響き合うシニアと若者 ~身体とココロ

②9月25日、12月18日に東広島市主催の「平成23年の参加型高齢者交通安全教室」に参加した。そこで
響き合うシニアと若者 ~身 体とココロ~
は、氷川きよしのズンドコ節並びにシッティングバレーやボール渡しを行い、全員で歌を歌い交流を深め
た。
③一人ひとりにライフコーダーによる計測を行い、歩数や活動量の測定を行った。2週間の測定で、平均歩
提 案 団 体 : 高尾ゼミ&八木ゼミ&坊岡ゼミ
数を出した。
代 表 者 : 医療福祉学科 3 年 前堀 裕太
④ボウリング大会を通じて高齢者と学生が大いに響きあった。
顧
⑤社会的健康度に関するアンケート及び、実施した活動の成果に関する意見聴取をした。
問 : 医療福祉学科 教授 高尾 文子
実施計画
パートナー:広島県警察本部交通部、東広島警察署交通課、賀茂自動車学校、東広島自動車学校、東広島市役
所危機管理室、東広島市社会福祉協議会黒瀬支所
実 施 期 間 :2011年6月~2011年12月
奨 励 金 額 :319, 600円
活 動 目 的 :地域高齢者の方を対象とした昨年の成果より、日常の歩行数が運転機能のうちの反応のむらを少
なくすることが分かったので、今年度はウォーキングを含めた健康増進活動(みんなで歌唱、バ
ルーン体操等)を行い、参加者同士及び学生が意識を一層高め響きあう。そしてこの活動を通し
南中「ソーランぶし」を力強く踊るシニアと若者
「我ら熟年」
(「高校 3 年生の替え歌」)を熱唱
て、多発する高齢者の交通事故の発生を低減させるともに、高齢者の身体及び心の若返りを目的
とする。
達 成 目 標 :健康増進活動を行い、身体と心の健康度の増進を目指す。健康増進活動の成果は健康意識に関す
るアンケートや活動前後の体力測定等を行い評価する。
計 画 概 要 :①地域の高齢者にガンバルーンボールを使ったバランス運動・演歌又は唱歌の歌唱等の健康増進
成果報告
成果としては、活動の中で行った体力測定、身体測定、社会的健康度に関するアンケートの実施や、ライフ
コーダーによる日ごろの運動の様子、活動日毎の血圧、体温の測定から、相互の関係についてまとめた。
活動を行う。6月~7月に掛けてのプレ体操期間ののち、10月からは集中的に週1回の約1.5時間
①体操教室3ヶ月間の前後で高齢者に、有意ではなかったが前屈と歩行速度に向上が認められた。
の体操やレクリエーションなどの身体活動を行う。
以下はデータのそろった女性高齢者n=15名について分析した。
②アンケートによる健康意識調査や身体機能と自動車の運転に関する機能測定を行い効果を判定
する。
②活動日毎の血圧測定及びアンケートによる調査とライフコーダーの測定結果から、日頃の歩行数と最大血
圧との間にr=-0.631(p=0.012)の有意な負の相関が認められた。
予 測 効 果 :身体活動のみならず社会参加活動並びに若者と交流することによる社会的健康効果を含め、高齢
者の運動能力の向上(柔軟性・瞬発力)の改善が予測される。そして、高齢者の交通事故の低
減、世代間交流による地域の活性化などが見込まれる。
活 動
① 6月29日から7月27日までの間、毎週水曜日に高齢者と共
に 体 操 や 踊 り 等 を 行 っ た 。 そ の 後 、 9 月 ~12月 に か け て 計
11回の体操教室を行った。体操教室ではガンバルーンを使っ
た体操やストレッチ体操、呼吸法、きよしのズンドコ節、
ソーラン節を中心に高齢者と学生で力一杯踊り、徹底的に足
腰を鍛えた。その他、黒瀬地区内でウォーキングを行った。
昔の流行歌「高校三年生」を参加者と一緒に歌い、また、
参加者からオリジナルの替え歌を募り、高齢者の思いのたけ
を活動の最後に全員で合唱した。
すなわち、日頃からよく歩く人は最大血圧が低いことを示している。
③アンケートの結果、高血圧の持病を持つ高齢者は67%にのぼり、体操教室に参加している女性高齢者の
平均の最高血圧は142mmHgであった。
