中国ビジネスニュース - 公益財団法人かがわ産業支援財団

2014 年 12 月(第 30 号)
中国ビジネスニュース
編集:香川県上海ビジネスサポーター
川田真理子
今月の注目トピックス
■ 中国市場への日本食品PR
毎年 11 月に、上海で開催される中国最大規模の食品展示会「FHC CHINA」。そこで、出展企業は国内企業の
ほか、アジア・欧米・南米・アフリカなど世界各国から集まります。今年もジェトロが「ジャパンパビリオン」を出展し
ており、その中に自治体がブースを設けました。ジェトロや自治体の補助金や支援サービスを受けられることもあ
り、食品関連及び飲食サービス関連の中小企業にとって、中国への販路開拓のきっかけ作りとして活用しやすい
展示会です。今年は会期3日間で、来場者数が昨年よりも約 60%伸び、約 54,000 人が訪れました。
今回、ジャパンパビリオンに出展したのは約 40 社。そのほか、ジャパンパビリオンではなく、単独で出展している
日本企業が約 5 社ほどでした。例えば、大塚食品㈱がレトルトのボンカレーを、日本ハム㈱の香港法人・日邦食品
(香港)有限公司が日本や第三国からの輸入食品を出展していました。例年の実績によると、この展示会への来
場者は半数が上海から、4割が上海以外の中国国内から、残りの1割が海外から訪れています。上海以外の中国
各地のバイヤーと知り合うきっかけにもなるので、既に中国に進出済みの日系企業や日本食品を取り扱う中国貿
易会社も出展しています。
昨年に比べて、ジャパンパビリオンの出展エリアが入場ゲートから遠くなり、良いとは言えない立地でしたが、会
期最終日の午後には周辺の南米諸国ブースでは閑散とした様子も見受けられた一方で、ジャパンパビリオンでは
来場者が途切れず、中国における日本食品への関心の高さを感じました。全体の来場者数が増えたことも盛況の
理由でしょう。
また、ある出展企業の興味深いエピソードがありました。同社は、素材にこだわった一切の添加物を加えない果
物ゼリーを出展しました。出展の途中で、ベビー用食品として提案し、「嬰児補食(赤ちゃんのための補助食品)」と
いうキャッチコピーで PR したところ、バイヤーや一般来場者が増え、その反応も上々だったようです。やはり中国
でのベビー関連商品への関心は高いことを実感するとともに、PRの切り口だけで来場数ががらっと変わったこと
に驚きました。日本食品に対する中国での信頼や人気はあるものの、多くの企業が密集して展示しているイベント
のような場においては、来場者に対して分かりやすく関心を引くようなキャッチコピーがいかに重要かを再認識させ
られました。
さて、輸入販売のほか、中国の食品会社における技術指導のニーズもあります。ただし、これを受け入れ難い
日本企業が大半でしょう。そこで、ある日系企業が、上海市郊外にセントラルキッチンのある工場を設け、試作品
や中国で調達可能な原料を用いたレシピ作りを行う事業を行っています。日本企業の技術やノウハウは直接中国
側に伝えるのではなく、このセントラルキッチンで作成した中国でのレシピを元に、工場で半製品を製造し、その半
製品を中国側に原料として販売するようです。日本からの輸入に比べてコストが抑えられるのと、同社が中国側と
日本メーカーの間に立つことで、技術・ノウハウの漏洩リスクを抑えられるメリットがあります。中国での試作品作
成の費用は、1アイテム当たり5万円程度と低価格で、中小企業でも試しやすい価格設定です。
日本での消費市場低迷、中国工場経営のコスト高とリスク増、そして昨今の円安傾向を背景に、日本から最も
近い中国の巨大市場に対して、貿易、そして中国市場向けの委託製造という選択肢に益々注目が高まっていま
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す。
ちなみに、来月 12 月 11 日から 21 日に、上海高島屋にて四国・中国物産展が開催されます(入場自由)。その
ほか、招待制ではありますが、在上海日本国総領事館の総領事公邸での四国 4 県食品の商談会や毎年 12 月に
上海日本国総領事館主催で開催される「天皇誕生日祝賀レセプション」でも県内の食品や雑貨をPRします。機会
があれば、ぜひお越し下さい。
政策・経済トピックス
【新政策動向】
■外資規制を 大幅緩和へ.、「政府認可の投資プロジェクト目録」改定
国家発展改革委員会は「外商投資産業指導目録」改正案を出し、2014 年 12 月3日まで一般意見を募る。これまで
