1 東京大学 分子細胞生物学研究所 広報誌 5月号(第32号)2006.5 IMCB Institute of Molecular and Cellular Biosciences University of Tokyo The University of Tokyo 目 次 研究分野の紹介(分子遺伝研究分野)……………………… 1∼3 平成17年度受託研究・共同研究一覧 …………………… 31 ∼ 32 受賞者紹介…………………………………………………………… 5 国際会議に出席してみて…………………………………… 33 ∼ 34 定年退職のご挨拶(鶴尾隆、池田恵治)……………………… 5∼6 研究室名物行事(染色体動態研究分野)………………………… 35 退職のご挨拶(梅田正明、粟崎健、梅田千景)………………… 6∼7 バイオテクノロジー懇談会………………………………………… 36 教授に聞く(鶴尾隆教授)………………………………… 8∼ 14 東京大学で子育て…………………………………………………… 36 平成17年業績一覧 ………………………………………… 15 ∼ 22 知ってネット………………………………………………………… 37 おめでとう!大学院博士・修士課程修了者……………… 23 ∼ 24 編集後記(城地保昌、關本美代子)……………………………… 37 次代のホープ達……………………………………………………… 25 研究紹介(田中晃一)……………………………………………… 38 Welcome to IMCB ………………………………………… 26 ∼ 27 鶴尾先生最終講義…………………………………………………… 38 分生研セミナー一覧………………………………………… 28 ∼ 29 研究最前線(細胞形成研究分野、形態形成研究分野、 平成17年度科学研究費補助金採択一覧 ………………… 30 ∼ 31 発生分化構造研究分野、 核内情報研究分野)… 39 ∼ 40 研究分野紹介 分子遺伝研究分野 研究の全体像 DNA複製や、遺伝情報の発現に関わる転写・翻訳といった細胞の基本的プロセスの解明は生命科学の大きな目標 であり、それぞれの素過程の基本的な性質は近年集中的に明らかにされつつある。しかし、それぞれのプロセスが統 合され、どのように統一性を持った細胞としての挙動に結びつくのかについては未知の部分が多く、今後の研究に待 つところが大きい。生命のような複雑なシステムを理解するには、それが成立している階層構造を踏まえることが重 要である。遺伝子は集まってゲノムを構築し、細胞システムの基盤となっている。そして、このような細胞同士の共 生により複合系としての真核細胞が形成された。このような階層の変化を伴うシステム構築原理を理解することを目 標に、本研究分野ではまず、個別の遺伝子発 現調節機構がゲノムレベルに統合され、どの ように細胞レベルでの挙動に結びつけられて いるのかについて、大腸菌やシアノバクテリ アのようなバクテリアを用いて研究を行って いる⑴。そして、ここで得られた知見を、シ アノバクテリアの細胞内共生により進化した 植物葉緑体に適用し、植物の葉緑体分化の分 子機構について解析を進めてきた⑵。さらに、 ミトコンドリアや葉緑体の細胞共生が真核細 胞の成立の基盤となっていることから、原始 真核細胞を用いた細胞共生の基本メカニズム の研究を進めている⑶。以下に具体的な研究 内容について紹介する(図1) 。 図1 分子遺伝研究分野における研究の全体像 2 ⑴ 遺伝子からゲノムへ ∼基本転写装置の使い分けと細胞の生存戦略∼ バクテリアでは単一種のRNAポリメラーゼがゲノム上全ての遺伝子の転写に関わる。この酵素複合体は、触媒活性 をもつ3種サブユニット4量体のコア酵素と、プロモーター認識と転写開始のみに関わるシグマ因子に分けられる。 シグマ因子には特異性の異なる複数種が存在し、共通のコア酵素を特異性の異なる酵素群に機能分化させ、生理状況 に応じた転写調節に関与することが知られている。通常の生理条件で機能する大多数のプロモーターが属する“コン センサス型プロモーター(TTGACA-TATAAT型)”の認識には、“主要シグマ因子”と呼ばれる特別なシグマ因子 を含むRNAポリメラーゼが関わる。そしてこのRNAポリメラーゼが、転写因子や他の調節因子と連携しつつゲノム 全体の遺伝子発現を統合する基本転写装置であり、他のシグマ因子群は少数の特異的遺伝子の転写に関わるとされて きた。ところが、ゲノムからの相同遺伝子検索により田中らは、放線菌やシアノバクテリア、大腸菌などのバクテリ アが、複数の主要シグマ因子相同蛋白質(グループ2シグマ因子群)を持つことを明らかにし、これらを含むRNAポ リメラーゼが実際にコンセンサス型プロモーターを認識することを示した。この結果は、バクテリアが潜在的に複数 の基本転写装置をもち、これらを状況に応じて使い分けることでゲノムの遺伝子発現を統御していることを示唆する ものである。このような基本転写装置の使い分け自体はバクテリアに普遍的であるが、主要シグマ因子以外の相同シ グマ因子群には細菌群ごとの特異性があり、それぞれのバクテリアに固有の生理機能や生存戦略と密接に関連して進 化してきたことが想像される。当研究分野では、従属栄養性の大腸菌、光合成独立栄養細菌のシアノバクテリアをモ デル系として、基本転写装置の使い分けや、そこから派生する重要な生物学的課題について研究を行っている。 大腸菌において、栄養増殖状態では主要シグマ因子(σ70)を含むRNAポリメラーゼが基本転写装置として機能し ているが、栄養枯渇に伴う増殖停止(増殖定常期)などの際にはσ38が発現し、もう一つの基本転写装置としてゲノ ム全体の遺伝子発現状況を大きく変化させる。これは、増殖期では速やかな増殖が適応度を上げるのに重要であるが、 非増殖細胞ではむしろ細胞を様々な傷害から守ることが生存に最優先となることに対応している。栄養源の枯渇の際、 細胞は受動的に増殖を停止しているのではなく、実は積極的に増殖を停止し、非増殖細胞に分化することにより生存 戦略を転換する。しかし、栄養源の枯渇から増殖の停止に至るプロセスの詳細については、大腸菌でも十分な説明が なされていないのが実情である。我々は大腸菌をモデルとして、このような基本的な細胞の増殖制御機構について明 らかにしようとしている。 シアノバクテリアは酸素発生型の光合成を行うバクテリアであり、主要シグマ因子の他に4種以上の相同シグマ因子 群をもち、従って5種以上の基本転写装置の共存という極めて複雑な状況が観察される。最近の解析で我々は、これ らシグマ因子の機能が、概日時計(サーカディアンリズム)を始めとする光環境応答系と深い関係を持つことを見い出 しつつある。光合成生物にとり光は極めて重要な生育因子であり、暗黒に耐える機構なしには自然環境中での生存は 不可能である。日中、光電子伝達系は無尽蔵の還元力とATPを生み出し、これによる炭酸固定反応により糖が生産され、 余剰の糖は貯蔵物質として蓄えられる。夜間にはこれらの糖がペントースリン酸経路などを通じて異化され、還元力を 供給する。我々は最近、一日のうち夕方に活性化されるシグマ因子SigE(基本転写装置の一つ)が糖異化に関わる遺 図2 高等植物における色素体分化と転写調節 図3 原始真核細胞シゾンによるオルガネラ 共生系の研究 3 伝子群を活性化し、 暗条件への準備のために機能することが明らかにした。SigEは窒素源の枯渇によっても活性化され、 中心的な代謝系の切り換えに重要な役割を果たす。今後それぞれのシグマ因子の機能を解明することで、シアノバク テリアの持つ環境応答系の大枠が明らかになるものと期待している。さらに、シアノバクテリアの光合成能は細胞共生 を通じて植物へと受け継がれており、その研究は植物の代謝や調節機構の基礎としても極めて重要である。 このように、基本転写装置の機能はそれぞれのバクテリア分類群の固有の生理機能と密接に関わっている。その機 能を解明することで、逆にそれぞれの分類群がどのような生存戦略を進化させてきたかを明らかにすることができる と考えている。 ⑵ バクテリアからオルガネラへ ∼葉緑体分化の制御機構∼ 植物細胞の中で、葉緑体やミトコンドリアは固有のゲノムを持ち、バクテリアの細胞内共生に由来するオルガネラ である。特に葉緑体では、そのゲノムにバクテリア型RNAポリメラーゼのコア酵素蛋白質がコードされるなど、バク テリアと近い性質が現在でも維持されていることが予想された。1996年に田中らは、このRNAポリメラーゼのシグマ 因子が核ゲノムにコードされることを発見し、葉緑体転写制御の基本構造を明らかにした。さらに高等植物(シロイ ヌナズナ)で6種のシグマ因子が核にコードされることを見いだした。