本も、お話しも、行事も、生活情報もあるよ

No.294
(平 成 20 年 5 月 )
編 集 ・発 行
石川県立図書館
〒920-0964
金 沢 市 本 多 町 3-2-15
TEL 076-223-9581
FAX 076-222-2531
布ぞうりをつくろう(5 月 5 日)
ロシアと韓国
絵本の旅(5 月 4 日)
子ども図書館探検隊(5 月 3 日)
本も、お話しも、行事も、生活情報もあるよ
今年度初めて、5月の連休3・4・5日
を 開 館 し ま し た 。写 真 の よ う に 行 事 を 催 し 、
親子連れの参加を期待して企画しました。
「子ども図書館探検隊」では、図書の分
類や配列を知り、自分の読みたい本を蔵書
検索し、張り切って迷路のような書庫を探
検していました。とても興味を持ってくれ
たことが、主催者にはうれしい展望となり
ました。
「ロシアと韓国絵本の旅」では、韓国、
ロシアの国際交流員に母国の絵本を原語で
読んでもらい、図書館員が日本語で語ると
いうもので、原語のニュアンス、話の面白
さに引き込まれていました。チマチョゴリ
を着た韓国女性もきれいで、韓国の給食状
況も話してもらうなど国際交流にもなった
と思います。
また、
「 布 ぞ う り を つ く ろ う 」で は 、長 時
間布ひもと格闘し、出来上がった喜びを体
験していただきました。
県立図書館では、気持ちよく、質の高い
利用サービスを目指していますが、みんな
が楽しく集えるような企画をしていきたい
と思っています。おしゃべりサロンも継続
します。
ま た 、こ れ か ら 開 設 の『 生 活 情 報 ひ ろ ば 』
も充実させ、各市町の観光、行政、団体等
のパンフレットや冊子、各高校などの情報
も揃え、気軽に利用できる図書館を目指し
ます。
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石 川 県 立 図 書 館 報
第 294 号(平成 20 年 5 月)
資料紹介 ④
展示「赤毛のアンの魅力」
当館所蔵の珍書・稀書、貴重な資料をご紹介します。
~出版100年によせて~
今年は『赤毛のアン』が出版 100 年を迎えました。
それを記念して、平成 20 年5月1日(木)から6月
29 日(日)まで『赤毛のアン』の展示を行っています。
内容は「アンシリーズ」とその原書、モンゴメリの著
作や研究書のほか、雑誌特集のバックナンバーや、本
人の遺志で死後 50 年公開を禁止された日記などです。
また『赤毛のアン』の世界をもっと楽しんでいただこ
うと、アンやマリラが楽しんだ料理やキルトを紹介し
た本や、プリンスエドワード島の写真集のほか、カナ
ダの歴史や文化を知る図書もあわせて展示しました。
その他「赤毛のアンの本棚」と題し、シェークスピア
やホイッティアー、ブラウニングの詩集など、作品中
に引用されている本を手に取っていただけるコーナー
を設けました。
今回は、カナダ大使館の協力を得て、プリンスエド
ワード島の地図や、現地パンフレット、赤毛のアンの
絵ハガキなど、普段目にすることのできない資料を展
示することができました。常に明るく前向きで、ユー
モアを忘れず、世界中の少女をとりこにしてきたアン
の世界を、ぜひお楽しみください。
『洋貨図録』
小幡和平著 明治4年刊
本の写真
版木の写真
知ってください図書館のこと
平成 19 年 12 月 15 日から平成 20 年1月 20 日、
県内
公共図書館を利用する方達に、
「石川県立図書館に関す
るアンケート」を実施し、624 件の回答をいただくこ
とができました。回答結果は図書館として何をしなけ
ればならないかが、はっきりした結果となりました。
特に注目すべきことは、非来館者に対するサービス
についての認知度が非常に低いことが判明しました。
例えば、レファレンス(調査相談)サービス、コピー
の郵送サービス(有料)
、学校用貸出カード「SCHOOL
CARD」の発行について、8割以上の方が「知らない」
と回答したことです。
県立図書館のこうしたサービスは、県内どこに住ん
でいても図書館サービスが均等に受けることがでる重
要な働きを持ったサービスです。
今後は、こうしたサービスについて解説したチラシ
を作成し、PRに努めるとともに、より多くの利用者
の方々に、
図書館サービスを十分に理解していただき、
より一層のサービス向上をめざして行きたいと考えて
います。
『小幡文庫』は、加賀藩士で、明治 10 年(1877)
、第
十二銀行を創設した小幡和平氏の旧蔵書です。文庫の
内容はおおむね武家文書で、和漢書・兵書をはじめ広
い範囲で収集されています。能楽や茶道関係の文献も
あります。
中でも『洋貨図録』は、幕末安政年間の頃から外国
のコインに関心を寄せ、コインを研究・収集していた
小幡氏が自ら刊行したものです。アメリカ、ロシア、
イギリスなど、
世界各国のコインを国別に紹介し、
各々
のコインを木版刷りで印刷してあるこの本は、全国的
にも高い評価を受けました。その版木も、原稿作成に
関する資料も文庫には所蔵しています。
