3-02 工学部電気電子情報工学科 v605 石.indd

3.専門教育 専門基礎・基礎
工学部電気電子情報工学科
基礎電気回路Ⅰ
電気磁気学Ⅰ
基礎電気回路Ⅰ及びⅡは、電気電子工学の基礎として
電気磁気学は電気電子工学の基本となる科目である。
特に重要なもので、電気回路の入門に相当する。即ち、
この講義では、電荷や帯電体の周りや、誘電体中での静
この科目は、電気電子関係の工学を学ぼうとする者にと
電気現象に関する基本法則の概念を中心的に学ぶ。講義
って、将来電気・電子のどのような分野の仕事にたずさ
や演習課題への取り組みを通じて静電気現象の基礎を学
わるにしても、早いうちに身につけておかなければなら
習する。
ない基礎科目である。授業と演習を交互に行う。
1.ガウスの法則
Ⅰの内容は下記のとおりである。
2.電界・電気力線・電位
1.回路要素の基本的性質
3.導体・不導体・誘電体
2.直流回路の基本
4.静電誘導と静電遮蔽
3.直流回路網の諸定理
5.静電容量
4.正弦波交流とフェーザ表示
6.電気影像法
5.交流回路における複素数表示
電気磁気学Ⅰ- EB
6.インピーダンスとアドミタンス
基礎電気磁気学Ⅰ及びⅡは電気磁気現象の本質や電気
7.2端子回路の直列接続
工学・電子工学・通信工学・情報工学などの基本原理を
基礎電気回路Ⅱ
理解するための重要な科目である。
基礎電気回路ⅡはⅠに引き続いた科目で、同じ主旨で
講義では、ベクトルの概念を用いて、電荷や帯電体の
行う。
周りや、誘電体中での静電気現象および電流に関する物
Ⅱの内容は下記の通りである。
理現象を体系的に理解する。演習課題への取り組みを通
1.2端子回路の直列接続と並列接続
じてこれらの現象の解析力を養う。
2.交流の電力と力率
内容は以下の通りである。
3.交流回路網の諸定理
1.定常電流
4.電磁結合回路
2.電荷と静電界
5.周波数特性と共振回路
クーロンの法則、電界と電位、ガウスの法則、
6.3相交流
静電エネルギー
3.導体と静電界
基礎電子回路
静電誘導現象、電気容量、電場のエネルギー
私達の身の回りにある物から産業用機器に至る、情報
4.誘電体
通信機器(携帯、スマホ等含む)
、家電、AV 機器、コ
誘電分極、電束密度
ンピュータ、計測機器、制御機器、ロボットなどの根幹
部分を担っているのが電子システムである.それは主に
電気磁気学Ⅱ
半導体電子回路(集積回路)で構成される.本科目はそ
基礎電気磁気学Ⅰに引き続き、電流と静磁界、電磁力、
の基本半導体電子回路であるアナログ基本電子回路とデ
電磁誘導及び電磁波の概要について学習する。講義およ
ジタル基本電子回路の動作を講義と演習を通して習得す
び演習を通して、電磁現象の基本法則を習得し、それら
る.
