会員各位 2015 ISSF ルール 解説 (関係分のみ) 競技運営委員会 ISSF が 2015/3/31 に現行ルールの解釈運用について下記のとおり見解、解説を質疑応答式 で公表しています。国内での競技運営についても下記の見解をふまえて的確に実施される ようお願いいたします。なお設備や装備の事情で早急な対応が困難な場合は、当該大会の TD および競技委員長の判断で極力この見解に準じた対応をお願いします。 6.2.3.1 「ロード」の定義 質問:銃の「ロード」の状態とは、銃または薬室に弾が装填されている状態を指すのか、 それとも装填後アクションが閉鎖された状態を指すのか。 答え:銃に実弾や空気銃弾が触れた時をもってロードされたものとみなされる。「ロード」 の号令があるまでは、銃、薬室、銃身に実弾や空気銃弾を置くことはできない。 6.3.6.4 25m種目におけるバッキングターゲット(副的) このルールは、すべての25m電子標的において、25m標的枠全体をカバーするバッキン グターゲットの設置の義務付けているものである。 質問:25mの紙標的においても同様の大きさのバッキングターゲットの設置を義務付けて いるのか。 答え:そうである。25mバッキングターゲットは標的に当たらなかった弾を特定するため のものであるので、25m種目においては常に標的枠全体をカバーするバッキングタ ーゲットを設置しなければならない。 6.7.7.1 b) 用具検査センター これは、このルールが組織委員会や用具検査ジュリーに、用具検査室が「公式練習日から ライフル、ピストル、ランニングターゲットの競技が終了する日まで、選手の用具の自主 検査のために開けられていなければならない」ことを要求していることを注意喚起するた めのものである。重要なのは、大会期間中いつでも全ての選手に対して用具検査ができる ようになっていることである。引金や弾速チェックを行うピストル選手に対しては、25 m射場で引金おもりや弾速計が利用できるようにする。 6.7.7.1 e) ライフルジャッケトとズボンの用具検査シール ライフルジュリーと用具検査ジュリーは、すべてのライフルの射撃ジャケットと射撃ズボ ンが検査を受け、シリアルナンバーの入ったタグが付けられていることを認識している。 このシリアルナンバーはISSFのデータベースに登録されていなければならない。ライ フル選手はそれぞれの用具にたった一つの有効なタグを付けており、ルール違反がないこ とをランダムにチェックされる。もし選手権大会においてこのシリアルナンバーの付いた タグがないジャケットやズボンを使用する場合、それらは臨時の検査を受け、用具検査シ ールが貼られる。しかしながら、シリアルナンバー付きのタグがなければ、その検査はそ の大会しか有効とならない。 6.7.9.1 競技後検査 このルールは競技後検査で検査される用具を特定している。ライフル種目の検査では射撃 ジャケット、射撃ズボン、下着、テーピング、ライフル銃の検査が行われなければならな い。ピストル種目の検査では靴、テーピング、引金の重さ、ピストルのサイズ、グリップ と弾速(25mRFPのみ)の検査が行われなければならない。ショットガン種目の検査 では弾薬およびスキートのマーカーテープの検査が行われなければならない。このルール では、競技後検査で違反が見つかった際に失格となるのは、6.7.9.1で挙げられている 特定の用具だけであると解釈される。ブラインダーや帽子のように挙げられていない用具 の違反は軽微な違反とみなされ警告を受けるだけで、失格となることはない。ジュリーは、 練習または本選が完了する前に、これらの用具の違反を発見し直させるべきである。 6.14.1 速報の発表 審査室は、このルールにより「各種目、各射群、各ステージが終了後、可能な限り速やか に速報を射場の成績発表板に掲示しなければならない」ことを要求される。ファイナルの スタートリスト作るにあたり、速報の掲示と10分間の抗議時間の提供(6.16.6.1) が必要となる。これは射群終了後、たとえ競技後検査がまだ終了していなくても、直ちに 行わなければならない。競技後検査の完了を待つ必要はない。もし失格者が出た場合は、 速報の第2版を出せばよい。