79 業種で外国企業による出資に制限をかけてきたが、規制対象を半分以下の 35 業種にまで減らす。鉄鋼や石
油、製紙、自動車向け電子部品などが規制を取り消される。
■広東省 外資企業のクレームに対応
広東省人民政府は、「広東省外商投資企業クレーム処理サービス弁法」を公布した。2014 年 12 月 15 日より施行
される。外商投資企業が設立・生産・経営・撤退過程において、政府部門及びその他機関等によって権益を侵害
された場合、外商投資企業クレーム処理部門に問題の解決を要求することができる。
■上海市 普通住宅の価格基準緩和
上海市住房保障房屋管理局は、税金を優遇する普通住宅の価格基準を緩和した。普通住宅の価格基準につい
て、内環線内は従来の 330 万元以下を 450 万元以下に、内環線と外環線の間は同 200 万元以下を 310 万元以
下に、外環線外は同 160 万元以下を 230 万元以下にそれぞれ改めた。
■上海 保険業の発展意見
上海市政府は 25 日、「『国務院の現代保険サービス業発展加速に関する若干意見』の貫徹実施に関する意見」を
公布した。保険市場の発展を促し、2020 年までに保険浸透度(収入保険料の域内総生産(GDP)に対する割合)
を6%、保険密度(収入保険料の総人口に対する割合)を1人当たり 7,300 元とする。クロスボーダー人民元による
再保険も推進する。
【経済・産業】
■100 都市住宅価格 0.4%下落
中国の大手シンクタンク「中国指数研究院」によると、10 月の主要 100 都市の新築住宅価格動向は、1平方メート
ル当たりの平均価格が1万 629 元と、前月比 0.4%下落した。6カ月連続の値下がり。前年同月比も 23 カ月ぶりに
下落に転じ、0.52%の値下がりとなった。
■上海で工業見本市
国際工業見本市「中国国際工業博覧会」が上海市浦東新区で4日に開幕した。国家発展改革委員会や商務省な
どによる共催で8日まで。日本貿易振興機構(ジェトロ)が設けた「ジャパン・パビリオン」には、日本企業 64 社・団
体が出展した。
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■10 月の非製造業PMI 2カ月連続下落
国家統計局と中国物流購入聯合会によると、10 月の非製造業購買担当者指数(非製造業PMI)は 53.8 となった。
前月比 0.2 ポイント下落で、下落は2カ月連続。
■10 月の製造業購買担当者指数(PMI)
HSBCによると、10 月の中国製造業購買担当者指数(PMI)の確定値は 50.4 となった。10 月速報値と同じで、3カ
月ぶりの高値。国家統計局と中国物流購入聯合会による同PMIは 50.8 で前月比 0.3 ポイント下落、5カ月ぶりの
低水準。
■中国鉄建 メキシコ高速鉄道を受注
国有の鉄道建設会社「中国鉄建」は、メキシコ政府から高速鉄道事業を受注した。総事業費は約 44 億ドル(約5
千億円)、2017 年の開業を目指す。鉄道建設から車両製造までを一貫して請け負う。中国企業が高速鉄道を本格
輸出するのは初めて。
■日中首脳会談 2年半ぶり
安倍晋三首相は 10 日、北京の人民大会堂で中国の習近平国家主席と会談した。首脳会談は2年半ぶり。戦略的
互恵関係の推進など関係修復を目指すことで合意した。
■上海ユナイテッドイメージング 画像診断装置で日本参入
上海ユナイテッドイメージングヘルスケアは、2015 年中に画像診断装置で日本市場に参入する。連携先の上海富
吉医療器械が東京都新宿に設立したチャートウェルヘルスケアが販売を担当する。ユナイテッドイメージングは
2011 年に設立。中国国内で数十カ所の医療機関に実績があり、診断画像の鮮明さなどで高い評価を得ている。
■固定資産投資 15.9%増
中国国家統計局によると、中国の 2014 年1~10 月期の農村部を除く固定資産投資(設備投資や建設投資の合
計)が前年同期比 15.9%増加した。
■工業生産高 7.7%増
国家統計局によると、中国の 10 月の工業生産高(鉱工業生産に相当)が、前年同月に比べて 7.7%増加した市場
予想の平均(8.0%増)を下回った。
■小売売上高 11.5%増
国家統計局によると、中国の 2014 年 10 月の小売売上高が前年同月比 11.5%増加した。前月比では 0.98%増。
■消費者物価 1.6%上昇
