ウェストミンスタ-小教理問答 37 問「死の時の祝福」 この世で信者の

ウェストミンスタ-小教理問答 37 問「死の時の祝福」
この世で信者の受ける祝福(32 問~36 問)に続いて 37 問は死の時の祝福です。
死の悲しみと信徒の受ける祝福
1、死の時は、死者にも残される者にも別離の時として悲しみの時です。この事情は、
信徒の場合にも変わりません。人は地上での別れでさえ悲しみます。まして、死に
よる別離は深い悲しみです。死者を悼み、遺族の悲しみを思うことは大切です。
2、しかし、人には別離とは別の死への恐れがあります。
①死の後も魂が存続するとすれば、死後の自分の運命について恐れないわけにはい
きません。
②死によって自分の存在そのものが消滅するのだとしたら、人は深い空虚を恐れな
いわけにはいきません。
3、信徒はこのような恐れからは救われています。信徒にとり死は天国への門です。
ですから、悲しみの中でも、慰めと希望が与えられ、試練の中でも、神の祝福を見
詰める事が出来ます。
4、死は、魂と肉体の分離の時です。信徒は、分離される魂と肉体の両方で、神の祝
福を見詰める事が出来ます。
魂への祝福
1、魂については、
「全くきよくされ」ます。これは完全聖化のことです。
2、私たちは、この世にいる限りは罪人です。罪の赦しという祝福を受けていますが、
罪人であるという現実は変わらず、恐れなしに神の前に出る事が出来ず、正しく清
く生きている晴れ晴れとした喜びを完全には味わえない者たちです。
3、しかし、死の時、私たちの魂をきよめるという私たちの人生の課題は、神の恵み
によって完全に達成されます。神への愛と人への愛において完全な者(完全に聖化
された者)とされて、私たちの魂は、神の前に恐れなく立つ事が出来、また、神と
人を愛する晴れ晴れとした喜びの中で永遠に生きる者とされます。
4、こうして、私たちの魂は、
「直ちに栄光に入ります」
。すなわち、救いの恵みが満
ち溢れる天国の祝福を死後直ちに味わいます。
肉体への祝福
1、肉体については、休みが与えられます。
2、私たちの肉体は、死の時には病気や老齢のために疲れ果てているのが普通です。
長く生きる人はこれを避けることができません。この肉体のままで永遠に生きる事
は祝福ではなく、苦痛なのです。
3、神は、やがて死という仕方で、私たちの肉体に休みを与えて下さるのです。
4、しかも、この肉体には復活の希望が与えられています。
今の肉体と復活の体との関係は、種と麦との関係になぞらえることができます(1
コリント 15:37)。復活の体は、今の体と同じではありませんが、今の体の続きで
す。麦の種が朽ちて青草が生じるように、私たちは今の肉体が朽ちた後、栄光の復
活体が与えられます。
私たちの体は、その復活の日まで墓の中に休むのです。
5、
「キリストに結びつけられたまま」とは、私たちの肉体がキリストから忘れ去られ
てはいないものであることを示します。
人は本来、体と魂を備えて完全な人です。人が人を愛する時、その姿や声や表情
など、体を含んだ人間全体を愛します。同じように、今、キリストは、私たちを体
と魂を備えた人間全体として愛して下さり、私たちと結び合っていて下さいます。
そのキリストは、死の後も私たちの体を大切なものと見て下さり、その結びつき
を廃棄されません。私たちの体は、キリストにとって大切なものとして、死後に朽
ち果てた後も主の関心の下にあり、やがて復活するのです。