BASIC COMMITMENT 経営理 念 東芝メディカルシステムズグループは、いのちの尊さを基本に、医療・健康・福祉の広い分野で人々の健やか な生活の実現のために、グローバルに事業を推進し、豊かな価値を創造します。 1. 健康と尊い命を守る医療に貢献します。 2. 高品質で信頼性のある「商品」と適切な「サービス」を提供します。 3. お客様と共に歩み・成長していく企業を目指します。 M A N AG E M E N T S L O G A N 経営スローガン 「M a d e f o r L i f e 」 人々の健やかな生活の実現のために、 「いのち」と向き合う。 「Made for LifeTM」は東芝メディカルシステムズの経営理念を象徴するスローガンです。 患者さんのために、あなたのために、そして、ともに歩むために。 会社概要 02 商号 東芝メディカルシステムズ株式会社 (TOSHIBA MEDICAL SYSTEMS CORPORATION) 創業 1930 年(昭和 5 年 10 月) 設立 1948 年(昭和 23 年 9 月) 代表者 代表取締役社長 瀧口 登志夫 本社 栃木県大田原市下石上 1385 番地 TEL:0287-26-6211(代表) 資本金 207 億円 グループ従業員数 9,683 人(2014 年 3 月 31 日現在) グループ売上高 4,052 億円(2013 年度実績) 事業内容 医療用機器(X 線診断システム、CT システム、MRI システム、超音波診断システム、 放射線治療装置、核医学診断システム、検体検査システム、ヘルスケア IT ソリューショ ン など)の開発、製造、販売、技術サービス TOP MESSAGE トップメッセージ T O P M E S S AG E トップメッセージ 当社は、 「Made for Life」を経営スローガンに、 これまで世界中のお客様と共に歩んでまいりました。 1914 年 X 線管 研究開発着手に始まる東芝の医療機器事業は100 年という歴史の中で、 つねに最先端の技術でお客様のニーズに こたえ、 医療の未来に貢献してまいりました。 「健康でいきいき生活できる社会」は人類の願いです。 今年、 東芝の ヘルスケア社が設立され、 当社もヘルスケア社グループの一員として「健康でいきいき生活できる社会」の実現を 目指します。 世界中の医療機関の方々との連携により、 いっそうのイノベーションを図り、 疾病の早期発見・診断・ 治療に最適なソリューションの提供を加速してまいります。 私たちは事業そのものが CSR 活動と考え、 これからも より高画質で低被ばく ・より簡単で素早い検査・より患者さんにやさしい診断・治療を継続的に提供してまいります。 グローバルに CSR 経営を遂行します。 地球環境保全に貢献するために環境経営をよ り一層強化します。 東芝グループは、 「生命・安全・コンプライアンスを 地球温暖化あるいは汚染など、生物多様性の維持 最優先」とし、 「事業を通じて、グローバルな社会 に危機が迫っている中で、かけがえのない地球の環 の課題に貢献」していくことを CSR 経営と考えてい 境保全に貢献することは、企業が取り組まなければ ます。紛争鉱物問題についても、東芝グループとし ならない使命の一つです。当社では、製品開発に て対応方針を定め非適法な鉱物の不使用に取り組 おける環境配慮設計プロセスを徹底し、環境性能 んでいます。 No.1 を目指した製品・サービスをお客様に提供する 当社においても、それぞれの国や地域の法令、社 「Green of Product」 、また、生産プロセスの効率化、 会規範を遵守し、医療を通じて地域社会に貢献す 物流プロセスにおけるモーダルシフトといった、事 ることが企業の責任であると認識し、公正で清廉な 業活動全体の環境負荷を最小限にする「Green of 企業であることを目指すとともに、社会からの信頼 Process」を環境経営の施策として実践しています。 を高めてまいります。 2012 年度から外部団体と連携し、本社事業所内の 生物生息調査を行っています。今後は生物の生息し ステークホルダーの皆様とともに歩み、成長し ていきます。 やすい環境づくりと将来を担う子供たちへの啓発を 推進していきます。 今後も、お客様をはじめとするすべてのステークホ ルダーの皆様とのコミュニケーションを重視し、ス ピードを持ってグローバルな事業発展に向け邁進し てまいります。東芝メディカルシステムズグループの 社員一人ひとりが、CSR を実践し、信頼される企業 経営に努めてまいりますので、皆様方の変わらぬご 支援、ご指導をよろしくお願い申し上げます。 代表取締役 社長 03 すべては、人、社会、地球のために。 