国家統計局によると、10 月の消費者物価指数が前年同月比 1.6%上昇した。卸売物価指数は同 2.2%下落し、32
カ月連続で前年水準を下回った。
■珠海航空ショー開幕
国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)が 11 日、広東省珠海市で開幕した。今回は 41 カ国約 700 社が参加し、
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過去最大。最新型の国産戦闘機「殲 31」が初公開された。同機は敵のレーダーに探知されにくいステルス戦闘
機。中国最新の戦闘機を披露し、軍事技術の高さを誇示した。
■メキシコ高速鉄道の入札やり直し
メキシコ市とケレタロを結ぶ 210 キロメートルの高速鉄道事業に、国有鉄道建設大手「中国鉄建」が約 44 億ドル
(約5千億円)で受注したが、メキシコのペニャニエト大統領が突然決定を取り消した。これに対し、国家発展改革
委員会は、「予想外で、メキシコ国内に原因がある」とする報道官声明を発表した。
■4G利用者 4300 万人超
工業情報化部によると、9月末時点で中国の第4世代(4G)携帯電話サービスの利用者が 4305 万 7000 人となっ
た。携帯各社が4Gサービスに対応のスマートフォン(スマホ)を相次いで投入したため。
■中国国際航空宇宙博覧会 227 機の購入契約成立
広東省珠海市で開催された中国最大の航空ショー「中国国際航空宇宙博覧会」が閉幕し、227 機の航空機の購
入契約が結ばれた。金額にして 234 億ドル(約2兆 7,000 億円)に達した。
■海外からの対中投資 2カ月連続のプラス
商務部によると、10 月の世界全体から中国への直接投資実行額(金融・証券・保険分野除く)が前年同月比 1.3%
増の 85 億 3,000 万米ドル(9,947 億円)となった。伸び幅は2カ月連続でプラスを記録。1~10 月は前年同期比
1.2%減の 958 億 8,000 万米ドル。減少幅は1~9月から 0.2 ポイント縮小した。日本からの対中投資額は 42.9%減
の 36 億 9,000 万米ドル。減少幅は1~9月から 0.1 ポイント縮小した。
■上海浦東新区 初の知財の総合機関
上海市浦東新区で、知的財産権の専門部署「上海市浦東新区知識産権局」が発足した。商標、特許、著作権の3
分野にまたがり業務を行う行政機関の設立は中国で初めて。知財に関する管理や法律の執行などを行う。業務
開始は 2015 年1月の予定。
■10 月の新車販売 2.8%増
中国自動車工業協会によると、10 月の新車販売台数が前年同月比 2.8%増の 198 万 7,200 台だった。伸び幅は
年内最低だった前月の 2.5%から 0.3 ポイント増加した。乗用車が前年同月比 6.4%増の 170 万 8,900 台、商用車
が 14.9%減の 27 万 8,300 台となった。
■人民元の資金集中運営管理業務 全国に拡大
中央銀行の中国人民銀行は、多国籍企業に対するクロスボーダー人民元の資金集中運営管理業務の取り扱い
を全国に広げる通知を出した。従来は中国(上海)自由貿易試験区でのみ認められていた。外資系を含め中国内
の企業が、貿易外取引でも国境を越えてグループ企業との間で人民元を支払ったり受け取ったりできる。貿易取
引についても一段の自由化を進め、グループ内の統括会社が各子会社分を代行して決済することができるように
なる。
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■2年4カ月ぶりの利下げ
中国人民銀行は、金融機関の貸出・預金金利を 22 日から引き下げた。利下げは 2012 年7月以来2年4カ月ぶり。
人民元預金金利
項
目
金利(年利%)
普通預金
0.35
定期預金 満期型3カ月
2.35
半年
2.55
1年
2.75
2年
3.35
3年
4.00
人民元貸出金利
期間
金利(年%)
1年(1年含む)
5.60
1-5年(5年含む)
6.00
5年以上
6.15
■上海地下鉄初の公共WiFiサービス
上海市を東西に結ぶ軌道交通(地下鉄・LRT=軽量軌道交通)13 号線で、公共WiFi(ワイファイ)の試験運用が
始まった。上海の地下鉄で公共WiFiが導入されたのは初めて。利用者は携帯電話で認証を済ませれば、接続が
可能となる。
■HSBCの 11 月PMI 6カ月ぶりの低水準