の法則を応用した問題解法力を養う。また、電気磁気現
象を用いた応用技術についてもふれる。
1.ダイオード回路の動作と解析
2.バイポーラトランジスタ回路の直流動作と増幅回
路
1.電流による磁界
ビオ・サバールの法則、アンペールの法則、
3.MOS-FET 回路の直流動作と増幅回路
2.電磁力
4.電子回路用電源回路
3.電磁誘導
5.バイポーラデジタル電子回路
ファラデーの法則、インダクタンス
5.n-MOS デジタル電子回路
4.磁気回路
7.C-MOS デジタル電子回路
5.電磁波の概要
─1─
3.専門教育 専門基礎・基礎
工学部電気電子情報工学科
コンピュータによる情報処理・制御の基礎として、ど
電気磁気学Ⅱ- EB
のプログラミング言語にも通じる基本的な考え方を学
基礎電気磁気学Ⅰ-EB に引き続き、静磁界と時間的
ぶ。
に変化する電気磁気現象及び電磁波の概要について学習
講義 ・ 演習では初学者にも扱いやすいプログラミング
する。講義および演習を通して、電気磁気現象を体系化
言語 Visual Basic を活用し、身近な事柄を題材にして情
し、その現象の本質と種々の現象の解析力を養う。また、
報処理を学習する。
電気磁気現象を用いた応用技術についても学習する。内
1.プログラムの作成要領
容は次の通りである。
2.データの入力、処理、出力
1.静磁界
3.変数とデータ型
アンペールの法則、ビオ・サバールの法則、電磁力
4.演算子
2.磁性体
5.制御構造文
透磁率、磁気エネルギー、磁気回路
6.関数
3.電磁誘導
7.グラフィック制御
ファラデーの法則、運動する導体と起電力、インダ
クタンス
回路解析Ⅰ
4.電磁波の概要
基礎電気回路Ⅰ・Ⅱで、直流回路と交流回路の基礎的
変位電流、電磁波
事項を修得した学生に対し、2端子対回路と過渡現象の
取り扱いについて講義と演習を行う。
電気電子入門講座
1.2端子対回路
3月末に開講(入学後単位認定)
。
1-1.2端子対回路のマトリクス表示
本科目は、高校までの学習で不足している部分を補強
1-2.2端子対回路の接続とマトリクス要素
して、電気電子情報工学の学習につなげることを目的と
1-3.入力インピーダンスなど
して開講する。所定の条件を満たした者には、入学後に
1-4.2端子対回路の等価回路と変換
2単位が認定される。
2.過渡現象論
具体的には、A コース(主に工業系の高校出身者向け)
2-1.定常現象と過渡現象
と B コース(主に普通科の高校出身者向け)の2つの
2-2.過渡現象の初等解法
コースに分けて実施する。A コースでは、実験をスタ
2-3.ラプラス変換法
ートラインとし、現象の概要を理解する。次にエクセル
での簡単な数値計算により、現象の傾向を把握する。こ
回路解析Ⅱ
れらの結果を踏まえて現象をよく理解するためには数
基礎電気回路Ⅰ・Ⅱで線形電気回路の基礎的解法を修
学、物理を用いて解析する必要のあることを学んでもら
得した学生に対し、非正弦周期波(ひずみ波)および伝
う。B コースでは、はじめて電気電子を学ぶ人のために
送線路の取り扱い方について講義と演習を行う。
1.ひずみ波交流回路
基本的な題材を用いて、電気実験のやり方や電気の基礎
1-1.周期関数とフーリェ級数展開
理論、半田ごてや測定機器の使い方などを学ぶ。
1-2.周波数成分とフーリェスペクトル
電気電子ユニット入門
1-3.ひずみ波の実効値など
この科目は、入学したばかりの学生諸君に電気電子工
1-4.ひずみ波交流回路の解析
学を学ぶ楽しさや意義を体験してもらうために開設して
2.分布定数回路(伝送線路)
いる。少人数制により、各教員が学生の大学生活のスタ
2-1.集中定数回路と分布定数回路
ートを助け、また個人の可能性を見出し、個性を伸ばす
2-2.正弦波の伝搬に対する基本式
こともねらいである。身近な電子機器のしくみや電気電
2-3.いろいろな伝送線路
子工学と社会との関わりについて主体的に学ぶことによ
2-4.波動の反射と透過
り、諸君が専門分野への興味を深め、今後の学習への意
欲を高めてもらうことがねらいである。
プログラミング入門
〔情報リテラシーを履修していることが望ましい〕
アナログ電子回路
私達の身の回りにある物から産業用機器に至る、情報
通信機器(携帯、スマホ等含む)
、家電、AV 機器、コ
ンピュータ、計測機器、制御機器、ロボットなどの根幹
─2─
3.専門教育 専門基礎・基礎
工学部電気電子情報工学科
部分を担っているのがアナログ電子回路とデジタル電子
を習得するとともに、表示、読み込み、分岐、繰り返し、
回路である.最近のデジタル回路動作は超高速化してお
配列、関数などのプログラミング言語の基本的概念の理
り、その動作はアナログであり、その設計や課題解決に
解を深める。本科目で学ぶ基本的事項を以下に記す。
はアナログ電子回路の知識が必要となる.本科目はその
1.画面への表示とキーボードからの入力
ことを踏まえて、アナログおよびデジタル電子回路の動
作、特性、応用について習得する.
