2016 年速報版 アルジェリアにおける問題点と要望

2016 年速報版 アルジェリアにおける問題点と要望 1 / 3
アルジェリアにおける問題点と要望
区分
1 外資参入規制
意見元
No 問題点
日商
(1) 外資出資比率制限 ・外資規制(外資出資比率Max49%、保有株式売却時のアルジェリア政府・公 ・法令・規則の突然の変更、適用の不透明 ・2009年補正予算法
団による先買権、配当送金に関する不明瞭な運用等)による投資障壁。
性を排除。
・2010年予算法
(変更)
問題点内容
要望
準拠法
2 国産化要請・現地 日機輸
調達率と恩典
(1) 不明確な車両現地 ・2014年末の法改正で現地自動車代理店は2016年末までの自動車産業分野 ・法規で優遇政策、現地調達率等の規定を ・Law No 14-10 of 30 Dec
組立誘致政策
への投資が義務付けられ、外資の参入計画が多数あるが、外資参入、及び
行っていただきたい。
2014(2015年財政法)
自動車現地組立事業に対する優遇政策、条件等が定まっておらず、参入の
障壁となっている。
9 輸出入規制・関
税・通関規制
(1) 自動車・建機分野 ・2015年2月8日付の官報にて2016年2月8日以降自動車・建機等の輸入につ
等における仲介業 いては、商社等の介入が禁じられ、現地代理店がメーカーから直接購入する
者の排除
ことが義務付けられ、当社の介入が現地代理店、メーカー双方にとってメリット
があるにもかかわらず商流に介入できなくなった。
・2015年に産業・鉱山省令により発令された自走機械輸入規制法により、自動
車のみならず、建設機械新車輸入代理店に関しても、厳格に政府の認可が
必要となった。結果、15年5月以降建設機械の代理店在庫販売用の輸入は
止まっており、弊社代理店も同様に政府認可を待っている状況で、いつ輸入
ライセンス、認可を受けられるかは不透明である。
また規制の用件のひとつが、メーカーとアルジェリア現地代理店間における、
直接代理店契約であり、今後アルジェリア代理店と当社が直接売買契約を行
う必要有り。その為、債権回収リスクが増し、信用状の開設など、追加対応を
行う必要有り。また、外貨建て決済制限措置とあいまって、代理店の機械輸入
にも影響が出る可能性有り。
・本年2月より発効予定のアルジェリア向け自動車輸入に係る第三者(日本の
総合商社含む)排除問題(※)に直面している。
(※)これまでアルジェリア向け自動車輸入販売を長きに亘り手掛けてきたが、
先般制定された規則により、アルジェリア向け自動車輸入業者はメーカー
に限定され、弊社含む第三者は輸入手続きを行う事ができなくなるという問
題に直面。駐日アルジェリア大使館並びに在アルジェリア日本国大使館に
もかかる問題解決に向けて協力を要請しているが、現時点に於いては改善
は見られず、このままでは叙述のアルジェリア向け自動車輸入販売に支障
を来たす為、早急なる問題解決が必要。
日機輸
建機工
日機輸
12 為替管理
・条件設定の上、条件を満たす仲介業者に ・Executive decree No
15-58 of 8 Feb 2015
就いては介入を認めるよう法改正の検討
を頂きたい。(特に日本商社)
・規制措置の緩和。
・2015年2月8日付政令第
・規制導入に際しては、外資企業に対話機 15−58号?
会を提供するとともに、十分かつ妥当な説
明と、認可プロセスのタイムフレームの説
明を実施するなど透明性を確保して頂き
たい。
・かかる法規制の撤廃、或いはこれまで輸
入販売を行ってきた弊社(総合商社)に対
しては特例を設けて免除して頂きたい。
建機工
(2) 外貨建て決済制限 ・2015年8月1日から輸入保証金の総額が、自己資本の2倍から自己資本と同 ・外貨規制の緩和。
措置
額へ引き下げられた。これにより、金融機関によるL/C発行能力は半減する
ことになり、将来的に問題が顕在化する可能性がある。
日商
(1) 外貨送金各種規則 ・海外への外貨送金に関し、アルジェリア中央銀行の許可が必要で、許可判断 ・適用の不透明性を排除。
の変更と恣意的運 基準、手続きが不透明にて時間を要する。
用
(継続、要望変更)
・中銀の2015年7月22日付
第02−15号?