英系金融大手HSBCによると、11 月の中国製造業購買担当者指数(PMI)の速報値は 50.0 だった。10 月の 50.4
から 0.4 ポイント鈍化、今年5月以来6カ月ぶりの低水準となった。市場予想の 50.2 を下回った。
■上海の外資導入額 9割増
上海市統計局によると、同市の 10 月の契約ベースによる外資導入額は前年同月比 94.4%増の 33 億 9,100 万米
ドル(約 4,012 億円)となった。件数は 74.6%増の 391 件。独資の投資額は 82.8%増の 25 億 7,500 万米ドルで、
投資額全体の 75.9%。合弁による投資額は 2.8 倍の3億 8,300 万米ドル。
【日系・外資企業動向】
■東芝ロジスティクス 日中間の物流請負
東芝の物流子会社、東芝ロジスティクスは、日中間の海上コンテナ輸送に他社の製品も積み込む混載物流サー
ビスを始める。コンテナの空きスペースを活用し、グループ外の企業から輸送を請け負う。物流専業会社の混載
サービスに比べて運賃は5~10%安くなる見込み。
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■伊藤忠 中国通販事業立ち上げ
伊藤忠商事は、タイの大手財閥チャロン・ポカパングループ、上海市政府系投資会社の上海市信息投資、保険
大手の中国平安保険集団、キャリア大手の中国移動通信と、中国でのインターネット通販事業を立ち上げる。日
本の製品を主体として中国の消費者向けに輸入販売する。中国(上海)自由貿易試験区(上海自貿区)に新会社
を立ち上げ、専用のECサイトを開設する。
■ホンダの新車販売 5.8%減
ホンダの 10 月の中国における新車販売台数(卸売実績)が前年同月比 5.8%減の7万 802 台となった。4カ月連
続のマイナスだが、前月比では 24.5%増。2014 年の中国での販売目標を 90 万台から 80 万台以上に下方修正し
た。
■日産の新車販売 9%減
日産自動車の 10 月の中国での新車販売台数(卸売実績)が前年同月比9%減の 10 万 4,400 台となった。4カ月
連続でマイナスだが、前月比では 11.4%増。商用車の需要低迷と小型乗用車の競争激化が要因。2014 年の中
国販売目標を 127 万台に引き下げた。
■トヨタの中国新車販売 27.1%増
トヨタ自動車の 10 月の中国での新車販売台数は、前年同月比 27.1%増の 10 万 4,700 台となった。3カ月連続の
プラスで2カ月連続 20%台の増加。
■DHL 中国鉄道で日欧結ぶ
物流大手の独「DHLグローバルフォワーディング」は、中国を経由し日本から欧州までを鉄道で結ぶ国際複合輸
送サービスを開始する。日本各地からの荷物は上海市まで海上輸送し、同社の中国鉄道ネットワークに接続し、
ロシア経由で欧州まで輸送する。海上輸送だけと比較すると輸送時間を 10~21 日短縮できる。空運と比較する
と、コストを 85%、二酸化炭素(CO2)排出量を 90%それぞれ削減できる。
■JSP 発泡ポリプロピレンの製造工場建設
JSP は 11 月 10 日、湖北省武漢市に発泡ポリプロピレン(ピーブロック)を製造販売する子会社「杰斯比塑料(武
漢)」(仮称)を設立し、新工場を建設する。生産開始は 2017 年 1 月の予定。
■豊和工業 天津で工作機械を生産
工作機械メーカーの豊和工業は、2015 年春に工作機械の生産を始める。天津市の子会社に追加投資し、自動
車部品を加工するマシニングセンター(MC)の組み立てスペースを整備する。構成部品を日本から輸入し、現地
で組み立てる。来年の「中国国際工作機械展覧会(CIMT)」に出展し、営業を強化する。
■ダイハツ 第一汽車に低燃費エンジン供給
ダイハツ工業は、第一汽車集団(吉林省)グループ向けに、インドネシアで生産した小型エンジンを供給する。第
一汽車グループで小型車を手掛ける天津一汽夏利汽車(天津市)と排気量 1000cc 級のエンジン供給で基本合意
した。
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■シャープ 中国 25 社にスマホパネル供給
シャープは 2015 年春から中国スマートフォン(スマホ)メーカー25 社に対して中小型液晶パネルを供給する。これ
まで米アップル向けが大半を占めていたが、新規顧客を開拓し液晶事業の収益力強化につなげる。
■Bombardier 華夏航空が航空機を購入
