伝熱工学実験(フイン付伝熱管の熱伝達)

平成 20 年度指導書
伝熱工学実験(フイン付伝熱管の熱伝達)
伝熱工学研究グループ担当
1
はじめに
本実験では、フィン付き伝熱面に平行に流れ
る空気流量及び伝熱面へのヒーター電気入力を
適当に調節し、フィンの根元 (ねもと) 温度があ
らかじめ指定した値で定常状態になるように調
整する。この時のフィン各部の温度を測定して、
ガードナー (Gardner) の理論 [1] による温度分布
と比較し相違を調べる。さらに、空気流量を変
えて測定を繰り返し、強制対流熱伝達特性に関
する実験式を求める。[2, 3, 4, 5]
2
2.1
注意事項
前準備
効率よく実験をすすめるために実験開始まで
に、ガイダンス資料、安全のための手引き及び、
この指導書をよく読んでおいて、実験内容をよ
く把握しておくこと。この指導書の誤植の修正
や付録等の追加情報は分野サーバーのウエブペ
ージで公開している。[6] 実験前に必ずチェック
しておくこと。また、定量的考察に必要な資料
や文献 [7, 8] などは予め図書館などで借り出し
ておく。
実験の際には、グラフ用紙や計算機等を持参
して集合すること。ノート PC の持ち込みは認
めるが、グループ内で PC を共用することは禁
止とする。服装は汚れてもよい服装で、冬場に
は防寒具も用意する。実験中に自分達が出した
ゴミなどの始末を必ず行うこと。また、実験室
には学生実験で使うもの以外にも実験装置や工
具等があるが、指示されたもの以外は触らない。
2.2
測定
実験当日には指導書の内容の説明は行わない
で、直ちに測定にとりかかってもらう。グループ
内で役割(測定リーダー、流量計担当者、記録
係)を分担し、3.2 節の説明に従って測定を行な
う。残りのメンバーは考察課題の一つを指導教
官との個別ディスカッションを経て完成させる。
測定のための条件設定にかなりの時間を要す
るのでグループ全員が測定に対しては一致協力
すると共に、空いた時間は各自でグラフ作成、
データ解析、レポート下書き、考察課題などに
あてて時間を有効に使うこと。全員の測定とデ
ータ解析が終わったら、log Re vs. log N u のグ
ラフ(付録 B 参照)で測定結果の妥当性を調べ
る。おかしなデータがある場合は、同じ条件で
再測定する。最終的に全員が協力して log Re vs.
log N u の関係を表す実験式を求める。
(付録 A.4
では自然対数を使って説明しているが、常用対
数で計算することを推奨する。)
2.3
宿題
測定段階で不明であった点等は、各自が復習
しておき、レポート作成は出来るところから取
り掛かっておく。測定結果のグラフや表を PC で
作成する場合も必ず印刷したものを用意し持参
すること。
(実験室内で個人の PC から印刷する
手段は原則提供しない。)
2.4
レポート
内容に不備があるレポートは、仮に提出し受
理されても、不合格点をつけられることがある
。特に、レポート作成者の主張が抜けているも
のは実験のレポートと認めがたい。後から読み
直して、実験そのものの情報が不足しているも
のは採点の対象外と見なされても仕方が無い。
[9, 10]
逆に、指導書に書かれてある図面やテキスト
内容をそのまま書き写す必要は全くないし、レ
ポートの評点には含めない。ガイダンス資料の
伝熱工学 – 1
平成 20 年度指導書
「報告書の作成」の項目や前述のウエブでの注
意点を熟読し内容に不備がないかを自分であら
かじめチェックしてから提出すること。また、他
の人が読む文章であることをわきまえて、でき
る限り丁寧な字でわかりやすいレイアウトを工
夫すること。
フィンの外径 rf
0.03(m)
0.01(m)
0.002(m)
10
0.182(m)
0.0467(m)
黄銅
98.84(W/m◦ C)
フィンの内径 rr
フィンの厚み 2yb
フィンの枚数 N
放熱部の長さ L
放熱部外管の半径 rc
3
3.1
フィンの材質
実験装置及び実験方法
フィンの熱伝導率λ
装置の概要
表 1: フィンの諸元
実験装置の全体を図 1に示す。円環フィン付き
伝熱面テスト部の詳細は図 2 および表 1に示す。
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16
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12
18
10
20
