第14期 付属明細書 - NHKエデュケーショナル

第 25 期 事 業 報 告
自
平成 25 年 4 月
至
平成 26 年 3 月 31 日
株式会社
1日
Ⅰ 会社の現況に関する事項
1.事業の経過及びその成果
(1)当社を取りまく環境と成果
「中期経営ビジョン」の 2 年目に当たる 25 期は、「いつでも、どこでも、
だれでも“学びたい”に応えます」という大方針のもと、全社をあげて
取り組んで参りました。
25 期は、前期と比較すると「増収・増益」となりました。売上高は、NHK
関係業務が、前期比 8 億 71 百万円増の 171 億 96 百万円となり 2 期連続して過去
最高を記録しました。前期は減収だった自主事業も、前期比 8 億 74 百万円増の
56 億 76 百万円と業績を飛躍的に伸ばしました。DVD市場の苦戦が続く一方、
デジタル関連事業やイベント事業、キャラクター事業が好調なことが主な増収
要因です。
NHKの番組制作受託業務では、こども幼児、学校教育、語学、美術、教養、
趣味実用、科学健康などのジャンルを中心に約 1 万本の番組を制作しました。
「幅広く多様な教育コンテンツの制作」という当社の専門性を生かし、
“学ぶ楽しさ”を実感できる番組を生み出すと同時に、総合テレビ土曜夜間の
番組を含め、時代のニーズを先取りする番組の開発と定時化を進めました。
自主事業では、「デジタル関連事業」と「イベント事業」を主な柱に据え、
NHKの放送番組で培われたさまざまなノウハウを社会に還元し、
各種コンテンツの制作・販売、イベントの企画・運営、メディアミックスなど、
多角的に展開してきました。
教育コンテンツ制作の専門性の保持・継承・発展に積極的に取り組むとともに、
将 来 の 事 業 展 開 の た め の 人 材 を 確 保 し 、“ 学 び ” に 携 わ る 企 業 と し て
コンプライアンスの強化に努め、常にモラルと志を高く維持できる組織・体制の
整備を推進してきました。
26 年 2 月、本社が第六共同ビルから第二共同ビルに移転しました。26 年度末
までには、分散している各部を同じビルに集約する予定です。 これにより、
全社が連携しやすい業務体制の強化や効率的な業務推進の実現を目指します。
-1-
(2)損益の状況
当期の売上高は、228 億 72 百万円となり、前期比 8.3%増、17 億 45 百万円の
増収となりました。
売上原価は、210 億 22 百万円となり、前期比 7.2%増、14 億 16 百万円の増と
なりました。販売費及び一般管理費は、9 億 63 百万円でした。
損 益 面 に つ き ま し て は 、 営 業 利 益 8 億 86 百 万 円 、 前 期 比 33.6 % 増 、
2 億 22 百万円の増益。営業外損益を加えた経常利益は、9 億 64 百万円で、
前期比 30.5%増、2 億 25 百万円の増益となり、これに特別損益及び法人税等
を加減した当期純利益は、5 億 54 百万円、前期比 25.5%増、1 億 12 百万円の
増益となりました。
(3)事業別の概況
【事業別売上高】
区
(単位:千円)
第25期
(25.4.1~26.3.31)
分
金
NHK関係業務
自
内
訳
額
構 成 比
第24期
(24.4.1~25.3.31)
金
額
構 成 比
増
金
減
額
増 減 率
17,196,014
75.2%
16,324,894
77.3%
871,119
5.3%
5,676,842
24.8%
4,802,613
22.7%
874,228
18.2%
コンテンツ制作
1,126,217
4.9%
1,156,394
5.5%
△ 30,176
△ 2.6%
イベント実施
1,801,518
7.9%
1,541,489
7.3%
260,029
16.9%
印税・権料ほか
1,377,880
6.0%
1,020,666
4.8%
357,213
35.0%
放大等受託事業
665,865
2.9%
714,550
3.4%
△ 48,684
△ 6.8%
デジタル関連
705,359
3.1%
369,511
1.7%
335,847
90.9%
22,872,856
100.0%
21,127,507
100.0%
1,745,348
8.3%
主
事
計
業
【NHK関係業務】
当社は、NHKの番組制作関連会社として、NHKからの受託業務である
「美術・教養」
「趣味・実用」
「科学・健康」
「教育」
「語学」「こども幼児」など
幅広い分野にわたる教育・教養番組を、高い品質を保ちながら、専門性と創造性を
発揮して、効率的に制作しました。
-2-
25 年 度 の 制 作 本 数 は 、 定 時 番 組 と 特 集 番 組 を 合 わ せ て 、 10,090 本
(前年比 218 本減)です。メディア別では、総合テレビ 581 本、Eテレ 4,903 本、
ラジオ第2 4,074 本、衛星放送(2 波)413 本、テレビ国際放送 119 本を制作し、
このうち特集番組は 626 本でした。
<定時番組>
○美術・教養分野
新番組では、
「SWITCH インタビュー
達人達」が魅力的で話題性ある対談を
数多く実現、幅広い世代から支持を集めました。歴史番組「先人たちの底力
知恵泉」も丹羽宇一郎ら大物経済人が出演、彼らの体験談を交えた内容の
高さが評価され、26 年度から は 45 分番組に拡大リニューアルして放送
されます。短歌や俳句でも、より幅広い世代、特に若い人たちにも楽しんで
もらえるよう「観覧車回れよ回れ ~モデルの短歌日記~」「猫いてもいい
いなくても~田代島 俳句の旅~」などユニークな開発番組を制作しました。
美術番組では、俳優の井浦新を「日曜美術館」の司会に起用、造詣の深い
日本美術を中心に親しみやすい内容でお届けしました。2 年目を迎えた
「テクネ 映像の教室」では“参加するテクネ”をテーマに掲げ、番組の
ID 映像(クラッチ)を視聴者から募集、放送やネット上で紹介するほか、
展覧会やワークショップを実施しました。
○趣味・実用分野
趣味番組では、週 3 シリーズとなった「趣味Do楽」 の 4~5 月に、
「ギター」「仏像」「スマホ」を制作し全てが大ヒットしました。
実用番組では、「すてきにハンドメイド」が視聴率、テキスト売上ともに
過去 4 年間で最高を記録しました。「きょうの料理」はVTRを多用した
新しい演出を用いることで、20~30 代前半の女性層の獲得を実現しました。
「 オ イ コ ノ ミ ア 」 で は 、“ 恋 愛 と 経 済 ” な ど の 新 し い 切 り 口 に も 挑 戦 、
「団塊スタイル」は、放送作家・小山薫堂さんをゲストに「第 2 の人生での
社会参加」をテーマに討論し、高い評価を得ました。
-3-
総合テレビでは、4 年目を迎えた「あさイチ」の制作に多角的に参加し、
「解決!ゴハン」「スゴ技Q」「プレミアムトーク」「特選エンタ」など、
いずれも高視聴率を達成しました。特に朝の連続テレビ小説主演の杏さんが
登場した「プレミアムトーク」では視聴率 19.3%を記録しました。
「サラメシ」
も視聴率が好調で、後期からは番組枠を 23 分から 25 分に 2 分拡大して
内容の充実を図りました。
東日本大震災・被災地復興支援 にも積極的に取り組み、「趣味の園芸」
「 や さ い の 時 間 」「 囲 碁 ・ 将 棋 フ ォ ー カ ス 」「 す て き に ハ ン ド メ イ ド 」
「あさイチ」などで公開収録・生放送を行いました。
○科学・健康分野
科学分野では、5 年目を迎えたEテレの「すイエんサー」で「知力の格闘技
シリーズ」を展開。北海道大学や東北大学の学生と「すイエんサーガールズ」
の対決が話題となり、「全国大会」にまで発展しました。生物の生態から
