る全般的な事柄を生産者と話し合いながら「砂丘
らっきょう」の益々の振興を図っています。
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4.食品の独自性
(1)食品特性
砂丘らっきょう 甘酢漬は、
①選果場の出荷当日に塩漬にします。(鮮度)
②塩漬は、自然に乳酸発酵します。(旨み)
③原料は、塩分を控え(当JA比62%)で低温(4.5℃~6.0℃)で保存。(品質の
安定化・鮮度保持)
④らっきょう本来の風味及び味を活かしたさっぱりとした薄味に仕上げています。
らっきょう本来の味が楽しんでいただけます。ただし、若干苦味を感じる場合があ
ります。
⑤4時間~5時間の短時間で塩を抜くことにより極力らっきょうの成分を残します。
⑥添加物は、一切不使用です。(安全・安心)
⑦歯切れの良さを追求した結果、洗浄・選果時に25%~30%の薄皮を除去します。
【①~③の原料を使用した加工品です。】
(2)原材料の特徴
鳥取砂丘の砂地で栽培したらっきょうが「砂丘らっきょう」です。砂地は地力が無い
荒廃地であるために収量は、尐ないものの最高の特徴が活かされています。それは、ら
っきょうの色の白さと繊維が細かく歯切れが良いと言うことです。
その福部町で栽培されたらっきょう「砂丘らっきょう」を原料として使用しています
。
(3)原材料の使用理由
当JA鳥取いなばが、「砂丘らっきょう」の生産指導から市場販売まで行っています。
この一貫した生産販売体制の現状と地元(鳥取市福部町)で栽培された特徴あるらっき
ょうであることから原料として使用しています。
(4)製法の特徴
工
程
内
容
塩水のみで漬け込み自然で乳酸発酵させる。その後冷却システムで温
度管理を行いらっきょう本来の風味を残しながら長期保存をする
専用装置で薄皮を25%~30%除去しながら4~5時間の短時間で塩
塩抜き
を抜く
洗浄(薄皮除去) 異物除去装置で再度薄皮の除去と砂等の異物を除去
漬込み(塩漬)
手選果
照明付きコンベアーでらっきょう一球一球目視で検査
脱水
専用脱水機で脱水
計量
コンピュータースケールで商品毎に計量
らっきょう本来の風味及び味を活かしたさっぱりとした薄味に仕上
包装・調味液充填
げています。また、添加物は、一切不使用。
殺菌
70℃で20分間~25分間の熱湯でボイル殺菌
冷却
流水で冷却
水切り
袋に付着して水滴を除去
X線異物検出器
金属、石等の異物をチェック
検品
拡大鏡を使い全品を目視検査(異物混入、液漏れ、汚れ等)
仕上げ
商品毎にラベルを貼り付る
箱詰
商品を再確認しながら箱詰
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出荷
全国に発送
(5)品質・衛生管理基準
工
程
内
容
【原 料】
①原料は、鳥取県鳥取市福部町の砂地で栽培されたらっきょうに限る。
②共同選果場で出荷したその日に漬込み(塩漬)を行う。
(新鮮なうちに塩水に漬け込む)
③規格(S,M,L)毎に漬け込み場所を限定する。混載しない。
④自然に乳酸発酵させる。期間は、漬け込みから3週間~5週間熟成さ
せる。
品質基準
⑤原料は、4.5℃~6.0℃の温度で保管する。一部は、0℃で保管
【加工品】
⑥塩抜き後は、速やかに冷蔵庫に入れ1日間~3日間程度保管する。
⑦保存料、着色料、漂白剤等の添加物は、使用しない。
⑧製品に異物の混入が無いこと・液漏れが無いこと・汚れが無いこと
⑨らっきょう本来の風味及び味覚が若干残っている。
⑩調味液をロット毎にPH、Blixをチェック
(基準:PH2.2~2.9 ・ Blix38.0~44.0)
(自主基準による)
①原料を保管している地下タンクの出入り口のシャッターの開閉は最
小限に抑えその都度閉め異物混入を防止する。
②作業室及び機械設備は、毎日清掃する。
③作業は、専用の作業靴を定める。
衛生管理基準
④作業前に作業者は、粘着ローラー掛けし、他の作業者が再確認する。
⑤毛髪の混入防止のためネットと帽子で二重にする。
⑥マスクを着用する。
⑦装飾品は、身に着けない。
⑧整理整頓の徹底
5.生産量
(1)全体の生産量・・・・青果扱いの総出荷量
平成17年
平成18年
平成19年
生産量
1,114
1,214
2,246
(全体)
資料:添付「砂丘らっきょう年次別出荷販売実績」
平成20年
単位:トン
平成21年
1,928
1,801
(2)該当商品の生産量(商品全体の生産量のなかで、「本場の本物」に該当する商品)
単位:トン
平成17年
平成18年
平成19年
平成20年
平成21年
生産量
135
159
170
277
216
(該当商品)
(64)
(75)
(78)
(112)
(92)
資料:無し JAのNB商品は、塩漬け出荷を含めても全体の60%以上ありますが
尐なめの確実な数値を記載しています。
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6.製造団体・製造企業等(「本場の本物」に該当する商品を製造できる団体・企業名)