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28
22
24
26
図 3: フィン表面熱電対取り付け位置
図 1: 実験装置概要
図 2: フィン付き伝熱面テスト部
図 4: 丸型ノズル流量計詳細部
円環フィンの温度分布は図 3の様に 1 枚のフィ
ンの上に 2mm 間隔(r = 0.01, ..., 0.028(m))に取
付けられた銅−コンスタンタン熱電対で測定す
る。熱電対は測定部の温度にほぼ比例する微弱
な熱起電力を生じ、これを打点記録計に内蔵の
零接点補償機能を使って温度に換算している。
実験装置内を流れる空気流量は図 4に示す流
量計(ベッツマノメーター、ノズル直径 D0 =
0.0415(m) )で測定する。マノメーターではノ
ズル部の空気の動圧 h(mmAq)(ほぼ流速の 2 乗
に比例)が表示される。(付録 A.3 参照)
3.2
測定手順
実験は以下の手順で行なう。
1. 測定に先立ち、流量計担当者は気圧計とマノメ
ータの零点を補正する。(気圧計は下方の象牙
針と水銀面が接するように、マノメーターは主
尺と副尺の「0」の目盛りが一致するように調
節ネジを回す。)
2. 遠心送風機のスイッチを素早く確実に入れ、メ
ーター類の全電源を入れる。
(この操作は通常、
指導教官が行なう。)
伝熱工学 – 2
平成 20 年度指導書
3. こ の 時 点 で、熱 電 対 の測 定 値 と 室 温 を 比 較す
る。熱電対の測定値がばらついている時は、各
熱電対の平均からのずれと標準偏差を調べ、後
の測定値を補正する。
4. 測定リーダーは流量計担当者と協力して空気調
節弁 A と B を開閉して空気流量 h(mmAq) を所
定の値に合わせる。流量計担当者は、その後、
測定がすむまで流量に変化がないようにマノ
メーターを監視する。
5. 測定リーダーがヒーター電圧投入。(大小の調
整器のうち、大はゆっくり 30 ∼ 40 に合わせた
後、小で電圧値を調整する。)
6. 電気入力を調整し、チャート用紙及びデジタル
ディスプレイで根元温度を示す CH.1(紫)の出
力が目標の温度で少なくとも 5 分間持続するよ
うにする。
(見やすさを確保するため CH.1-6 は
0 ∼ 60 度、CH.7-12 は 0 ∼ 120 度のスケールで
出力される。)
7. 調整がすめば、測定リーダーは電圧計でヒータ
ー電圧を 30 秒ごとに 10 分間(最低でも) 読
み上げ、記録係がこれを記録する。
(室温、気圧
も測定の前後で記録しておく。)同時に、記録
計のパネルの Print キー、次いで Enter キーを
押しチャート用紙に 12 チャンネルの測定値を 2
分ごとに出力させておく。
8. 十分に安定した状態でのデータが(最低でも 10
分以上)取れたと測定リーダーが判断すれば記
録計を一時停止してチャート用紙を切り出し、
直ちに記録計を再起動する。
9. 測定リーダー、流量計担当者、記録係の役割を
交代し、以上の操作を空気流量を変えて測定を
行なう。前の測定の測定リーダーは記録係にま
わり、あいた時間を利用してデータの解析など
を済ませておく。
10. その日の全ての測定がすんだらヒーター電圧を
切り、フィン温度を室温程度まで下げてから遠
心送風機を止めマノメータの零点を確認する。
(この操作も、指導教官が行なう。)
ヒーター電圧を変化させてもフィンの温度は
電気入力の変化に直ちに追従して変化しない。
装置の熱容量のため約 3 分程度の時間遅れの後
に電気入力の大きさで決まる定常温度に漸近す
る。そのため、むやみに電気入力を変えても所
定の根元温度に合わせることはできない。いっ
たんヒーター電圧を変えた後は、10 分程度の
時間をおいて温度変化がなくなったのを確かめ
てから電圧値をまた少し変えるようにするとよ
い。調整をうまく行なうためには全てのメンバ
ーが持ち場を離れず流量及びヒーター電源電圧
の変動に常に対処できるようにする事と、測定
を行なう空気流量の下での加熱電圧の値と根元
温度の関係を考えながら電圧値を少しずつ変え
ていくことが必要である。(この時、記録計の
チャート用紙に空気流量、ヒーター電圧などを
こまめに記入するとわかりやすい。)
これまでの実験で手際の良いグループは 1 回
当り 30 ∼ 60(分) 程度で 1 回の条件設定を終え
ているが、2(時間) かけても測定に入れない不器
用なグループもいた。
4
データ解析
4.1
生データ
測定で得られる生データは
1. 水マノメータの値(空気流量 h)