人々の健やかな生活。持続可能な環境への取り組み。 東芝メディカルシステムズでは、地球的視野をもったグローバル企業として、 人にも地球にもやさしい、医療システムの構築に取り組んでいきます。 そしてあらゆるステークホルダーと向き合いながら、 世界の地域社会に貢献できる企業を目指します。 東芝メディカルシステムズ CSR 活動基本方針 1. “ 命の尊さ ” を基本に社会の一員として、社会に対して積極的に 貢献していくことで社会からの信頼を獲得し、持続的成長を目指します。 2. 生命・安全、法令遵守を最優先に、誠実で透明な経営を実践するとともに、 地球環境に配慮した企業を目指します。 3. 信頼される企業を目指し、お客様や従業員、株主、地域社会など、 さまざまなステークホルダーの皆様とコミュニケーションを図ります。 編集方針 ISO26000 の枠組みに沿った項目形式にて編集。また、環境面の内容を充実させています。 報告対象期間 2013 年度(2013 年 4 月 1 日から 2014 年 3 月 31 日まで)の活動を中心に、それ以前の取り組みや直近の 活動報告も含んでいます。 報告対象範囲 東芝メディカルシステムズと国内外グループ会社。 一部の報告では東芝グループ全体、あるいはグループ会社の活動についても取り上げて紹介しています。 発行時期 2014 年 8 月(前回発行:2013 年 12 月 次回:2015 年 7 月予定) 参考ガイドライン ・GRI(Global Reporting Initiative)・ 「 サスティナビリティ・レポーティング・ガイドライン第3版(G3)」 ・環境省「環境報告ガイドライン 2012 年度版」・ ( 財) 「ISO26000:2010」 04 目 次 CONTENTS 2013 年度の目標に対する主な実績と 2014 年度の目標・計画 項目 2013 年度の主な実施項目 ・社会的な課題解決を目指し、CSR 経営を推進 組織統治/公正な事業慣行 P08 2014 年度の目標・計画 ・CSR 重点テーマの推進と ・コンプライアンス意識を浸透させるために、様々な取り組み " インテグリティ ” の浸透 を実施(階層別教育/e ラーニング教育/職場内テーマ ・グループ・グローバルでの各種 ミーティングの開催等) コンプライアンス施策の推進 ・リスク・コンプライアンス教育の継続展開 人権/労働慣行 P09 ・入社時などにおける人権教育の実施 ・人権啓発活動の継続推進 ・ 「東芝グループ紛争鉱物対応方針」による社内体制の整備 ・紛争鉱物使用状況調査の推進 ・障がい者法定雇用率の継続達成 ・障がい者新法廷雇用率(2.0%)の早期達成 ・ 「ワーク・スタイル・イノベーション」のための各種施策の ・各種休暇の取得推進、時間外労働の削減 立案・見直し ・介護休職者の支援施策継続拡充 ・育児介護休職者の支援施策を拡充 ・労働安全マネジメントシステムによる安全、健康活動の推進 社会性 従業員の安全と健康 P10 (生活習慣予防教育の開催/ウオーキング大会) ・リスクアセスメントの深堀・拡大 、安全 活動の常態化 ・心身の健康の維持、増進 報告 ・世界一安全で品質の良い製品を目指して、品質管理体制を構築 ・製品の品質と安全確保の徹底 ・ 「医薬品医療機器総合機構」ホームページ等における ・製品事故発生時の適切な情報開示の実施 事故情報の公開 ・継続的なお客様アンケートの実施/アンケート回収率向上 消費者課題 P11-13 活動の推進 ・カスタマーサポートの充実を図る、様々なサービスを展開 ・定常的なアンケート調査によるお客様 満足度評価の実施 ・お客様サポートの向上 (顧客向けサービス教育/リモートメンテナンス) ・医療ニーズに応えるために、様々な取り組みを展開 (サイトプランニングの提案/ 3R センターを新設) ・地域の人々と豊かな社会を築くために、様々な地域活動を実施 コミュニティへの参画/ 海外における取り組み P14-17 ・世界各地域における社会貢献活動の推進 (ピンクリボン活動/大田原与一まつり/定期清掃活動等) ・国内だけでなく世界各地で地域活動も推進 ・被災地への適切な支援継続 (トルコ現地法人化/東芝ルーム/清掃活動/がん治療研究 資金運動等) 環境方針/ 環境活動ハイライト 環境マネジメント ・製品の環境性能を理解して頂くために、環境性能を P18-19 グローバルに PR ・省エネ への取り組みが評価され「関東経済産業局長表彰」を受賞 P20-21 ・ 「環境ビジョン 2050」の実現に向け、環境負荷の低減目標を設定 ・環境活動を推進するために、従業員への環境教育を実施 ・環境配慮設計による、東芝グループエクセレント ECP 認定製品 環 境 報告 製品における環境配慮 