2.整数の演算と実数の演算
3.条件(if、else if)文によるプログラムの流れの
1.バイポーラ増幅回路
分岐
2.MOS-FET 増幅回路
4.繰り返し(for)文、while 文の習得
3.増幅器の周波数特性
5.配列の取り扱いの習得
4.高速パルスと周波数特性
6.関数を用いたプログラムの作成
5.フィルタ回路
電気電子基礎ユニット
6.帰還増幅回路
7.オペアンプ回路の解析と設計
電気・電子の基礎回路について、学生自自ら仕様設定
8.サンプリング定理と A/D 変換回路
―設計―製作―測定―評価を互いディスカッションしな
9.D/A 変換回路
がら進め、基礎電気電子回路の原理と電気電子基礎測定
10.発振器
法を体験的に習得し、さらにリポート書きやプレゼンテ
ーションを通してそれらの作成法の修得と発表・表現力
論理回路
を養う。
近年の電子回路技術の急激な進歩は、デジタル回路技
術の発展によるところが大きい。本科目では、そのデジ
具体的なテーマは、
タル回路の設計に必要な知識を習得することを目的とし
1.望みの電圧・電流を発生させよう
ている。 デジタル的数表現、論理演算、デコータ・エ
2.白色光を発生させよう(LED と CCD 利用)
ンコータなどの論理設計、フリップ・フロップ、カウン
3.ダイオードで交流から直流を発生させよう.
タ、レジスタなどの順序回路を学ぶ。
4.リポートにまとめてみよう.
5.高い周波数ほど低いまたは高い電圧を発生させよ
電気電子計測
う
計測は工学の基礎となるものであるので、計測技術を
6.高音と低音を分離して発生させよう
理解することは重要である。本科目では電気電子工学に
7.パワーポイントでプレゼンテーションをしよう
必要な計測技術全般を体系的に学習する。
電気的な物理量の計測から始り、各種センサを組み合
電気電子応用ユニット
わせてさまざまな物理量を計測する方法を学ぶ。
学生自らが希望のテーマを選び、そのテーマを軸とし
授業項目の概要を下記に記す。
て、基本となる素子や回路の原理と働きを深く理解し、
1.計測の基礎事項
電気・電子・情報分野の基礎を身につける。さらに、習
2.単位と標準
得した基礎を活用した応用回路作品を考案し、
その設計、
3.電圧、電流の測定
製作、
特性評価の基本手法を習得する。これらと併せて、
4.抵抗とインピーダンスの測定
報告書のまとめ方およびプレゼンテーションの手法も習
5.電力、電力量の測定
得する。
6.各種センサの原理
具体的なテーマは、
7.計測用電子回路と計測機器
1.LED の光をコントロールしよう
8.計測システムと信号処理技術
2.音声信号を増幅しよう
3.スピーカを作ろう
C 言語
4.モータを制御しよう
最近のコンピュータの進展はめざましいが、このコン
ピュータを自分の思い通りに働かせて解析を実行させる
ためにはプログラミングが必須である。
5.デジタル回路をつくろう
環境・エネルギー
本科目では、現在一般に広く使用されている C 言語
今後ますます深刻化する地球温暖化などの地球環境問
によるプログラミングを通して、プログラミングの基礎
題とエネルギー消費、および期待される新エネルギーに
─3─
3.専門教育 専門基礎・基礎
工学部電気電子情報工学科
ついて学ぶ。さらに、現在の発電量のほとんどをまかな
っている従来の発電方式についても学ぶ。