この手順はファイナルスタートリストの発表とファイナル開 始の遅れを避けるために必要なことである。 6.17 ファイナルでのシュートオフや故障後の再射、完射 この2年間に、同点のシュートオフや故障後の再射、完射の際に、撃っていいのか、いけ ないのか、選手が迷っているという不幸な状況に何度か出くわした。ISSFは、選手が どうすべきなのかはっきりと理解するのが難しいこのような状況を認識している。このよ うな状況が生じた場合、選手にはペナルティが科されることはない。状況をはっきりとさ せる必要がある場合、ジュリーはシュートオフに参加する選手にそのことを把握させ、装 填について助言して、選手に認識させるために介在し、そしてシュートオフを完了させる ようにすべきである。ジュリーと射場役員は、シュートオフや故障後の再射、完射に参加 していない選手に装填をさせないようにする用意もしておくべきである。 6.17.1.3 ファイナル中に選手は援助を受けることはできない 6.17.1.3は選手に「ファイナルを完了させるに十分な弾薬を含む用具をもって出頭す る」ことを要求している。このことは、ファイナルを開始するために射座に呼び込まれた ファイナリストは、コーチ、射場役員またはジュリーはファイナルの準備や姿勢の切換え の手伝いをすることはできない。忘れたり落とした用具を運んでもらうのは許されない。 選手が忘れ物を取りに準備室に戻ることは許されるが、他の選手の邪魔をすることなく、 追加時間は認められず、選手紹介時間には射座にいなければならない。 6.17.1.12d)と6.17.1.12k) ファイナリストはいつセフティフラッグを 外すことができるのか これら2つのルールには矛盾がある。6.17.1.12d)では、ライフル・ピストルのフ ァイナリストがFOPで姿勢をとったとき、「セフティフラッグをはずして居銃し、・・・ 空撃ちをすることはできない。 」と書いてあるが、6.17.1.12k)では、「セフティフ ラッグは準備および試射時間が始まるまで、銃に挿入されていなければならない。」と書い てある。ISSFのライフルおよびピストル委員会は、6.17.1.12k)を優先するル ールとすることを決定した。ファイナリストが射座に呼び出されたときには「銃を取り扱 い、姿勢をとり、居銃し、照準練習をすることができるが、準備および試射時間が開始さ れるまで、セフティフラッグを外したり、空撃ちをすることはできない。 」 6.17.3 ライフル三姿勢種目のファイナル 三姿勢種目のファイナルに特別な用具箱が導入された理由は、FOPをきれいに整頓され た状態に保つ方法を提供するためで、それによりライフル三姿勢種目のファイナルがテレ ビ視聴者や観客に対してより魅力的になるからである。我々のスポーツの成功にとって、 イメージは重要な問題である。用具箱の使用に関する基本的なルールは、FOPに持ち込 まれた用具のうちライフルと射撃スタンドを除くファイナルに使用する全ての用具を用具 箱の中に入れておかなければならないし、各姿勢において使用しない用具は用具箱の中に 入れていかなければならない。伏射において射撃ズボンを使わない場合、折り畳んで用具 箱の中に入れておかなければならない。三姿勢種目のファイナリストは使わない用具を用 具箱の中に入れておくように要求される。もしも故意でなく何かが外に出ていた場合、ジ ュリーまたは射場役員はそれを箱の中に入れることができる。射場役員およびジュリーも、 選手が伏射から立射に姿勢を変えた後に、射撃マットをたたんだり、片づけたりすべきで ある。 6.17.3 d) ファイナルの選手紹介中のセフティフラッグの挿入 この件についてはルールで明確になっている。「ファイナリストはライフルを抜弾し、セフ ティフラッグを挿入し、ファイナリストの紹介に備える」そしてさらに「射場役員は銃の 薬室が開けられて、セフティフラッグが挿入されていることを確認しなければならない」。 射場役員やジュリーは、ライフルおよびピストルのファイナリストの紹介中のセフティフ ラッグの挿入の実施を継続することを忘れないようにすること。 6.17.5 25mピストル女子のファイナル 25mピストル女子のファイナルにおける選手の用具の管理に関する新しい方法がグラナ ダの世界選手権大会で取り入れられた。