P22-26 ・環境活動体制/内部統制の更なる強化 ・環境調和型製品の提供 (Vantage Elan™/ Xario™200) ・製品の環境性能 ”No.1” を目指した取り組みを実施 生産・企業活動における 環境配慮 (LED 照明の導入等) ・省エネプロジェクトによる省エネアイテムの実行 ・省エネプロジェクトによる CO2 排出量の削減 P27-28 ・廃プラスチックと古紙の再資源化 ・シュレッダー屑の有価物化推進 ・徹底した水質管理 環境コミュニケーション P29 生物多様性保全の推進 P30-31 ・ステークホルダーとともに、環境推進活動を実施 ・地域との環境コミュニケーションの推進 (工場見学の実施/一斉ごみ拾い等) ・生物多様性保全に向けた様々な取り組みを実施 ・生物多様性保全の継続推進 (生き物観察会/ビオトープ造成/いきものガイドの発行等) 05 特集 小児がん患 児たちの、 那須 工場見学会 いつもは嫌な検査装置を、 今日は楽しいおもちゃに。 「がんの子どもを守る会」を通じて招待 2013 年 8 月に、小児がん患児に向けて「東芝メディカルシステムズ那須工場見学 会」を開催。苦手意識の高い検査装置をおもちゃのように楽しんで触れることが できたらと、 「公益財団法人がんの子どもを守る会」を通じて小児がん患児家族 を那須工場へ招待いたしました。当日は、最新医療システムを使った実験や製造 過程の見学など様々な催しを実施。小児がん患児とそのご家族約 30 人が参加し ました。 「撮られる側から、撮る側へ」 子どもたちにとって巨大な検査装置は、稼働音も大 きく怖いもの。MRI を 「ガンガンお化け」と呼ぶなど、 検査室に行くだけで泣いてしまう子も少なくありま せん。そのような検査装置を、おもちゃのようにし て装置に触れられる撮影体験は子どもたちやご家族 にとって楽しんでもらえるのではと考え、 「公益財団 法人がんの子どもを守る会」の協力のもと、見学会 を開催しました。 当日は、子どもたちが思い思いに持参した果物やお もちゃなどを、画像診断装置にかけて実際に撮影。 「中が透けて見える」 「あっ、種が見えた」など、普 段自分たちに使われている検査装置がどういうもの なのかを体験してもらいました。その上で、 「なぜ検 査中に動いてはいけないのか」 「なぜ検査に時間が かかるのか」をわかりやすく説明し、子どもたちへ の理解を促しました。 06 「もう検査は怖くない」 普段は触れないボタンを押したり、カバーを外した 状態で検査装置を起動させたりと、おもちゃのよう に検査装置に接することは、子どもたちにとって検 査の苦手意識をなくす良い機会になったようです。 おかげさまで、 「また来たい」という大きな声が上が るほど、子どもたちもこの見学会を楽しんでくれたよ うです。また、その後のお便りで「検査が怖くなくなっ た」 「安心して検査を受けられる」といった声もたく さん寄せられました。当初は楽しんでもらえたらと の考えで始めた企画でしたが、装置に触れ、仕組み を知ってもらうことで、結果的に子どもたちの検査 装置への恐怖感や嫌悪感を軽減することにもつなが り、思わぬ効果を得ることもできました。 これからも、こうした取り組みを継続していくととも に、医療システムメーカーとして小児がん患児たち に貢献できることとは何かを考え続けていきます。 当日のスケジュール 11:30 オリエンテーション 12:00 ランチ 13:00 撮影体験 15:00 ↓ 15:30 製造過程を見学 「こんにちは」という元気な声とともにスタート みんなで楽しくランチタイム 大田原市のゆるキャラ「与一くん」も応援に 自分の好きな物を CT や MRI などで撮影 見学会終了 取材もありました CT やMRIを使った撮影体験 たくさんの感謝のお便り おもちゃのように検査機器を扱い、自分たちで好き 「わかりやすくてとても楽しい見学コースでした」 なものを撮影してもらいました。また、どうして長 「 子どもに仕 組み を 理 解させる良い 機 会でした 」 い時間じっとしていなければならないのかを直感的 「検査の恐怖心がなくなりました」など、子どもたち に理解してもらうために、撮影時間を変えたり、撮 とそのご家族からたくさんのお便りを頂きました。 影中に動かした場合の影響を、実際の画像を見せて わかりやすく説明しました。 実際に撮影した画像 「大きな励ましを実感できた一日でした」 公益財団法人 がんの子どもを守る会 理事長 山下 公輔 様 (http://www.ccaj-found.or.jp/) 小児がんの子どもたちとそのご家族のために那須工場見学会を開催いただき、誠にありがとうございました。 私ども「がんの子どもを守る会」は、小児がんで子どもを亡くした親たちによって設立された、小児がん患児 家族の支援団体です。