流
3.p、n 形半導体とキャリヤ密度、抵抗率、不純物
1.地球環境問題と温暖化対策技術
密度
2.省エネルギーと新エネルギー
4.pn 接合とダイオード特性
3.従来の電気エネルギーの発生(水力、火力、原子
5.金属と半導体接触、オーミック接触
力)
6.光導電効果、光起電力効果、発光
7.トンネル効果と電子なだれ効果
電気機器学
本講義では、現在、産業、施設、家庭等において広く
電気電子材料
利用されている電気機器すなわち、直流機、誘導機、同
家電製品、玩具、スマートフォン、パソコン、光通信
期機、変圧器などの構造、動作原理、等価回路、諸特性
などの身近な機器や今後の低炭素社会構築の柱と期待さ
および応用例について学習する。
れる太陽電池や電気自動車などの普及に対し、電気電子
1.直流機
機器が要の役割を果たしている。また、例えば主要金属
2.誘導機
である鉄や銅などに炭素やレアメタルなどを加えた合金
3.同期機
により、磁石にしたり、硬度や柔軟性を増す、錆びない
4.変圧器
など価値の高い性能や機能を持たすようにできる。要の
5.各種小型モータ
電気電子材料である、①導電材料、②半導体材料、③絶
縁・誘電材料、④磁性材料、⑤機能材料について、それ
制御工学
らの特性、動作に対し中心的な役割を果たす電子の振る
制御工学とは、機器を動作させたり、工業製品を製造
舞いやデバイスとしての応用を体系的に解説する。本講
したり、更にシステムを効率良く運用したりする際の工
義を通して、
社会や時代のニーズに対応した新しい電気・
学的な手法・原理を体系化した学問分野である。本講義
電子製品の開発や適正な高性能・高機能材料の開発・選
では線形フィードバック制御の範囲を網羅しており、制
定に役立つような基本知識を解説する。
御工学の基礎事項を学ぶことができる。また、サンプル
値制御系についても学ぶ。
授業内容の概要を以下に示す。
電子デバイス
1.制御の目的
私達の身の回りにある物から産業用機器に至る、情報
2.ラプラス変換
通信機器(携帯、スマホ等含む)
、家電、AV 機器、コ
3.伝達関数とブロック線図
ンピュータ、計測機器、制御機器、ロボットなどの根幹
4.インパルス応答とステップ応答
部分を担っているのが電子システムである.その電子シ
5.周波数特性
ステムの大部分は電子デバイスから構成されている.こ
6.安定性
こでは主に半導体デバイスの動作原理、特性、応用を習
7.特性評価
得する.
8.補償と PID
1.pn 接合の電界と接合キャパシタンス
9.AD 変換器と DA 変換器、Z 変換
2.バイポーラトランジスタ
10.離散時間系での伝達関数と状態方程式
3.MIS ダイオード
4.MOS-FET
半導体工学
5.メモリデバイス
私達の身の回りにある物から産業用機器に至る、情報
6.パワーエレクトロニクス用デバイス(IGBT、サ
通信機器(携帯、スマホ等含む)
、家電、AV 機器、コ
イリスタで)
ンピュータ、計測機器、制御機器、ロボットなどの根幹
部分を担っているのが電子システムである.その電子シ
7.低消費電力 LSI
8.太陽電池、ホトダイオード、発光デバイス(LED、
ステム(電子デバイス)の大部分は半導体から構成され
LD)
ている。本科目はその半導体の基礎的な物理を工学応用
の観点から習得する.