生きるための知恵が学べると子どもたちにも大人気の Eテレ「モリゾー・
キッコロ 森へいこうよ!」は、総合TV「ダーウィンが来た!」とのコラボ
レーションを実現させました。BSプレミアムの「コズミックフロント」は、
「プラネタリウムの進化」や「火星改造計画」「アリアンロケット開発」等、
多彩な内容で宇宙開発の最前線をリポートし好評を得ました。テレビ国際
放送「Science View」では、「iPS 細胞」の特集を企画し、京都大学 iPS 細胞
研究所内を探訪、また岩手県で展開する「国際リニアコライダー」誘致計画
にもスポットをあてました。国際放送の強化に向けて、科学・医学・
テクノロジーに関する最先端情報を世界に定時発信しました。
健康分野の 25 年度新番組「チョイス@病気になったとき」は、患者の立場
で予防や治療の選択肢をどう考えればよいかという新しいコンセプト で、
「 認 知 症 」「 白 内 障 」「 肝 臓 病 」 等 の 対 処 法 を 多 面 的 な 取 材 と 観 点 か ら
伝 え ま し た 。 長 寿 番 組 「 き ょ う の 健 康 」 で は 、「 高 血 圧 」 を テ ー マ に
塩分摂取量が多い山梨県で公開収録を行うなど、新しい演出や企画に挑戦
しました。医学関係のシンポジウムは、「認知症」「漢方」「がんサバイバー」
「 難 聴 」「 ア レ ル ギ ー 」「 高 血 圧 」 等 を テ ー マ に 開 催 し 、 E テ レ
「TVシンポジウム」で、医学会の最新動向を伝えました。
-4-
○教育分野
小 学 校 向 け 番 組 は 、 国 語 番 組 の 「 お 伝 と 伝 じ ろ う 」、 防 災 教 育 番 組
「学ぼうBOSAI」を制作しました。通信高校生向けの「NHK高校講座」
は、番組の 20 分化を推し進めるとともに、スマートフォンでも番組を視聴
できるようにしました。
Eテレの 10 代の若者向け番組では、「テストの花道」が夏に特集番組を
制 作 し 、 7 月 か ら ツ イ ッ タ ー を 始 め た と こ ろ 、 フ ォ ロ ワ ー が 9000 人 に
達しました。
「Rの法則」は、世帯視聴率、10 代女子の視聴率ともに前年度を
上回り、女子高校生を中心に認知度が高まりました。
震災被災地の復興を支援する「東北発☆未来塾」は、ツイッターや番組
ホームページとの連動を発展させるとともに、夏と震災から 3 年目の 3 月に
特集番組を制作しました。
そ の ほ か に 、 T V シ ン ポ ジ ウ ム 「 グ ロ ー バ ル 社 会 と 大 学 の 可 能 性 」、
「課外授業 ようこそ先輩
恐怖が教えてくれるもの ~元オリンピック選手
三浦豪太」を制作しました。
○語学分野
英語番組については、EUの国際基準であるCEFR(セファール)指標に
準拠して番組を再配置する「英語グランドデザイン」
(24 年度スタート)の充実
を図りました。新番組としては、Eテレ(後期)の「しごとの基礎英語」、
ラジオ第2の「英語で読む村上春樹~世界の中の日本文学~」を制作しました。
特に「しごとの基礎英語」は、前期制作の「おとなの基礎英語」と大人向けの
基礎英語シリーズとして相乗効果をあげ、テキストの売上も好調で高い評価を
得 ま し た 。「 ニ ュ ー ス で 英 会 話 」 は 、 テ レ ビ と ラ ジ オ の 番 組 を 核 と し た
クロスメディア展開を進め、ホームページのページビューもNHK全体のサイト
の中で上位を維持しています。
ラジオ第2の番組では、基礎英語と大人向け英語の双方が高い支持を得ました。
中でも「英会話タイムトライアル」や「ラジオ英会話」はテキストの売上が伸び、
インターネットサービス「らじる☆らじる」からのアクセス数も順調に増え、
ラジオを持たない若い世代への広がりが進みました。
-5-
英語以外の外国語番組では、 3 年ぶりに「テレビでロシア語」を
新作しました。ラジオ番組「まいにち○○語」「レベルアップ○○語」の
多言語講座番組もきめ細かく制作し、言語をより深く学びたいリスナーの
需要に応えました。
テレビ国際放送では、定時番組「BEGIN Japanology」
「Dining with the chef」
のほか、大型トーク番組「Booked for Japan」(随時)などを制作し、世界
各国での英語による日本理解に貢献しました。
○こども幼児分野
乳幼児に向け、発達発育や興味関心に応じて多様なコンテンツを
制作しました。55 年の歴史と伝統のある「おかあさんといっしょ」、幼児が
初めて出会うテレビ「いないいないばあっ!」、4 歳から 5 歳児を対象にした
「みいつけた!」の総合型の 3 番組を核に、家庭視聴だけでなく、幼稚園・
保育所でも乳幼児教育に活用できるようにしました。
子どもたちの関心の高いテーマを扱う番組としては、Eテレで、「にほんご
であそぼ」「えいごであそぼ」「フックブックロー」「すすめ!キッチン戦隊
クックルン」「てれび絵本」などのデイリー番組と、「デザインあ」「ピタゴラ
ス イ ッ チ 」「 ニ ャ ン ち ゅ う ワ ー ル ド 放 送 局 」 な ど の ウ ィ ー ク リ ー 番 組 を
制作しました。特に「デザインあ」は、24~25 年度「デザインあ展」(東京・
港区)において 22.5 万人を動員し、「キッズデザイン賞」経済産業大臣賞を
受賞するなど、新しい感覚の教育コンテンツとして去年に引き続いて話題を
集めました。また、長年続いた「つくってあそぼ」後継の新番組「ノージー
のひらめき工房」は、「子どもの創造性を育てる番組」として幼稚園・保育所
からも高く評価されました。
若い親世代向けには、“役立つ子育て情報”を提供する「すくすく子育て」
と「まいにちスクスク」を制作しました
E テ レ で は 、 23 年 度 改 定 で 、 幼 児 こ ど も 番 組 が 朝 6 時 35 分 か ら
始まるようになり、平日の朝7時からの小学校低学年向け“お目覚め番組”
「シャキーン!」などを含め、朝の 2 時間半ほどのこども幼児ゾーン全体が
活性化し、視聴者からも高く支持されました。
-6-
BSプレミアムでは、「ワンワンパッコロ!キャラともワールド」に加え、
日曜日の朝に新番組「おとうさんといっしょ」をスタート。子育てに
参加しにくい父親も含めた教育的遊びのコンテンツを強化することにより、
BS普及とNHKの「810 プロジェクト」に大きく貢献しました。
視聴者サービスに資するイベント「おかあさんといっしょファミリー
コンサート」「いないいないばあっ!あつまれ!ワンワンわんだーらんど」を
実施。いずれも家族 3 世代で楽しめるイベントとして人気を呼びました。
<特集番組等>
○特集文化部
東日本大震災から 3 年。今も被災地の人々と暮らしを見つめる特集番組
「あなたに~瀬戸内寂聴心を語る~」「三十一文字の思い~中村雅俊と“震災
の 短 歌 ” ~ 」「 消 え な い イ タ ミ を い や す ~ 震 災 から 3 年 目 の 鎮 魂 劇 ~ 」
「農の夢よ、よみがえれ~若きビジネスマンと被災農家の 1050 日~」を制作
しました。美術番組の専門性を生かし、日本の“美と心”を伝えることにも
務めました。明治・大正時代の政財界の大物たちが、持てる財力と美意識を
注ぎ込んだ
“京都南禅寺界隈別荘群”の四季(「水ひかる夏」「窓越しの秋」
「 冬 ・ 石 は 語 る 」、 春 編 は 26 年 5 月 放 送 予 定 ) を 記 録 し た 番 組 や 、
「 京都 迎 賓 館 極め る !京 都 の 技と お も て なし 」、 日 本 とス ペ イン の 友 好
400 周年に合わせた「今井翼×サムライ支倉
美食のワールドカップ~
大いなる旅への挑戦」、
「激闘!