高等植物の葉緑体では、このようなバクテリ ア型RNAポリメラーゼ(PEP)の他、ミトコンドリアRNAポリメラーゼから派生した単サブユニット型RNAポリメ ラーゼ(NEP)が機能する。葉緑体分化過程において、これら2種のRNAポリメラーゼのうちまずNEPが活性化さ れ、引き続いてPEPの活性化が起こる。PEPは細胞質から輸送される6種のシグマ因子群により細かい機能分化を受 け、葉緑体の分化や環境応答に応じた葉緑体転写を司っていく。我々は6種の核コードシグマ因子の機能解析を進め る中で、1)SIG2が葉緑体グルタミン酸tRNA遺伝子などの転写に関わることで、葉緑体における翻訳やクロロフィ ル合成の調節に関わること。2)SIG2により蓄積したグルタミン酸tRNAがNEPと結合し、NEP活性を抑制すること でRNAポリメラーゼのスイッチングに関わること。3)SIG5が様々なストレスで活性化され、葉緑体のストレス応 答に関与すること、などを明らかにしてきた。これまでの解析で、葉緑体分化の際におこる転写制御の流れの大枠は 解明してきており、その全貌解明にも近づいている(図2)。 我々は植物を食料として利用しているが、それは光合成組織(ソース組織)、および光合成産物を蓄積する果実な どのシンク組織であることが多い。植物機能の多くは葉緑体の他、澱粉を蓄積するアミロプラスト、カロテノイドな どを蓄積するクロモプラストといった多様な色素体に依存したものであり、その分化機構の解明や応用は今後益々重 要性を増すと考えられる。葉緑体の分化機構の解明を手始めに、今後はシンク型の色素体分化機構の解明も進め、農 業生産への貢献をも意識した研究を展開していこうと考えている。 ⑶ オルガネラ共生から真核細胞へ ∼原始真核細胞から共生のしくみを探る∼ 葉緑体の共生により植物が生じただけではなく、真核細胞の誕生はミトコンドリアの共生と密接な関係にあった。 いくつかの原核細胞が共生し、一個の細胞として挙動するためには、それらの統合のための制御系の進化が必須であっ たろう。そしてその後の十数億年の真核細胞の進化の間に、もともとの原核細胞システムは縮小し、また統御システ ムの肥大化が進み、真核細胞誕生当時の細胞コンソーシアムの姿は通常の真核細胞からは想像し難いものとなってい る。ところが、硫酸酸性の温泉に生息する単細胞紅藻Cyanidioschyzon merolae(シゾン)には極めて原始的な細胞 体制(核、ミトコンドリア、葉緑体が各一個)が観察され、バクテリアに近いオルガネラを持つ原初的真核細胞であ ると考えられた。そこで我々は、当時東京大学理学部の黒岩常祥教授らと共同で、この細胞の持つ全ゲノム配列を決 定し、細胞共生を可能とした基本的分子メカニズムの解明を目指して解析を開始した。この研究は文科省学術創成研 究費「核・オルガネラコンソーシアムによる真核細胞の構築原理の研究(平成16−20年度)」に採択されて進行中であり、 通常の真核細胞のもつ核を中心とした細胞周期とは別個に、ミトコンドリアや葉緑体にも固有のオルガネラの増殖周 期が定義でき、核細胞周期とはある程度独立した調節を受けていることが明らかになりつつある(図3)。真核細胞 のもつ基本的な構築原理は普遍的であり、これを明確にするには構造や制御系の単純な生物の利用が有利である。そ れを明らかにした上でその原理を高等動植物にフィードバックすることで、複雑な真核細胞に見られる様々な現象を 説明できるだろう。核とオルガネラ間のシグナル伝達経路や、オルガネラが重要な役割を果たす細胞死などの理解に は、このような原始細胞の利用が特に有効であろうと考えている。 以上、本研究分野で進めている研究について簡単に述べてきたが、我々はバクテリア遺伝子の発現機構から開始し た研究を、オルガネラ研究として植物に展開し、バクテリア共生による真核細胞の構築原理の研究にまで発展させて きた。そして現在、真核細胞がバクテリアの共生により生まれたことを踏まえ、真核細胞の理解にもバクテリアシス テムの理解が必須であることを確信して研究を進めている。本研究分野では研究材料として、大腸菌からシアノバク テリア、藻類から高等植物までを基本的に同じ体系、文脈の中で用いている。これは、生物のもつ多様性の中から普 遍性を抽出しようとする方向性の現れであり、学生の教育、そして研究者の研究環境として、世界的にも稀な研究室 であることを自負している。このような中から、単なるモデル生物の理解にとどまらない生物学的見識が生まれるこ とを祈念してやまない。 (文責 田中 寛) 4 徳田元教授 日本農芸化学会賞を受賞 徳田元教授(細胞形成研究分野)は「細菌における蛋白質局在化機構の研究」 により平成18年度日本農芸化学会賞を受賞されました。日本農芸化学会賞は農芸 化学の分野で、学術上または産業上、特に優秀な研究業績をおさめた研究者に授 与されます。徳田教授は分生研 (応微研)に移られてから、分泌蛋白質の膜透過機 構の解析をはじめられ、その後リポ蛋白質の膜を越えた選別・輸送機構の詳細を 明らかにされました。徳田教授は、蛋白質局在化反応にかかわる因子を生化学的 に同定・精製し、高度に純化された系を用いてこれらの蛋白質輸送反応をすべて 試験管内で再構成することに成功されました。こうした系を駆使して、蛋白質局 在化の分子機構やこれらにかかわるバイオエナジェティクスの詳細を解明された ことが評価されての受賞となりました。 (細胞形成研究分野 西山賢一、成田新一郎) 橋本祐一教授 日本薬学会創薬科学賞を受賞 橋本祐一教授(生体有機化学研究分野)は「レチノイドの医薬化学研究とタミ バロテンの創製」により首藤紘一東京大学名誉教授(現・乙卯研究所長)、影近 弘之東京医科歯科大学教授、小林洋一東光薬品工業社長・大野竜三愛知県がんセ ンター名誉総長(現・愛知淑徳大学教授)とともに日本薬学会創薬科学賞を共同 受賞されました。本賞は昭和63年に設けられ、「医薬品の創製およびそれに関連 した薬学の応用技術の開発に関して、独創性があり、医療に貢献する研究業績を あげた者に授与する」と規定されていますが、昨年度まで受賞した25グループは すべて製薬会社などの企業や医学関係者のグループであり、今回の受賞は大学の 薬学系研究者を中心としたグループとしては初の受賞になりました。 渡邊嘉典教授 日本学術振興会賞と日本学士院学術奨励賞を受賞 渡邊嘉典教授(染色体動態研究分野)は、 「染色体の均等分裂と還元分裂の違 いを作る分子機構」により日本学術振興会賞を受賞されました。さらに、受賞者 のうち特に秀でた研究に併せて授与される賞である日本学士院学術奨励賞を受賞 されました。渡邊教授は、細胞が増殖するために用いられる均等分裂と、真核生 物が子孫に遺伝情報を受け継がせるために身につけた特別な分裂様式である還元 分裂の分子機構の違いについて研究を進めてこられました。渡邊教授は、姉妹染 色分体接着因子コヒーシンの違いがその理由であることを示され、さらに、コヒー シンを保護することで還元分裂を可能にする新規タンパク質であるシュゴシンを 発見されました。これらの成果は、生物が遺伝情報を子孫に伝達するという極め て基本的な生命現象に分子生物学的な理解を与えるものであり、今後のさらなる 発展が期待されます。 5 受賞者紹介 平成18年1月以降で、新たに下記の先生が賞を受賞されましたので、ご紹介致します。 (①受賞された賞名、②受賞年月日、③受賞題目) ☆核内情報研究分野 武山 健一 助手 ①日本農芸化学会農芸化学奨励賞 ②平成18年3月25日 ③核内レセプターリガンドの生理作用発現機構に関する 研究 ☆生体有機化学研究分野 棚谷 綾 助手 ①日本薬学会奨励賞 ②平成18年3月27日 ③核内受容体活性制御仮説に基づく特異的リガンドの創 製研究 ☆核内情報研究分野 山本 陽子 リサーチフェロー ①13th Workshop on Vitamin D Young Investigator Travel Award ②平成18年4月9日 ③A Tissue-Specific Function by Unliganded Nuclear Receptor 武山 健一 助手 棚谷 綾 助手 山本 陽子 リサーチフェロー 定年退職のご挨拶 細胞増殖研究分野 教授 鶴尾隆 平成元年5月に㈶癌研究会から、当研究所の前身である応用微生物研究所に移り、 早や17年が過ぎようとしています。最も若かった教授が、いつのまにか最年長にな り定年を迎えることになりました。17年とは研究生活の半分以上を当研究所で過ご したことになります。当時、大岳教授(瀬戸教授の前の教授)とがん研究でのつな がりがあり、宮地所長に呼んで頂きました。大岳先生は農学系、宮地先生は理学系 であり、私は薬学系ですが、領域にとらわれない人事は当研究所の行き方であった ように思います。また全く面識のなかった大岳先生とのがん研究での少しの出会い が、私の人生の方向を決めた訳で、 「人との出会い」の不思議を感じるとともに、分 生研のきっかけを作って下さった大岳先生には深く感謝しております。 