4 月 - トウキョウフォレックス上田ハーロー株式会社

2014-4 月 マンスリー・レポート
トウキョウフォレックス上田ハーロー(株)
スポット FX 部
ドル円≪市場・相場の動き≫
レンジ 101 円 32 銭(4/11 TKY)~ 104 円 13 銭(4/4 LDN・NY)
1 日、103 円 15-25 銭水準で始まった後、一時 103 円 09 銭まで軟化、しかし 3 月米 ISM
製造業景況感指数が改善され、米景気回復期待が高まると 103 円 71 銭まで上昇、2 日、3
月 ADP 全米雇用リポートで 2 月分が大幅に上方修正され 103 円 88 銭まで上昇した。4 日、
3 月米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数変化、失業率ともに市場予想より弱い数
字だったため、103 円台半ばへ急落した。しかし非農業部門雇用者数変化の 1 月分と 2 月分
が上方修正されたことから 104 円 13 銭まで急反発、今月の高値をつけた。しかし、米長期金
利の低下や NY ダウ平均株価の下落を背景に、利益確定やポジション調整で 103 円 20 銭ま
で下落し、7 日には 103 円 01 銭まで値を下げた。8 日、黒田日銀総裁が定例記者会見で「現
時点で追加緩和は考えていない」と発言したことで 102 円台前半に水準を切り下げると、NY
市場で下値を模索する展開となり 101 円 55 銭まで急落した。その後、下げ基調は一服、101
円台後半の取引が続いていたが、10 日、米長期金利の低下や NY ダウ平均株価の下げ幅
拡大から 101 円 33 銭まで下落し、11 日には、東京市場で 101 円 32 銭まで値を下げ、今月
の安値をつけた。その後 14 日、3 月米小売売上高の上振れを好感し、102 円 02 銭まで値を
戻した。しかし 15 日、「ウクライナ東部クラマトルスクで軍による強制排除が行われている」と
の報道を受け、リスク回避の動きが強まると 101 円 50 銭まで下落した。16 日、日経平均株
価の大幅高を背景に 102 円台前半に水準を回復すると 17 日、週間の米新規失業保険申請
件数や 4 月フィラデルフィア連銀景気指数が強い数字だったことにサポートされ 102 円台前
半で底堅く推移し、米長期金利の上昇を眺めながら 102 円 50 銭手前まで上昇した。その後、
イースター休暇で方向感に欠いた動きとなる中 21 日、本邦 3 月貿易収支が市場予想を大き
く上回る赤字幅だったことで 102 円 71 銭まで上昇したが、イースターマンデーで海外勢によ
る流動性が低下していたこともあり、商いは薄かった。23 日、欧州時間の欧州株安や日経
平均先物が夜間取引で下落したことから 102 円 22 銭まで値を下げた。24 日、3 月米耐久財
受注の強い数字を好感、102 円 65 銭まで値を上げた。しかしロシアがウクライナ国境で新た
な軍事演習を指示したとの一部報道が伝わると 102 円 09 銭まで値を落とし、25 日には米長
期金利の低下を眺めながら 101 円 96 銭まで下落した。28 日、米長期金利の上昇や 3 月米
中古住宅販売制約指数市場が予想を上回ったことで 102 円 63 銭まで値を戻した。その後、
ゴールデンウィーク前で値動きがほとんどない中、1~3 月期米 GDP・速報値が、前期比年
率+0.1%(事前予想+1.2%)と予想外の悪化を示したため、102 円 20 銭台へ軟化した場面
はあった。その後は、米長期金利の低下を眺めて 102 円割れをうかがう場面が見られたも
のの、NY ダウ平均株価は堅調に推移したことから下げは一服、結局 102 円 20-30 銭水準
で今月の取引を終了した。
財務省が発表した外国為替平衡操作の実施状況によると、3/28~4/25 日の為替介入
はなく、31 ヶ月連続で介入額ゼロ円だった。
ユーロドル ≪市場・相場の動き≫
レンジ 1.3672(4/4 LDN・NY)~1.3906(4/11 LDN・NY)
今月のユーロドルは、1.37 ドル台後半で始まった。1 日、スペイン 3 月製造業 PMI や独 3
月雇用統計の改善を背景に 1.38 ドル台前半まで堅調に推移した。2 日、3 月 ADP 全米雇用
