資産の貸付け(リース、レンタル)についての経過措置

資産の貸付け(リース、レンタル)についての経過措置
(1) 経過措置、基本となる考え方。
要するに、この日よりも前に契約が成立し、貸付けの期間も値段も決められているもの。
それって、「契約した日の消費税率」を前提として契約されていたりしますよね。
なので、こんな経過措置があります。(8%から10%になる時も同じことです。)
H25/10/1 ~
契
約
H26/4/1
引
渡
料金は5%のままです。
契
約
引
渡
契
約
料金は5%のままです。
引
渡
ここは5%。
ここからの料金は8%です。
注意しなければいけないのは、資産の貸付けというと、レンタルやリースがありますが、
リースだからといって、無条件に、上記のような経過措置の対象になるわけではない!
ということです。
-1-
(文書更新日;H26/6/12 作成者;永岡税理士事務所)
(2) そもそも経過措置の対象になるの?
判定フローチャート
ス タ ー ト !
あなたはなぜ、その物件をリースしたのですか?(借りたのですか?)
A ; ただ単に、その物件が必要だったから。
B ; 実は資金繰りが苦しくって、お金に困っていたので…。手元にある、
自分の物(機械、車など)を、リース会社に買い取ってもらいました。
でも、その物件(機械、車など)が自分の手元にないと困るので、
リース会社に月々の料金を払って、使わせてもらっています。
B
A
形式上はリース会社に自分のモノを売った、となっていますが、
税務上は金銭の貸し借りとして扱われます。
そもそも関係ないので、ここで退場!
このA、Bの条件を2つとも満たしていますか?
A ; 途中で解約できないと契約書に書いてある。
又は
途中で解約できるけれど、解約する際に残りの期間のリース料の
9割以上を払わないといけない。
又は
途中で解約できるし、解約金や残りのリース料支払も要らないけれど
同じリース会社を相手に、同じような商品・機種、より性能の高い商品・機種に
“更新”するための解約にするという条件がついている
B ; 物件から得られる利益もコストも、借りた側が負担する。
(その物件を仮に「買う」としたときの値段の約9割を超えるならそうなる。)
NO
YES
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(文書更新日;H26/6/12 作成者;永岡税理士事務所)
ファイナンス・リースです。(※)
“資産の売買”として扱われます。
オペレーティング・リースです。
“資産の貸付け”として扱われます。
(※H20/3/31 以前契約分は
資産の貸付けになります。
そのモノを借りる期間、および、
その期間中の値段が決められている。
3 回以上の分割払で支払期間が
2年以上、なおかつ頭金が3分の2
以下という長期分割払いでモノを
買った場合。
YES
NO
モノの販売元となる事業者側で
「実際に決済した代金の分
だけ、売上や経費を計上する」
消費税の経過措置の
という経理処理方法を採用している。
対象とはなりません。
YES
NO
次のうち、どちらか一方に当てはまる。
どちらも、モノの引き渡し時 = 売買の時
A ; そのモノの貸し手側が、途中で
事情が変わった等の理由で、
料金変更を求めることができると
いう契約にはなっていない。
なので、消費税の経過措置の対象とは
なりません。
ただし、 YES の場合、モノの引渡し日
の消費税率が5%なら、以後の代金もずっと
5%の税率となることに注意して下さい。
B ; 契約期間中に当事者間でいつでも
解約できる契約になっていない。
そして、そのモノの取得コストの
9割以上の金額が、その契約期間中
に借り手に料金として請求される。
YES
NO
消費税の経過措置の
消費税のクッション期間(経過措置)の対象となります。
税率が上がる前の半年前から注意が必要です。
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対象とはなりません。
(文書更新日;H26/6/12 作成者;永岡税理士事務所)