かつては不治の病と言われた小児がんですが、今では、8 割以上の子どもたちが生存 できるようになったと言われております。しかし、辛い治療や痛い検査など、病気の子どもはもちろん、その ご家族も不安に押しつぶされそうな思いで、病気と格闘しているのが現状です。 今回の見学会は、そんな嫌悪していた “ 検査 ” や “ 医療機器 ” に対する認識を変える、大きなきっかけにな りました。また、御社の皆さまと接することで、応援と理解をしてくださる方がこんなにいるんだと、大きな 励ましを実感できた一日にもなりました。今後とも、小児がんの子どもたちとご家族へのご支援を、何卒宜し くお願い申し上げます。 07 組織統治 / 公正な事業慣行 医療を通して社会に貢献し、 多様なステークホルダーの 信頼に応える、 よりよい企業を目指して 社会的な課題解決をめざして、 グローバルに経営を推進していきます。 CSR 経営の推進と体制 当社は、東芝グループの一員として「CSR 経営の推進」を経営方針の柱のひとつと捉え、事業を通じて各種の活動を展開しています。 従業員一人ひとりが「東芝メディカルシステムズグループ行動基準」を実践することにより、世界各地で CSR 経営を推進しています。 公正・誠実な事業活動を推進するため、コンプライアンスの徹底を図っています。 コンプライアンスの取り組み強化 当社では、法令、社会規範、倫理、社内規程などの遵守をグローバルに徹底し、公正・誠実な事業活動を推進するため、リスク・コンプラ イアンスのマネジメント施策を推進し、コンプライアンスの徹底を図っています。そのための教育の継続実施(全従業員を対象に e- ラーニン グ教育、および個別法令に関する遵法教育を継続して実施) 、風土の醸成(各職場においてテーマミーティングの定期開催) 、遵守の徹底(内 部通報制度「リスク・ホットライン」および取引先通報制度「クリーン・パートナー・ライン」の開設)を実行しています。 「健全なビジネス環境をつくっています」 取締役 上席常務 国内営業本部長 鷲尾 信宏 各商談のフェーズにおいてゲートを設け法令遵守のチェックを行うとともにコンプライアンス所管部門と連携 し、各商談が公正に行われているかを確認する仕組みを構築しています。 また、営業・サービスの前線である支社店においてもコンプライアンスの相談員を置き、定期的にミーティン グを開催し、随時従業員が質問・相談できる体制を作るなど、風土・教育といった多方面から醸成を行って います。 「no compliance no business・コンプライアンスなくしてビジネスは成り立たない」というスローガン の下、常に人材教育・インフラの整備によって健全な営業活動を行える環境作りを推進しています。 08 人権 / 労働慣行 さまざまな人材が積極的に活躍できる、 組織づくりや教育・啓発活動に努めています。 人権の尊重 紛争鉱物への対応 当社グループでは、法令遵守はもとより、基本的人 東芝グループは人道的な観点から、コンゴ民主共 権を尊重して差別取り扱いなどを行わないことを基 本方針としています。 「東芝メディカルシステムズグ ループ行動基準」では、個人の多様な価値観・個性・ プライバシーを尊重し、人種・宗教・性別・国籍・ 心身障がい・年齢・性的指向などに関する差別的言 動や暴力行為、セクシャルハラスメント、パワーハラ スメントなどの人格を無視する行為を行わないこと を明示。従業員への教育・啓発活動を行い、人権 和国およびその近隣周辺地域で産出された、非人 道的行為に関わる紛争鉱物の金、タンタル、タン グステン、すずを原材料として使用しない方針です。 2011年10月に紛争鉱物に関する社内体制を整備し、 「東芝グループ紛争鉱物対応方針」を定めてホーム ページで公開しており、当社グループにおいても対 応方針に従った取り組みを進めています。 尊重意識の浸透を図っています。 多様性の尊重 ● 外国人の採用 ● 障がい者雇用の促進 海外現地法人での採用はもとより、国内での外国人 当社グループをあげて継続的に障がい者雇用を促進 採用についても積極的に取り組んでいます。採用後 (新法定雇用率 2.0%以上の維持継続)するととも も教育・研修プログラムにより、多様な人材がとも に、活動の場をいっそう広げていきます。 に活躍できる組織風土づくりに努めています。 すべての従業員が働きやすい、 安全で快適な環境づくりに取り組んでいます。 ワーク・スタイル・イノベーションの推進 仕事と育児の両立を支援 東芝グループでは、効率的でメリハリのある仕事を 当社では、労働組合との協議により、産前産後休業、 し、生活ではリフレッシュと同時に自らを高めて付 加価値の高い仕事につなげる「ワーク・スタイル・イ 育児・介護休職や短時間勤務制度などの仕事と育 児や介護を両立しながら、社員一人ひとりが活躍し ノベーション」に取り組んでいます。