2. 電圧計の値(ヒーター電気入力 E )
3. フィン各点(高さ方向 10 点、図 3参照)と空気
温度(入口と出口)
1
まで主尺副尺を使って読
4. 気圧 P (1 目盛りの 10
みとる。)
1
5. 室温 t(1 目盛りの 10
まで目分量で読みとる。)
である。1 回の測定が終われば、測定を行なった
10 分間のうちもっとも根元温度が安定した 6 分
について、ヒーター電圧と熱電対出力の値の平
均値を算出し、はじめに熱電対の出力がばらつ
いていた時はここで補正する。
4.2
解析プログラム
生データの解析(付録 A 参照)はかなり煩雑
なものであるが簡単な解析プログラムを用意し
てあるので測定と並行して生データの解析がで
きるはずである。[6] ただし、プログラムの出力
を鵜呑みにするのではなく、自分でチェックす
ること。(データの入力間違いや記録ミス等の
問題は常に存在する。)
始めに、測定データをキーボードで入力し、
生データファイルを作っておく。これを読みだし
て、ヌッセルト数(N ut , N up , )とフィン効率(
φt , φp )を2通りの方法で算出する。このとき、
ガードナーの理論に基づく繰り返し計算では理
伝熱工学 – 3
平成 20 年度指導書
論温度分布も得られる。さらに、レイノルズ数
(Re)も算出しておく。
2 週目の終わりに全員の測定で得られた全て
のレイノルズ数やヌッセルト数の結果をデータ
ファイルに保存する。以前の実験データと共に
付録 B のようなグラフが表示できる。これによ
り、測定がうまく行われたかどうかの判断が出
来る。
4.3
実験式の導出
本実験ではレイノルズ数とヌッセルト数の間
に次の関係を仮定し、測定したレイノルズ数と
ヌッセルト数(2 通り)のデータから 2 つの実験
式を最小自乗法で求める。
N ut = Kt Rent ,
N up = Kp Renp
(1)
電卓や Excel などの回帰分析の機能を使って実
験式を求めている学生がよく見かけられるが、
正しい重み関数を用いていないことが多いので
付録 A.4 に示してあるやり方に従うこと。
5
考察課題
以下の考察課題の何れかを選び、まとめた結
果をレポートに添付すること。何れの課題につ
いても、担当教官との議論を経て作業仮説をた
て、出来るだけ定量的検討を行うこと。なお、
ここに挙げた以外の課題の提案も歓迎するので
担当教員と相談のこと。
より小さくなっており、∆r が十分小さければ次
の近似式を満足する。
Qc,i − Qc,i+1 = 2α(T (ri ) − Tg )2πri ∆r
熱電対で測定した温度分布(またはガードナ
ーの理論で求めた温度分布)のデータを用いて
フィン内部の熱伝導による熱流束の分布を調べ
てグラフに書け。
(当然ながらグラフは右下がり
の折れ線になるはずである。)但し根元の熱流
Qc,1 はヒーターの発熱量 Q より
Q = α(T (rr ) − Tg )Ar + N Qc,1
により推定すること。
5.3
レイノルズ数及びヌセルト数の誤差
評価
付録 B に示す様に、レイノルズ数とヌセルト
数の間には一定の関係が見える。4.3 節で求めた
実験式と元の測定データの分散を評価せよ。ま
た、特にばらつきの大きな測定データについて
はどのパラメーターが誤差の原因が推察せよ。
参考文献
[1] K. A. Gardner; Trans. ASME, 67-8(1945-11)621.
[2] 橘 他; 「伝熱論」(コロナ社).
[3] 横堀 他; 「基礎伝熱工学」(丸善).
[4] 日本機械学会; 「伝熱工学資料」.
[5] 青木; 「原子力熱工学」(養賢堂).
5.1
[6] http://www.me.osakafu–u.ac.jp
温度分布の不一致
付録 B に示す温度分布は黒丸が熱電対による
測定結果を、実線がガードナーの理論による計
算値を表している。両者の一致は特にフィン周
辺部ではそれほど良くない。この理由について
考察せよ。
(測定値には誤差が、計算値には理論
化のための仮定があり、真の温度分布とは何れ
も異なる可能性があることに注意すること。)
5.2
/m̃atsu/gakusei/index.htm.
[7] 森口 他; 「数学公式 III」(岩波).
[8] K.S. ミラー; 「技術者の数学I」(共立全書).
[9] 兵藤; 「物理実験者のための 13 章」
(東大出版).
[10] 機械工学実験編集委員会; 「機械工学実験」
(東
大出版).