フランス料理世界一をめざせ~」などです。
さらに、「日曜美術館 スペシャル アートの旅に出かけよう!」「温故希林
台湾!~樹木希林の骨董珍道中」「京の“いろ”ごよみ~染織家・志村ふくみ
の日々」、誰もが知る有名な美術作品をユニークな歌とアニメで紹介する開発
番組「びじゅチューン!」、8K(スーパーハイビジョン)コンテンツとして
「風神雷神図屏風」を制作しました。
定時番組「100 分 de 名著」を発展させ、幸福とは何かを文学や経済学など
分野の違う 4 冊の名著から読み解く特集「 100 分 de 幸福論」を制作。
ほかにも、「手塚×石ノ森 ニッポンマンガ創世記」「驚き!ニッポンの底力」
「坂崎幸之助&所ジョージのサカトコマニアック@下北沢」など、
-7-
ドキュメンタリーから紀行番組、さらにはコントやバラエティといった
エンターテインメント番組まで、幅広いジャンルで質の高い特集番組を
制作しました。
○生活部
雇用現場のトラブルを解決する「明日から役立つワークルール」をEテレ
で二夜連続で放送。再現ドラマを取り入れたわかりやすい演出が好評を
博しました。若者を対象とした開発番組「ガールズクラフト」を夏と冬に
2 回制作し、WEB連動型の 26 年度定時番組となりました。「きょうの料理」
では、例年放送している「クッキングコンテスト」のほか、栗原はるみさん
がアメリカの弁当事情をリポートする特集番組や、料理研究家・小林カツ代
さんの追悼特別番組を制作しました。
ま た 、 25 年 9 月 か ら サ ー ビ ス を 開 始 し た ハ イ ブ リ ッ ド キ ャ ス ト 用
コンテンツとして、「きょうの料理ベストレシピ」をデータ放送と一体で
開発しました。
○科学健康部
Eテレでは「すイエんサー」の枠内特集「知力の格闘技スペシャル・
挑戦状シリーズ全国大会」を「サイエンススタジアム 2013」のイベント会場
で 公 開 収 録 し ま し た 。 開 発 番 組 と し て は 、「 モ リ ゾ ー ・ キ ッ コ ロ
いこうよ!」の後継として「みらい!フィールドハンター
森へ
巨大トンボの
ナゾをおえ!!」を制作しました。さらに、科学アニメ「ピカイア!」の
制作にも取り組み、27 年度の定時化を目指しています。25 年度新番組の
「チョイス@病気になったとき」を発展させ、年始特集「健康診断
スペシャル」を制作、健康診断データを もとにした健康維持や病気の早期
発見、予防啓発についてお伝えしました。同番組の認知症 を核に展開した
NHKスペシャル「アルツハイマー病をくい止めろ!」では、アメリカで
進められる「DIAN 研究」など最新の治療や予防の成果を伝え、大きな反響を
得ました。
-8-
BSプレミアムの特集番組は、「コズミックフロントスペシャル クイズで
目指せ!宇宙マスター」を制作、親子で楽しめる内容に好評が集まりました。
また夏期特集として「阿部寛の宇宙への挑戦」を制作しました。
○教育部
Eテレ夏の特集として制作した「ロンリのちから」が、26 年度定時番組と
なりました。日本賞関連の特集番組としては、大規模公開オンライン講座
(MOOC)を取り上げた「‘学校’はどう変わるのか~世界の教育事情最前線」
を制作しました。
また、定時番組を発展させた特集「東北発☆未来塾スペシャル」を 8 月と
3 月に制作し、全国の若者たちが東北の復興支援のために何ができるかを
考えました。「テストの花道」では、苦手科目を克服する勉強法を紹介する
特集を夏に放送しました。「学ぼうBOSAIスペシャル」は、放送センター
で実施された「防災パーク 2013」の特設ステージで収録し、子どもが楽しみ
ながら防御の姿勢を学ぶ「ダンゴムシ体操」を披露しました。
春 の 特 集 で は 、 26 年 度 か ら 定 時 化 さ れ る 「 は り き り 体 育 ノ 介 」 の
パイロット版を制作し、アテネ五輪金メダリストの冨田洋之氏の指導による
逆上がりのコツを紹介しました。
○語学部
Eテレでは、7 月に外国人による日本語弁論大会「ワタシの見たニッポン」、
8 月に「スーパープレゼンテーションSP 伊藤穣一×坂本龍一 未来を語る」、
国際共同制作「7 年ごとの記録 28 歳になりました」を放送。年末年始には
「 ニ ュ ー ス で 英 会 話 年 末 ス ペ シ ャ ル 」「 し ご と の 基 礎 英 語 ス ペ シ ャ ル
“英語は心”でビジネスをつかめ!」
「あの感動をもう一度 リトル・チャロ 4
総集編」、ラジオの定時番組を発展させたEテレ特番「世界が読む村上春樹~
境界を越える文学~」を制作し、好評を得ました。3 月には「スーパー
プレゼンテーションSP
世界が認めた日本人」を制作して、英語で自分の
考えを魅力的に伝えたいと願う視聴者にエールを送りました。
-9-
ラ ジ オ で は 、 F M で 8 月 に 「 こ こ ろ に し み る ユ ー ロ ソ ン グ 2013 夏
バカンスしているか~い?スペシャル 西・伊・露・仏・独」を 5 日連続で
放送しました。ラジオ第2では、基礎英語 3 番組の出演者が勢ぞろいし公開
番組収録を行った「全員集合!基礎英語 年末スペシャル・レッスン」や、
ス ポ ー ツ の 話 題 を と り あ げ た 「 ス ポ ー ツ ニ ュ ー ス で 英 会 話 」「 も う す ぐ
ソチ五輪!ロシアの冬を 1000 倍楽しむラジオ」を年末年始に放送しました。
テレビ国際放送では、「Dining with the chef」の特集として「Rika's Tokyo
Cuisine in Turkey 」、 栗 原 は る み さ ん が 日 本 の 家 庭 料 理 を 外 国 人 親 子 と
ともに作る「Harumi’s Family Cooking in Uonuma」、唐津焼とイタリア料理
の取り合わせを楽しむ「Food x Pottery」を制作し、海外発信にも意欲的に
取り組みました。
○こども幼児部
Eテレでは、震災復興支援の一環として昨年に引き続き、「にほんごで
あそぼ 元気コンサート in 大船渡」を制作。子どもたちと KONISHIKI
さんや神田山陽さんらレギュラー陣によるステージショーは、被災地の方々
だけでなく全国に活力を届け、新たな番組展開の可能性も膨らませました。
さらに、春と秋には「おかあさんといっしょ
ファミリーコンサート」、
年末 恒例 とな った 「 決定 !す くす くア イ デア 大 賞 2013」「 お とう さん と
いっしょ
春・夏・秋のスペシャル」「みいつけた!あけましておめでたい」
「すすめ!キッチン戦隊クックルン お正月スペシャル」などの年始特集、
「大人の ピタゴラスイッチ ~デジむず~」などの特集番組を制作。さらに、
新機軸の幼児向け 自然科学分野の開発 番組「ミミクリーズ」 を夏に 2 本
制作し、今後期待されるマルチプラットフォーム・コンテンツとして
親子を中心とした視聴者や教育界から注目を集めました。
BSプレミアムでは、大人に向けた新機軸のエンターテインメント
開発番組「うたものがたり」をNED美術グループとともに制作しました。
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○25 年度・番組の主な受賞歴
☆第 51 回ギャラクシー賞
・奨励賞
「仕事ハッケン伝
冨永愛×左官」
「7年ごとの記録
28 歳になりました」
☆第 30 回 ATP賞
・最優秀賞[情報・バラエティ部門]
「ケンボー先生と山田先生
~辞書に人生を捧げた二人の男~」
・奨励賞[ドキュメンタリー部門]
