平成28年10月 第139号 礼に始まる 先日、リオのオリンピックが閉幕しました。地球儀で見ると、 ちょうど日本の反対側に位置するブラジルとの時差は12時 間(日本が進み)であり、完全に昼夜が逆転しています。この ため多くの競技が日本の深夜から早朝、午前にかけて行われる ことが多く、TVでリアルタイムに観戦・応援していたファン は寝不足になったのではないでしょうか。私はこの17日間に わたる競技日程の中で日本代表が見せた数多くのドラマに何 度も感動と勇気をもらいました。すべての選手に感謝いたしま 北海道電気技術サービス㈱ す。 さて、好成績を上げた競技の中に過去最多の合計12個のメ 代表取締役 安保 均 ダルを獲得した柔道があります。柔道は、日本の代表的武道で あり、いわゆる格闘技に属しますが、他の格闘技と一線を画するのは、「礼に始まり礼に終わる」 競技であるということです。武道では、武道場への入退室時には必ず礼をします。礼を重んじる 厳格なスポーツであり、相手への敬意を表すために試合の前後にも心を込めて礼をします。外国 の格闘技であるボクシングなどは、グローブをちょこんと合わせたら開始です。 オリンピックの開催期間と殆ど同じく甲子園では高校野球の熱戦が繰り広げられていました。 野球は武道ではありませんが、日本の野球でも礼が重んじられています。試合開始、終了の時は もちろん、グラウンドに入る時に礼、バッターボックスに入るとき審判に礼をします。塁審にも 礼。特に高校球児は何でも礼です。私は武道に限らず、今回のオリンピックに臨んだ日本代表の 態度、そして甲子園で戦った選手の行動を見て今更ながら感じたことがありました。それは、日 本人は古くから礼という作法を大事にしてきた民族であり、 「礼(礼儀)」とは日本が世界に誇る ことのできる行動様式であるということです。広辞苑では「礼」とは『社会の秩序を保つための 社会規範の総称。規範作法にのっとっていること。敬意を表すこと。 』とあります。「礼」とは相 手を敬うことにより人間関係の潤滑剤となり、社会生活に欠かせないものだと思います。 よく社会人の最低限のマナーは挨拶といわれます。礼と挨拶は、少しニュアンスが違うかも知 れませんが、挨拶は、礼(礼儀)と合わせて相手とのコミュニケーションを円滑にするためのと ても重要なツールです。私たちは日本人としても、社会人としても、礼、挨拶を重んじなければ なりません。 今回のオリンピックでスポーツを通し、僅かでも世界に触れることができました。そして、あ くまで私個人の感想ですが、金メダル授与式のときの国旗掲揚と国歌吹奏、特に体操男子団体の 内村選手以下、全員が笑顔で、そして大声で国歌斉唱しているシーンが特に心に残りました。 毎日のように気持ちが落ち込むような暗い出来事や、陰惨な事件が報道されていますが、それ はマスコミが稀有なことを過度に報道しているだけだと思います。本当の日本とは、古くから礼 節(礼儀と節度)を重んじる素晴らしい国であるということを再認識しました。 -1- 平成28年10月 第139号 無事に退院できました 6 月中旬の事ですが、2 時間の間に 3 回も救急車に乗る事態と なりました。しかし、冥土に行かず無事に帰ってくることがで きました。以下に経過を記します。 6 月 14 日夜、つつがなく一日が終わり自宅でゆっくりシャワ ーを浴びて浴室を出た途端、胸と頭が“ガツン”と痛くなり、 我慢が出来ず妻に 119 番救急車の手配をお願いする事となりま した。程なく救急車が到着し数人のレスキュー隊員も自室に着 きました。血圧測定などその場でできる診断をしている間にな 北海道電気技術サービス㈱ んとか気分も良くなり、一旦様子見ということで救急隊員は引 取締役会長 向井 隆 き上げということになりました。 しかし、その 30 分後くらいから再び痛みが強くなり、再度救 急車を呼ぶ事態となりました。歩くことのできる状態ではなかったためストレッチャーで救急車 へ運ばれ、22 時過ぎに救急搬送先の札幌厚生病院に向うこととなりました。 厚生病院到着後、早速血液検査や CT 撮影を行いその画像を診たところ、これは心臓の「動脈 解離」と診断されたため、急遽心臓の専門病院への移送が決定し、都合 3 回目の救急車が手配さ れることとなりました。 札幌厚生病院で担当してくれた加藤医師が自身で移送先の札幌心臓血管クリニック(以下クリ ニック)に電話連絡を行い、そこで電話を受けたのが院長の道井先生でした。深夜にもかかわらず 院長自ら執刀して下さるとの事でした。 