さて、スペースに制限があるので多くは書けませんが、研究の上では、癌研でやっ てきた抗がん剤耐性の研究を、内藤、冨田、藤田、中島、芳賀先生達と新しい方向に展開することができました。 これらの先生方は、切り拓いた局面での新しい研究を展開しており、心強く思っています。そして留学生を 含めた素晴らしい薬系、医系の大学院生、そして企業からの研究生と研究できたことは大きい喜びです。 我が国の科研費の中で最も大きいものの一つである文科省「がん特定領域」研究の総括代表を平成11 ∼ 16 年務めたことも、今となっては貴重な体験でした。丁度平成11年から15年までは、所長をも拝命し、私の一 番忙しかった時かと思っています。当時の高橋事務長と、新棟建設、改組で走り回りましたが、文科省も当 研究所を高く評価して頂いたと感謝しております。これら全ての仕事は、分生研事務の皆様、そして当教室 の谷内田、三原、長谷川さんが居なければできなかった仕事であり、改めて深く感謝しております。 「人との出会い」の不思議を初めに申し上げましたが、分生研に来て頂いた豊島先生はポンプ研究の偶然の 出会いが始まりでした。そう云う点では分生研に来て頂いた秋山先生、宮島先生、加藤先生、橋本先生、後 藤先生等も研究上のつながりがある素晴らしい先生です。これからも分生研は素晴らしい研究を展開できる 研究所であり続けてほしいと願っております。益々の発展を心より祈念致します。 6 活性分子創成分野 安全衛生管理室 池田恵治 ―― 研究所で得た教訓 ―― 私は少年時代からの夢で、天文学者か理論物理学者になるつもりでしたが第二志望の関係で農芸化学科に 進学しました。 化学や生物にも興味がありました。当時の応用微生物研究所に技官で入所し放線菌の特許分類のためのワッ クスマン超古典分類というものに遭遇しました。現在のゲノムサイエンスの技術水準からみれば極めて未熟 な方法しかなかった時代でした。 やがて世界的権威養成の為の研究(者)至上(私情)主義メンバーの“毒をもって毒を制する”処方箋の 見込み違いの実例から発する人間関係の渦巻模様の波紋が広がる特殊な状況に遭遇しました。それは自然界 生態系の“化学と生物”分類学的比喩が当てはまらないより複雑な奥行きがあるものでした。多くの構成員 が反面的な意味で教訓を得る“綱渡り的体験”という高い授業料を払ってきた1970年代という時代がありま した。『・・・・特殊時代は遠くなりにけり!。 』若い人達にその当時の状況の生きた教訓を誤解なく語れる「生 き証人的語り部」が極めて少なくなり妙にさびしい限りです。 1995年の阪神大震災で自分の生誕地のすぐそばの阪神高速道路が600m倒壊しました。超高齢及び高齢の老 婆の二人住まいの実家も半壊し、復旧及び地域の復興の為職場専念義務解除を受けました。その後妙に実験 系の職場復帰というものが自分だけでなく構成員全体とって気になりました。東大として建物の耐震性安全 対策が実施された事が工学部八号館のアーケードをくぐる機会がある時に感じますが、それに比べ1950年代 に建築された分生研本館のその後の耐震補強工事が何かチャチに見えました。 法人化後は安全衛生管理室員として不充分ながら手伝いをさせていただいていて感じた事は安全と効率を 両立させる目的とは何処かが違っている法体系が大学の現場にお役所的に適用され、皆がそれに否応無く組 み込まされていっている様に見受けられる事です。大学が事務的、機械的に締め付けられて負担が増える方 向ではなく、千差万別の研究室の現場を知っている人間の意見が反映されやすい様に柔軟に対応できるシス テムが考えられても良いと思います。 退職して実験科学の現場を離れ科学評論家として静かな余生を過ごしていく予定ですが研究所に勤めてい た貴重な体験は死んでも忘れない点があります。諸先輩を含め色々な事を教えて下さった皆様にこの紙面を 借りて厚くお礼申し上げます。 退職のご挨拶 細胞機能研究分野 助教授 梅田正明 4月1日付けで、奈良先端科学技術大学院大学のバイオサイエンス研究科に赴任しました。3月まではい ろいろお世話になり、ありがとうございました。 私は大学院に進学する時に、当時応微研の大坪先生の研究室に配属されました。それ以来、留学していた 期間を除いて19年に渡り分生研で研究を続けたことになります。19年というと人生の四分の一にあたるわけ ですから、今になって思い返せば、いろいろな面で研究所の構成員の方達や組織そのものにも影響を受けて きたと感じます。これまでの経験を糧にして、今後は奈良先端大の学生の指導、研究に力を注いでいきたい と思います。 分生研では、私は主に2つの仕事で多少なりとも研究所に貢献できたのではないかと思います。一つは放 射線取扱主任者です。私が助手として仕事を始めた頃は、アイソトープを使う研究室はできる限り主任者資 格を取るような指導が徹底しており、私も1ヶ月ぐらいかなり必至になって受験勉強した記憶があります。 実は主任者試験に合格したことがきっかけで在外研究員としてドイツに留学することになり、結果的に現在 の研究テーマにつながる仕事を始めることになったのですから、文字通り分生研とは切っても切れない縁が あったと言えます。二つ目は、 この分生研ニュースの編集委員長です。主任者と同様、これも消去法で私に回っ てきたのですが、実際に編集作業に関わってみるといろいろな先生方の考え方に触れることができ、とても 貴重な経験になりました。特に学術論文に対する価値観は多種多様で、分生研としてアピールできるか否か という基準を巡ってはかなりの幅があることも実感しました。研究分野の違いもありますが、それよりも研 究者個人の考え方に依るところが大きいこともわかりました。分生研ニュースでは私の時から「教授に聞く」 の連載を始めましたが、これにより新旧の編集委員の先生方にはたいへんな仕事を増やしてしまったかもし れません。毎回苦労してまとめている記事ですので、読者の皆さんに喜んで読んでもらえれば連載を始めた 甲斐があったと思います。 奈良は空気も良くて、研究するには最適なところです。私も、一緒に東京から移動してきた学生も関西は 初めてですが、奈良の人達の素朴な優しさ触れて、新たな気持ちで研究生活をスタートしています。今後は これまでのバックグランドを生かして、植物の幹細胞の分裂・分化制御を中心に研究を展開していきたいと 考えています。これまで同様、分生研の先生方のご指導をよろしくお願い申し上げます。 末筆ながら、分生研の益々のご発展を心よりお祈りいたします。 7 高次構造研究分野 助手 粟崎健 3月末日に分生研を退職し、4月よりマサチュウセッツ大学・医学部・神経生物学部門に異動いたしました。 分生研では、高次構造研究分野(伊藤啓研究室)に3年半の間お世話になりました。早いもので、伊藤啓研 究室には、岡崎・基生研時代を含めると7年間在籍したことになります。当初、伊藤さんが掲げる「脳神経 回路の網羅的記載」というテーマに興味を持って、研究室に加わりましたが、正直に申しますと、私はこの 研究テーマにおいて伊藤研究室に貢献することができませんでした。しかし、この研究室に在籍したおかげで、 私がこれから、どのように研究にとりくんで行くべきか?その一端が見えてきたような気がします。伊藤先 生ならびに研究室の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。 分生研には、多くの研究者がおられ、皆様の研究に対する取り組む姿から、そしてお話をすることで多く の刺激を得ることができました。中でも大きく影響を受けたのは、加藤茂明教授からの一言でした。若手研 究者の会で講演された後の懇親会で、今後自分がどのようにして研究に取り組んで行くべきか?をご相談し たところ、「君はこれから相当頑張らないと ヤ・バ・イ よ」との忠告を受けました。この言葉の意味する ことは深く、「腹をくくらなければだめだよ」との意味であったと解釈しております。加藤先生のお言葉だけ ではなく、他にも多くの方々からいただいた激励が、私の背中を押して下さり、今回の渡米を決意させたと 考えており、大変感謝しております。 当初は、マサチュウセッツ大学というくらいだから、ボストンにあるのだろうと安易に考えておりましたが、 実は医学部はボストンから西に40マイル離れた、ウースターという町にありました。都会の喧噪から離れた、 自然にあふれた環境の中にキャンパスがあり、大変気に入っております。また、偶然にも、マサチューセッ ツ大学は、私の母校、北海道大学の前身・札幌農学校の初代教頭を務められたクラーク博士の母校であると のことであり、何かの縁を感じております。 今後とも引き続きご指導ご鞭撻賜りますようよろしくお願いいたします。分生研の皆様のご活躍をお祈り いたします。 