「僕らに春は来るのか
~シリア難民の子どもたち~」
☆Spikes Asia 2013
・ゴールド賞[Broadcast Design and Graphics & Digital Design 部門]
「テクネ 映像の教室」
☆第 17 回文化庁メディア芸術祭
・エンターテインメント部門
審査委員会推薦作品
「テクネ 映像の教室」
☆第 46 回アメリカ国際フィルム・ビデオ祭
・高校生部門
Creative Excellence 賞
「すイエんサー
ケーキを超ピッタリ 7 等分にした~い!!」
☆ひまわり褒章 2013
・団体部門賞
「いないいないばあっ!」
☆放送批評懇談会 50 周年記念賞
「おかあさんといっしょ」
☆2013 年度ADCグランプリ
「デザインあ展」
☆キッズデザイン賞
・経済産業大臣賞
「デザインあ」番組及び展覧会を通じたデザイン教育
☆辻静雄食文化賞
「きょうの料理」
- 11 -
<ホームページ制作等>
個別のNHK番組の内容を補完するホームページのほか、語学番組、こども
番組、趣味実用番組、福祉番組などのポータルサイトも制作しています。
「Eテレポータルサイト」では、番組に対する視聴者の声を紹介し、
リクエストの多い番組は再放送するという番組連動の試みが好評で、
アクセス数の増加が続いています。NHKの番組を題材にしたクイズを
楽しむ携帯とPCのサイト「神南時空旅行社」も親しみやすいサイト演出を
心がけたことでアクセス数が増えました。人気作家がデジタルツールとの
つきあい方を青春小説に仕立てたメディアリテラシーのPCサイト「ネット
コミュニケーション小説」は、10 代を中心とした若者に人気で、3 タイトル
が書籍化されました。NHKが持つ豊富で良質な映像素材を、インター
ネットを通じて無償で提供するサイト「NHKクリエイティブライブラリー」
の制作は 5 年目を迎えました。25 年度「日本賞」イノベイティブ・メディア
部門最優秀賞を受賞したほか、「渋谷 de どーも」や「NHK文化祭」などの
大型イベントでもワークショップが開催され、さらにコンテンツの充実を
図っています。
福祉ポータルの「ハートネット」では、増大するアクセスに対し
掲示板システムを改良するなどユーザーの利便性の向上を図り、視聴者の
信頼をより強固にしています。
以上、これらNHK関係業務の売上高は、過去最高の 171 億 96 百万円で、
前期と比較しますと、8 億 71 百万円(5.3%)の増収となりました。
【自主事業】
NHKグループにおける「教育コンテンツ専門企業」としての制作力や企画力
を最大限に活用し、NHKの教育コンテンツを放送以外のメディアや事業を
通して、広く社会に還元するための良質かつ多角的な事業展開を行いました。
25 年度は、経営目標にも掲げた「デジタル関連事業の強化」とニーズの高い
「イベント事業の拡充」を増収の柱に据え、新規事業にも積極的に挑戦しました。
前年度不振だったキャラクター販売は一転して 50%を超える伸びを見せるなど、
各分野での地道な取り組みが実を結び、総売上は前年比 20%増となりました。
- 12 -
① コンテンツ制作・販売事業
ア.市販DVD関連
国内DVD市場が年々大幅に縮小していく状況のなかで、当社のDVD
売上額も減尐を続けていましたが、最終的には前年比で 4%の微増と
なりました。
25 年度は、引き続き特典映像や封入物(シール、ポスター)の充実を図り
商 品 の 魅 力 ア ッ プ に 注 力 し つ つ 、 新 作 タ イ ト ル 数 を 増 加 ( 24 年 度 よ り
9 タイトル増)することにより全体の減尐を抑えました。また、以前より
ご要望を多くいただいている「高画質」への期待に応えるべく、初めて
ブルーレイディスク商品を 2 タイトル(幼児 1、生活 1)発行しました。
全体の約 88%を占めるのが、こども幼児分野のコンテンツです。主力の
「いないいないばあっ!」「おかあさんといっしょ」「みいつけた!」の定番
商品に加え、企画DVDや、「すすめ!キッチン戦隊クックルン」で初の
商品化もあり発行数を増やしました。
趣味・実用などの生活系分野では、「これが正しいラジオ体操」がヒット
商品となり、また商品の続編となる「藤田寛之
続・シングルへの道」も
好調でした。
さ ら に 健 康 分 野 で 、 新 た な 試 み と し て 「 き ょ う の 健 康 」「 チ ョ イ ス 」
「名医にQ」をテーマ毎にまとめたDVD全 100 巻を通信販売限定商品
として制作し、大きな反響を呼びました。
イ.その他のコンテンツの受注制作
全国各地の美術館等の展示映像展開では、展覧会案内のWeb使用や記者
発表映像等の制作へ事業が拡大できたことで、最終的に過去最高の受注件数
と売上高となりました。
4K・8Kの 超高精細映像制作も、本格的に展開 を始 めました。本物
さながらの芸術品を堪能できる美術分野、最先端の手術の様子を捉える
医療分野の二本柱を中心に、関係者の熱い期待に応えました。
こども幼児分野では、業務用通信カラオケで業界最大手の企業から初めて
カラオケコンテンツ制作を受注し、売上に大きく貢献しました。
23 年度に「いないいないばぁっ!」からスタートした、頒布会方式の
- 13 -
幼 児 向 け 商 品 「 や っ た ね 」 は 、 24 年 度 に 「 お か あ さ ん と い っ し ょ 」 と
「みいつけた!」が揃い、幼児 3 番組として積極的な販売展開を行って
きました。お客様のより広いニーズに応えるべく 3 番組をまとめたBOX型
商品販売もスタートさせ、きめ細かいサービスを展開しました。
そのほか、岩手ILC(国際リニアコライダー)を紹介する映像制作の
受注や、食育教材制作などの分野にも積極的に取り組みました。
こ れ ら コ ン テ ン ツ 制 作 ・ 販 売 事 業 の 売 上 高 は 11 億 26 百 万 円 で 、
前期売上高と比較しますと、30 百万円(2.6%)の減収となりました。
② イベント企画・実施事業
番組コンテンツを生かした多彩なイベントを、年間 50 回以上実施しました。
子育て世代に人気の高い「おかあさんといっしょスペシャルステージ」は夏
のイベントとして定着し、さいたま公演(8 月 17~18 日/さいたまスーパー
アリーナ)大阪公演(8 月 31 日・9 月 1 日/大阪城ホール)合わせて 4 日間
12 公演を実施し、のべ 13 万人を超える家族連れに楽しんでいただきました。
初めて名古屋市で実施した「ワンワンといっしょ!夢のキャラクター
大集合」(2 月 1~2 日/日本ガイシホール)は、2 日間 6 公演すべて満席と
なり、あわせて 4 万 5 千人の家族連れで大盛況でした。
ドームを会場にした大規模イベントのひとつ「国際バラとガーデニング
ショウ」(5 月 11~16 日/西武ドーム)は、延べ 23 万人近い来場者で
にぎわいました。一方「東京国際キルトフェスティバル 2014」(1 月 23~
29 日/東京ドーム)では、特別企画として“ムーミンの世界”を会場内に
表現し、常に長蛇の列ができるほどの人気を博し、会期中 23 万 7 千人の
来場者がありました。
テレビ放送 60 年を記念して「すイエんサー」や「大科学実験」などNHK
科学系番組が一堂に会した初のイベント「サイエンススタジアム 2013」
(9 月 28~29 日日本科学未来館)は、“カガクを遊びつくそう”をテーマに
5 番組の公開収録、8 番組によるワークショップやミニステージなどで構成し、
家族連れや中高生など 2 万 7 千人を超す来場者でにぎわいました。
