No.300

ISSN 1345-2282
No.300
平成 18 年 1 月・2 月
多様な図書館サービスをアピール
創立 80 周年記念
周年記念「図書館文化祭」
周年記念「図書館文化祭」を開催!
「図書館文化祭」を開催!
を開催!
11 月 6 日(日)、県立中央図書館では、創立 80 周年を記念して「図書館文
化祭」を開催しました。400 人近い参加者があり、本の貸し出しだけにとどま
らない、様々な図書館の機能にふれていただく 1 日となりました。
●大好評だった記念講演会
静岡県立中央図書館は、大正 14(1925)年に「県立
葵文庫」として設立されました。徳川家とゆかりが深く、
現在も江戸幕府の旧蔵書の一部を引き継いでいます。
記念講演会は、静岡市出身で、NHK 大河ドラマの時
代考証などで知られる静岡大学教授・附属図書館長、
小和田哲男氏による「徳川家康の駿河文庫と出版文化」。
隠居後の家康による駿府の出版文化についてわかりや
すく紹介するとともに、当館所蔵の江戸初期の貴重書、
『群
書治要』などを解説されました。会場には 200 人を超
える受講者が集まり、大盛況でした。
当館所蔵の貴重書図録を手に講演する小和田哲男氏
●図書館を「再発見」
「図書館文化祭」では、記念講演会とともに、図書館
の持つ様々な機能を紹介する講座などを行いました。
貴重書の解説と展示
初心者のための読み聞かせ講座
◆商用データベース活用調べ方講座
当館において無料で利用できる商用データベースの検
索方法について紹介しました。
◆図書館利用案内
“調べる”を支援する図書館の賢い利用法や図書館の
しくみについて、わかりやすく紹介しました。
◆貴重書の解説と展示
普段は手に取る事のできない貴重書に、直にふれてい
ただきながら解説しました。
◆初心者のための読み聞かせ講座
これから「読み聞かせ」を始める方に、読み聞かせの
方法や楽しさを具体的にお話ししました。
◆映画上映会
当館に保 存 されている、昭和 30 年 代 、40 年 代 を記
録した「県政ニュース」などを上映しました。
各講座を受講した方々からは、今まで知らなかった図
書館サービスの幅広さを知ることができ、大変有意義だ
ったという声が多く寄せられました。今後も県立中央図
書館では、ビジネス支援や子どもの読書活動推進など、
多様なサービスを展開していきます。どうぞご期待くだ
さい。
−1−
日米文化センター
5 月、講和条約発効を機
にアメリカ文化センタ
【質問】
昭和 30 年代に、駿府城のお堀の所にあった「日米文化
ーと改称。昭和 28 年1
センター」はどのような施設だったのでしょうか。図書
月、日米文化センター
室があり、アメリカで刊行された美しい写真集や図鑑を、
と改称し、静岡県教育
たくさん見た記憶があります。これらの蔵書は県立中央
委員会とアメリカ大使
図書館にあるのでしょうか。
館との共同経営となり、
県立葵文庫の分館として運営されることになる。昭和 42
【調査】
県内の図書館の歴史に関する質問ですので、静岡県立
年、日米文化センターは静岡県日米協会に移管される。
『葵』
中央図書館報『葵』を調べます。
『葵』20 号は、県立中央
20 号の記事「戦後混乱期の県立図書館」には昭和23 ∼ 24
図書館創立60周年記念の特集号で、
「沿革六十年の歩み」
年にかけての様子がエピソードとともに書かれています。
などの記事により、明治以降の本県図書館界の動きを県
サービス内容等 『葵』No. 1、No. 2の記事より、図書
立図書館の活動を中心に概観することができます。
『葵』
の貸出(入館無料、開架式)の他、映画会、レコードコン
5号(創立50周年記念号)も詳しい情報を載せています。
サート、ホームソングの会、講演会などが定期的に開催
これらの資料によると、日米文化センターは、昭和23(1948)
されていたことがわかります。
『葵』No. 8には、センタ
年に占領軍総司令部民間情報教育局によって設置され
ー内に事務局を置いて発足したアメリカ教育文化研究
た静岡 CIE 図書館(CIE:Civil
会の活動の様子が示されています。
Information
and
Education Section)を前身とし、県立葵文庫の分館とし
日米文化センターの旧蔵資料と思われるもの
て運営されていました。その後、県立図書館の移転に伴い、
本の天の部分に次の印、
昭和 42(1967)年、同センターは静岡県日米協会に移管
されます。
『葵』No. 2(昭和 35 年 12 月)には、同センタ
SCAP
ーに英文図書 12,000 冊、和文図書 2,000 冊などが視聴覚
Civil Information and Education
INFORMATION LIBRARY
資料と共に所蔵されていることが書かれています。
旧県立図書館の建物は、静岡市が買い取り、市立図書
館として再出発します。
『静岡市立図書館30年のあゆみ』
標題紙等に「アメリカ文化センター」の印が押されてい
には、
「県立図書館から2万冊近い本を引継いではいたが、
るものに、
『A History of fishes』
(G487/11)
、
『MODERN