連絡先 Takeshi Awasaki Department of Neurobiology University of Massachusetts Medical School 364 Plantation Street, Worcester, MA 01605-2324 Phone: 508-856-8574 Fax: 508-856-6266 [email protected] 細胞機能研究分野 技術専門職員 梅田千景 この3月末日をもちまして、分生研を退職致しました。普段は過去を振り返る機会がほとんどなかったの ですが、計算してみますと、14年もの長きに渡り分生研のお世話になったことになり、その長さに改めて驚 いております。 就職したての頃は学生さんと同世代で、学生さんと一緒に勉強させてもらったり、時には一緒に遊んだり という日々を過ごしていましたが、いつの間にか学生さんよりも遥かに年上になってしまい、その昔、共に 学び共に遊んだ学生さん達が立派な先生として活躍されているということを耳にすると、時の流れを感じま す。 この14年間、スタッフの方々や、学生さんなどに様々なことを教えていただき、さながらお抱え家庭教師 軍団に囲まれているような状態で、大変幸せな環境だったと思います。その、恵まれた環境を生かし切れた かどうかは甚だ疑問ですが、なんとか技官、技術職員として働いて来れたのも、御協力下さった皆様のお陰 だと思っております。 また、環境安全の仕事に関わったことも良い経験になりました。関わったと言いましても、研究室内の業 務のみでしたが、様々な提出書類を処理するにあたり学んだことは新しい職場でも役立っております。 この4月からは奈良先端科学技術大学院大学で技術補佐員として勤務しております。時間雇用職員ですの で、勤務時間も大幅に減りましたが、仕事の内容はほとんど変わっておりません。分生研で学んだことを新 しい職場でも生かすことができればと思っております。 最後になりましたが、長い間お世話になり、どうもありがとうございました。 8 ― 教授に聞く ― 細胞増殖分野 鶴尾隆 教授 今回は長年にわたり癌の化学療法の研究で功績を 上げられ、また日本の癌研究の推進に関しても多大 な貢献をされ、昨年秋の紫綬褒章を受けられました 鶴尾隆教授にお話を伺いました。分生研を退官され るにあたり、学生への励ましのお言葉も頂きました。 聞き手:細胞増殖分野 博士課程3年 徳田恵美 (T) 修士課程1年 中村鑑斗 (N) 学生時代 T:まず先生の学生時代についてお伺いしたいと思 写真1:教授室にて質問に答えられる鶴尾先生 います。先生はどのような学生だったのでしょうか。 ジャー、あの3つの塩基の情報が1つのアミノ酸 鶴尾:私の生まれは東京ではなく、香川県、四国で を固定するというお話を浮田先生から聞いたので す。したがいまして、大学で初めて東京へ来たので す。 す。ですから、下宿生活で大学の学生時代を始めま 初めはそんなきれいな話があるのかなと、少し疑 した。当時はもちろん今ほど日本は豊かではなかっ 問も持ったのですが、非常にそのメカニズムに興味 たから、下宿といっても本当に部屋だけのものが多 を持ちました。それで3年の夏に、長野県に夏休み かったと思います。駒場で2年、その後本郷に行き に行く機会がありまして、そこで生化学の勉強、主 まして、千駄木という大学から非常に近いところに に先ほど言いましたDNA、RNA、タンパク、セン 住んでいました。ご存じの通り、薬学部というとこ トラルドグマを中心とする本をいろいろ読んで非常 ろは実習その他で非常に忙しいところで、そこでま に面白いと思ったのが、大学院に行こうと決めた じめに勉強、研究したかと思いますね。 きっかけです。 大学院での研究生活、アメリカ留学 T:それでそのような道の大学院に進まれたわけで すか。 N:先生が研究を始めたきっかけについてお聞かせ 鶴尾:そうです。あのころの薬学部では浮田先生と ください。 水野先生などがそういった研究をやっておられたと 鶴尾:薬学部では、4年のときに教室配属になりま 思いますが、浮田先生に何となく波長が合ったとい す。私は生化学、生物学に興味があったので、当時 いますか、浮田先生のところで勉強したいと考えて の衛生化学裁判化学教室に行きました。そこの教授 先生の部屋に行ったのです。 が浮田忠之進先生、核酸研究を日本でも初めの方に 始められたパイオニアの先生でした。浮田先生は生 N:それでは研究室に入られるまでは、生化学一本 化学の講義をやられていて、 私は3年のその講義で、 に絞るというお気持ちではなかったのですか。 DNA、RNA、タンパクという、いわゆるセントラ 鶴尾:しかし、中学校の卒業文集を読んでみますと、 ルドグマの話を聞きまして、トリプレットメッセン 自分は将来そういった方面の研究者になりたいとい 9 す。これも当時の『B.B.A.』という雑誌など、何報 かの論文にまとめることができました。 それでドクターで何をするかを考えたのですが、 私はDNAの合成に興味があって、DNAポリメラー ゼの仕事をしたいと考えました。浮田研はRNAを 随分やっていますけどDNAをやっていませんでし たから、研究室では全く新しい仕事だったのですが、 浮田先生は了解してくれました。浮田先生も核酸の 領域で何か新しい研究をしたいという希望があった のだと思います。材料がたくさん取れないと酵素は 精製できませんから、ラット腹水肝癌の系を利用し ました。これは癌研の吉田富三先生が腹水肝癌の系 写真2:インタビュアーの中村さん(手前)徳田さん(奥) をいろいろ持っていまして、お茶の水の佐々木研究 所の佐藤博先生のところでその材料を頂きました。 うようなことを書いていましたね。 研究室でDNA合成をやっていなかったので、私 は名古屋大学の岡崎令治先生―DNA複製のときの N:早い。中学生のときに(笑) 。 岡崎フラグメントというものを発見された、非常に 有名な先生でしたが、広島のご出身で、原爆に遇わ 鶴尾:北里柴三郎といった名前を書いていたと思い れた経験があり、その後白血病で亡くなられたので ます。だから医学、薬学領域の研究者になりたいと すが―その先生のところに3カ月ほど研究派遣をし いうのは小さいときから思っていたのだと思いま ていただきまして、DNA合成の系を習いました。 す。 東京へ帰ってきて、ドクターの仕事も、先ほど 言いました佐々木研の佐藤先生の腹水肝癌などを T:その後アメリカに留学されて。 使いまして、これも何報かの論文にまとめることが 鶴尾:浮田先生というのは核酸の化学合成に関して できました。そこで私の人生の転機だったのは、私 も日本のパイオニアでしたので、私は4年生のとき がドクターを取った年の5月に浮田先生が癌で亡く は、核酸の合成関係、ヌクレオシドの合成の研究を なられたことです。その後アメリカから日本人の先 やりました。DNAを化学的に作るための1つのマ 生が来られましたが、いろいろありまして、研究室 テリアル、2―ベンジルウリジンというものを作っ の何人かの方はテーマを変えて留学されることにな たと思いますけど、 それを合成するという研究です。 りました。私はウイルスのDNA合成をやりたいと その4年生のときの研究についての論文は薬学界の いうことで、アメリカのセントルイス大学に留学し 雑誌に掲載されました。 合成をやったということは、 ました。モーリス・グリーンというアデノウイル 後々非常によかったと思います。 スの研究では当時100万ドルの予算を持つとても大 そ の 後 修 士 に 入 り ま し て、 リ ボ ヌ ク レ ア ー ゼ きい研究室でした。その後1年3カ月後にDNAだ (RNase)の研究を助手の寺尾先生という方に付い けじゃなくて、RNAの研究をしたいということで、 てやりました。当時浮田研というのはRNaseでは日 UCLAのバルーダ先生のところへ移りました。アメ 本でトップを走っている研究所の1つでした。ウ リカというのは、当時はもう日本と比べたら段違い シの膵臓のRNaseに関する研究は国際的にも知ら に立派な国でしたね。そして、セントルイスという れていたし、構造の研究もやられていた。私はい のは平原の中の、ミズーリ川添いの街で、西の方は ろいろな種の膵臓のRNaseを精製しようということ 大平原なわけです。ちょっと郊外へ行くともう真っ で、ブタとクジラの膵臓からRNaseを精製しました。 直ぐの道がうねりながらずっと続いているという、 RNaseにお砂糖が付いていまして、そのお砂糖がア 日本では見られないような光景をまのあたりにし スパラギンに付いているという構造を決めたので て、非常に感動したことは今も覚えています。 10 帰国、癌の化学療法の研究に着手 するのではないかということに興味があって、カル シウム依存性のタンパク分解酵素が何らかのタンパ N:その後アメリカから帰国され、癌治療の基礎研 クを分解することで、生体のカスケード反応が起こ 究に癌研で取り組まれることになられたわけです るのではないかということを研究していました。