使用上の注意改訂のお知らせ

医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。
使用上の注意改訂のお知らせ
平成16年3月
ス ピ ロ ノ ラ ク ト ン 錠 「ト ー ワ 」
東和薬品株式会社
《スピロノラクトン製剤》
この度、標記製品の「使用上の注意」を改訂いたしますのでご案内申し上げます。
今後のご使用に際しまして下記内容にご留意下さいますようお願い申し上げます。
1.使用上の注意改訂内容(3ページに改訂後の「使用上の注意」を記載しておりますので、併せてご参照下さい。)
改訂箇所
改
訂
内
容
(下線部改訂箇所)
「禁忌」
追記
タクロリムス又はミトタンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
新設
タクロリムス[臨床症状・措置方法:高カリウム血症が発現することがある。
「併用禁忌」
機序・危険因子:タクロリムスと本剤の相加・相乗作用により血清カリウム
値が上昇する。]ミトタン[臨床症状・措置方法:ミトタンの作用を阻害する。
機序・危険因子:ミトタンの薬効を本剤が阻害するとの報告がある。]
「併用注意」
改訂
降圧剤(ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、β−遮断剤等)
[臨床症状・措置
方法:降圧作用を増強することがあるので、用量を調節するなど注意する。
機序・危険因子:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用。
]カリウム製剤(塩
化カリウム、グルコン酸カリウム、アスパラギン酸カリウム等)
、ACE阻害
剤(カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル等)
、シクロスポリン、アン
ジオテンシンⅡ受容体拮抗剤(ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキ
セチル、バルサルタン等)
[臨床症状・措置方法:高カリウム血症を誘発する
ことがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意する。]
追記
ジギトキシン[臨床症状・措置方法:ジギトキシンの作用を増強又は減弱す
るおそれがあるので、併用する場合にはジギトキシンの血中濃度の測定を行
うなど、観察を十分に行い慎重に投与すること。機序・危険因子:本剤の肝
酵素誘導によりジギトキシンの血中濃度半減期が短縮すると考えられる報告
がある。また、機序は不明であるが、ジギトキシンの血中濃度半減期が延長
したとの報告がある。]
「その他の副作用」
改訂
削除された項目
その他:怠感、心悸亢進、発熱、肝斑、筋痙攣、脱毛
削
除
内
容
「併用注意」
削除
タクロリムス[臨床症状・措置方法:高カリウム血症を誘発することがある
ので、血清カリウム値を観察するなど十分注意する。]ミトタン[臨床症状・
措置方法:ミトタンの作用を阻害する。
]
2.改訂理由
「使用上の注意」の項を自主改訂致しました。
(
:点線部)
3.解説理由
(1)「禁忌」の項にタクロリムス、ミトタンを記載致しました。
(2)「併用禁忌」の項を新設し、タクロリムス、ミトタンを記載し両剤との整合を図りました。その結果、
「併用注意」に記載していたタクロリムス、ミトタンは「併用禁忌」に移動したため削除致しました。
(3)「併用注意」の項に
1)アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を作用機序から高カリウム血症の発現が予測されるため併用
注意に追記致します。
2)ジキトキシンは、すでにジギトキシン製剤に記載があるため同一文献を評価し、追記致します。
<引用文献>
Wirth,K.E.,et al.:Europ.J.Clin.Pharmacol.,9:345(1976)
Carruthers,S.G.,et al.:Clin.Pharmacol.Ther.,27:184(1980)
(4)「その他の副作用」の項にスピロノラクトン製剤において副作用の症例が集積されたため「脱毛」を
追記致しました。
■使用上の注意(下線部改訂箇所)(改訂項目のみ記載)
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1)無尿又は急性腎不全の患者[腎機能をさらに悪
化させるおそれがある。また、腎からのカリウ
ム排泄が低下しているため高カリウム血症を誘
発又は増悪させるおそれがある。]
2)高カリウム血症の患者[高カリウム血症を増悪
させるおそれがある。]
3)タクロリムス又はミトタンを投与中の患者[「相
互作用」の項参照]