9.画像デバイス(CCD と CMOS 光センサー)
電子通信工学
この科目では、通信技術全般の概説を行うとともに、
1.半導体結晶とエネルギーバンド
2.キャリヤの発生、移動度、ドリフト電流、拡散電
電子通信工学の基礎的内容、
すなわち信号の基本的性質、
─4─
3.専門教育 専門基礎・基礎
工学部電気電子情報工学科
伝送路の性質、
アナログ信号の変調等について説明する。
る。
1.通信システムの構成
1.電力システムの概要
2.情報信号の種類:音声、映像、データ
2.線路定数
3.アナログ伝送とディジタル伝送
3.等価回路と送電特性
4.信号波の時間領域と周波数領域における表現
4.異常時の特性と対策
5.アナログ信号の変調と復調:AM、FM
5.配電方式と電力の品質
6.新しい電力システム
コンピュータ工学
電気法規及び施設管理
〔論理回路を修得していることが望ましい〕
コンピュ-タの仕組みを習得するためにハ-ドウエア
〔将来、強電系へ進み実務経歴により電気主任技術者免
を主体とした概要を説明する。原理となるチュ-リング
状の取得を希望する学生には、この科目の単位取得は必
マシンから始まり、浮動小数点方式、マイクロプロセッ
要不可欠である.
〕
サ、アセンブリ言語など多岐に渡る。但し、論理回路で
電気事業法は社会の変化に併せてこれまで何度も改正
習った部分(順序回路、ブ-ル代数など)は含めない。
されてきた。電気事業者や自家用電気工作物の設置者に
は自己責任原則が大きく求められているが、現状、電気
電磁波とその応用
事故(感電事故や自家用波及事故)は減少していない。
電磁波は、電波、光、X 線、γ線などの総称で、自然
一方、地球規模の環境に係るエネルギー推進施策は新エ
界に存在する波動現象のうち、最も広く利用されていま
ネルギー、省エネルギーを問わず毎年のように法改正が
す。たとえば電波や光は通信やセンシング、x 線やγ線
行われている。特に、省エネルギー法は今後更に強化の
は医療などに利用されます。また、太陽エネルギーは電
方向にある。従ってこれからの電気技術者は従来以上に
磁波がもたらすエネルギーです。この科目では電気磁気
電気保安のみならずエネルギーの諸情勢を見据えた幅広
学の諸法則にもとづいて、電磁波ならびにその一種であ
い経営的感覚を持つことが必要である。講義ではこれら
る光の基本的な性質と応用について学びます。
のことを体系的に具体的事例をもって説明し理解させ
1.日常生活における電磁波
る。
2.電磁波の導出
パワーエレクトロニクス
3.自由空間を伝搬する電磁波
4.電磁波に伴うエネルギー
パワーエレクトロニクスは電力用半導体素子の開発と
5.電磁波を伝える
ともに近年急速に普及した分野である。すなわち、電子
6.電磁波の応用(通信、カーナビ、計測など)
工学をベースとして電力を制御するもので、主として、
電動機制御技術に広く応用されている。これらの点を念
エネルギーと電力システム制御
頭に入れて、実際の応用例を示しながら、以下の基本事
電力システムを運用・制御するための基本的な技術に
項に絞り講述する。
ついて学ぶ。電気主任技術者の資格取得を目指すために
は必修である。
1.パワーエレクトロニクスの序論
2.電力用半導体素子(ダイオード、パワートランジ
1.電気エネルギーと電力システム
スタ、GTO、MOSFET、IGBT 等)
2.電力システムの運用
3.直流-直流変換(降圧チョッパ、昇圧チョッパ、
3.周波数と電圧の制御
DC-DC コンバータ)
4.超高圧送電と直流送電
4.直流-交流変換(自励式インバータ、PWM イン
5.変電所の設備と制御
バータ)
6.高電圧工学
5.交流-直流変換(整流回路、PWM コンバータ)
6.交流-交流変換(交流電力調整回路)
電力システム工学
電力を伝送するシステム、すなわち送電および配電シ
プラズマ工学
ステムはわれわれが安心して生活するためには最も重要
高電圧プラズマの応用分野は電力の供給や照明などの