程なく 3 回目の救急車が到着し、ベッドに寝たままクリニックへ移送されました。救急車には 札幌厚生病院で診察に当たった加藤医師も CT 画像とともに同乗されました。 クリニックへ到着後直ちに手術室に入ることとなりました。その後、即麻酔が掛けられ肌着が 切り取られるまでは意識がありましたが、その後は全く解らず。目が覚めたら ICU=集中治療室 におりました。恐らく翌日の朝 8 時頃でしょうか。 心臓の出口の大動脈が解離≒破裂していたので、ひとまず数センチ程度人工血管に取り替えた との事でした。 その後は普段から体を動かしていたせいか、見る見る体力も回復しリハビリで廊下も歩けるよ うになりました。道井院長から経過説明と今後の方針の説明もありました。執刀後の皮膚は表面 上回復したように見えるが、内部では胸骨も切断しており、回復にはしばらく日数が必要とのこ と。今回の手術は緊急度の高い部位のみ応急処置を行ったが、MRI の撮影画像を診ると、頭と手 に行く太い動脈も傷が付いていることが判明しました。先生の説明では、このままでも退院して 普段通りの生活を送ることも可能であるが、再発すると再度の手術は困難となるため、今なら胸 骨の接合も十分ではないため再手術は容易である、とのこと。どちらを選択するか画像を見なが ら詳細に、親切に説明していただきました。そして、その判断は私がするより先生にお願いしま した。 結論として 6 月 27 日朝から再手術を行い、再度 ICU で集中治療となり、経過良好とのことで 7 月 11 日にほぼ 1 ヶ月振りで退院出来ました。 クリニックは丘珠空港の近くで水田、広大な玉葱畑に隣接していました。札幌市に水田がある のです。理事長の藤田勉先生と院長の道井洋吏先生が平成 20 年に共同でクリニックを創立した若 い病院です。設備が立派なのは勿論ですが、働いている先生方=医師は過重労働でないかと思える 位良く働き感心します。朝 7:30 には一般病棟に回診に見えられます。看護師に聞くと 6:30 には 出勤して患者の昨晩の状況を把握し、 ICU の患者を診てから一般病棟の回診をしている由でした。 担当されていた医師も土日といえども見受けますので何時休暇を取っているのか不思議です。そ の上に夜間の救急受け入れ・・。私も深夜にお世話になりました。 理事長の藤田勉先生が 2013 年に「心臓の病気で死なせない」の著書が発刊されています。 冒頭に「D 言葉は使わない」 ダヂヅデド の「だって」 「だけど」 「できない」 「でも」 「どうせ」 ・・。 日常何気なく使う D 言葉はネガティヴイメージ=使わない。感心することが多い書籍でした。一 読をお勧めします。 -2- 平成28年10月 第139号 高機能汎用型継電器 GE 製「GE Multilin」型 保護継電器採用について 当社で水力発電所向けに納めている「制御保護一体型制御装置(D 型制御装置) 」に GE 製「GE Multilin」型保護継電器を採用する方向で、現在検証作業を行っております。 GE 製「GE Multilin」型保護継電器は、保護・制御・計測・記録機能を一体化した上に、通信 機能を内蔵したインテリジェント・エレクトロニック・デバイス(IED)となっており、世界の 多様な系統条件と環境条件に適合していることから、世界各国の様々な電力施設で採用され急速 に普及しつつあります。また、日本でも様々な電力設備で採用され始めております。 これまでの検証作業にて、この保護継電器を採用することにより、87 や 40、51、59、27、64、 95 等、様々な保護要素を1台の Ry ユニットでまかなう事が可能であることや、計測機能を使う ことによってトランスデューサーを省略可能であること、通信機能で PLC を LAN 接続すること により、配線数の低減が可能であることが確認できております。また、波形観測機能も従来 D 型 制御装置で採用していた保護継電器より機能性が向上しているため、事故解析時に従来の保護継 電器よりも詳細な情報を得られるものと考えられます。 今後もこの保護継電器の機能を最大限に活かせる様、検証作業を継続してまいります。そして 年内には本検証を完了させ、今後納入する D 型制御装置に実装したいと考えております。今後と もよろしくお願い致します。 GE 製「GE Multilin」型保護継電器 技術部 制御システム2課 -3- 畑山 洸平 平成28年10月 第139号 苫東厚真発電所 安全パトロール 9月16日に電力システム1課から銅谷、制御システム1課から西村、制御システム3課から 久田、営業部から福田、高橋の計5名によるメンバー構成にて【苫東厚真発電所 1号機タービ ン発電機補助継電器据付工事】の安全パトロールを実施しました。 