当社では労働 続けられるような環境づくりに努めています。 組合と協働して「ワーク・スタイル・イノベーション」 *一般事業主行動計画: さまざまな支援施策の結果、計画期間中に育児休職者を 男性従業員1名以上、女性従業員 90%以上を努力数値とする。 の施策を展開しています。 09 従 業 員の 安 全と健 康 すべての従業員が心身ともに、 安全・安心に過ごせる環境を目指しています。 労働安全衛生の推進 当社グループは、安全を経営の最重要課題の一つと位置づけ、全ての事業活動において生命・安全・コンプ ライアンスを最優先し、安全で快適な職場環境づくりと心身の健康保持増進を推進しています。 ● 労働安全衛生マネジメントシステム ● 従業員の健康づくりの推進 本社では、2008 年 2 月に労働安全衛生マネジメ 全従業員が能力を十分に発揮できるように、健 ントシステムの国際的な認証規格 「OHSAS18001」 康保持増進への取り組みを継続的に実施。2013 を取得し、労働安全衛生施策の推進を図ってい 年度も参加型健康施策として従業員・家族によ ます。 るウオーキング大会を開催し、その他、生活習 「OHSAS18001」サイクルの核となるリスクマネン 慣病対策の一環として健康留意者への就業配 ジメントは、従業員全員参加によりリスクと要因 慮、心のケアとしてメンタルヘルス対策(全従業 を抽出し、従業員の安全意識の向上を図ってお 員への e- ラーニング教育、メンタルヘルス講話) り、2013 年度においては、リスクの分析・管理・ の充実も図っています。 改善方法をブラッシュアップし、より安全・安心 な職場環境づくりに努めています。 生活習慣病予防教育の開催 ウオーキング大会で健康づくり 生活習慣病は、年齢とともに自然と起きる病気とい 11 月 16 日(土)、本社で従業員参加型健康づくり推 うイメージの従来の成人病とは異なり、日頃のよく 進の一環として、労働組合との共催により、ウオー ない生活習慣がつみ重ねられた結果により引き起こ キング大会を開催しました。 される病気であることを前提とし、食生活・喫煙・ 那須塩原市の那須野が原公園を会場として 205 名 飲酒等、年代にあった改善内容を提示し、個々人が の従業員とその家族が参加。2 キロと5キロのコー 改善に向け取り組みやすいよう工夫された内容で説 スに分かれウオーキングを楽しみました。 明を行っています。 実施に当たっては 30 代、40 代、50 代の世代別に 分け毎年継続実施しています。 10 消費者課題 「世界一安全で品質の良い製品」を目指して、 品質管理体制を構築しています。 基本方針 東芝メディカルシステムズは、命の尊さを基本とする経営理念に則って、関連する法令を遵守するとともに、 顧客第一に徹し、お客様に満足していただける高品質で安全、かつ機能を先取りした商品及びサービスを提 供し、社会に貢献することを目指します。 行動基準 1. お客様の立場に立った品質の確保を行います。 2. 関連する法令と契約を遵守するとともに、お客様と第三者の権利を尊重します。 3. 全部門、全員参加で商品の品質と商品を扱うビジネス品質のレベルアップを図ります。 4. グローバルスタンダードに適合した品質マネジメントシステムを確立し、継続的に改善し、維持します。 5. 真因の追究による本質改善を目指します。 製品事故・不具合発生時の迅速な対応 海外現地法人との品質会議 市場で当社製品の事故や不具合が発生した場合、営 2013年5月、 当社グループの海外現地法人の「品質・ 業担当者やサービス担当者などの従業員が現場で入 法規」を担当するマネージャーがTMSC本社に 結 手した事故情報を速やかに品質部門や経営トップに 集し第 2 回グローバル会議を開催しました。 伝達できる品質管理体制を構築しています。 関係者が一同に集まることにより Face to Face によ 報告された情報をもとに、速やかに CPL 委員会* るコミュニケーションが生まれ、品質マネジメントシ が対応を決定。再発が予想される場合には、 「直ち ステムの取り組み、及び各国法規制の動向などを議 にお客様に発生事象をお知らせする」 「速やかに監 論し、課題の把握、最新情報の共有化を図ること 督官庁へ報告する」 「速やかに対策を実施する」こ ができました。今後もこの会議を発展継続すること とを徹底しています。当社の回収情報は、独立行政 により連携を深め、各地域のお客様の立場に沿った 法人医薬品医療機器総合機構 (PMDA)のホームペー 高い品質の製品を提供してまいります。 