なものです。この授業は電気技術者として必要な知識及
ように、社会的に必要不可欠なものが多い。最近は、低
び計算力を身につけることができることを目標とする。
温プラズマの分野において材料物性の研究開発や半導体
電気主任技術者の資格取得を目指すためには必修であ
製造プロセス等分野への利用が急速に進歩している。こ
─5─
3.専門教育 専門基礎・基礎
工学部電気電子情報工学科
れらの分野を基礎過程の立場から講義する。
マイコン回路設計講座
1.荷電粒子の基礎過程
2.気体の絶縁破壊
1~3年 前期・集中講義(夏季休暇期間)
。
3.プラズマの生成
様々な電子回路製作に精通した技術者を講師に招き、
4.プラズマの性質と計測
ディジタル家電などで応用されているマイコンを中心と
5.プラズマの応用(光源・ディスプレイ、表面改質)
した組み込み技術について講義する。また、マイコンを
6.プラズマプロセス(薄膜の形成、エッチング)
用いた制御回路の設計・製作・実習・発表を通して、マ
イコン回路製作技術の基礎を習得する。
光エレクトロニクス
1.マイコンとは
光エレクトロニクスは、主としてレーザーの出現によ
2.マイコン回路と組み込み技術
り発展してきた新しい学問分野の一つである。特に最近
3.マイコンのプログラミング
は半導体レーザー、半導体受光素子の高性能化が進み、
4.マイコン回路設計
光情報処理、光通信、光計測などに広く使われるように
5.マイコン回路設計試作実習・発表
なり、今後の高度情報化社会を支える基盤技術として光
エレクトロニクスの知識が必要となっている。この分野
基礎 LSI 設計講座
1~3年 後期・集中講義(春季休暇期間)
。
の基本的事項と応用について講義する。
1.光の性質
FPGA による LSI 回路設計方法について習得する。
2.光の吸収と発光
実習を中心とした具体的な設計回路を通して、論理回路
3.レーザーの動作原理
の基礎、LSI の基礎、開発ツールを用いた回路設計、
4.光検出器
Verilog-HDL を用いたシミュレーション検証、ハード
5.発光デバイス(固体、気体レーザー)
ウェアの動作検証について学び、LSI の設計技術の基礎
6.発光デバイス(半導体レーザー)
を習得する。さらに、近年 LSI 設計手法として IP(Intellectual Property:知的財産)を用いた設計が行われ
モバイル・ユビキタス
ており、それを利用した基本的な設計手法も習得する。
超 LSI や画像表示装置などの部品技術の著しい進歩
を背景にして、これまでの放送、電話やケーブルテレビ
1.論理回路の基礎の習得。
2.LSI 及び FPGA の歴史や現在の位置づけを理解
などの通信技術と、パソコンや大型計算機などのコンピ
する。
ュータ技術が一体化し、誰もが、何時でも、何処でも、
3.LSI の設計の基礎の習得。
簡単に情報の収集や利用・活用ができ、手軽に受信・発
4.デバイスの基本構造を理解する。
信し、通信ができる高度な情報化社会を創る便利な道具
5.開発ツールによる設計方法の習得。
として新しく生まれてきたのがモバイルユビキタス技術
6.課題と実習。
です。電気電子情報工学がこの技術にどのように生かさ
れるのか?あるいは、どのようにこの技術を支えている
電気情報技術者(検定)Ⅰ・Ⅱ
のかを知ると共に、将来への新しい技術に取り組む動機
電気主任技術者試験(第1種・第2種・第3種)、無
付けのひとつとなること目指す。
線従事者試験(
「アマチュア無線技士」以外)
、電気通信
主任技術者試験(第1種・第2種)
、
基本情報技術者試験、
デジタル通信とネットワーク
および応用情報技術者試験の合格者は、申請により「電
インターネットに代表されるように、ディジタル通信
は私たちの生活に欠かせないものになっている。この科
目ではその基本的事項について以下の内容を中心として
講義する。
気情報技術者(検定)Ⅰ・Ⅱ」各2単位が認定される。
電気工事士講座(検定)Ⅰ