A
半径方向の熱流分布の評価
i 番目の測定点の位置 ri = rr + (i − 1)∆r を通
過する熱量 Qc,i は空気への熱伝達により Qc,i−1
測定値による計算
フィン効率やヌッセルト数、レイノルズ数を
測定データから算出する。
伝熱工学 – 4
平成 20 年度指導書
A.1
ヌッセルト数の計算 (1)
実験中のヒーターの有効発熱量 Q(W ) は
Q=(
E 2
) Rn
Rt
(2)
で与えられる。ここで、E はヒーター電圧 (V ) の
測定値、Rt (= 13.5Ω) は全ヒーター抵抗、Rn (=
10.6Ω) は放熱部ヒーター抵抗、である。ここで、
熱伝達率αとフィン効率φを用いると
rr
α(T (r) − Tg )dA
(5)
2 − r 2 ), r = 0.01, ..., r
ここで、∆Ai = 2π(ri+1
1
11 =
i
0.030 である。
熱伝達率は
Q
(Tr − Tg )(Ar + φAf )
(3)
(6)
で計算し、前節と同じく無次元化しておく。
となり、左辺は実験値を用いて計算できる。こ
こで、Af = π(rf2 − rr2 ) × 2N は N 枚のフィンの
総面積、Ar = 2πrr (L − 2yb N ) は放熱部の根元
面積である。
α の値を仮定すると φがガードナーの理論よ
り計算できるので右辺の値がわかる。繰り返し
計算によって、右辺の値を左辺の値に一致させ
たときの α = αt とφ = φt が求める結果である。
求めた熱伝達率は代表長さ Def = 2(rc − rf )
を用いてヌッセルト数という無次元数に変換し
ておく。
αt Def
λg
N ut =
Z rf
10
X
1
(T (ri ) − Tg )∆Ai
(Tr − Tg )Af i=1
=
αp =
Af
Q
= α(1 +
φ)
(Tr − Tg )Ar
Ar
1
α(Tr − Tg )Af
φp =
(4)
N up =
A.3
αp Def
λg
(7)
レイノルズ数の計算
水マノメーターの測定値 h(mmAq) から流量
計ノズル部の平均空気速度 v(m/s) は
s
v0 = a
2Pdif
ρ
(8)
によって計算される。ここで、Pdif = gh はノ
ズル前後の差圧、g = 9.80665(m/s2 ) は重力加速
度、a は流量係数である。図 6に示す様に流量係
数は流速 v 自身(即ちノズル部のレイノルズ数
Re0 = v0νD0 )の弱い関数である。
ここで、λg は Tg での空気の熱伝導率 (W/m◦ C)
である。
g(W/mK)
0.9
a
0.028
0.85
0.026
0.8
104
105
Re
0.0240
20
40
図 6: 丸型ノズル流量係数
Tg(.C)
図 5: 空気の熱伝導率
A.2
空気の動粘性係数ν(m2 /s) =
µ(kg/ms)
µ
ρ は、粘性係数
ヌッセルト数の計算 (2)
実測したフィン温度分布のデータ(T (r), r =
0.01, ..., 0.028 )をフィン効率の定義式に代入し
てφp を求める。
µ
g
伝熱工学 – 5
= 1.758 × 10−6 ×
×(
380.2
380.2 + Tg
273.15 + Tg 3
)2
273.15
(9)
平成 20 年度指導書
B
と、密度ρ(kg/m3 )
ρ = 1.2928 ×
273.15
P
×
273.15 + Tg
760
測定例
(10)
Example of fin temperature profile
36
P = P0 (1 − 0.000163t − 0.00264 cos 2φ)
Temp.[deg.]
から計算される。入口空気圧力 P (mmHg) は、
測定値 P0 に
(11)
なる補正を行なう。右辺第 2 項は室温 t(◦ C)、第
3 項は府立大学の緯度φ = 34.54(◦ ) による補正
である。
流量計ノズル部と伝熱面テスト部の流路断面
積が異なるのでテスト部の平均空気速度は
v = v0
F0
F
32
10
A.4
H12
Nut
103
(13)
102
最小自乗法
一般に、y = axb 形の実験式は、両対数グラフ
上で直線 Y = A + bX になる。(X = ln x, Y =
1
ln y, A = ln a )この時、 dY
dy = y より
S = Σ(yi −
axbi )2
=
Σyi2 (Yi
2
− A − bXi )
(14)
101 3
10
Σwi
Σwi Xi
Σwi Xi
Σwi Xi2
¶µ
A
b
¶
µ
=
Σwi Yi
Σwi Xi Yi
104
105
Re
図 8: Re と N ut の関係(円管フィンの場合)
が最小となるように A(即ち a)と b を決めるの
が正しいやり方である。(wi = yi2 が重み関数に
∂S
相当する。) ∂A
= 0 と ∂S
∂b = 0 より求めるべき A
と b は正規方程式
µ
30
図 7: 理論及び測定温度分布
(12)
vDef
ν
20
distance from fin center, r[mm]
で計算される。ここで、F0 = 14 πD02 はノズル孔
断面積、F = π(rc2 − rf2 ) はテスト部の流路断面
積である。最後に、v を無次元化してレイノル
ズ数に直す。
Re =
34
¶
(15)
の解になることがわかる。
(なお、ここでの説明
は微分計算の容易さから自然対数を使ったが常
用対数でも全く同様に a と b を計算することが
出来る。)
伝熱工学 – 6