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石 川 県 立 図 書 館 報
第 294 号(平成 20 年 5 月)
ぐようしょう
おいずるがだけ
す教義書『愚用抄』や、笈ヶ岳 山頂で発見された経筒
『加能史料 戦国Ⅵ』刊行
の銘文なども収録しました。
なお、付録「加能史料会報」第 19 号では、加能史料
『加能史料』は、古代・中世の加賀・能登両国に関
編纂委員の東四柳史明氏(金沢学院大学教授)が、本巻
する古文書や記録・金石銘文等の基本史料を、石川県
所収の史料等に基づきながら、畠山義元に関する新知
内はもとより広く全国から蒐集し、年代順に配列した
見を提示して下さいました。こちらもご一読いただけ
編年史料集です。この度、第 19 回配本となる、
『加能
れば幸いです。
史料 戦国Ⅵ』を刊行しました。本巻では、永正6年
『石川県史資料』
近世篇(7)刊行
(1509)から同 15 年(1518)の 10 年間分の史料を収録し
ています。以下、本巻の主な内容を紹介します。
最初に、永正3年の一向一揆の後、能登守護の座に
ほくちょう い ぶ ん
よしもと
「北徴 遺文」
全三巻の完結となる
『石川県史資料 近
返り咲いた畠山義元の在京活動があげられます。
よしただ
ふたまたおうらいいっけんどめ
よしたね
永正8年、将軍足利義尹(後に義稙と改名)に対し、
よしずみ
前将軍足利義澄を奉ずる軍勢が京都に攻め込んだ時、
かんれい
たかくに
すおう
世篇(7)』は、
「加賀二俣往来一件留」も収録していま
す。両史料とも幕末から明治にかけて石川県の歴史学
しえん
よしおき
義元は、将軍義尹・管領細川高国・周防守護大内義興と
たんば
発展に寄与した、森田柿園が収集したものです。
「北徴
ともに一旦は丹波国に退いたものの、義澄が陣中に没
遺文」が『加能古文書』や『加賀藩史料』などに掲載
したことに乗じて敵軍勢を破り、再び京都奪還に働き
されている文書を多く含んでいることを考えると、加
ました。また同 10 年に義尹が、高国・義興の専横によ
賀藩の歴史を学ぼうとするものにとっては、貴重な史
り近江国に出奔した時、義元は将軍の帰京に力を尽く
料といえます。
また「加賀二俣往来一件留」は、森田柿園の著した
し、その後幕府三条第再建の惣奉行を務めるなど、幕
冊子類の中では小さな部類に属しますが、宿駅と周辺
府中枢の実力者として政権の一角を担いました。
よしふさ
のりむね
次に義元の死没と、義総(前守護慶致の子息)への代
村々の農民との争論を、訴訟の始まりから裁定が下さ
れるまで網羅したものです。こちらも『金沢市史』
『津
替わりがあります。
永正 10 年頃より能登国が内乱状態に陥ったため、
義
幡町史』に部分的に掲載されています。
しょしけいふ
元は京都から能登国に下りましたが、内乱は容易に終
今年度からは「諸士系譜」(全 20 巻)を刊行する予定
息せず、鎮定に奔走しました。義元は内乱が収まった
です。これは天保3年(1832)に津田信成が、加賀藩諸
同 12 年に病没したため、
義総が守護職を継いでいます。
家の系譜をまとめたものです。加賀藩初期から江戸時
義総は文人大名としてよく知られていますが、早くか
代後期に至るまでの、加賀藩士の石高や役職など、貴
のぶなり
こくだか
さんじょうにしさねたか
ら公家三条西実隆を訪ね、源氏物語の講義を受けるな
重な情報が記されています。
『石川県史資料』は石川県の歴史研究に必要であり
ど、その片鱗が窺われます。また、永正 14 年から翌
れいぜいためひろ
15 年にかけて、歌人として著名な公家冷泉為広が能登
ながら、未刊あるいは散逸の恐れのある資料を刊行し
国に下り、守護義総や家臣たちと、和歌を介して交流
てきました。これからも順次、加賀藩の歴史研究の基
ためひろのうしゅうげこうにっき
を深めた様子を、
『為広能州下向日記』から知ることが
本史料となるものを刊行していく予定です。
出来ます。
かじゅうじ
なかのいん
その
一方、加賀国では、京都から勧修寺氏・中院 氏・園
氏・中山氏他の有力公家衆が、それぞれの家領に下っ
て直接荘園経営に勤しんでいたことが知られます。ま
た加賀国に強い影響力を持つ本願寺を巻き込んで、京
都の有力寺院同士による荘園支配をめぐる相論が起こ
っていました。
また白山信仰関係史料として、比叡山との関係を示
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『加能史料 戦国Ⅵ』
A5判 384 頁 \7,000
『石川県史資料 近世篇(7)』
影印本 A4判 200 頁 \3,000
お申し込み
石川史書刊行会(石川県立図書館史料編さん室内)
TEL:076-223-9579
石 川 県 立 図 書 館 報
第 294 号(平成 20 年 5 月)
【 行 事 案 内 】
当館HPでもご覧いただけます。
(http:www.library.pref.ishikawa.lg.jp/)
おしゃべりサロン
平成20年度講座『加能史料』はいま
お 気 軽 に
ご参加下さい!