た ね。 だ困ったのは、化学療法の発表会があるのです。そ 鶴尾:私はウイルスの生化学、あるいはウイルス生 こでカルシウムの話をしても分かってもらえない 物学の研究に興味があったのです。ところがちょう というか、異なる領域なわけです。それで困りまし ど私が留学をするときに、後任の教授として野島先 て、カルシウムに関係のある抗癌剤に関する仕事を 生、国立予研にいらっしゃった先生が衛生化学の教 考えました。それは細胞骨格のチューブリンがカル 授としてこられまして、日本に帰ってこないかとい シウムと関係するので、カルシウムの環境を変えた うお話があったのです。2度目にお話があったとき らチューブリンに働くビンカアルカロイドの作用を に、癌研の癌化学療法センターの櫻井先生が、研究 修飾できるのではないかと思って研究を始めたので 員を探しているから帰らないかという話をいただき す。実際にやってみますと、カルシウムを下げると ました。生化学、分子生物学から癌の化学療法とい ビンカアルカロイドの作用を高め、逆に細胞のカル う応用研究で、私自身も自信がなかったのですが、 シウムを上げるようなものは逆の作用を示します。 ただ私自身は薬学ですから、もちろん薬には興味が しかし、始めの方で試した細胞内のカルシウム濃度 あったわけです。そして癌化学療法センターという を低下させる薬剤は全部動物実験では効果がなかっ のは、その当時日本で唯一最高の抗癌剤の研究をし たのです。そのようなときに、カルシウム拮抗薬と ている研究所でした。そのようなことから、癌研の いって、平滑筋にカルシウムが流入するのをブロッ 癌化療センターに帰ることにしたのです。 クする薬がでてきました。これにより血圧がコント 癌研は今から考えるとすごい研究所だったと思い ロールできるようになり、脳血管疾患、脳溢血など ますね。あの当時、癌研究所には部は6つぐらいし の死亡率が非常に下がったという、画期的な薬です。 かなかったと思います。化療センターにも部は2つ 私はカルシウム拮抗薬の1つのベラパミルが、抗癌 しかなかった。でも、癌研から東京大学の教授にな 剤の作用を強め、かつ、動物実験でも治療効果があ られた先生は5人以上いらっしゃいます。また数年 り、それはビンカアルカロイドだけではなく、アド 前、『SCIENCE』で世界における研究所のランクが リアマイシンの効果も強めるという面白い現象を見 発表されましたが、比較的小規模の研究所では癌研 つけました。当時の癌の化学療法では抗癌剤耐性を は世界でトップクラスの研究所として位置づけられ もった癌には治療法がありませんでしたから、非常 ていました。 に興味を持たれたのです。 私が癌研に行ったのは1977年か1978年だったと思 T:帰国され、癌の研究を始められてから、P糖タ いますけど、それから3年ぐらいして、初めてその ンパク質に関する研究など多くの重要な成果を挙げ ペーパーを『Cancer Research』に発表しました。 てこられてきましたけれど、どのように進めてこら その当時、日米癌セミナーというものがありまして、 れたのでしょうか。 日本とアメリカから7名ぐらいの研究者が集まり、 鶴尾:私は癌の化学療法をやっている化療センター 日本とアメリカで交互にシンポジウムをやっていた に参加したのですが、何せバックグラウンドがない のです。1981年だと思うんですがそのペーパーを発 わけですから、分からない事が多くありました。マ 表した年にアメリカのワシントンに行きまして、そ ウスを使うにしても、雄、雌も最初は助手の方に教 れをしゃべったら、NCI(アメリカ癌研究所)が非 えてもらったというぐらいでしたから。当時の所長 常に興味を持ったのです。翌年ハワイで同じ会議が の櫻井先生は、何をやってもいいぞと言ってくれま あったのですけど、当時NCIの、DCT(Division of した。私はバックグラウンドが生化学でしたので、 Cancer Treatment)のディレクターだったチャブ カルシウムの生理機能に非常に興味がありました。 ナー博士という方が、非常に興味を持ってくれた。 カルシウムは生体反応のメディエーターとして作用 当時カナダのビクター・リングという人が、抗癌剤 11 が効かなくなるのは細胞膜に変化があって、その際 ました。1989年にはベラパミルがP-glycoproteinに P-glycoproteinというタンパク質が発現していると 作用するということも証明されました。興味を持た いうことを見つけていたのですが、チャブナーさん れた現象は、すべてそのP-glycoproteinにつながり、 は、彼の話を聞いていたのだと思うのです。おそら うまくストーリーとして完成したということです。 く、ベラパミルはP-glycoproteinに作用して、抗癌 化学療法で、これほどきれいに説明できたメカニズ 剤の排除(efflux)を阻害するのだと考えられたの ムはあまりなかったのです。そういうこともあって、 ではないかと思います。そのような事が背景にあっ 興味を持たれたということですね。 て、1982年にNCIが主催して抗癌剤耐性に関する国 私は癌研で菅野先生、いま化療センターの所長で 際シンポジウムをやったのです。私はそこで初めて すけど、その先生のサポートでいろいろな方と共同 ビクター・リングさんにお会いしました。それで私 研究をし、ポスドクを何人か付けていただきまし ももう1回その話をして、非常に興味を持たれまし た。そのうち濱田君という東大の内科の先生が、基 た。いわゆる多剤耐性のトップの研究者が何人かい 礎研究をやりたいということで来ました。濱田君 らっしゃいましたが、皆さん興味を持たれました。 は抗体を作り、またP-glycoproteinを精製し、それ 1つは多剤耐性を説明するタンパク質、遺伝子は何 がATPaseであるということを見つけました。今は かということ、もう1つは本当にベラパミルはそれ ATP-binding cassette(ABC)を持ったトランスポー に作用して耐性を克服するのか、 この2つの興味だっ ター・プロテインということで統一されていますけ たと思います。そのシンポジウムをきっかけに、こ ど、バクテリアとほ乳類を含めて初めての現象が癌 の領域の研究が急速に進みました。事実、1986年 細胞のタンパクで見つかって、かつATPase活性を にMDR(Multi Drug Resistance)を担う遺伝子の 持っているということを見つけたということで、先 クローニングをアメリカ、カナダ、それから私が 駆的なユニークな結果だったと思いますね。 日本でと、3つのところでやって、それはすべて P-glycoproteinの遺伝子だということがわかりまし 応用微生物研究所(現分生研)での研究 た。P-glycoproteinの遺伝子を導入すると耐性が出 てくるので、責任遺伝子であるということもわかり N:その癌研の研究所から今度は応用微生物研究所 (現分生研)に移られたのですが、その経緯につい てお聞かせください。 鶴尾:応微研には当時抗癌剤の研究をしていた研究 室は幾つかあって、1つは、私が今おりますこの部 屋ですが、ここの初代教授は梅澤濱夫先生で、抗生 物質で世界的に有名な先生です。それでその後が、 田中先生と山口先生で、抗生物質の専門家です。梅 澤先生は抗生物質以外の抗癌剤抗生物質も始められ ました。つまり田中先生もむしろ抗癌剤抗生物質に 興味があった。そういうことをやっている研究室が ありました。また大岳先生がいて、天然の生理活性 物質の中で抗癌作用を持つ物質の研究をされていま した。私は大岳先生とたまたま癌の会議で一緒にな ることがありまして、大岳先生が私の研究に興味を 持ってくださったのです。そのような経緯で、山口 先生の後任教授として、抗癌剤抗生物質をやってい る部屋の教授として考えていただいたということだ と思います。 写真3:NCIで研究していた頃(1984年) 12 T:その当時の研究室というのは、今と比べてどの ます。 ような様子でしたか。 鶴尾:もう20年近く前ですから、研究室の設備など T:分生研の特徴のよいところ、また今後改善でき は古かったかと思います。今は機械を含めて、研究 るとお考えの点についてお聞かせください。 費さえあればかなりのことができるという時代です 鶴尾:分生研は、いろいろな領域の先生がいらっ けど、当時はそういうところまではいかなかったの しゃいますが、これは非常にいいところだと思いま です。でも応微研の中では比較的恵まれた研究環境 す。私をここに呼んでいただいた大岳先生は農学系 だったと思いますね。