半数以上は旧日米文化センターの洋書で、…」とあります。
DERMATOLOGY and SYPHILOLOGY』
(G494/11)
、
念のために当館の所蔵資料の中に、日米文化センターの
『The nature of universe』
(G440 / 12)、
『An
旧蔵書がないか調べてみることにします。業務用端末で
outline of political science』
(G310/11)、
『School and 検索すると、1945 年∼ 1967 年に刊行された外国語図書
Manpower』
(G366 / 11)、
『on the origin of paper』
が当館に所蔵されていることがわかります。データから
(G585/11)、
『ART in Everyday Life』
(G704/11)の7
は図書の来歴はわからないため現物を確認していくと、
冊が確認されました。裏表紙の見返しに「此の書籍は静
関連図書であることを示す印が押されている図書が8
岡軍政部の好意により日本国民に貸典されたものである」
冊見つかりました。
の印が押されているものに『Book of the Year 1945』
(G059/13)があることが確認されました。
【回答】
(森谷 明)
日米文化センターの略歴 静岡県立中央図書館報『葵』
や『静岡女子大学研究紀要』第 22 号によると、次のよう
【当館所蔵の参考文献】
( )内は請求記号
な変遷をたどることができます。昭和 23 年7月 22 日 館報『葵』
(SZ01/1)No.1∼No.21 昭和33.2∼昭和44.2
CIE 図書館開館式(図書館の所在地は、静岡市追手町
館報『文化』
(SZ01/2)
1号∼21号 昭和45.7∼昭和48.6
244 静岡市公会堂4階。これ以前に葵文庫内に CIE 読
館報『葵』
(SZ01/3)
1号∼ 昭和49.3∼
書室が設置されている)。昭和 26 年、武徳殿(大日本武
『静岡市立図書館30年のあゆみ』
(S010/193)
徳会静岡支部道場)跡地に移り独立館となる。昭和 27 年
『静岡女子大学研究紀要』第22号(SZ05/シ2)
−2−
昨年放映された NHK 大河ドラマ『義経』は、「勧進帳」等の歌舞伎で有名な場面も
取り入れ、好評のうちに終了しました。また、ドラマの放映に合わせて、関連する図
書も多く出版されました。今回は、そうした義経の人物像や伝説等に関する図書で当
館が所蔵しているものをご紹介します。
請 求 記 号
書 名
著者・編者
出 版 者
出版年
080/111-2/914
源 義経
五味 文彦/著
岩波書店
2004
080/119/519
源義経 源平内乱と英雄の実像
上横手 雅敬/著
平凡社
2004
080/121/1690
源 義経
角川 源義/著
講談社
2005
080/ ヘイ /259
義経伝説と日本人
森村 宗冬/著
平凡社
2005
081.06/115/115
義経伝説 歴史の虚実
高橋 富雄/著
中央公論社
1979
210.38/ ホタ
義経の登場 王権論の視座から
保立 道久/著
日本放送出版協会
2004
213/73
義経の周囲
大仏 次郎/著
朝日新聞社
1966
214/66
史料からみた義経と頼朝
田村 栄太郎/著
雄山閣
1966
281.08/101
源 義経
渡辺 保/著
吉川弘文館
1978
289.1/ ミナ
図説 浮世絵義経物語
藤原 千恵子/編
河出書房新社
2004
289.1/ ミナ
争乱期を生きぬいた頼朝と義経
北爪 真佐夫/著
花伝社
2005
289.1/ ミナ
徹底追跡源義経の謎
菊池 紳一/編
新人物往来社
2005
289.1/ ミナ
源 義経
安田 元久/著
新人物往来社
2004
289.1/ ミ 7
源義経 義経伝と伝説
数江 教一/著
弘文堂
1954
289.1/ ミナ
源義経の生涯
新人物往来社
2004
289.1/ ミナ
源義経のすべて
奥富 敬之/編
新人物往来社
2004
289.1/ ミナ
源義経 後代に佳名を貽す者か
近藤 好和/著
ミネルヴァ書房
2005
289.1/ ミナ
源義経の合戦と戦略
菱沼 一憲/著
角川書店
2005
289.1/ ミナ
源義経 流浪の勇者
上横手 雅敬/著
文英堂
2004
289.1/ ミナ
義経伝説 判官びいき集大成
鈴木 健一/編
小学館
2004
289.1/ ミナ
義経とその時代
大三輪 竜彦/編
山川出版社
2005
289.1/ ミナ
義経の悲劇
奥富 敬之/著
角川書店
2004
また、義経に関する最も有名な中世の軍記物語である「義経記」についての資料としては、以下の図書等を
所蔵しております。
918/114
新編日本古典文学全集 62 義経記
小学館
2000
913.43/ カシ
曽我 ・ 義経記の世界
梶原 正昭/編
汲古書院
1997
913.43/ コミ
義経記 物語の舞台を歩く
五味 文彦/著
山川出版社
2005
913.43/ サト
義経記と後期軍記
佐藤 隆/著
双文社出版
1999
913.43/ ニシ
義経記 現代語で読む歴史文学
西津 弘美/訳
勉誠出版
2004
(村松正治)
−3−
「静岡県立中央図書館だより」は 300 号を迎えました!