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
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意見元
No 問題点
12
日商
(2) 内貨から外貨への ・外国企業は内貨口座(INR口座)とDA建外貨口座(CEDAC口座)を、
・融通性のある金融システムの構築。
転換を伴う外国送
domiciliation手続きを行った銀行(支払場所の決定銀行)で開設し、国内で
金許可取得に困難 の日常的な取引にはINR口座を使用、外国との受送金にCEDAC口座を使
が伴う
用する。同じDA貨であっても国内取引の入金はINR口座へ入金されるた
め、事業終了時にINR口座資金が余剰となった場合、CEDAC口座へ資金
移管し、CEDAC口座から外国送金を行うことになる。この場合、INR口座か
らCEDAC口座への資金移管はCEDAC口座からINR口座へ資金移管した
金額の範囲に限定され、それでもINR口座に余剰資金が残る場合は外国送
金できなくなる。INR口座からCEDAC口座への資金移管を伴う外国送金に
ついてはアルジェリア中央銀行の許可を取得しなければならず、この承認許
可取得に時間が掛かる為、フレキシブルな資金運用ができない。
14 税制
日商
(1) 困難さを伴う付加
価値税還付
16 雇用
日商
(1) 柔軟性に欠ける雇 ・特に一般労務者(ワーカー)、普通自動車運転手、事務員、掃除婦などの単 ・柔軟な雇用制度。
用
純作業従事者の雇用は地域管轄の職業紹介所を介す必要があるため、管轄
内の求職者に限定される。
(1) 行政手続きの遅れ ・官僚制による手続きの遅延・長期化。
・官僚制による手続きの複雑化・長期化を
(変更)
回避するべく、政府間レベルでの対話を
促進頂きたい。
・全般的に行政手続きが遅い。行政に横の繋がりもない。この為、申請者の許 ・スムーズな行政手続きを切望。
認可取得遅延を招く。具体的には、弊社リエゾンオフィス登録更新手続きに約
半年もの時間を要した。これに伴い、現地駐在員のWork Permitの取得も会
計年度を跨って大幅に遅延した。
・縦割り行政で、物事が決まるまでの効率性が非常に悪く、時聞が掛かる。例え ・行政システムの効率性。
ば、労働許可更新申請を雇用局へ提出しても期日内に適切な対応がなされ
ず労働許可有効期日が過ぎてしまい、このことで労働監督局が不法就労を理
由に申請者を裁判所へ告訴し、刑法裁判で罰金刑を科せられたことがあっ
た。また、行政担当者が決定責任を事前に逃れようとするため、特に重要な決
定事項について何も判断を下さずに保留する、あるいは役所の中で盥回しに
することもあり、この様な無責任体質が行政のスピードの遅さの要因の一つと
も言える。申請した案件については継続したフォローを頻繁に行わないと、何
の進展も得られない恐れがある。
区分
23 諸制度・慣行・非 日商
能率な行政手続
日機輸
日商
問題点内容
要望
準拠法
・税務当局の業務の全般に言えるが、特に付加価値税(VAT)還付手続きの時 ・付加価値税還付の迅速な手続きと透明
間と手間が異常にかかり、審査が進むのに何年間も掛かる。日常的にフォロ
性。
ーしないと書類が埋もれてしまうこと、また、税務当局が還付については積極
的でないことで細かく還付申請の不備を探し出し、これを口実に還付申請を
却下するケースが多いと聞く。このような税務当局の対応により殆どの外国企
業は付加価値税還付の問題を抱えており、更には税務当局の異常に長くか
かる審査をフォローしきれず還付を諦めてしまう。また、還付対象となる付加
価値税は事業に直接かかわる品目に限定され、経費などの間接経費に係る
支出に伴う付加価値税は還付対象と見倣されないケースが散見される。過去
に還付請求の約50%を還付されたが、還付された付加価値税の内訳がなく、
還付の判断基準についての情報も全く知らされない不透明性がある。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会
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意見元
No 問題点
24 法制度の未整
備、突然の変更
日商
(1) 各種規制の突然の ・各種規則の突然の変更(例えば駐在員事務所規定の突然の変更)と規則適
変更
用迄に要する時間と不明瞭性。
(変更)
26 その他
日商
(1) 事業場の治安維持 ・憲兵隊、警察など国家組織による治安維持とは別に、事業場に民間警備会 ・警備費用の資金負担を軽減させるために
に係る資金負担
社の武装警備員の配備を義務付けられている。武装警備員に係る費用は企 最低でも年度ごとでの立替警備費用清算
業が民間警備会社へ立替払いし、支払った金額を国へ請求することで国から を確実に実施して欲しい。
還付されるが、現在まで還付されていないため、資金負担が嵩む。事業場に
配備する武装警備員人員数は県安全委員会の指示で決まるが、県は配備人
員数を失業対策に利用している節もある。
日商
(2) 司法の不平等性、 ・司法判断に平等性がなく、親族、友人、知人などの繋がりを優遇し、理不尽な ・司法の平等性。
汚職体質
判決が下されることがある。特に原告の訴えに基づき被害額の鑑定のために
裁判官が任命する法廷鑑定人と原告が裁判の勝訴で請求する損害賠償金に
ついて裏取引するケースが非常に多く、法定鑑定人の被害評価額が理不尽
に高額、その評価内容も中立性に欠ける鑑定結果報告書が裁判所へ提出さ
れるケースが多い。裁判官はこのような鑑定結果報告書を司法判断の材料に
するため、理不尽な判決が下される。原告と法定鑑定人の癒着、裁判官と法
定鑑定人の癒着、更には原告と裁判官の癒着などの汚職体質が存在してい
ることは現地人も認める処である。訴訟に於けるローカルプリファレンスは非
常に高く、現地人や現地企業に対して寛大な判決が出される一方で、外国人
や外国企業に対しては、厳しい判決が下される傾向が強い。
区分
問題点内容
要望
準拠法
・法令・規則の突然の変更、適用の不明瞭 ・2015年商業省令
性を排除。
貿易・投資円滑化ビジネス協議会