ただ当時はイーストをやって の先生、それから所長だった宮地先生は理学系の先 いた人も結構いたりして、部屋の設備もよくなかっ 生です。これらの先生が薬学系の私を呼んでくれる、 たので、イーストのコンタミネーションがあった、 つまり、あまり領域にとらわれないでいい仕事をし などということもありました。 たい人を集めているのです。おそらくその伝統は今 も生きていると思いますけど、ぜひそれを伸ばして N:先生の中で癌研から応微研に移ることに抵抗は いってほしいです。 なかったのですか。 それから、ここは研究所ですから、教授にはあま 鶴尾:癌研にいるときから、何度か大学に、という り教育の義務はない。それは研究を進めることを第 話はありました。でも聞きますと、癌研の方がいい 一に考えているという点で非常にいいです。結構研 という先生がほとんどだったのです。東大に話が 究費を持たれている先生がいますので、設備もいい あったときには、それは梅澤先生以下抗癌剤抗生物 と思います。問題はやっぱりスペース、建物が3つ 質をやっている部屋であるから、東大の方がいいの に分かれているとか、物理的な問題でしょうか。そ ではないかということを言っていただいた。後で私 ういうハンディキャップを考えても、東京大学の生 が聞きますと、当時の宮地所長がいわゆる割愛願い 命科学の研究所としてはユニークであるし、いい研 されたときに、菅野先生は「兼務でないと出せない」 究をしている素晴らしい研究所だと思いますね。 とおっしゃったそうです。それで癌研の基礎研究部 の部長も兼務をさせていただきました。私は2∼3 T:分生研での一連の仕事についてお聞かせくださ 年で終わると思っていましたけど、実質的にずっと い。 兼務をさせていただきました。 鶴尾:ベラパミルというのは臨床で使った際副作 用が強かったのです。本来の作用である血圧降下 N:先生の研究室の運営方針についてお聞かせくだ が副作用になったわけです。ですから新しい耐性 さい。 克服薬というのは世界でも研究されますし、私達 鶴尾:研究というのは100%理屈で攻められないと もMS-209などを開発しました。私自身はMDRの研 ころがあると思います。だから学生の人に一番期待 究は治療に利用できるものができたという1つの するといったら感性です。いかに自分の感性を磨く ゴールに到達したので、それ以上はあまりやりま かということに私は非常に重きを置くというか、そ せんでした。今ABCトランスポーターの仕事に関 ういうものを磨いた人間になってほしい。強い運営 しては、今薬学で杉山先生など、やられている先 方針があるわけじゃありません。私自身も、結構自 生が多くいらっしゃいますけど、いわゆる薬物代 由に研究できた、言い換えれば自分で面白いことを 謝に関して重要な研究に結び付いたかもしれませ 見つけていかなければならなかったのです。だから ん。私はMDRそれ自体の研究はストップしたので 私はある一定の枠は入れますけど、あとは学生が伸 すが、なぜ薬が効かなくなるか、ということでは興 びるのを手助けする、自由に伸ばしてあげるという 味があった。薬が効かないという現象には、もちろ ことを第一の方針にしています。 それができるのは、 んP-glycoprotein、MDRといった明白な分子が関係 東京大学という素晴らしい学生がいる環境のおかげ している場合もあるけど、もっと幅広いものである かもしれませんけど、学生を信じて、学生の興味で と思うんです。1つ、私達にとってエポックメーキ 学生の研究を伸ばしてあげるということを考えてい ング的なアイデア、コンセプトというのはアポトー 13 シスですね。アポトーシスでは細胞が自分で死ぬ訳 のは一時、たとえばアドリアマイシンなどいろいろ です。抗癌剤は多くの場合、細胞を殺すものだと思 なものがでてきて、非常に注目された時期がありま われていたんですけど、実態はその細胞にアポトー したが、その後反動といいますか、抗癌剤は副作用 シスを導入する、アポトーシスのスイッチを入れる が強い、癌患者さんを苦しめるだけだと、非常にた ということなわけです。これは抗癌剤の作用が受容 たかれた時期もありました。私の研究の半分ぐらい 的なものかと能動的なものかということを考える はそういう時代で、マスコミも含め非常に冷たい反 と、非常に面白い概念の展開です。私はそういう点 応を受けていました。そういう時期を経験した者に でアポトーシスに非常に興味があった。だからアポ とって、癌の化学療法学の研究が認められたという トーシスの研究をしたいというのが1つのプランで ことは、非常にうれしいことであったのです。 した。アポトーシスは抗癌剤耐性にも絡んできます。 アポトーシスがおかしくなった細胞には薬は効きま これまでの研究生活、そして今後の研究の方向 せん。もう少しそれを延長していきますと、増殖能 が非常に亢進した細胞には薬が効かない。薬はおそ T:これまでの研究生活の中で、印象的な人物、出 らく攻撃するのでしょうけど、それ以上に細胞が増 来事などについてお聞かせください。 える。だから増殖シグナルが非常に活性化した細胞 鶴尾:やはり先ほど言いました、1981年にベラパミ には、抗癌剤が効かなくなるわけです。 ルというカルシウム拮抗薬が耐性を克服する、それ もう1つ、20年ぐらいずっと興味があったのは固 は私にとって非常に思い出に残る研究です。あれは 形癌です。固形癌はもともと抗癌剤が効かない、治 発表する前、『Cancer Research』に比較的すっと らないのです。このメカニズムに、 非常に興味があっ 受理されましたが、私達が不利なのは、外国に投稿 た。だから耐性というキーワードでいろいろな領域 すると外国人は内容を知ってしまうわけです。まね の研究を始めたということです。幸いスタッフと素 しようと思ったらされるわけです。だから印刷物の 晴らしい学生、あるいは企業から来た人に恵まれ、 中に同じような論文が出てくるのではないかとずい いろいろな方向に発展したということです。 ぶん心配しました。ベラパミルの1981年の論文から 後、私は毎年2∼3報ずつ『Cancer Research』に 平成17年度秋の紫綬褒章を受賞して ペーパーを書いてきましたので、この研究は日本の 鶴尾の研究だということで国際的に認めていただい N:そのような癌治療への研究の成果もあり、文科 たということがあります。 省癌特定領域の統括責任者を務められるなど、日本 もう1つはP-glycoproteinがblood-brain barrierに の癌研究の推進に当たって多大な貢献をなさってこ 関係しているというものです。これは脳の血管内皮 られて、このたび秋の紫綬褒章を受けることになら 細胞を分離したのは癌研の大原さんという人ですけ れたわけですが、受章が決まられたときはどのよう ど、実験をやったのは大学院生の龍田君です。その に感じられましたか。 ペーパーは『JBC』に通りましたが、思い出深い研 鶴尾:いわゆる内示といいますか、紫綬褒章を受け 究です。あとは、私が最後に実験室で実際に手を動 ますかということは6カ月前ぐらいに聞いたので かしたのはアポトーシス耐性細胞を作るということ す。大学本部を通して文科省からの問い合わせだっ でしたが、そういった仕事は比較的思い出に残って たと思いますけど、全く突然の話でした。多くの賞 います。 というのは推薦者がいたりして、本人が知っている 人物では、耐性の研究ではビクター・リングさん、 ことが多いようですけど、紫綬褒章だけはそういう 先ほど言いましたNCIのチャブナーさん、彼はフェ ことはないそうで、本当に突然聞き、驚きました。 アにものを見られる人で、私の研究を非常に高く評 そして、紫綬褒章の対象が、私の所属である薬学と 価してくださいました。シンポジウムにも呼んでく かあるいは癌とかいうことではなくて、ずっとやっ れましたし、その後1年間NCIに来ないかと言って てきました癌化学療法学であったいうのは非常にう くださったり、いろいろなチャンスを頂きました。 れしかったですね。といいますのは、抗癌剤という 今、チャブナーさんはマサチューセッツ・ゼネラル 14 で作りたい。それを手助けしたいし、私自身もその 方向で努力したいと思っています。 N:先生が考える、研究者に必要な資質、また研究 を進める上で重要なこととはどのようなものです か。 鶴尾:先にも述べましたが、私は、感性を磨くとい うのは非常に大事だと考えています。感性を磨くに もやはりいろいろな経験が必要だと思いますので、 写真4:チャブナー先生ご夫妻が来日した際の、御家 族及び菅野先生との交流 経験を積んだ上で磨くということでしょうか。また ホスピタルの癌の責任者ですけど、印象に残ってい り負けず嫌いなところがないと駄目でしょうね。そ る人です。 れから頑張るということ。もちろんその上に体力も それからジョシュ・フィドラーさん、これは1980 ないといけません。