4)本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
乳酸ナトリウム
乳酸ナトリウムのア
ルカリ化作用を減弱
することがある。
ジゴキシン
メチルジゴキ
シン
血中ジゴキシン及び
メチルジゴキシン濃
度が上昇することが
ある。
ジギトキシン
ジギトキシンの作用
を増強又は減弱する
おそれがあるので、
併用する場合にはジ
ギトキシンの血中濃
度の測定を行うな
ど、観察を十分に行
い慎重に投与するこ
と。
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
現行のとおり
2.重要な基本的注意
現行のとおり
3.相互作用
1)併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
タクロリムス
プログラフ
高カリウム血症が発
現することがある。
タクロリムスと
本剤の相加・相乗
作用により血清
カリウム値が上
昇する。
ミトタン
オペプリム
ミトタンの作用を阻
害する。
ミトタンの薬効
を本剤が阻害す
るとの報告があ
る。
2)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
降圧剤
ACE阻害剤
カルシウム拮
抗剤
β−遮断剤等
カリウム製剤
塩化カリウム
グルコン酸カ
リウム
アスパラギン
酸カリウム等
ACE阻害剤
カプトプリル
エナラプリル
リシノプリル
等
アンジオテンシ
ンⅡ受容体拮抗
剤
ロサルタンカ
リウム
カンデサルタ
ンシレキセチ
ル
バルサルタン
等
シクロスポリン
ノルエピネフリ
ン
降圧作用を増強する
ことがあるので、用
量を調節するなど注
意する。
これらの薬剤と
本剤の相加・相乗
作用
高カリウム血症を誘
発することがあるの
で、血清カリウム値
を観察するなど十分
注意する。
これらの薬剤と
本剤の相加・相乗
作用による血清
カリウム値の上
昇
危険因子:腎障害
患者、高齢者
本剤により高カ
リウム性アシド
ーシスが惹起さ
れ、乳酸ナトリウ
ムのアルカリ化
作用と拮抗する
可能性がある。
本剤がジゴキシ
ン及びメチルジ
ゴキシンの腎か
らの排泄を低下
させるため、血中
ジゴキシン及び
メチルジゴキシ
ン濃度を上昇さ
せることがある。
本剤の肝酵素誘
導によりジギト
キシンの血中濃
度半減期が短縮
すると考えられ
る報告がある。ま
た、機序は不明で
あるが、ジギトキ
シンの血中濃度
半減期が延長し
たとの報告があ
る。
4.副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる
調査を実施していない。
1)重大な副作用(頻度不明)
(1)電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症、
代謝性アシドーシス等):高カリウム血症、低ナト
リウム血症、代謝性アシドーシス等の電解質異常が
現れることがあるので、異常が認められた場合には、
減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。また、電
解質異常に伴い、不整脈、全身怠感、脱力等が現
れることがあるので、このような場合には投与を中
止し、適切な処置を行うこと。
(2)急性腎不全:急性腎不全(電解質異常を伴うことが
ある)が現れることがあるので、観察を十分に行い、
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処
置を行うこと。
2)その他の副作用
肝臓
腎臓
頻度不明
女性化乳房注1)、乳房腫脹、性欲減退、陰萎、多毛、
月経不順、無月経、閉経後の出血、音声低音化等
発疹、蕁麻疹等
眩暈、頭痛、四肢しびれ感、神経過敏、うつ状態、
不安感、精神錯乱、運動失調、傾眠等
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等
BUN上昇
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐、口渇、下痢、便秘等
内分泌
過敏症注2)
精神神経系
その他
筋痙攣、怠感、心悸亢進、発熱、肝斑、脱毛
注1)減量又は中止によって通常減退ないしは消失す
るが、まれに持続する例もみられる。
注2)投与を中止すること。
ノルエピネフリンの
血管反応性を低下さ
せるとの報告があ
る。
本剤が心血管反
応性を低下させ
る機序は完全に
は解明されてい
ない。
危険因子:麻酔施
行患者
5.高齢者への投与
現行のとおり
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
現行のとおり
7.小児等への投与
現行のとおり
8.適用上の注意
現行のとおり
9.その他の注意
現行のとおり