460 血清フェリチン測定における、汎用試薬と専用試薬の比較検討 ◎山本 裕之 1)、西谷 真希 1)、小林 一三 1) 大阪赤十字病院 1) 【はじめに】フェリチンは分子量約 45 万の鉄結合蛋白である. ④FER 高濃度試料を用いた結果,80000ng/mL までプロゾーンを 肝臓及び脾臓に多く含まれ,体内の貯蔵鉄量を反映し,鉄 認めなかった.⑤ヒト低濃度試料を用いたところ検出限界は, 代謝異常や鉄欠乏性貧血においては低値となる.また,悪 性腫瘍,肝障害,心筋梗塞などでは組織崩壊による逸脱か 5.5ng/mL(デンカCN),3.9ng/mL(デンカNX),7.2ng/mL(和光),5.0 ng/mL(LSI) ,6.7ng/mL(栄研)であった.⑥WHO 標準品を 1000 ら,貯蔵鉄と関係なく上昇する.今回我々は,汎用分析装置 ng/mL に調整し測定したところ,864ng/mL(デンカ CN),902 を用いた測定試薬と現行機測定試薬の比較検討を行った ので報告する.【測定機器・試薬】BM-8040(日本電子),ルミ ng/mL(デンカ XN)1028ng/mL(和光),784ng/mL(LSI),964ng/mL (栄研),894ng/mL(レビオ)であった.⑦ルミパルスとの相関は r= パルス プレスト-Ⅱ(富士レビオ),FER-ラテックスX2「生研」CN 及び NX 0.9877,y=1.0644x+8.93(デンカCN),r= 0.9919,y= 1.0702x+7.73 (デンカ生研),オートワコー フェリチン(和光純薬),イアトロ フェリチン(LSIメディエン ス),LZテスト’栄研’FER(栄研化学),ルミパルスプレスト フェリチン(富士レビ (デンカNX),r=0.9951,y=1.154x+0.9819(和光),r=0.9731,y=0.92 59x+82.01(LSI),r=0.9819,y=0.9741x+0.9819(栄研)となった. オ)を用いた.【方法】①同時再現性②日差再現性③直線性 【まとめ】各試薬の基礎的検討結果は良好で,測定感度が非 ④プロゾーン⑤検出限界⑥WHO3rd 測定⑦相関について検討 した.【結果】①低濃度試料の CV は 1.4~2.9%,高濃度試 常に高く精度は優れていた.また,現行測定法では測定上限 料で 0.5~1.3%と各社とも非常に良い再現性であった. 自動希釈機能を使用すれば 30 分以内に結果報告が可能であ ②日差再現性においても,低濃度試料の CV は 1.4~4.1%, り TAT 短縮にも有用である.また,汎用試薬では試薬分注量 高濃度試料で 0.5~1.3%と各社とも安定していた.③低濃 も非常に少量であり,コスト削減にもつながる. 度試料の直線性は非常に良好であったが,高濃度試料では 大阪赤十字病院 臨床検査科(06)6774-5111(内線 2737) イアトロ フェリチンの試薬で直線性を得ることができなかった. 以上の検体では結果報告に 1 時間以上要するが,BM-8040 の
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