東大の学生は黙っていても頭は 年代だったと思いますけど、山極・吉田フェロー いいわけで、だから負けず嫌いで体力があって頑張 シップという国際対癌連合のフェローシップをも る、と。あとはもう皆さん十分な資質は持っている らって3カ月アメリカに行ったのですが、そのとき わけだから、十分なチャンスはあると思いますね。 のNCIの先生です。この方も非常に教えられた先生 そして、今は研究費がないと研究ができません。 で、印象に残っています。 今は個人研究が多くて、要するに個人の資質を見て 研究者は、私もそうだったかと思いますけど、やは 研究費が出る訳です。ただ日本に限らずアメリカも N:今後はどのような方向で研究を進めていかれた どこでもそうですけど、やはり個人の評価というの いとお考えですか。 は他人がするわけで、人間関係というのは非常に大 鶴尾:私はあと何年研究ができるかわかりませんけ 事です。ヒューマンネットワークといいますか、そ ど、一応3月に退職しますので、その後は、ずっと れは非常に大事で、自分の研究を正しく評価してく 私が関係してきました、癌化学療法センターで研究 れるネットワークを持っている、友達を持っている を続ける予定です。そこで何を研究するか、耐性と ということは非常に大事だと思いますね。 いうのは1つのキーワードです。幸いなことに、癌 化学療法センターにはこの部屋の卒業生が何人か部 学生へのメッセージ 長さんとしていますので、そういう人たちと研究す るでしょう。 N:それでは最後になりますが、学生へのアドバイ この前、退職のときにあいさつを申し上げました スとメッセージがありましたらお願いします。 が、私は日本学術会議の会員になっています。日本 鶴尾:あなたたちは頭脳的には日本でトップ1∼ 学術会議は学者のコミュニティーの最高の会議です 2%ですよね。だからそれは自信を持っていいと思 けど、そこでいわれているのは品格のある日本、尊 う。若い人はすべての可能性があるのです。あなた 敬される日本をつくりましょうということです。尊 たちはあまり感じないかもしれないけど、可能性の 敬されるというのは、私の領域で言いますと、おそ 少なくなっていっている私らにとってはその事は素 らく日本で世界に通用する治療薬を作るということ 晴らしいことですよ。あなたたちは科学者にだって かと思います。日本ということを強調していますけ なれるし、科学者以外だってなろうと思ったらなれ ど、日本の企業はもちろん、日本の外資系企業で働 る。だからやはりそういう可能性がある自分という いている人にとっても、日本にいい薬がないとやは ものを大事にして、大いに伸びていってほしいと思 り日本人として、薬の研究者としては尊敬されない いますね。 と思います。そういう意味で、日本でいい癌の治療 薬を作りたい。私が作るということではなくて日本 15 平成17年(2005年)各研究分野業績発行物等一覧 〈分子遺伝研究分野〉 「原著論文」 Specific function of a plastid sigma factor for ndhF gene transcription. J.-J. Favory, M. Kobayashi, K. Tanaka, G. Peltier, M. Kreis, J.-G. Valay and S. Lerbs-Mache: Nucleic Acids Res. 33, 5991-5999, 2005 Identification of PamA as a PII-binding membrane protein important in nitrogen-related and sugar-catabolic gene expression in Synechocystis sp. PCC 6803. T. Osanai, S. Sato, S. Tabata and K. Tanaka: J. Biol. Chem. 280, 34684-34690, 2005 Microarray profiling of plastid gene expression in a unicellular red alga, Cyanidioschyzon merolae. A. Minoda, M. Hanaoka, K. Nagasawa, M. Horiuchi, H. Takahashi and K. Tanaka: Plant Mol. Biol. 59, 375-385, 2005 Positive regulation of sugar catabolic pathways in the cyanobacterium Synechocystis sp. PCC 6803 by the group 2 sigma factor SigE. T. Osanai, T. Nakano, H. Takahashi, M. Kanehisa, M. Asayama, M. Shirai, I. Suzuki, N. Murata and K. Tanaka: J. Biol. Chem. 280, 30653-30659, 2005 Bacterial luciferase activity and the intracellular redox pool in Escherichia coli. K. Koga, T. Harada, H. Shimizu and K. Tanaka: Mol. Genet. Genomics 274, 180-188, 2005 A Switch in RNA Polymerase Usage Mediated by tRNA Glu During Chloroplast Development. M. Hanaoka, K. Kanamaru, M. Fujiwara, H. Takahashi and K. Tanaka: EMBO Rep. 6, 545-550, 2005 Enhanced dihydroflavonol-4-reductase activity and NAD homeostasis leading to cell death tolerance in transgenic rice. M. Hayashi, H. Takahashi, K. Tamura, J. Huang, L. H. Yu, M. Kawai-Yamada, T. Tezuka and H. Uchimiya: Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102, 7020-7025, 2005 「総説」 葉緑体のゲノム情報発現−葉緑体の転写装置 田中 寛、蛋白質核酸酵素増刊号「二層膜オルガネラの遺伝学」 編集:林純一・杉山康雄・坂本亘・田中寛・正木春彦、共立出版 50, 1848-1852, 2005 〈染色体動態研究分野〉 「原著論文」 Human Bub1 defines the persistent cohesion site along the mitotic chromosome by affecting shugoshin localization. T. S. Kitajima, S. Hauf, M. Ohsugi, T. Yamamoto and Y. Watanabe:Curr. Biol., 15, 353-359, 2005 The kinetochore protein Moa1 enables cohesion-mediated monopolar attachment at meiosis I. S. Yokobayashi and Y. Watanabe:Cell, 123, 803-817, 2005 Identification and characterization of Australian wild rice strains of Oryza meridionalis and Oryza rufipogon by SINE insertion polymorphism. J.-H. Xu, N. Kurata, M. Akimoto, H. Ohtsubo and E. Ohtsubo.: Genes Genet. Syst., 80, 129-134, 2005 Two new SINE elements, p-SINE2 and p-SINE3, from rice. J.