「静岡県立中央図書館だより」
『県立中央図書館だより』は、本号で 300 号です。これを記念し、そのあゆみをまとめました。
●『レファレンス』B 5 版2ページ ( 月刊 ) No.1( 昭和 51.4)-No.204( 平成 3.3)
昭和 39 年より、県教育委員会発行の『教育広報』に「質問箱」等の名
前で県立中央図書館のレファレンス事例を紹介してきましたが、昭和 51(1971)
年 4 月より、当館発行の『レファレンス』として独立しました。B 5 版 2
ページ、和文タイプライターで作成され、毎月発行されました。これが現
在の『静岡県立中央図書館だより』の前身になります。最初の紹介事例は「国
旗と団体旗の併揚方法」でした。その後昭和 56(1981)年 4 月(No.61)
より写植印刷 4 ページとなります。『レファレンス』は平成 5(1993)年
『レファレンス』
No.1
3 月の No.204 まで続き、400 を超えるテーマについてのレファレンス事
例を掲載しました。No.200 までについては、目次と索引を加え、県立中
央図書館発行の『レファレンス』(S 010/200)にまとめられています。 『中央図書館だより』
No.1
●『図書館だより』B 5 版2ページ ( 月刊 ) No.1( 平成元 .4)-No.42( 平成 5.3)
『レファレンス』と平行する形で、図書館行事や講座等のイベント情報な
どを掲載する、広報誌としての『図書館だより』が、平成元(1989)年
10 月より、B 5 版 2 ページで毎月発行されるようになりました。これは、
平成 5(1993)年 3 月の No.42 まで続きます。
●『県立中央図書館だより・レファレンス』( 月刊 ) No.205( 平成 5.4)-No.243( 平成 8.7)
平成 5(1993)年 4 月より、『レファレンス』と『図書館だより』がひ
とつになり、『静岡県立中央図書館だより・レファレンス』(No.205)が発
行されました(B5 版 4 ページ)。レファレンス事例の紹介を中心としなが
ら、広報要素を取り込んだ誌面になっています。平成 6(1994)年 4 月
(No.217)からは、A 4 版 4 ページという現在と同様の形式になります。
『静岡県立中央図書館だより』
No.244
●『静岡県立中央図書館だより』A4 版4ページ ( 隔月刊 ) No.244(平成 8.9)−
平成 8(1996) 年 9 月 (No.244) より、現在の『静岡県立中央図書館だより』の誌名で隔月発行されるよう
になりました。様々な図書館事業をお伝えし、こうして無事 300 号の発行を迎えることができました。今
後もさらによい誌面づくりを目指していきたいと思いますので、皆様のご意見・ご要望を、ぜひ県立中央
図書館企画振興課までお寄せください。
静岡県立中央図書館の開館日
1、2、3 月の開館日
休館日
1月
日 月 火 水 木 金 土
1 2 3
8
9
4
5
6
7
10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
グランシップ県立図書館コーナー休館日
2月
3月
【開館時間】
日 月 火 水 木 金 土 日 月 火 水 木 金 土 土・日・月・火曜日
9:00 ∼ 17:00
1 2 3 4
1 2 3 4
水・木・金曜日
5 6 7 8 9 10 11 5 6 7 8 9 10 11 9:00 ∼ 19:00
12 13 14 15 16 17 18 12 13 14 15 16 17 18 △印の 1 月 2・3・4 日は施設開
放日で、図書・雑誌の閲覧がで
19 20 21 22 23 24 25 19 20 21 22 23 24 25 きます(16 時閉館)。1 月 4 日は、
グランシップも施設開放日です。
26 27 28 29 30 31
26 27 28
編集・発行 静岡県立中央図書館 〒422-8002 静岡市駿河区谷田53-1
TEL〈054〉262-1246・FAX〈054〉264-4268 http://www.tosyokan.pref.shizuoka.jp
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