香港(3) 平岩 堅太郎 3.ショッピング 〈はじめに〉 2012/6 英国ではこの 4/21 に 86 歳になられたエリザベス女王のダイヤモンド・ジュビリ ー(即位 60 周年の式典)が催され、国中が大いに盛り上がりました。 返還から既に 15 年、この香港シリーズの〆はショッピングとします。団体旅行でおみや げ店や漢方薬店へ連れて行かれ変なものを買わされひどい目にあった、バブル時代にブラ ンドものを買いあさり海外からひんしゅくを買った、偽物・コピー商品をつかまされた等 香港のショッピングには種々のマイナスなイメージも多い様ですが、今回は返還からの潮 流、巨大モールに限定して述べてみます。 〈返還から 15 年の変化〉 1)巨大資本によるブランドの統合化 多くのブランド(アパレル、ワイン&スピリッツ、パフューム&コスメティックス、ウ オッチ&ジュエリー等の部門)が以下の三つの巨大企業の傘下に入る。 a.ベルナール・アルノー氏率いる LVMH(ルイ・ヴィトン、モエ・ヘネシー、ヴーヴ・クリコ、クリュッグ、ロエベ、セリー ヌ、ベルルッティ、ジバンシー、フェンディ、クリスチャン・ディオール、ゲラン、タグ・ ホイヤー、ショーメ、ゼニス、フレッド、デビアス、ウブロ、ブルガリ、DFS 等) b.フランソワ・ピノー氏率いる PPR(グッチ、バレンシアガ、ボッテガヴェネタ、サンローラン、アレクサンダー・マック ィーン、プーマ等) c.ヨハン・ルパート氏率いる リシュモン(カルティエ、ピアジェ、クロエ、ダンヒル、ランセル、ヴァシェロン・コンス タンタン、ランゲ&ゾーネ、ヴァンクリーフ&アーペル、IWC、モンブラン等) 巨大資本による買収から逃れようと頑張っているエルメス、シャネル、パティック・フ ィリップ等独立系超高級ブランドはごく少数派に。 2)UK からイタリア、フランスへの傾斜 蒸し暑い地域ゆえカシミア・コート等は不要で、旧宗主国離れが進む。 3)金融面でのジョンブルの生き残り 省エネ思想を全く感じさせずクーラーをガンガンに効かせ、真夏でもスーツにネクタイ の英国スタイルを死守。対極にある日本のスーパークールビスはモデルが理由からかかな りだらしない感じ。 4)カジュアル化の進行 カジュアル化が進みついにはレディ・ガガの様に生肉をまとう時代になり、ブランドも 若者向けの新路線を開拓。 5)アウトレット店の出現 大量生産で出来すぎたブランド品を名前を変えて放出するはめに。 6)ネット販売の隆盛 ブランド品も店舗へ出向くことなく通販で購入する人々が増加中。 7)日本人から中国人へ 日本経済の縮小と中国経済の台頭で主役が交代。節度ある日本人に比し客の商品扱いが 荒っぽいので、超高級品も傷だらけでとても買う気になれない。 〈各地区に林立する巨大モール〉 ここでは大雑把に述べますので、詳細はガイドブックを参照して下さい。 1)九龍 ①カントン・ロード ハーバー・シティー メゾネットタイプの巨大路面店の出現。 ②ソールズベリー・ロード ペニンスラ・H・ショッピング・アーケード バブル期の主役も今となってはこじんまりした感じ。 2)香港島 ①セントラル 銀座四丁目の様に距離が程々の為、はしごがしやすい大変便利な地域。 1FC モール:200 ほどの店舗が入った巨大モール。 チャーター・ハウス:ビルが丸ごとアルマーニ。 プリンス・ビル:通がよく行くブランドビル、ダンヒル2F にゴージャスなワインセ ラー有り。 ランドマーク:憧れのショップ集合体。 ギャレリア:エルメスが充実。 ②アドミラルティ パシフィック・プレイス:おしゃれな感じ、店も広く大人気。 ③コーズウェイ・ベイ タイムズ・スクエア:トレンド指向の若者向き。 リー・ガーデンズ:プラダ、ルイ・ヴィトン等に加え香港ブランドも。
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