ファイナリストは、ピストル、弾薬、用具を入れ る小形の用具箱を与えられる。ファイナリストは、それを使って射座まで用具を運んだり、 セミファイナルの後に銅メダルマッチに臨む2人の選手が射座CおよびHに移動するため に用具を運んだり、金メダルマッチの2人が、許可を得て、ピストルなどを選手控室に運 んだりすることができる。その他の選手はその箱を使って射場の脇のテーブルに用具を運 び、その後コーチとともに席に着く。この方法はセミファイナルからメダルマッチへの移 行をより楽にすることになった。2015年および2016年でも継続して取り入れてい きたい。 6.19 ISSFのドレスコードはコーチにも適用されるか。 ISSFのドレスコードは選手(6.19.2)と役員(6.19.3)については明確に適 用される。6.19.3にははっきりとコーチの名前は挙がっていないが、ISSFとして は、観客やメディア、TVの目にさらされるFOPに入ることのあるコーチについては適 切な服装をしてほしい。このことは数百万人のTV視聴者が見ているオリンピックのファ イナルでは特に重要なことである。このことは、本選やファイナルでFOPに行くことが あるコーチはサンダル、ジーンズ、カットオフショーツやその他のスポーツの現場にふさ わしくない服装は身に着けるべきではないことを意味している。 7.4.5.1 e) バットプレート下部の突出物の禁止 このルールはバットプレートの下部から突出する装置やウエイトの使用を禁止している。 それはその様な装置をバットストックの別の位置にテープを巻き付けて取り付けこれらの 装置やウエイトがストックの一部であるように主張することも許していない。バットプレ ートの下部から突出した7.4.5.1e)に違反するような装置やウエイトは、たとえそれ がテープで覆われていようとも違反である。 7.5.7 下着 ライフルの三姿勢種目の選手の中には、立射の準備の際に二枚目の下着を重ね着する者が いる。これは全下着の厚さが合計で2.5mmを越えなければ許されることである。下着を 二枚重ねで着るような選手には、下着全体の厚さが2.5mmを超えないことと、競技後検 査の指名検査の対象になることがあることを助言すること。 7.7.3 姿勢切り替えの際の試射的への切換えミス 2014年のWCの中で何度か見かけた、6.11.7.1が間違って解釈され、一つの姿勢 で本射を撃ち終ったあと次の姿勢のために試射に戻すのを怠ったライフルの三姿勢種目の 選手にペナルティが科せられた事例がある。選手が試射的に戻し忘れて、新しい姿勢の試 射の一発目を撃ってしまうとモニターには以前の姿勢の超過弾として表示されてしまう。 これは2点の減点を科すものではない。6.11.7.1や7.7.3の目的は、このような操 作上の間違いをした選手にペナルティを科すことではない。特に簡単に修正できる事なら、 なおさらである。競技中にこのような事態が生じたならば、射場役員と競技ジュリー(ラ イフルジュリーおよびピストルジュリー)は射場事故報告(様式IR)を完成させ、すぐ に射場コントロール室に勤務している電子標的の技術役員と審査ジュリーに報告しなけれ ばならない。技術役員と審査ジュリーはESTシステムに人手による修正を行いFOPに ある選手個人のモニターを試射に直す。 8.7.6.2 e) 「ロード」の号令前の撃発に対する失格(25mのピストル種目) 「ロード」の号令前の装填や撃発に対する正しいペナルティに関する質問を受け取った。 6.2.3.4では「選手が“LOAD”または“START”の号令の前、・・・、その安 全性が問われるならば、その選手は失格になる場合がある。 」と書いてある。一方、25m ピストル種目だけに適用される8.7.6.2e)には「“LOAD(ロード) ”の号令前の撃 発については、失格としなければならない。 」と書いてある。もしこのような違反が、25 mピストル種目で起こったならば、8.7.6.2e)が適用されなければならない。その他 の種目の場合、ジュリーは安全の問題、思い違いの結果、その他の原因があるかどうかを 判断しなければならない。 以上
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