別紙2 - 食品産業センター

別紙2
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地域食品ブランド表示基準
1.名 称
三河産大豆の八丁味噌
(1)名称の由来
「八丁味噌」は、徳川家康公の生誕地である岡崎城(愛知県岡崎市)より西へ八丁(約
870m)の距離にある八帖町(旧八丁村)で二社(合資会社八丁味噌・株式会社まるや
八丁味噌)が江戸時代から生産している味噌である。その名称は地名を由来とし、商標
として機能してきた。
2.産 地
(1)範 囲
愛知県岡崎市八帖町(旧八丁村)を産地の範囲とする
(2)範囲の設定根拠
八丁味噌の名称は地名を由来としているためである。また岡崎市の他の地域に「八丁味
噌」と称して製造、販売している業者も存在しないため旧八丁村の範囲とする。
3.歴史的伝統性
江戸時代の岡崎市八帖町(旧八丁村)は陸路である東海道と矢作川の水運が交わる水
陸交通の要所で「八丁土場」と呼ばれた船着き場を有した。水運により原料となる周辺
の大豆(矢作大豆)や塩(吉良産)が入手し易く、豊富な伏流水と、川に挟まれた湿潤
な気候も味噌造りに合致して、立地条件に恵まれた。水分を少なく仕込み、熟成期間の
長い八丁味噌は生産性が悪いが反面、保存性に優れていた。その為、戦に必要な「兵糧
」として岡崎藩に加護され、同じように守られた花火や石工とともに岡崎の地場産業と
して発展してきた。
現在の岡崎市八帖町で味噌製造を始めた頃、その地が岡崎城から「八丁の距離」であ
ったことと、その地を治める石川金阿弥が「八丁坊」と呼ばれ、その地が「八丁と呼ば
れるようになったことなどの事情(愛知県の地名 株式会社平凡社 1981年発行767頁
)が由来となり商標を「八丁味噌」とした。八丁味噌は江戸時代より旧東海道をはさん
で向かい合って営業していたため、旧東海道を往来する参勤交代や伊勢参りなどの人を
通じて江戸時代に広く知られ、その後の輸送環境の整備に伴い全国的に知られるように
なった。
一方、八丁味噌の持つ独特の風味と味わいは、老舗の料亭をはじめ多くの料理人に評
価されている。その信頼に応え、岡崎市八帖町の二社は先祖から受け継いだ製法と味を
守り続けている。
現在は、愛知県が認定する愛知ブランドも取得し、地場産業として八丁味噌の伝統を
後世に伝え続ける使命がある。
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4.食品の独自性
(1)食品特性
「三河産大豆の八丁味噌」は
(1)大豆、塩を原料として製造する。
(2)蒸した大豆をこぶしほどの大きさに握り固め、その表面に麹菌を着生させて大
玉の豆麹を作る。
(3)大玉の豆麹に塩と水を加えてよく撹拌し、杉材の大桶に仕込み、玉石を山の如
く円錐形に積上げて、天然醸造で二夏以上の長期間を熟成させた半固形状の味
噌である。
(4)大豆のみを使用するため旨味が強く、製造過程で繁殖する乳酸菌等の影響によ
り僅かな酸味のある独特な風味を持つ。
(2)原材料の特徴
八丁味噌誕生の江戸時代には、主として三河一帯の大豆を集め、醸造していた。その伝
統を引き継ぎ、国産原材料の中でも三河地方産の大豆にこだわり使用している。
(3)原材料の使用理由
農産加工品である味噌等は元々地産地消でありました。また三河地方では今でも良い大
豆が多く作られていますので、大豆と食塩を用いて作る八丁味噌に使わない理由はあり
ません。今回の申請については、国産原材料の中でも歴史的伝統性のある原料(三河地
方産大豆)を使用し、八丁味噌の伝統の継承を追求した製品である。
(4)製法の特徴
工
程
内
容
選別
大豆を選別機にかけ異物を取除く
洗浄
大豆洗浄機を用いて大豆の汚れを落とす
浸漬
大豆を水に浸けて適度に水を含ませる
蒸煮
浸漬した大豆を加圧蒸煮し、褐色に蒸上げる
味噌玉作り
蒸煮した大豆をこぶし大に握り固めて味噌玉とし、種麹を表面に付着さ
せる。
製麹
麹室の中で培養し、味噌玉表面に麹カビの各種酵素が必要量に達するま
で培養を行う。
出麹
出来あがった豆麹を麹室から排出し、仕込の準備をする。
計量
出来上がった豆麹を計量して、仕込み計算を行う。
仕込み
仕込み計算値に従って豆麹、食塩、水を混合撹拌し、仕込桶に入れる。
熟成
木製の桶に豆麹、食塩、水の混合物を仕込み、木製の板または麻布でフ
タをし、玉石を山の如く、円錐形に積上げ、天然醸造で二夏以上の期間
を熟成させる。
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(5)品質・衛生管理基準
工
程
内
容
品質基準
1)製造地域
愛知県岡崎市八帖町内(八丁味噌は江戸時代から愛知県岡崎市八帖町(
旧八丁村)で製造され、この地の気候風土に育まれてきた。)
2)製法
・原料は大豆、食塩のみを使用
・味噌玉は約6cmの大玉
・仕込み桶は木桶を使用。水分を少なく仕込み、玉石を山の如く円錐形
に積上げ重石にする。