第二種電気工事士資格取得後2単位が認定される。1
1.信号のディジタル変換
~3年生対象。春休み期間中あるいは5月の連休中、筆
2.ディジタル信号の多重化
記試験の集中講座を3日間実施する。筆記試験合格者に
3.ディジタル無線通信
対して7月に技能試験の集中講座を3日間実施する。
4.中継伝送と誤り率
EC コースの学生は電気工事士講座(検定)Ⅰあるいは
5.ディジタルネットワーク
Ⅱのどちらかが必修科目である。
─6─
3.専門教育 専門基礎・基礎
工学部電気電子情報工学科
電気工事士講座(検定)Ⅱ
電気電子設計及び特別研究ユニット
第一種電気工事士試験合格後2単位が認定される。筆
3年次のはじめより希望する研究室に配属され、指導
記試験合格者に対して、
技能試験の研修の機会を与える。
教員の専門分野の学習や研究手法の基本などについて直
2~4年生対象。
接指導を受ける。特に、電気電子システムまたは回路、
デバイスなどに関するデザイン能力や、
実験による実行・
電気電子設計製図
分析力や、議論・発表によるコミュニケーション能力の
電気・電子機器を設計するのに必要な製図上の基本的
技法を JIS 規格を基に習得し、設計する機器を正確に図
面化できるような技術を身に付けると同時に、図面上よ
基礎を養う。
電気電子工学ゼミ
りその機器の構造・機能や必要とする部材の規格等を正
卒業研究と並行して、各卒業研究指導教員のもとで、
確に把握できるような能力を養う。また、CAD による
実施される。本ゼミでは、卒業研究に関連ある学問領域
作図・製図の基礎および電気設備・通信設備の保守・管
の学習、内外の専門書や文献等の購読、討論などが行わ
理に関する規格や電気用図記号等を学習する。CAD の
れる。ゼミ内容を十分理解することは卒業研究がスムー
実習は、電気設備配線図、電子回路、シ-ケンス制御回
ズに行われることにつながる。
路などについて行い、CAD 製図を通して各回路の働き
も合わせて学習する。
卒業研究
〔
「卒業研究履修の資格」
(履修要綱中に記載)に合致し
電気電子専門ユニット
ていること。
〕
電気電子情報工学に関する現象、回路、装置などの原
卒業研究では、特定の研究課題について自分で研究計
理や特性について、実験および検討を行うことによって
画を立て、自分の手で物を設計・製作し、自分の目で実
理解する。測定機器の原理に関する講義や実験を通して、
験事実を観察・把握し、新しい成果を生み出す能動的な
測定技術、報告書作成スキル並びにプレゼンテーション
学問の場であり、自己の能力を思う存分発揮できる場で
の手法を磨く。
もある。また、卒業研究は指導教員との個人的な接触が
1.ブラックボックス
行われる場でもある。それを通して、学問だけでなく、
2.半導体物性
人間としての生き方や考え方をも学びとることができ
3.オペアンプ
る。さらに学生同士の接触・交流が密になり、親しい友
4.AD / DA 変換
人を得ることができ、かつ共同作業や共同生活の精神を
5.変調と復調
体得し、社会人となる準備にも大いに役立つと考えられ
6.光ファイバ通信
る。なお、卒業研究では、その締めくくりとして、研究
7.マイクロコンピュータ
の方法、経過、結果などを報告書(卒業論文)にまとめ
8.ロボットの制御
卒業研究発表会において、その成果の発表・質疑・応答
9.誘導電動機
などを行う。
10.気中放電
電気電子発展ユニット
電気・電子のシステム的な回路・機器・ソフトウェア
についての約 10 テーマから、学生自ら希望のテーマを
選び、その仕様―設計―製作―特性測定―評価―プレゼ
ンテーションを行い、そのシステム的な設計・製作法や
測定評価・プレゼンテーション法を体験的に修得する。
テーマの例としては
1.デジタル通信
2.LSI の設計
3.太陽光発電
4.ロボット
など。
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