リポートは市場予想を下回ったものの、前回から大幅に改善したことが好感されドル買い優
勢となり 1.37 ドル台半ばまで下落した。3 日、ECB 理事会で金融政策の現状維持が決定さ
れると発表直後に 1.38 ドル台前半まで上昇したが、ドラギ ECB 総裁の会見が前回よりも追
加緩和の可能性を強調した印象から 1.37 ドル台割れまで急落した。4 日、「ECB が最大 1 兆
ユーロの量的緩和(QE)プログラムでインフレ率に及ぼす影響を試算している」との一部の
報道にユーロ売りが強まり LDN 市場で今月安値となる 1.3672 ドルをつけた。 7 日、ノボトニ
ー・オーストリア中銀総裁やメルシュ ECB 専務理事からの発言で追加緩和に対する思惑が
後退し 1.37 ドル台半ばまで上昇した。9 日、FOMC 議事要旨で量的緩和終了して6ヶ月後に
利上げを行うとの文言がなく、タカ派的な内容でなかったことから米金利が低下し 1.38 ドル
台半ばまで上昇した。10 日、ECB の当局者が量的緩和導入に慎重な姿勢を見せていること
や米長期金利の低下を背景に 1.3900 ドルまで上昇し、翌 11 日には LDN・NY 市場で今月髙
値となる 1.3906 ドルをつけた。
14 日、前週末にドラギ ECB 総裁がユーロ髙に対するこれまで以上に強い牽制発言を行っ
たことから、ユーロが売られたこともあり 1.3847 ドル付近で東京市場が始まった。15 日、独 4
月 ZEW 景況感指数が予想を下回ると 1.37 ドル台後半まで下落した。16 日、欧州時間に 1.38
ドル台半ばまで上昇するも、米 3 月鉱工業生産の市場予想を上回る結果からドルが買われ
1.38 ドル台前半まで下落した。17 日、イースター休暇前の調整相場となり 1.3865 ドル付近ま
で上昇するも、メルシュ欧州中央銀行専務理事の「ユーロ高が続けば ECB は行動する可能
性がある」とのユーロ髙けん制発言が重石となり、ユーロ売りが優勢となり 1.38 ドル台前半
まで下落した。18 日・21 日は海外勢がイースター休暇に入ったことから動意に乏しい小動き
となった。
24 日、独 IFO 景況感指数が市場予想を上回ったことを背景に 1.38 ドル台半ば付近まで上
昇するも、ドラギ ECB 総裁が追加金融緩和に踏み切る用意があるとの考えを示したことや 3
月米耐久財受注の強い数字などから、ユーロ売りが先行し 1.37 ドル台後半まで下落した。
29 日、欧州時間にユーロ買いが強まり 1.38 ドル台後半まで上昇するも独 4 月消費者物価指
数・速報値が市場予想を下回ったため 1.38 ドル台前半まで下落した。30 日、注目されていた
ユーロ圏 4 月消費者物価指数速報値(HICP)が、市場予想を若干下回ったため 1.37 ドル台
後半まで下落するも、ある程度の弱い数字は織り込まれていたことや下値での買い戻しは
強く 1.38 ドル台半ばまで急反発し、1.3868 ドル付近で今月の取引を終えた。
ユーロ円 ≪市場・相場の動き≫
レンジ 140.08(4/8 NY) ~143.46(4/2 TKO)
今月のユーロ円は 142 円台前半で始まった。1 日、ユーロ圏各国の 3 月製造業 PMI が良
好な結果だったことや独 3 月雇用統計の改善でユーロは堅調に推移した。翌 2 日に発表さ
れた日本企業の物価見通しは低調で日銀の追加緩和期待が再燃、円売り・ユーロ買いが
強まるとユーロ円は今月の高値となる 143 円 46 銭まで上昇した。3 日の ECB 理事会では政
策金利を市場予想通り 0.25%に据え置いた。しかし、ドラギ ECB 総裁の会見で、ECB が追加
金融緩和を前向きに検討していたことが明かされると、ユーロが売られて 142 円台前半まで
下落した。その後も独紙が「ECB が、最大 1 兆ユーロの量的緩和プログラムがインフレ率に
及ぼす影響を試算している」と報じたことからユーロ売りが強まり、141 円台半ばまで下落し
た。
翌週 8 日、定例記者会見で黒田日銀総裁が「現時点での追加緩和は考えていない」と発言、
さらにノワイエ仏中銀総裁から「ユーロは強すぎる」との発言も伝わると、ユーロ円は円買い
ユーロ売りが優勢となって今月の安値となる 140 円 08 銭まで下落した。翌 9 日は FOMC 議