ジでも公開されます。 * CPL 委員会:CPL は CL(契約に基づく品質保証責任)と PL(製造 物責任)を合わせた略称。 CPL 委員会では、品質統括責任者を委員 長として製品事故や品質問題に関する対応を迅速に決定します。 東芝本社 品質管理体制 コーポレート C P L 検 討委員会 事務局 品質推進室長 委員長 社 長 品質統括本部長 重大 CPL 事故の緊急報告 東芝メディカルシステムズ本社 重大 CPL 事故検討 東芝メディカルシステムズ CP L 委員会 委員長 品質統括責任者 ・事故 対応方針 ・対策の立案 ・監督官庁への報告 東芝メディカルシステムズ社長 報告 CPL 事故の緊急報告 品質統括責任者 CPL 事故の報告 監督官庁 事故対応窓口 法規・安全管理部門長 市場における CPL 事故情報 営業担当 サービス担当 CPL 事故の報告 支社店 / 現地法人 / 代理店 / 責任者 報告 東芝メディカルシステムズ支社 / 支店 / 海外現地法人 / 海外代理店 11 消費者課題 お客様が安心して装置をご使用いただけるよう、 カスタマーサポートの充実を図っています。 顧客向けサービス教育を グローバルに展開 リモートメンテナンスによる 保守サービスの取り組み 当社装置の性能を最大限活用していただくため、サー テクニカルコールセンターでは、リモートメンテナン ビスエンジニア、アプリケーションスペシャリスト、 ス(InnerVision™)を活用し、障害が発生した装置 また医療システムの日常保守を業務目的とする海外 の状況を遠隔で診断。装置の状態や障害箇所の特 の院内エンジニアを対象にした様々な教育を当社敷 定を行い、担当カスタマーエンジニアと連携した対 地内にある「カスタマーサポート&トレーニングセン 応を取ることで、装置の早期復旧に努めています。 ター」で実施しています。海外の院内エンジニアを また、アプリケーションコールセンターでは、経験 対象にしたサービストレーニングプログラムを 2000 豊富なアプリケーションスペシャリストが常駐してお 年から提供しており、これまで 29 ヶ国、183 名の方々 り、遠隔で実際の装置画面を確認しながら的確な が参加。その需要は年々増加傾向にあります。 操作をアドバイスいたします。 また近年では、院内エンジニアのみに留まらず、当社 装置納入実績のある大学専門学校、技術教育・職業 訓練、高等技能専門学校で X 線原理や医療装置の 取り扱いなどについて教鞭を取られている講師の方々 からもご参加いただいたケースもあります。受講後に は教育プログラムに関するアンケートを回収しており、 お客様の声を反映した充実した教育プログラムをご提 供できるよう今後も取り組んで参ります。 12 消費者課題 一人でも多くのお客様に喜んでもらうために、 医療ニーズに応える様々な提案を行っています。 3R センターを新設し、 安全で品質の高い整備装置を販売 最新の 3D 技術を駆使した、 サイトプラニングの提案 昨今、最新機種の導入によってまだ現役で活躍でき 当社ではお客様へ提出するレイアウト図面を年間 る装置が廃棄されたり、適切な整備が行われない まま故障品として転売されてしまうケースが見られ ます。当社では、2013 年 11 月に整備施設として敷 地内に「3R センター」を新設。まだ活躍できる装置 を下取りし、自社による整備を行い、価格を抑えた 高品質の整備装置として国内外に向けて再販売活動 を行っています。すでに 2014 年 3 月までに、国内、 韓国、インド、パキスタン、ベネズエラ向けに整備 装置(Aquilion™64)を 7 台出荷しました。 現在、サードパーティによる中古品が多く流通して 12,000 件作図しています。臨床知識に裏付けられ たオペレーターが経験を活かし、多彩な提案でお客 様の要望を一早く実現します。また、提案力の向上 は2次元から3次元へと飛躍。事前に出来映えをご 確認いただけるよう、お客様の部屋を 3D で再現す るなど、写真と見間違う程の仕上がりでレイアウト イメージをご提供しています。日々進化を遂げるこ とで、すべてのレイアウト図面を 3D で提案できる日 も遠くありません。リーディングカンパニーとして今 後も 3D 技術の取り組みを推進していきます。 いる中、当社で整備事業を立ち上げることは、品質、 安全面で大きな差別化が期待できます。一人でも多 くの東芝ファンを増やしていくために、引き続き装 置の下取りを促進し、国内・海外への拡販を目指し ていきます。 3D の技術で内装や照明を変えれば 同じ部屋でも雰囲気が大きく変わります。 