★ 7月9日(水)午後1時 30 分∼3時 30 分
「戦国時代の貴族と加賀・能登」
講 師:東京大学史料編纂所准教授 末柄 豊
会 場:石川県立生涯学習センター
問合先:史料編さん室 (Tel 076-223-9579)
・6月 14 日(土) 午後1時 30 分∼
「南京玉すだれの魅力」
講師:南京玉すだれ加賀森田流宗家 森田 正一
・7月 12 日(土) 午後1時 30 分∼
「麻 布 と 人 々 の 生 活 ∼ 製 法 と 歴 史 ∼ 」
読書アドバイザー講座
講師:加越能伝統染織愛好会 島田 陸男
★ 第1回6月 21 日(土)午後1時 30 分∼3時 30 分
「曽野綾子−著作と郷土の関わり」
・7月 19 日(土) 午後2時∼
「越中木舟城の話と郷土史研究へのお誘い」
講 師:金沢学院大学准教授 蔀 際子
会 場:石川県立図書館
2階 県民交流室
講師:石川郷土史学会 安達 正雄
・8月9日(土) 午後1時 30 分∼
★ 第2回6月 28 日(土)午後1時 30 分∼3時 30 分
鏡花記念館見学 「鏡花『照葉狂言』にみる金沢」
「コラージュ 作って、楽しくおしゃべり」
講師:いしかわ生涯学習講師の会 山本 紀子
講 師:鏡花記念館館長 青山 克彌
※ 現地集合、入館料が必要です。
定 員:20 名(事前に、申込みが必要です)
・8月 23 日(土) 午後1時 30 分∼
「 ミ ス テ リ の 面 白 さ を 語 ろ う ( 海 外 編 )」
講師:県立図書館職員 上田 敬太郎
ゲスト:東京創元社相談役 戸川 安宣
★ 第3回7月5日(土)午後1時 30 分∼3時 30 分
「宮沢賢治の作品朗読」
・8月 30 日(土) 午後1時 30 分∼
講 師:はまなす文庫主宰 細川 律子
会 場:石川県立図書館
2階 県民交流室
「印刷・和紙文化再発見」
講師:金沢和紙文化交流会 高村 武
問合先:企画協力グループ(Tel 076-223-9581)
・9月6日(土) 午後1時 30 分∼
「子育て相談・進学相談」
講師:県立図書館職員 伯耆 忠安
・9月 13 日(土) 午後1時 30 分∼
「豆本をつくりましょう」
8月7日(木)
・8日(金)
・9日(土)
時 間:午後7時∼8時
会 場:石川県立図書館
対 象:4歳∼一般
問合先:子どもの本のひろば(Tel 076-223-9587)
講師:福祉施設ボランティア 若井 将代
・9月 28 日(日) 午後1時 30 分∼
「世界一のササユリの里づくり」
講師:日本ササユリ会会長 坂井 昭保
問合先:利用サービスグループ(Tel 076-223-9580)
いま図書館がおもしろい!
6月10日(火)
、24日(火)
7月 8日(火)
、22日(火)
10月14日(火)
、28日(火)
11月11日 (火)、25日(火)
12月 9日(火)
時 間:午前 10 時 30 分∼11 時
会 場:石川県立図書館
対 象:乳幼児および保護者
問合先:子どもの本のひろば(Tel 076-223-9587)
ブックスタートルーム(Tel 076-223-9589)
∼ 図書館活用術を探る ∼
★ 第1回 9月 12 日(金)午前 9 時∼午後 4 時
「本を直す−製本講習会」
講 師:日本図書館協会資料保存委員会委員
真野 節雄
会 場:石川県青少年総合研修センター
定 員:第1回 20 名
★第2回 9月 27 日(土)
第2回の内容、時間は、未定です。
問合先:企画協力グループ(Tel 076-223-9581)
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