団体・企業名
従業員数
鳥取いなば農業協同組合
福部らっきょう加工センター
18
住
所
鳥取県鳥取市福部町海士318-1
7.該当商品名(「本場の本物」に該当する商品名)
商品名
製造者名(製造団体・製造企業等)
砂丘らっきょう
甘酢漬
砂丘らっきょう
ピリ辛
砂丘らっきょう
たまり風味
砂丘らっきょう
しそ味
砂丘らっきょう
塩味
鳥取いなば農業協同組合
福部らっきょう加工センター
鳥取いなば農業協同組合
福部らっきょう加工センター
鳥取いなば農業協同組合
福部らっきょう加工センター
鳥取いなば農業協同組合
福部らっきょう加工センター
鳥取いなば農業協同組合
福部らっきょう加工センター
8.業界取りまとめ団体
団体名(代表者役職名
氏名)
鳥取いなば農業協同組合
代表理事組合長 近藤儀徳
住
所
鳥取県鳥取市湖山町東5丁目261
9.識別マークの貼付と管理
識別マークの貼り付けた商品は、受払簿を常備し、商品、出荷先、出荷数を記録する。
該当商品以外の原料は無く、混入することは、考えられないが原料の履歴も確認し、記
録を残す。
10.第三者認証
年1回、基準どおりに製造していることを鳥取市役所福部総合支所に確認を依頼する予
定です。
11.認定後の業界活性化の展開方法
業界の活性化でなく産地(福部町)の活性化に繋がると思います。昨今、らっきょうを
漬ける方が年々と減尐している様で産地としては、らっきょうを普及するためにらっき
ょうの漬け方講習を主要都市でのスーパー及び生協等で実施するなど惜しまぬ努力を
しています。また、青果(洗いらっきょう、根付らっきょう)販売では、近年市場価格
の差が大きく生産者への再生産が可能な利益の確保が厳しい年もあります。当産地は、
らっきょう産地の中でも最も経営規模が大きく一戸当り1.2ha以上あります。この状
況で設備投資と労働力の確保及び後継者不足等の問題が山積みとなっています。今後よ
り一層「砂丘らっきょう」を普及するために青果(季節的商材5月下旬~6月中旬)の
「洗いらっきょう」「根付らっきょう」と加工品(通年)の「砂丘らっきょう」が一体
となった普及を図り安定価格での販売を目指します。
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12.認定後の地域振興への貢献方法
鳥取市福部町には、鳥取県を代表する観光地「鳥取砂丘」があります。その「鳥取砂丘
」に隣接している砂丘らっきょうの畑が約120ha連なっています。そのらっきょう畑
は、10月下旬には薄紫色のらっきょうの花が一斉に咲き遠くから見ると紫の絨毯を一
面に敷き詰めた様に美しくなり今では、鳥取砂丘を側面からの視点で見た風景は、代表
的な風物詩となっています。近年では、行政主催で生産者、JA等の関係者の協力のも
といろいろなイベントを開催しています。たとえばらっきょうの花が咲いた畑の道を走
る「らっきょう花マラソン大会」、らっきょう畑での加工品の販売等の「らっきょう花
フェアー」等があります。この様な様々なイベントを通じて通年「砂丘らっきょう」の
PRを行うと伴に生産に係る生産者の大変さを数多くの方へ伝えます。また、鳥取砂丘
の観光客数が減尐している現状で「砂丘らっきょう」を通して「鳥取砂丘」の集客増加
に繋がることを期待しています。
13.参考(社会的評価)
①平成7年にテレビ番組の「おもいっきりテレビ」でらっきょうが取り上げられ国産ら
っきょうの消費が急増した。当時は、当JAがらっきょうの現物と資料等を提供しま
した。
②平成17年に「砂丘らっきょう」の商標登録(登録第4875758号)を取得。
③青果市場扱いの国産らっきょうの中では、「砂丘らっきょう」(洗いらっきょう、根
付らっきょう)が最も青果市場の扱い量は多いい。
④平成20年には、中国産の諸問題が発生したことから中国産食品への不信感が高まり
国産の食品の購買が急増した。「砂丘らっきょう」も同様に国産らっきょうが不足する
勢いで過去最高の売上を記録した。
⑤らっきょうは、健康に良いと根強い人気がある。
14.参考資料
①生産が行われている場所(施設)の所在地を示す資料が添付されていること。
②商品に冠された地名が旧地名であり、現在、当該地名が住居表示に使用されていな
い場合、現在の地名との関係が分かる資料が添付されていること。
③製品概要、生産範囲、製品特性、製法(含工程図・管理図)、社会的評価、生産量等
に関する記載内容の妥当性を示す資料(含写真)が添付されていること。
④製品特性や製法に関して記載された内容で実際に生産が行われていることを示す資
料が添付されていること。
⑤業界取りまとめ団体に係る登記簿謄本、定款又は寄附行為の写し又は規約、直近の
総会資料が添付されていること。
⑥当該とりまとめ団体に属さない事業者による同一食品の生産がなされている場合、当
該事業者の活動規模等が分かる資料が添付されているか。
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