カナダの Bombardier Commercial Aircraft は、華夏航空が CRJ900 NextGen リージョナルジェット 16 機の正式発
注と、追加8機の同型旅客機のオプション選択した顧客であることを公表した。受注額は約 7.27 億米ドル。華夏
航空がオプションを行使すると取引額は 11.2 億ドルになる。
■ホテル・ニッコー広州 グランドオープン
JALホテルズは広州市で「ホテル・ニッコー広州」をグランドオープンした。広東省で初の日系ホテルの開業。客
室はスイートルームを含め 400 室。宴会場、会議室は合わせて 3,320 平方メートル。うち、大宴会場は 1,100 平方
メートルで、テーブルを置いた宴会形式では 600 人の着席が可能。
■ホンダ 二輪車生産累計1千万台
本田技研工業の二輪車生産・販売合弁会社「新大洲本田摩托」の累計生産台数が 1,000 万台に達した。新大洲
本田摩托の資本金は1億 3,000 万米ドル(約 150 億 3,700 万円)で、出資比率はホンダが 40%、ホンダの中国法
人「本田技研工業(中国)投資」が 10%、新大洲控股(上海市長寧区)が 50%。
■NTTドコモ LTEサービス
NTTドコモは、日本の携帯電話事業者として初めて中国独自の第4世代移動通信規格(4G)「TD―LTE」に対
応した国際ローミングアウトサービスを 19 日から始めた。対応端末のNTTドコモの顧客は中国でLTE国際ローミ
ングサービスを利用できる。対応端末は米アップルの「iPhone(アイフォーン)6」、「アイフォーン6プラス」、「iPad
(アイパッド)エア2」、韓国サムスン電子の「ギャラクシーノートエッジ」の4機種。
■アップストア 銀聯カード利用可能に
米アップルのコンテンツ配信サービス「アップストア」で、中国カード決済最大手「中国銀聯」の中国国内で発行さ
れた銀聯カードが 17 日から利用可能になった。銀聯カードとアップルのIDを結びつける。
■ダノン 粉ミルクに出資
フランスの食品大手ダノンは中国の粉ミルク大手「雅士利国際」の株式 25%を4億 3700 万ユーロ(約 620 億円)
で取得する。ダノンは中国で 2013 年に大規模な製品回収を余儀なくされ、市場シェアが低下した。
■ノキア タブレット端末を中国で発売
フィンランドの通信機器大手「ノキア」は、自社ブランドのタブレット端末を「N1」を公開した。米アップルの「iPadミ
ニ」を意識したデザインで、基本ソフト(OS)には米グーグルの「アンドロイド・ロリポップ」を採用。7.9 インチ画面で
価格は 249 ドル。来年1~3月にまず中国で発売する。
■ロシュ 上海に感染症向け医薬品のR&D拠点
スイスの製薬大手ロシュは、上海市浦東新区に感染症向け医薬品の研究開発(R&D)施設を設立する。投資総
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額は1億 3,600 万スイスフラン(約 164 億 8,200 万円)。新薬開発などを手掛け、感染症分野でのアジアからの需
要に応える。
■ファミマ 加工食品など中国国内での取引先を半減
ファミリーマートは食品素材や加工品の中国国内での取引先を大幅に絞り込む。中国での取引先は食品素材な
どで 60 社、ファストフードで 10 社あるが年内までに半数に絞り込む。中国以外の国や国産の食材などに切り替え
る。
■川重 中国向けロボ前倒し生産
川崎重工業は 2015 年4月に中国で生産開始予定の大型汎用ロボット、パレタイジングロボット、アーク溶接ロボ
ットの3種を対象に、国内で前倒し生産する検討に入った。自動車分野を中心に急増する現地顧客から早期の供
給を望む声を受け、早ければ年明けにも出荷開始する見通し。
■東洋ゴム工業 子会社出資持分譲渡
東洋ゴム工業は、ウレタンシートクッションを製造・販売する連結子会社「佛山東洋時利和汽車零件有限公司」
(TAF 社)の全出資持分を、合弁相手の広東時利和汽車実業集団有限公司(TGPM 社)に譲渡した。2012 年 12
月に登録資本金 5,000 万元(東洋ゴム工業株式会社:60%、TGPM 社 40%)で TAF 社を設立したが、ビジネス環
境の変化を受け、このたび全出資持分を譲渡することにした。
■東京海上HDと損保JPNK 自賠責保険の販売認可
東京海上ホールディングスと損保ジャパン日本興亜ホールディングス(損保JPNK)のそれぞれの現地法人が日