私自身、安全パトロールの参加は初めてであることと、今後自分が担当する火力の分野で普段 営業が入ることのできないプラント内に立ち入ることができるということで、しっかり目に焼き 付けておこうという意気込みで当日を迎えました。 現地では1号機が定期検査中ということもあり、様々な業種の方々が作業を行っている中、コ ントロールセンタ室内にて作業中であった【シーケンス確認試験】の安全パトロールとなりまし た。 コントロールセンタ室内の一角での作業ではありましたが、KY活動の実施状況や作業員の健 康状態管理、作業現場の整理整頓状況や作業中不安全行動の有無などを5人の目で確認しました。 パトロール実施中に感じた点として、セーフティーボー ドと称して、脱水症状に対する注意を促す掲示物や、危険 な脚立の使用方法を示した掲示物が掲示されており、言葉 で伝えるだけではなく、見ても伝わるような工夫がされて おり素晴らしいと感じました。また、作業現場近くの資材 置き場が他の業者も利用する関係から手狭になり、雑然と しがちなところを【すぐ使用するもの】 【撤去品置き場】 【そ の他】というように分別し、それぞれ別の場所を資材置き 場とする発想は、同じエリアで作業をする他の業者にも気 を配った非常に素晴らしい対応だと思いました。 もちろん、現場によって同じような行動がとれるとは限 1 号機タービン発電機補助継電器盤 りませんが、可能であるならば是非他の現場でも活用して いただきたいと感じました。 最後に安全パトロールに参加して、安全に配慮した様々 な対策があればこそ迅速かつ正確な作業が実現するのだと 改めて感じました。 先日、社長の安保より「事故や怪我などは、何も起きな い時にこそ注意が必要」と話していた言葉のとおり、安全 第一で業務を遂行できるよう、今後も機会があれば他の現 場の安全パトロールにも積極的に参加し、各現場をサポー トしていきたいと思います。 資材置き場 営業部 高橋 博和 -4- 平成28年10月 第139号 暑い夏が過ぎ、ようやく過ごしやすい秋の季節がやってきました。と書きたいところですが、 今年の北海道の夏、特に 8 月は例年と異なり「北海道らしいからっと暑い夏」ではなく、 「雨、台 風の多いすっきりしない夏」だったように思います。この豪雨の被害を受けた方も多くいらっし ゃると思います。早期の復旧をお祈りいたします。また、電力関連においても水力系やその他の 設備に影響が出ているところも多く、弊社も微力ではありますが影響解消に向けたお手伝いをさ せていただいているところです。 9 月 10 月といえばまだまだ台風の発生する時期であり、本州においてはその動向が気になると ころでありますが、8 月に 3 つの台風が上陸した北海道に住む私としても、やはり遠くにあって もその進路をついつい気にしてしまいます。 秋の観光シーズン本番となるこの時期ですが、今年は多くの箇所で道路の損壊等で経路をよく 考えないと行きたいところに行けない、時間が掛かるといったことも想定され、観光客の減少も 危惧されます。 観光に限らず、電力インフラに関わる本業界は、道内一円いつどこに出動するか分かりません。 移動経路もよく考え、雨後の落石、土砂崩れ等の発生する可能性の低いところを通るなど安全第 一を考えなくてはなりません。特に山中の林道は一見しっかりしているように見えても何かのき っかけで崩れてしまうかもしれません。緊急度合いにより通行しなくてはならない場合もあるか と思いますが、災害の予兆が無いかをよく確認しながら行動しましょう。 日常の通勤や出張においても家に帰りつくまでが仕事です。笑顔が最大のお土産です。事故な く秋の季節の良い時間を気持ちよく過ごしたいものです。 みなさま、どうぞご安全に。 専務取締役 向井 潔 情報NO.139 秋季号 発行所 北海道電気技術サービス株式会社 〒069-0832 北 海 道 江 別 市 西 野 幌 1 2 0 - 8 TEL(011)384-8888 FAX(011)384-8889 http://www.hesc.co.jp/ e-mail:[email protected] 発 行 者 向井 隆 編 集 者 業務管理部 -6-
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