- 14 -
「デザインあ展」(2 月 8 日~6 月 2 日
21_21DESIGN SIGHT)は、番組を
初めて展覧会として企画し、
“デザインマインド”をテーマに大人も子どもも
楽しめるよう、音や映像も生かしながら全身で体感できる内容で構成し、
会期中若い世代を中心に親子連れなど来館者が 22 万人を超え大盛況でした。
これらイベント事業の売上高は、18 億 1 百万円で、前期の売上高と比較
しますと、2 億 60 百万円(16.9%)の増収となりました。
③ 印税・権利事業、国内共同制作
こ ど も 幼 児 の キ ャ ラ ク タ ー 事 業 で は 、「 い な い い な い ば あ っ ! 」 と
「おかあさんといっしょ」のキャラクターをつけたおむつ販売が好調で売上
を大きく伸ばしました。
NHKアーカイブスから教材用としてコンテンツを提供している東海地方
を基盤にした大手予備校と 2 度目の大型契約更新を行い、これにより、
さらに 5 年間の使用継続が決まりました。
番組から展開している一般書籍では、23・24 年度好調だったEテレの
10 代向け番組「テストの花道」が 25 年度に入ってもその勢いは止まらず、
全体累計で 20 万部以上の発行部数を記録しました。また 22 年度に開発し
定時番組となった「100 分 de 名著」は、シリーズ 16 冊の累計で 15 万部近く
の発行部数となり、今後はムック展開も新たに加えさらなる増刷を
目指します。さらに「あさイチ」のムックシリーズも好調で 7 万部近くを
発行することができました。
CDでは、こども幼児関連で「デザインあ」が「いないいないばあっ!」
「おかあさんといっしょ」
「みいつけた!」の幼児 3 番組合わせてほぼ 2 万部
を売上げた ほか 、Eテレ「0655・2355」のコーナー「おはよう
ソング」「おやすみソング」からセレクトした楽曲(30 曲程度)を収録した
コンピレーションCDも好調を維持しています。
また「シャーロック・ホームズ」と「パッコロリン 4」の国内共同制作も
行いました。
- 15 -
これら印税・権利事業、国内共同制作の売上高は、13 億 77 百万円で、前期の
売上高と比較しますと、3 億 57 百万円(35.0%)の増収となりました。
④ 放送大学学園等受託事業
放送大学学園からの受託業務については、「授業番組」で 36 科目 465 本を
制作しました。そのほかにも、「放送大学アーカイブス」10 本と「授業科目
案内」10 本を新規に受託しました。
放送大学学園等受託事業の売上高は、6 億 65 百万円で、前期の売上高と
比較しますと、48 百万円(6.8%)の減収となりました。
⑤ デジタル関連事業
動画や音声などの素材を蓄積し、教材等に組み込んで提供する事業の
ベースとなる「NEDデジタル基盤」を整備し、これを利用したビジネス
展開が運用 2 年目に入りました。
料理コンテンツは、他社の検索ポータルサイトや家庭用タブレット端末に
レシピと動画を提供するほか、キャンペーン事業が順調に推移しています。
語学自主サイト「ゴガクル」は、TOEIC 運営会社とのタイアップ企画が好評
で、年度内に 2 度の実施となりました。また、大学向け美術通信教育用の
映像教材は、デジタル基盤を利用して制作、蓄積、配信を行ってきましたが、
いよいよ学生向けサービスとしてスタートしました。
このほか、大手通信事業者への教材企画提供事業として、幼稚園・保育所
から小学校低学年に向けての、スマートフォン向けアプリ事業が始まり、
入学準備、小学校 1 年算数と国語、同じく低学年向け英語のアプリが公開
されました。
ま た 、 24 年 11 月 に 会 員 デ ー タ ベ ー ス の シ ス テ ム を 統 合 し た 、 自 主
4 サイト(「キッズワンダーランド」
「すくすく.com」
「みんなのきょうの料理」
「ゴガクル」)では、会員情報を一元的により安全に管理するとともに、当社
が制作する商品やイベントを紹介するメールマガジンを毎月発行して
- 16 -
売上を支援しました。
さらに、NHKエデュケーショナルの事業内容を広く周知するとともに、
法人からの事業受託を促進するため、会社ホームページを一新しました。
具体的な展開事例を紹介する記事を掲載し、法人からの問い合わせフォーム
も改良したことで、7 月の公開以来、メールによる商談が増えました。
デジタル関連事業の売上高は、7 億 5 百万円で、前期の売上高と
比較しますと、3 億 35 百万円(90.9%)の増収となりました。
以上、各事業を総合した自主事業の売上高は、56 億 76 百万円となり、
前期の売上高と比較しますと、8 億 74 百万円(18.2%)の増収となりました。
2.設備投資の状況
当期の設備投資総額は 3 億 8 百万円で、内容は以下のとおりです。
(単位:百万円)
資
産
の
種
類
有形固定資産・建
取得価額
物
75
有形固定資産・工具器具備品
155
78
有形固定資産
計
備
考
オフィスビル集約化、編集室・倉庫改修ほか
原盤制作
着ぐるみ制作、サーバーほか
308
3.資金調達の状況
前記の設備投資の資金は、自己資金で充当しています。
4.対処すべき課題
26 年度は、3 か年の「中期経営ビジョン」の最終年にあたります。これまで
掲げてきた「いつでも、どこでも、だれでも“学びたい”に応えます」という
経営の大方針を堅持し、「デジタルの可能性の希求」、「伝統と革新のバランスに
よる番組制作」、
「積極的な国際展開」、
「NHKへの財政貢献」という四つの柱を
全ての事業の主軸に据えてまいります。
- 17 -
NHK関係業務では、26 年度の番組改定における編集の基本方針に沿って、
世界に通用する質の高い番組の制作、日本や地域の発展につながる放送・
サービスの充実に努めます。特に、「家族の絆を見つめ直し、世代を越えて
楽しみ感動できる番組」、
「こどもや若い世代に向けた番組の定着」、
「健康や趣味
など、中高年向け番組の充実」、「社会の中核を担う視聴者に向けた教養番組の
拡充」、「語学や学校放送、高校講座など、多様な知的欲求に応える番組の充実」
など、当社のドメインに沿った番組の開発、定時番組の定着に努めます。さらに、
超高精細映像(4K・8K)、ハイブリッドキャストなど、次世代映像技術や
デジタル技術を活かした新しい放送サービスの可能性にも積極的に挑戦します。
自 主 事 業 で は 、 創 業 以 来 25 年 に わ た っ て 培 っ て き た N E D の ブ ラ ン ド
イメージを戦略の中心に据え、ビジネスから家庭生活に至るまで、多様化が進む
ニーズに迅速に対応できる多種多彩な事業を推進していきます。DVD等を中心
とした従来型展開を着実に進めていく一方で、デジタル分野に 積極的に
チャレンジします。イベント事業では、新規開発やパッケージ化などによる一層
の充実を図ります。国際展開事業にも進出し、海外での実績を築いていきます。
さらに新規事業の開拓にも力を入れ、全社体制で事業拡大を目指します。
今後も引き続きNHKグループの一員として、企業経営の原点を常に見つめ
ながら、社会の信頼に応え、ノウハウの社会還元を図るために邁進いたします。
5.財産及び損益の状況の推移
項
売
上
目
第22期
第23期
(平成 22 年度)
第24期
第25期
〔当 期〕
(平成 23 年度) (平成 24 年度) (平成 25 年度)
高 (千円)
21,485,193
21,403,679
21,127,507
22,872,856