本の自動車損害賠償責任保険にあたる自動車交通事故強制保険(交通強制保険)の「商品販売認可」を取得し
た。交通強制保険の販売認可を取得したのは日系で初めて。東京海上日動火災保険(中国)は中国人の個人向
けに販売を開始。日本財産保険(中国)は日系企業の社有車を対象に自動車保険(任意保険)とセットにした販
売を始める。
■ニチイ学館 北京企業を孫会社化
介護業界日本最大手のニチイ学館は、ベビーシッターサービスなどを展開する北京無憂草科技発展を孫会社化
する。取得額は 2,474 万 5,000 元(約4億 7,600 万円)で、ニチイ学館の香港全額出資子会社の日医香港が持分
51%を取得する。
■住電 光ファイバー母材を量産
住友電気工業の合弁会社「富通住電光繊(天津)」が光ファイバー製造用ガラス棒の量産を始めた。光ファイバ
ー・ケーブル製造中国大手の富通集団との合弁。資本金は1億 9,000 万元(約 36 億 6,500 万円)で、住友電工が
51%、富通集団が 49%を出資し、2012 年 11 月に設立した。
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【人民元情報】
人民元市場レート(2014 年 11 月 30 日)
外貨名 100 日本円
中間値 5.1937 人民元
【中国ビジネスワンポイントアドバイス】
債権回収の注意事項
日系企業と中国企業との取引が拡大していく中で、大きな経営課題として挙げられるのが、売上代金の
回収問題です。代金の支払いを前提とした商品の納品が最も安全ですが、海外・中国においてブランド力
や実績がなければ、中国側も応じてくれません。そこで、以下では、事前の対応策と債権回収トラブル発
生時の対応策をご紹介します。
≪事前の対応策≫
①取引先の調査
工商行政管理局が発行する取引相手の営業許可書、最新の年次検査報告書、法定代表者の身分証明、調
査専門会社から取得した信用調査報告書などを取得することで経営状況を把握し、担保余力の有無など
を確認します。
②取引先への訪問
経営者や担当者に直接会い話をすることで、会社の状況を自分の目で確認することも重要です。
③契約締結にあたっての注意
契約条項上の不備は、紛争の原因となります。そのため、当事者の名称、住所、契約の目的、数量、品
質、単価または報酬金額、履行期限、履行場所、履行方法、担保、違約責任、適用法、紛争解決方法、
署名・捺印などについては、必ず明確に規定・記載する必要があります。
④担保等について
取引額が大きい場合、債務不履行に備えて担保を確保することが必要です。工場や土地などの物的担保
のほか、手付金を事前に受け取ることを条件に商品を引き渡す方法や、契約締結にあたっては署名者が
法定代表者(董事長)の権限を授与されているかの確認(授権代理人であることを証する書面の取り付
け)をすることが重要です。
≪債権回収トラブル発生時の対応策≫
債権回収方法は、最終的に何を目標としているか、また債務者がどのような状況にあるのかを考慮して
決定する必要があります。
①電話や書面での督促
相手先の状況に応じた頻度で督促を行い、日時、相手の名前、やり取りの内容や書面の内容などを記録・
保管しておきます。言い逃れや理に沿わないことを言っていないか判断する材料になるとともに、その
後、法的手段を講じる際の証拠にもなります。督促内容は段階的に厳しくしていき、書面の場合は、書
留(掛号)郵便を利用します。
②定期的訪問の励行
債務者との関係をより深くする効果があります。その際には担当責任者や幹部などの債権回収にとって
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キーパーソンとのコミュニケーションを図り、他の債権者より支払の際の優先順位を繰り上げてもらう
手段ともなります。また、中国では日本と異なり、十分な引継ぎが行われておらず、担当者変更に伴い
大きく状況も変わりますので、定期的なコミュニケーションは重要となります。そして、電話や書面で
の督促と同様に訪問記録も残しておくことも重要です。
③第三者の協力を得る交渉
弁護士や政府主管部門の協力を得て、債務者を説得するケースもあります。
④法的手段
裁判や仲裁などによって、強制的に回収します。
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