事要旨が公表された。これが市場予想よりもハト派な内容だったことが判明すると、米早期
利上げ期待の後退でユーロが買われてユーロ円も 141 円台前半まで値を戻した。
翌週前半、週末にドラギ ECB 総裁が講演で「ユーロ高なら、さらなる緩和措置が必要にな
る」と発言したことを受けてユーロは軟調な値動きに終始した。さらに 15 日に発表された独 4
月 ZEW 景況感指数も予想を下回ると 140 円台前半まで下落した。しかし、16 日には麻生財
務相の年金積立金管理運用独立行政法人に関する発言や生命保険会社が 2014 年度の運
用計画で外債積み増しをするとの報道から円売りが進み 141 円台後半まで上昇した。その
後はイースター休暇で動意に乏しく 141 円台半ばで小動きに推移した。
翌週はイースター休暇が明けてもユーロ円の値動きは小動きで 141 円台での取引に終始し
た。ユーロ圏各国の経済指標が発表され大方は市場予想を上回る良好な結果だったもの
の、ウクライナ情勢の緊迫化で地政学リスクが意識されユーロの上値は重かった。28 日もウ
クライナ問題を嫌気したユーロ売りで一時 141 円台を割る場面も見られた。しかし、ウクライ
ナ情勢の影響は限定的との見方も根強くユーロは次第に買い戻されて 142 円台を回復した。
その後は、29 日に発表された独 4 月消費者物価指数や翌 30 日に発表されたユーロ圏 4 月
消費者物価指数が市場予想を下回ったことで 141 円台前半まで下落する場面があったもの
の、NY ダウの堅調な値動きを眺めて下げ渋り 141 円台後半まで値を戻して今月の取引を終
えた。
他通貨≪市場・相場の動き≫
レンジ
対ドル高値
イギリスポンド
1.6902(4/30 LDN)
スイスフラン
0.8743 (4/11 NY)
豪ドル
0.9460(4/10 LDN)
カナダドル
1.0858(4/9 NY)
シンガポールドル 1.2455(4/9 NY)
タイバーツ
対ドル安値
-1.6555(4/4 LDN)
-0.8953 (4/4 LDN・NY)
-0.9208(4/3 TKO)
-1.1067(4/1 TKO)
-1.2648(4/4 TKO・NY)
32.16(4/17 LDN、4/18 TKO・LDN) -32.555(4/4 TKO)
韓国ウォン(SPOT)1030.10(4/30 SEOUL)
中国人民元(上海) 6.1860(4/9 SHANGHAI)
-1062.50(4/1 SEOUL)
-6.2676(4/30 SHANGHAI)
SIN$・THB・,KRW・人民元
タイバーツ相場は以前政治情勢の混沌が続く中、相場はこう着状態といえるであろう。
憲法裁判所が現職首相の憲法違反を判断することになっており、先行きは不透明である。
オフショアからの取引は手控えられる中小動きの日々が続いている。韓国ウォン相場は 3 月
のウォン安地合いから一転して強部組みの相場となっている。地政学的な北朝鮮の核実験
懸念があるものの株式市場への資金流入を背景にウォン買いが進んでいるようだ。シンガ
ポールドル相場は全般的なアジア通貨買いの流れの中で本年の高値水準へ上伸したもの
の、その後は狭いレンジでのこう着相場となっている。3 月に大幅な元安水準となった人民
元相場はそのまま元安水準に張り付いている。月後半には PBOC 仲値も昨年 9 月以来とな
る 6.15 台が示されている。14 年の第 1 四半期 GDP 成長率は 7.4%と政府策定の目標水準
7.5%をやや下回り、3 月の貿易統計も予想を大きく下回り元安水準が引き続き予想されて
いる。
AUD・CAD・STG
豪ドル相場は先月の高値水準を超えてさらに堅調推移となっている。主として好調な経済
見通しに支えられ、中でも失業率は市場予測を超えて良い水準となり一段と豪ドル買いが
進んだ。英国ポンド相場は月初めに発表された鉱工業生産・製造業生産の指標が良いもの
を示し上伸、さらに英中銀のフォワードガイダンスで7%とされている失業率の数字が 6.9%と
なったことも後押しして 2009 年以来の高値水準となっている。
カナダドル相場は、月初めにその政策金利は据え置きとなったものの、月後半の中銀サ
イドからのコメントで第1四半期GDP成長率の緩やかな伸びとの予測や、金利弱気発言な
どから米ドル買い旺盛となり越月。
以上