・醸造期間は二夏以上
3)品質
色は濃い赤褐色で、味は呈味成分に富み、多少の酸味と渋味、苦味があ
る濃厚な風味。固い半固形状。
衛生管理基準
(自主基準による)
1)味噌の製造工程は清潔にし、異物の混入を防止する。
2)作業員の作業服はクリーニングと清潔を保持し、味噌製造、小分け
充填に関わる者は必ず作業服と帽子を着用する。
3)年1回の健康診断と年2回の検便を実施し、製品品質に影響を与え
る異常がある者は作業に従事してはならない。
4)装飾品等(指輪、ピアス、ネックレス等)は異物混入の原因となる
ため、身に着けない。
3)作業員の衛生教育の徹底を行う。
5.生産量
(1)全体の生産
生産量
(全体)
資料:
平成15年
平成16年
平成17年
平成18年
単位:トン
平成19年
3,155
3,052
3,115
3,367
3,098
(2)該当商品の生産量(商品の全体量のなかで、「本場の本物」に該当する商品)
単位:トン
平成15年
平成16年
平成17年
平成18年
平成19年
生産量
11
6
11
56
27
(該当商
(39)
(34)
(29)
(32)
(35)
品)
資料:( )内は仕込ベース
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3
6.製造団体・製造企業等(「本場の本物」に該当する商品を製造できる団体・企業名)
団体・企業名
従業員数
住
所
合資会社 八丁味噌
70
愛知県岡崎市八帖町字往還通69
株式会社まるや八丁味噌
48
愛知県岡崎市八帖町往還通52
7.該当商品名(「本場の本物」に該当する商品名)
商品名
製造者名(製造団体・製造企業等)
三河産大豆使用 八丁味噌
合資会社 八丁味噌
三河産大豆と神水仕込みの八丁味噌
株式会社まるや八丁味噌
8.業界取りまとめ団体
団体名(代表者役職名
八丁味噌協同組合
(理事長 早川久右衛門)
氏名)
住
所
愛知県岡崎市八帖町字往還通69
9.識別マークの貼付と管理
「地域食品ブランド表示基準」の承認を受けた場合は、会員企業に対して、基準を満た
し、識別マークの貼り付け及び文字を適正に使用するよう、当組合が指導・管理するも
のとする。
10.第三者認証
「本場の本物」の基準を満たしている製造者については、年1回、基準どおりに製造し
ているかどうかを確認し第三者承認を受けることを義務付ける。
11.参考(社会的評価)
(1)全国味噌工業協同組合連合会と社団法人中央味噌研究所の「味噌文化誌」(2001
年発行)によると、岡崎で八丁みそをつくる企業は二社あり併存している。みその企業
としてもっとも古い歴史を持つなどと評価している。
(2)暮らしの手帖/昭和50(1975)年8月/122頁
吉兆の湯元貞一(大阪高麗橋吉兆主人)の’鯉こく柳川なべ’で「合わせみそは例によ
って、白みそに八丁みそをうちこんでやってみたい、八丁味噌はあかぬけした味をして
います。八丁味噌は慣れるまで時間がかかりますが、なれてしまうと、私なんか八丁で
ないと、みそ汁の中に入らないとそんなことも思います」。
(3)ダンチュウ/プレジデント社/1992年11月/121頁
懐石料理で名高い「辻留」で使用。味噌は京都の山里の白味噌に、岡崎の八丁味噌、そ
して仙台味噌醤油の赤味噌の3種に決めている。なぜならこの3種は、手抜きをせず、き
ちんと熟成させた本物の味噌だからだ。
(4)合資会社八丁味噌、株式会社まるや八丁味噌ともに、愛知県が認定する愛知ブラ
4
ンドを取得している。
(5)八丁味噌として業界では一定の評価を得ているので、価格については上位の部類
に属している。
(6) 合資会社八丁味噌、株式会社まるや八丁味噌ともに、国際標準化機構のISO9001
の認証を取得している
(7)合資会社八丁味噌、株式会社まるや八丁味噌ともに、愛知県が認定する愛知ブラン
ドも取得している。
(8)第47回全国味噌鑑評会において株式会社まるや八丁味噌が八丁味噌で伝統地域
特産味噌の褒賞を受賞
12.添付書類
①生産が行われている場所(施設)の所在地を示す資料が添付されていること。
②商品に冠された地名が旧地名であり、現在、当該地名が住居表示に使用されていな
い場合、現在の地名との関係が分かる資料が添付されていること。
③製品概要、生産範囲、製品特性、製法(含工程図・管理図)、社会的評価、生産量等
に関する記載内容の妥当性を示す資料(含写真)が添付されていること。
④製品特性や製法に関して記載された内容で実際に生産が行われていることを示す資
料が添付されていること。
⑤業界取りまとめ団体に係る登記簿謄本、定款又は寄附行為の写し又は規約、直近の
総会資料が添付されていること。
⑥当該とりまとめ団体に属さない事業者による同一食品の生産がなされている場合、当
該事業者の活動規模等が分かる資料が添付されているか。
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