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④車の運転をする時、人は血圧が大きく変化するといわれている。その理由は、思わずひやっととしてしま
4.パートナーからの企画を通しての気づきや感想
うような場面が、車の運転時には沢山起こるためである。高血圧は頭痛、頭重、動悸、息切れ、耳鳴り、
地域の高齢者の方が大変喜ばれていて、きよしのズンドコ節は黄色い声で「きよし!」と声をかけている
めまいなどを引き起こす。そのような状態を抱えたまま運転をするのは非常に危険である。
のが印象的であり、またソーラン節を踊る光景は、高齢者と学生が一つになって迫力のあるものであった。
つまり、高血圧の持病の多い高齢者において、高血圧の改善は高齢者の事故防止を検討する上で非常に
重要といえる。
みんな笑顔をほころばせて楽しんでおり、次回の要望も強いので、社協としても地域の高齢者がより元気に
なるための活動を引き続き応援していきたい。次回もぜひお願いしたい。 ⑤高血圧には、ウォーキングや軽いジョギング、体操などの有酸素運動が良い効果をもたらすと言われてい
東広島市社会福祉協議会黒瀬支所 松尾 哲
る。今回の体操教室のような活動を継続して行うことは、高齢者の高血圧の改善から、高齢者の事故防止
に良い効果をもたらすことが考えられる。
⑥高齢者の方々はこの活動を毎回楽しみにし、学生にも励ましの声かけをいただいた。ソーラン節、高校三
年生の替え歌の合唱、そしてガンバルーンボール体操、それぞれの活動をこの体操教室に参加しているシ
構 成メンバー
医療福祉学科 4年 松村 洋充
ニアの皆様、学生、そして先生方全員が一丸となり響き合いながら創り上げてきた。この活動を通じて、
3年 前堀 裕太、大野 詠子、岡根 里佳、
世代間、地域、関係機関とのつながりが強化され、このような活動がより強固な地域活性化に繋がってい
2年 田中 里美、松本 雄介
る、と確信できた。
成長度
1.活動当初は、どのような課題に直面し、それを乗り越えるためにどんな苦労がありましたか。
活動場所への交通手段の確保や、限られた時間の中で効率よく動くための学生の役割分担の調整などに苦
労した。
高齢者と学生がどうすればよりよく良く響きあえるかについて、体操教室の他にどのような活動を行えば
いいか悩んだ。先生方や学生達で話し合い、慎重に計画を立てた。
共催団体のひとつである免許センターへの働きかけが遅かったために調整しきれず、体操教室後のドライ
ビングテストを行うことが出来なかった。共催団体との交渉の時期、タイミング、相手の状況など考慮すべ
き点を改めて認識し、今後の課題として活かしていく。
2.その課題を、どのような工夫や努力で乗り越え、成果をあげることが出来ましたか。
電話やメールで呼びかけをして、学生の中で話し合いを行った。それぞれ役割を分担し、受け持った役割
を全力でこなした。先生方のてこ入れや、高齢者の方々と一丸となって、スムーズに体操教室を行うことが
出来た。
3.自分たち(チーム)が一番成長したところは、どこですか? 理由もお願いします。
体操教室の活動を行う前は、自らが中心となって企画・実施をするという意識がほとんど無かったが、活
動が進むにつれて様々な問題に直面し、責任を取るということの重みを理解することができた。回を重ねる
毎に学生が自らの役割の責任を自覚し、活動を楽しみながらも真剣に、それぞれが責任を持って活動に取り
組んだ。先生方の協力を得ながら、高齢者と学生が共に「氷川きよしのズンドコ節」や「ソーラン節」を楽
しみ、響き合った。また、「高校三年生」のオリジナル歌詞に替え歌を高齢者から募り、高齢者と学生共々
合唱し大いに盛り上がり、共感することができた。
高齢者と交流を通じて、大学で学んだ知識を生かしつつ、大学で学ぶことの出来ない実際の高齢者との接
し方を学ぶことが出来た。学生が高齢者とともに響きあい、共に成長していけたと感じている。
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