経 常 利 益 (千円)
765,721
740,272
739,094
964,760
当 期 純 利 益 (千円)
412,649
387,029
441,429
554,188
1株当たり当期純利益 ( 円 )
206,324
193,514
220,714
277,094
総
資
産 (千円)
7,635,009
8,198,923
8,401,710
9,191,489
純
資
産 (千円)
4,968,414
5,145,850
5,356,879
5,750,706
1株当たり純資産 ( 円 )
2,484,207
2,572,925
2,678,439
2,875,353
- 18 -
6.重要な親会社の状況
親会社との関係
当社の親会社は、日本放送協会であり、当社の株式 1,340 株(出資比率 67.0%)
を保有しています。
当社は、同協会の委託による放送番組の制作、これらに関連する業務、
同協会が制作した番組の利用権の購入などを行っています。
7.主要な事業内容
(1) 放送番組等の企画、制作、購入
(2) ホームページ作成等デジタル関連業務
(3) 幅広い世代を対象にした教育、教養コンテンツ制作・販売
(4) イベント・シンポジウム等の企画・実施
(5) 各種権利ビジネスや編集・出版関連業務
(6) 放送大学関連番組の制作
なお、事業の主体をしめるNHK受託業務及び自主事業の主要なものは、
次のとおりです。
受託番組
総合テレビ
・妄想ニホン料理
・地球イチバン
・あさイチ「解決!ゴハン」「プレミアムトーク」など
・サラメシ
・マサカメTV
・明日へ -支えあおうあなたに~瀬戸内寂聴心を語る~
三十一文字の思い~中村雅俊と“震災の短歌”~
消えないイタミをいやす~震災から3年目の鎮魂劇~
・年末年始特集
「マサカメTV 年末年始 4 日間限定 SP」
「京都迎賓館 極める!京都の技とおもてなし」
「大航海ごはん」「妄想ニホン料理 新春スペシャル」
・特集番組
「爆笑問題のマンガ創世記
~手塚×石ノ森キャラクター大集合!~」
「今井翼×サムライ支倉 大いなる旅への挑戦」
「妄想ニホン料理 夏スペシャル」
「妄想ニホン料理 来週から開店です!」
「映画が北の町を、熱くした
~大林宣彦・20 年目の約束~」
「趣味Do楽秋特番 燃ゆる秋 スマホに絵本に歩く旅」
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受託番組
Eテレ
・日曜美術館 ・美の壺 ・おとなへのトビラTV
・100 分 de 名著 ・SWITCHインタビュー 達人達
・NHK短歌
・NHK俳句
・ハートネットTV(にっぽんリハビリ応援団など)
・新世代が解く!ニッポンのジレンマ
・先人たちの底力 知恵泉
・きょうの料理 ・きょうの料理ビギナーズ
・すてきにハンドメイド
・Eテレ 0655、2355
・趣味の園芸
・趣味の園芸ビギナーズ
・趣味の園芸やさいの時間 ・趣味Do楽
・団塊スタイル
・まる得マガジン
・オイコノミア
・グレーテルのかまど
・将棋フォーカス
・囲碁フォーカス
・NHK杯将棋
・囲碁トーナメント
・すイエんサー
・マリー&ガリー
・モリゾー・キッコロ 森へいこうよ!
・きょうの健康
・チョイス@病気になったとき
・TVシンポジウム ・課外授業ようこそ先輩
・東北発☆未来塾
・NHK高校講座
・Rの法則
・大科学実験
・テストの花道
・特盛り!テストの花道
・10min.ボックス
・できた できた できた
・お伝と伝じろう
・学ぼうBOSAI
・テレビで基礎英語
・ニュースで英会話
・おとなの基礎英語
・しごとの基礎英語
・ニュースで英会話
・リトル・チャロ4
・スーパープレゼンテーション ・プレキソ英語
・テレビで中国語・ハングル講座・フランス語・イタリア
語・スペイン語・ドイツ語・アラビア語・ロシア語
・どうも!にほんご講座です
・ノージーのひらめき工房
・デザインあ
・ピラゴラスイッチ
・おかあさんといっしょ
・いないいないばあっ!
・みいつけた!
・シャキーン!
・ニャンちゅうワールド放送局
・すすめ!キッチン戦隊クックルン
・えいごであそぼ
・にほんごであそぼ
・フックブックロー ・てれび絵本 ・すくすく子育て
・ETV特集
「届かぬ訴え~空襲被害者たちの戦後~」
「農の夢よ、よみがえれ
~若きビジネスマンと被災農家の 1050 日~」
「94 歳の荒凡夫~俳人・金子兜太の気骨~」
「戦傷病者たちの長い戦後」
・夏期特集
「オトナへのトビラTV 夏スペシャル」
「0655・2355 プカ夏スペシャル」
「谷原章介のザ・男の食彩スペシャル
究極!手作り担々麺/探求!横浜ナポリタン」
「すイエんサー
知力の格闘技スペシャル・挑戦状シリーズ全国大会」
- 20 -
受託番組
Eテレ
「みらい!フィールドハンター
巨大トンボのナゾをおえ!!」
「東北発☆未来塾スペシャル
東北を応援するチカラ・南三陸町で見つけた
今、私たちにできること」
「テストの花道
夏休み!ベンブ 10 万人の声!!苦手克服スペシャル」
「学ぼうBOSAIスペシャル
親子でチャレンジ!地震から命を守ろう」
・開発番組
「ガールズクラフト」
「明日から役立つ ワークルール ~初めての労働法~
残業代、もらってる?/退職を迫られたとき」
「ピカイア」「ロンリのちから」「はりきり体育ノ介」
「ミミクリーズ」「デザインあ 5分版」
・年末年始特集
「日曜美術館 SP アートの旅に出かけよう!」
「観覧車回れよ回れ ~モデルの短歌日記~」
「京の“いろ”ごよみ~染織家・志村ふくみの日々」
「ニッポンのジレンマ元旦SP」「100 分 de 幸福論」
「SWITCH インタビュー新春SP」
「オトナへのトビラTV 冬スペシャル」
「オイコノミア クリスマススペシャル
あした恋する経済学 出会い編/デート編」
「ガールズクラフト・ウインター」
「0655・2355 年越しをご一緒にスペシャル」
「0655・2355 今年はウマ年でござうますスペシャル」
「第 39 回将棋の日」
「新春お好み将棋対局 2014 指し始め
渡辺明NHK杯のど~んとかかってこい!」
「新春お好み囲碁対局
プロ・タレント混合!ドキドキ連碁戦」
「グレーテルのかまどスペシャル
~新春!ハッピーカムカム!占い菓子特集」
「チョイス@病気になったとき 健康診断スペシャル」
「ニュースで英会話 年末スペシャル」
「しごとの基礎英語 SP
“英語は心”でビジネスをつかめ!」
「あの感動をもう一度 リトル・チャロ 4 総集編」
「世界が読む村上春樹~境界を越える文学~」
「すくすくアイディア大賞2013」
「みいつけた!あけましておめでたい」
「おかあさんといっしょ お正月スペシャル」
「いないいないばあっ!~お正月スペシャル~」
「大人のピタゴラスイッチ ~デジむず~」
「すすめ!キッチン戦隊クックルンお正月スペシャル」
- 21 -
Eテレ
受託番組
・特集番組
「テクネ 映像の教室 スペシャル 2」
「びじゅチューン!①あしゅらコーラス/
②委員長はヴィーナス/③風神雷神図屏風デート」
「哲子の部屋」
「テクネ 映像の教室 ストップモーション②/
時間操作②/プロジェクション②」
「プチ・テクネ 時間操作/プロジェクション/
ストップモーション/ループ/マルチスクリーン」
「テクネ 映像の教室 影②/マルチスクリーン②/
ループ②」
「びじゅチューン!④ファッショニスタ大仏/
⑤樹花鳥獣図屏風事件/⑥お局のモナ・リザさん」
「NHK全国俳句大会、NHK全国短歌大会」
「テクネ 映像の教室 ワイプ②/タイポグラフィ②/