Aquilion64 / 整備 1号機 3R センター 機器だけでなく、医療スタッフや患者さんの位置関係も 3Dで 動画 プレビュー 「整備品の品質に、とても満足しています」 インド B-J 病院院長 ジテン ボルカコティ様 多くの恵まれない患者さんへ医療を提供するために、CT 装置の導入を考えていましたが、 予算の制約もありました。そこで、以前から東芝の超音波診断装置 NemioTM XG を使用し ており、東芝のサービス体制に満足していたことから、東芝メディカルシステムズの整備装 置を導入することにしました。メーカーが再メンテナンスしていることもあり、コスト、品 質ともに安心して購入することができました。実際に装置が届いたときは、外観、内部と もに傷やほこりも見当たらず、まるで新品のようで驚きました。使用開始後も問題なく稼動 しており、とても満足しています。日本の、しかも大手医療メーカーがこのような事業を展 開することは、世界の医療関係者にとって、とても心強いことだと思います。整備事業の さらなる推進をよろしくお願いします。 13 コミュ ニティへ の 参 画 社会のため、人のために、 さまざまな地域活動に取り組んでいます。 ピンクリボン活動の推進 第 33 回大田原与一まつり 乳がんの早期発見・早期治療のために、乳がん検 本社では、地域交流の行事に毎年参加・出展してい 診の大切さを啓発する「ピンクリボン活動」を応援 ます。今年の「第 33 回大田原与一まつり」の流し踊 しています。全国の開催地で乳がん検診ガイドの配 りには東芝グループとして 200 名の大人数で参加し、 布やPRカーの展示など、受診率向上を目指した活 流し踊りの部で “ 優秀賞 ” を受賞しました。 動を継続して行っています。 「ピンクリボンフェスティバル」や「ピンクリボンスマ イルウオーク」など、全国各地のイベントに参加し、 マンモグラフィ撮影検査の紹介と「定期的な乳がん 検診」の呼びかけを継続しています。 第 25 回与一の里大田原市産業文化祭 事業所周辺の定期清掃活動 秋の「第 25 回与一の里大田原市産業文化祭」では、 本社では、地域社会貢献活動の一環として 2013 年 乳がん検診車の展示や擬似乳房でのセルフチェック 7 月より、従業員のボランティアによる定期的(毎月 体験、ポータブル型超音波診断装置によるデモ操作 1回)な清掃活動を実施しています。また、一部の 体験コーナーなどを出展、約 350 名の来場がありま 支社とグループ会社共同による事業所周辺の清掃活 した。地域の大勢の方々に乳がんについての知識と、 動も毎年実施を継続しています。 早期診断・早期発見の大切さをお伝えしています。 14 コミュ ニティへ の 参 画 献血活動 野球教室の開催 本社では、毎年 2 回、栃木県赤十字血液センターと 地域とのコミュニケーション活動の一環として、社 連携して “ 愛の献血 ” への参加と骨髄ドナー登録へ 会人野球で活躍している東芝野球部の監督と選手を の理解と協力を呼びかける活動を継続しています。 招き、本社のある栃木県大田原市近郊の中学校野 球部員 60 名を対象に野球教室を初めて開催しまし た。プロ野球に近い実力をもつ選手による実技指導 は、子どもたちはもちろん、先生や父兄からも大変 好評でした。 医療体験事業への協賛 高齢者世帯の除雪作業 北海道地域行政と道医師会が連携し、小学生を対 北海道支社では、地域の社会福祉協議会と連携し、 象に、地域医療を担う人材育成を目的とした医療体 経済的・体力的に除雪が困難な 65 歳以上の高齢者 験事業を実施しており、当社は超音波診断装置を出 世帯の住居を対象に、従業員のボランティアによる 展・協賛しています。医療現場で使われている装置 除雪作業の活動を実施しています。 を体験してもらうことで、一人でも多くの地域医療を 担う人材が育っていくことを願い、協力を継続してい きます。 15 海 外 に お ける 取 り 組 み 海外現地法人トルコ社にて、さまざまな取り組みを行っています。 職場内での労働安全衛生の改善 Yil 大学の学生寮部屋を建設 当社の現地法人となって以来、東芝メディカルシス トルコ東部地震で大きな被害を受けた Van 100. Yil テムズ・トルコ社(TMST)では、労働安全衛生マネ (ヴァン ユズンジュ ユル)大学に、TMST は被災復 ジメントシステムを構築し、定期的な従業員教育、 興支援として、192 人の学生が暮らす学生寮の全 48 リスクアセスメント、労働条件の改善、職場安全衛 室の内 1 室の建築費用を負担しました。 生活動などを実施してきました。この新しい施策は 従業員満足度の向上につながっています。 