ケ ーリ ブ ネ ッ ト 京都府図書館総合目録ネットワーク(K - Libnet)を利用した 相互貸借の現状と課題について 京都府立図書館 総務課主任 永木博美 京都府内全 26 市町村の公共図書館等を結ぶ京都府図書館総合目録ネットワーク(以下 K-Libnet)は、ホームページ上で一般利用者に対し府内の図書館の所蔵資料を一括検索できる総 合目録を提供していますが、K-Libnet 参加館については、所蔵検索のほか、相互貸借をはじめ レファレンス、ウォンテッド、メッセージ、統計等の機能が利用できるシステムとなっています。 1 相互貸借機能 相互貸借機能は、毎週府内全市町村へ図書(相互貸借資料)を運搬する連絡協力車の運行日 程等物流管理と連動する仕組みとなっており、依頼から貸借が成立するまで、また図書の貸出 から返却にいたるまでが、ステータス管理されているのが特徴です。 借受したい図書に対して複数の所蔵館がある場合、連絡協力車の運行日等によって自動的に 依頼順位が振られ、貸出が成立するまで(または全館不成立確定まで)順次所蔵館へ依頼がか かります。相互貸借が成立すると、貸出館は次回の連絡協力車に図書を載せ、借受館は、図書 の到着時と返却時に K-Libnet 上で操作処理(借受・返却)をして、再び連絡協力車により貸 出館へ図書が返却される仕組みとなっています。なお、雑誌についてもほぼ同様の仕組みです。 2 当初の K-Libnet(平成 13 年運用開始)との相違 平成 17 年 10 月のシステム更新時より、K-Libnet は集中型総合目録から横断検索併用型と なりました。しかし横断検索館の所蔵であっても、あたかも一つの集中型総合目録で検索した かのように、ヒットした書誌と所蔵館が一覧表示されます。集中型目録へのデータ提供館と横 断検索館を区別することなく、一つの書誌の下に所蔵館をまとめて表示することによって、書 誌毎の所蔵館がわかりやすいだけでなく、次の相互貸借依頼への流れをスムーズにしています。 また、書誌同定方法の変更(目録登録時のマーク番号から検索実行時のISBN同定へ)、 相互貸借依頼順位決定方法の変更(貸出実績や蔵書点検期間の反映等の追加) 、府立図書館へ のリクエスト機能の追加等をしました。 一般利用者に対しては、新聞雑誌総合目録、携帯電話による図書検索、取寄せ申込みeサー ビスの提供を始めました。 3 K-Libnet の課題 横断検索館との文字コードの違いによる文字化けや、書誌同定方法の変更による書誌割れな どの技術的課題があります。 また、運営面では、府内全図書館のデータ提供やさらなる連携の推進に向けて模索していま す。 19
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