ロトスコープ②」
「猫いてもいい いなくても~田代島 俳句の旅~」
「史上初 六冠達成 井山裕太棋聖 自戦を語る」
「決定!こども将棋名人」
「きょうの料理東北スペシャル
三陸の幸まるごといただきます!」
「テレビ囲碁アジア選手権」
「決定!“こども囲碁名人」
「きょうの料理クッキングコンテスト 2013」
「栗原はるみ お弁当おかずセレクション」
「公開復興サポート 明日へ in 石巻」
「ありがとう、ごちそうさま~追悼 小林カツ代さん~」
「NHK杯出場女流棋士決定戦」
「2014 春 見どころ満載!Eテレ趣味実用番組」
「すてきにハンドメイドスペシャル」
「ごちそんぐDJ」
「将棋界の一番長い日」
「‘学校’はどう変わるのか~世界の教育事情最前線」
「7 年ごとの記録 28 歳になりました」
「スーパープレゼンテーション SP
世界が認めた日本人」
「おとうさんといっしょ スペシャル」
「フックブックロー ミニ」
「みいつけた!ちょこっと」
「おかあさんといっしょファミリーコンサート」
「おかあさんといっしょスペシャルステージ 2013」
BS1
・ドキュメンタリーWAVE
「潜入・カチン戦闘地域
~ミャンマー民主化への正念場~」
「誰のための“愛国”か?~紛糾する香港の教育現場~」
・長い旅路~日本兵になったアメリカ人~「前・後編」
- 22 -
・シュシュ 私のお気に入り ・ザ・コンテスト
・新日本風土記 ・欽ちゃんの全国びっくり王!
・美の壺
・写ねーる ・コントの劇場
・コズミックフロント
・おとうさんといっしょ
・ワンワンパッコロ!キャラともワールド
・開発番組
「うたものがたり」
・特集
「激闘!美食のワールドカップ
~フランス料理世界一をめざせ~」
「ドキュメンタリードラマ 手塚治虫×石ノ森章太郎」
「手塚×石ノ森 ニッポンマンガ創世記」
「坂崎幸之助&所ジョージのサカトコマニアック@下北沢」
受託番組
BSプレミアム
「超古代からの挑戦状!~縄文ストーンサークル編~」
「北川景子×地中海 女神たちを探して 前・後編」
「ニッポンのジレンマ 番外編
田原×古市 2013 夏のダイアローグ」
「千人の力 ニッポン活性化プロジェクト」
「欽ちゃんの瀬戸内びっくりアイランド」
「京都 南禅寺界隈別荘群
水ひかる夏/窓越しの秋/冬・石は語る」
「驚き!ニッポンの底力 造船/鉄道」
「温故希林 台湾!~樹木希林の骨董珍道中
①とことん!台湾茶芸 ② 台 湾 生 ま れ の 日本工芸
③山の民の美しき手仕事」
「欽ちゃんの九州・沖縄びっくり温泉」
「京都迎賓館 極める!京都の技とおもてなし」
「水川あさみ ベトナム一号線をゆく 前/後編」
「ボクの“見た”ニッポン
〜盲目のスーダン人・不思議の国に暮らす〜」
「東京国際キルトフェスティバル
~糸と絆で繋ぐ祭典 徹底紹介~」
「阿部寛の宇宙への挑戦」
「コズミックフロントスペシャル
クイズで目指せ!宇宙マスター」
「おとうさんといっしょ
なつのだいぼうけんスペシャル」
「おとうさんといっしょ
冬のぶらり旅スペシャル」
- 23 -
ラジオ第2
受託番組
FM
テレビ
国際放送
・カルチャーラジオ「歴史再発見」 「芸術その魅力」
「文学の世界」 「詩歌をよむ」 「漢詩をよむ」
・文化講演会
・古典講読
・こころをよむ
・私の日本語辞典 ・朗読
・社会福祉セミナー
・NHK高校講座
・ラジオ英会話
・基礎英語1・2・3
・英会話タイムトライアル ・攻略英語リスニング
・入門ビジネス英語
・実践ビジネス英語
・まいにち 中国語・ハングル講座・フランス語
イタリア語・スペイン語・ドイツ語・ロシア語
・アラビア語講座
・特集番組
「心にしみるユーロソング 2013 バカンスしているか~い?
スペシャル西・伊・露・仏・独」
・Science View
・Dining with the chef
・BEGIN Japanology
・Booked for Japan
・特集番組
「Rika’s Tokyo Cuisine in Turkey」
「Harumi’s Family Cooking in Uonuma」
「Science View J-Innovators Special 2013
Japanese Innovation Breaks the Mold」
「Food x Pottery」
- 24 -
各種
コンテンツ
制作
・「いないいないばあっ!」「おかあさんといっしょ」
「みいつけた!」「えいごであそぼ」
その他幼児関連等DVD、BD、CD
・「きょうの健康」DVD
・学校教材、教育、啓蒙DVD
・美術・趣味関連DVD、BD、DVDブック
・語学関連DVD、DVDブック、教育関連CD
・超高精細映像制作(4K・8K)
イベント
実施
・「いないいないばあっ!」「おかあさんといっしょ」
関連イベント
・料理関連イベント
・健康・医学関連イベント、シンポジウム
・科学・実験イベント
・国際バラとガーデニングショウ
・東京国際キルトフェスティバル
自主事業
権料・印税
国内共同制
作ほか
・映像ライセンス、出版印税、キャラクター
音楽出版、音源事業など
・プレースメントテスト制作
・「リトル・チャロ4」「パッコロリン」「大科学実験」
「シャーロック・ホームズ」制作
放送大学
関連事業
・放送大学学園受託事業
デジタル
関連
・自主事業ウェブ事業
「みんなのきょうの料理」、「ゴガクル」、
「キッズワンダーランド」、「すくすく.com」
・大学向け美術教材制作
・スマートフォンアプリ、電子辞書、
デジタルサイネージ
・料理・語学関連 e-ラーニング
・ライブ・ビューイング
・着うた(幼児関連など)
8.主要な事業所
本
社
経営総務室、事業推進室
科学健康部、教育部、語学部
東京都渋谷区宇田川町7番13号
第二共同ビル
特集文化部
東京都渋谷区神山町6番3号
第五共同ビル
生活部、こども幼児部
東京都渋谷区神山町9番2号
第六共同ビル
- 25 -
9.従業員の状況
従業員数
前期末比増減数
248名
4名増
<内訳>
区
(注)
分
男
女
転籍者
26 人
2
出向者
84 人
41
計
28
125
社
員
33 人
52
契約社員
8人
2
85
10
計
151 人
97
248
常勤役員 6 名は含めていません。
10.主要な借入先
該当事項はありません。
Ⅱ 会社の株式に関する事項
1.発行可能株式総数
8,000株
2.発行済株式の総数
2,000株
3.株
主
数
7名
4.株主の状況
株
主
名
当社への出資状況
持
日本放送協会
株
数
持 株 比 率
1,340株
67.0%
210株
10.5%
(株)NHKグローバルメディアサービス
90株
4.5%
(株)NHKプロモーション
90株
4.5%
(株)NHKアート
90株
4.5%
(株)NHKメディアテクノロジー
90株
4.5%
(株)NHK出版
90株
4.5%
(株)NHKエンタープライズ
- 26 -
Ⅲ 会社の役員に関する事項
1.取締役及び監査役の氏名等
地
位
担
当
代表取締役社長
氏
木
名
内
美
重要な兼職の状況
明
専務取締役
制作担当
関
根
均
常務取締役
事業推進担当
柏
瀬
武
取締役
制作担当
豊
田
宏
取締役
制作担当
瀬
川
忠
之
取締役
経営総務担当
吉
田
明
彦
取締役(非常勤)
安
齋
尚
志
取締役(非常勤)
溝
口
明
秀
監査役(非常勤)
江
藤
巌
二
㈱NHKエンタープライズ 取締役
㈱NHK出版 取締役
㈱NHKプロモーション 取締役
NHKコスモメディアヨーロッパ
取締役
日本放送協会
制作局長
㈱NHK出版
代表取締役社長
日本放送協会