S TA F F ' S VOICE USER'S VOICE 東芝メディカルシステムズ Yil 大学寮生 / トルコ社 ウルクヌル ウスルさん CT サポートエンジニア ヴラル ユクセルさん 「より安全・安心な職場環境になったと思います」 「以前のように、学業を続けられるようになりました」 TMST では、外部企業への委託により労働安全問題 私は、Van 100. Yil 大学の人文科学部 分子生物学・ に関する従業員教育が実施されました。この教育に 遺伝学科の学生です。トルコ東部地震の後は、大学 よって、医療ビジネスに伴うリスクへの理解を深め が大きな被害を受けたために、十分な環境で学業 ることができました。また新たな作業工程が設けら を続けることが極めて難しくなっていました。 れ、予防措置として、作業中に直面する可能性のあ だからこそ学生寮の再建を支援してくれた東芝には るリスクを従業員に周知徹底するようになりました。 大変感謝しています。私たちは日常生活に戻り、学 我々テクニカルサービスエンジニアは、これまで防 業を続けられるようになりました。東芝ルームに住 塵マスク、手袋などの防護具を各自が作業で使用し めることを大変誇らしく思います。 ていました。今はこれに加え、専門的な防護具(い 東芝は世界一流のテクノロジー企業ですが、社会問 わゆる「個人防護キット」)が会社から支給されてい 題にも積極的に関わる大変思いやりのある企業だと るので、リスクを大幅に減らせるようになりました。 いうことが分かって良かったです。私たちの将来に さらに、事務所には医師が常駐していて健康面での 向けた貴重なご支援をありがとうございます。 心配事を相談できるので、大変心強く思っています。 スペアパーツの在庫保有を開始 以前、CT装置のある特定部品が不具合を起こした事 例があり、オプションのアプリケーションも動作しない など、お客様には大変ご迷惑を掛けてしまいました。 そこで不具合時の迅速な対応をするため、TMST で は交換部品の在庫保有を開始し、すぐに故障部品を 交換できるようにしました。後日、この不具合の根本 原因が特定され、製造工程の最終試験に手順が追加 され、問題が解消されるようになりました。 16 海 外 に お ける 取 り 組 み 世界各地の現地法人が、社会貢献活動を推進しています。 ウオーキングを通して、がん治療研究に寄付 超音波装置の貸出とアプリを派遣 東 芝カナダ社( TCL)では、トロントの「Shoppers 東芝メディカル・ド・ブラジル社(TMB)が、サンパウ Drug Mart Walk to End Women’s Cancer 」という ウオーキングイベントに TEAM JDMI(Joint Department of Medical Imaging at the University Health Network) のメンバーとして参加する 5 名の東芝チームをサポー トするため、寄付を募ってきました。おかげさまで東 芝の多くの方々の支援と尽力により、10,000 ドル以 ロ市のサンタマルセリーナ病院が開催した大動脈・ 動脈性高血圧予防キャンペーンに参加し、このイベ ントに超音波診断装置 3 台を貸し出しました。また TMB のアプリケーションスペシャリストも派遣し、イ ベントで行われた病院の医師によるサンパウロ市民 の健診をアシストしました。 上寄付するという目標を達成することができました。 開催されたウオーキングイベントには 4,000 人近く が参加し、女性のあらゆるがんに関する研究、医療 の向上、生存プログラムへの資金提供を「Princess Margaret Cancer Centre」を通じて行うこと、また、 総額 800 万ドルもの募金が集まったことが発表され ました。この資金は、Princess Margaret 病院にお 地域医療の向上に超音波装置を寄付 TMB が、地域社会の医療向上に向けた支援として、 25,000 米ドルに相当する超音波診断装置を、ブラジ ルのリオバルドーエミジェ病院に寄付しました。 ける、国際レベルのオーダーメイドがん治療に役立 てられることになっています。 森林の清掃イベントを実施 韓国の東芝グループ会社では、 「ヤンジェ市民の森」 を清掃する “Toshiba Green Campaign” というイベ ントを毎年実施しています。今回は、2006 年の開 始から 8 回目のイベントとなりました。 韓国の東芝グループ会社、全 7 社の従業員約 400 人が、東芝グループのスローガン「人と、地球の、 明日のために。東芝」を実行するため、イベントに 参加しました。雨をものともせず、参加者たちはゴ ミ集めや川の清掃、落ち葉拾いなど、様々な環境清 掃活動を熱心に行いました。 参加した東芝チーム、ウオーキングイベントのゴール地点にて 韓国での森林清掃イベント集合写真 17
© Copyright 2024 Paperzz