関連事業局 専任部長
(注) 当期中の取締役の異動は、次のとおりです。
1.就任
平成 25 年 6 月 21 日付で、瀬川忠之氏、吉田明彦氏が取締役に、安齋尚志氏が
取締役(非常勤)に、江藤巌二氏が監査役(非常勤)に就任しました。
2.退 任
平成 25 年 6 月 21 日付で、中村哲志氏が常務取締役を、光野純子氏が取締役を、
掛川治男氏が取締役(非常勤)を、石井洋氏が監査役(非常勤)を退任しました。
2.取締役及び監査役に支払った報酬等の総額
区
取
締
分
支 給 人 員
支 給 総 額
役
8名
96百万円
- 27 -
Ⅳ 会社の体制および方針
1.取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保
するための体制
(1) 当社は取締役、社員を含めた行動規範として、「NED倫理・行動憲章」と「行
動指針」を定め、これらの遵守を図る。
(2) リスクマネジメントおよびコンプライアンスを維持運営および推進するた
め、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、その下
に事務局(業務相談窓口)を設置する。また、各部にリスクマネジメント
担当者、コンプライアンス推進担当者を置き、全社的に法令遵守が確保さ
れる体制をとる。
(3) 取締役および使用人のコンプライアンスの徹底を図るため、
「コンプライア
ンス通報窓口(内部窓口、グループ通報窓口)」、「セクシュアルハラスメン
ト苦情・相談窓口」「ハラスメント(セクハラ・パワハラ)電話相談窓口」
を設置し、社内に効果的に周知し、適宜、法令等の遵守状況をモニタリン
グする。また、「インサイダー取引防止規程」を定め、取締役および使用人
によるインサイダー取引を禁止している。
(4) 取締役会については、「株式会社NHKエデュケーショナル取締役会規則」
を定め、その適切な運営を確保し、定例で開催するほか必要に応じて随時
開催し、取締役間の意思疎通を図るとともに相互に業務執行を監督し、法
令・定款違反行為を未然に防止する。万一、取締役が他の取締役の法令・
定款違反行為を発見した場合は直ちに監査役および取締役会に報告するな
どして、その徹底を図る。
(5) 執行役員については「執行役員制度規程」を遵守し、職務執行の法令・定
款への適合を確保する。
(6) 監査役は、取締役の職務執行、経営機能に対する監督強化を図る。
(7) コンプライアンス関連の研修、社内通達等による啓発、社員総会などによ
る意識づけに努め、全社的な法令遵守の一層の推進を図るとともに、「稟議
規程」の適正な運用により、取締役の職務執行の透明性を確保する。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
(1)「文書管理規程」により、資料等の扱いを明文化し、取締役の職務の執行に
係る情報の保存および管理に適正を期す。
(2)「株主総会議事録」「取締役会議事録」「役員会議事録」については、「文書
管理規程」に基づいて適切かつ確実に保存・保管し、「役員会議事録」に
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ついては、取締役及び監査役が常に閲覧可能な状態に置く。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1) 当社は、当社の業務に係るリスクとして、投資的リスク、下請法等法令違
反につながるリスク、企業機密への不正アクセス・漏洩等情報セキュリテ
ィ的リスクなどを認識し、信用調査、対応マニュアル等を整備する。また、
公共放送NHKの関連団体グループの一員として、公金の扱いについては
特に厳正を期し、万が一にも社会的な指弾を受けることのないよう注意を
払う。
(2) リスクマネジメント責任者を代表取締役社長とし、リスク管理体制の整
備・運用にあたる。
(3) 危機管理と予防的管理についての体制を充実し、研修等を含め、損失の危
険の管理について全社的な認識向上を図る。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1) 職掌分掌に関する諸規程を定め、取締役および各部門の所管と権限を明確
にし、経営に関する意思決定および職務遂行を効率的かつ適正に行う。
(2) 重要な意思決定については、常勤取締役等による役員会などにより多面的
に検討し、慎重に決定する仕組みを設ける。
(3) 中期経営計画およびそれを受けた年度事業計画を策定し、事業ごとの目標
値を設定し、業績を把握し、適宜見直しを行う。
(4) さらに効率的に職務を執行するために、内部統制との関係を考慮しつつ、
案件に応じた職務権限の委譲を検討する。
5.会社並びにその親会社および子会社から成る企業集団における業務の適正を
確保するための体制
(1) 当社の親会社にあたるNHKの子会社等の事業が適切に行われることを目
的として、「関連団体運営基準」により、事業運営およびこれに対するNH
Kの指導・監督等に関する基本的事項が定められており、当社も該当して
いる。
(2) NHKは、
「関連団体運営基準」に関する事項およびNHKが指定する事項
について、監査法人等に委嘱して関連団体の業務監査を実施し、監査法人等
の報告に基づき、関連団体に対し必要な指導・監督を行っており、当社も該
当している。
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(3) NHKの監査委員が当社に対し営業の報告を求め、または業務および財産
の状況を調査する場合には、当社は、適切な対応を行う。
(4) NHKは、全国民の基盤に立つ公共放送の機関として、不偏不党の立場を
守って、放送による言論と表現の自由を確保し、豊かで、良い放送を行うこ
とを目的とした法人である。
また、放送法により、NHKに対する公共的規制は、国民の代表である国会
を中心として行われ、毎年度の予算・事業計画は国会での承認を要している。
NHKには、経営方針その他その業務の運営に関する重要事項を決定する権
限と責任を有する経営委員会が設置され、会長等による業務の執行と監督の
機能とが明確に分離され、適正なガバナンスが確保されており、業務の実施
にあたっては、
「NHK倫理・行動憲章」の策定、
「通報・相談窓口」の整備
などにより、適正が確保されていると理解している。
6.監査役がその補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人
に関する体制と当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
(1) 監査役の職務を補助する部を経営総務室とする。
(2) 監査役より監査業務に必要な命令を受けた経営総務室社員は、その命令に
関して、取締役、経営総務室統括部長等の指揮命令をうけない。
7.取締役および使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報
告に関する体制および監査役の監査が実効的に行われることを確保するため
の体制
(1) 取締役または使用人は、法定の事項に加え、当社に重大な影響を及ぼす事
項の内容を、監査役にそのつど報告するものとする。
(2) 監査役は、いつでも必要に応じて、取締役および使用人に対して報告を求
めることができる。
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