-H. Xu, I. Osawa, S. Tsuchimoto, E. Ohtsubo and H. Ohtsubo: Genes Genet. Syst., 80, 161-171, 2005 Expressions of rice sucrose non-fermenting-1 related protein kinase 1 genes are differently regulated during the caryopsis development. H. Kanegae, K. Miyoshi, T. Hirose, S. Tsuchimoto, M. Mori, Y. Nagata and M. Takano:Plant Physiol. Biochem., 43. 669-679, 2005 Phylogenetic analysis of Oryza rufipogon strains and their relations to Oryza sativa strains by insertion polymorphism of rice SINEs. J.-H Xu, C. Cheng, S. Tsuchimoto, H. Ohtsubo and E. Ohtsubo: 10th International SABRAO Proceedings, in press 「総説」 Shugoshin protects cohesin complexes at centromeres. Y. Watanabe and T. S. Kitajima:Philos. Trans. R. Soc. Lond. B Biol. Sci., 360, 515-521, 2005 The importance of being Smc5/6. Y. Watanabe:Nature Cell Biol. 7, 329-331, 2005 Sister chromatid cohesion along arms and at centromeres. Y. Watanabe:Trends Genet., 21, 405-412, 2005 Shugoshin: guardian spirit at the centromere. Y. Watanabe:Curr. Opin. Cell Biol., 17, 590-595, 2005 北島智也、渡邊嘉典:姉妹染色分体の接着と分配の制御機構 細胞工学 24, 962-966 2005 北島智也、渡邊嘉典:キーワードで理解する細胞周期イラストマッ プ 羊土社 118-123 2005 減数第一分裂における染色体分配の分子メカニズム 田中晃一, 渡邊嘉典 実験医学, 23, 1396-1403, 2005 減数分裂期における染色体分配制御機構 作野剛士, 渡邊嘉典 生化学, 77, 1396-1404, 2005 レトロエレメントからみたイネゲノム 大坪久子 蛋白質 核酸 酵素 50, 215-227, 2005 植物のレトロポゾンSINE 土本 卓 化学と生物 44, 93-101, 2006 「学会賞」 日本学術振興会賞 日本学士院学術奨励賞 渡邊嘉典 「染色体の均等分裂と還元分裂の違いを作る分子機構」 〈核内情報研究分野〉 「原著論文」 Splicing potentiation by growth factor signals via estrogen receptor phosphorylation. Masuhiro, Y., Mezaki, Y., Sakari, M., Takeyama, K., Yoshida, T., Inoue, K., Yanagisawa, J., Hanazawa, S., O'Malley, B. W., Kato, S.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 102, 8126-8131, 2005. Ligand-induced transrepression by VDR through association of WSTF with acetylated histones. Fujiki, R., Kim, M., Sasaki, Y., Yoshimura, K., Kitagawa, H., Kato, S.: EMBO J., 24, 3881-3894, 2005. Repressive domain of unliganded human estrogen receptor α associates with Hsc70. 16 Ogawa, S., Oishi, H., Mezaki, Y., Kouzu-Fujita, M., Matsuyama, R., Nakagomi, M., Mori, E., Murayama, E., Nagasawa, H., Kitagawa, H., Yanagisawa. J., Kato, S.: Genes to Cells, 10, 1095-1102, 2005. hippocampus-dependent long-lasting memory. Bando, T., Sekine, K., Kobayashi, S., M. Watabe, A., Rump, A., Tanaka, M., Suda, Y., Kato, S., Morikawa, Y., Manabe, T., Miyajima, A.: Mol. Cell. Biol., 25, 4166-4175, 2005. Human expanded polyQ androgen receptor mutants in neurodegeneration as a novel ligand target. Furutani, T., Takeyama, K., Koutoku, H., Ito S., Taniguchi N., Suzuki E., Kudoh, M., Shibasaki, M., Shikama, H., Kato, S: J. Pharm. Experim. Therapeutics, 315, 545-552, 2005. 22-Oxa-1?,25-dihydroxyvitamin D3 inhibits metastasis and angiogenesis in lung cancer. Nakagawa, K., Sasaki, Y., Kato, S., Kubodera, N., Okano, T.: Carcinogenesis, 26, 1044-1054, 2005. A role of androgen receptor protein in cell growth of an androgen-independent prostate cancer cell line. Furutani, T., Takeyama, K., Koutoku, H., Ito, S., Taniguchi, N., Suzuki, E., Kudoh, M., Shibasaki, M., Shikama, H., Kato, S.: Biosci. Biotechnol. Biochem., 69, 2236-2239, 2005. TRRAP as a hepatic coactivator of LXR and FXR function. Unno, A., Takada, I., Takezawa, S., Oishi, H., Baba,A., Shimizu, T., Tokita, A., Yanagisawa, J., Kato, S.: Biochem. Biophys. Res. Commun., 327, 933-938, 2005. Nuclear receptors as targets for drug development: crosstalk between peroxisome proliferator-activated receptor y and cytokines in bone marrow-derived mesenchymal stem cells. Takada, I., Suzawa M., Kato, S.: J. Pharamcol. Sci., 97, 184-189, 2005. N-retinoyl-D-glucosamine, a new retinoic acid agonist, mediates topical retinoid efficacy with no irritation on photoaged skin. Kambayashi H., Odake Y., Takada K., Funasaka Y., Ichihashi M., Kato S.: Br. J. Dermatol., 153, 30-36, 2005. Function of nuclear sex hormone receptors in gene regulation. Kato, S., Sato, T., Watanabe, T., Takemasa, S., Masuhiro, Y., Ohtake, F., Matsumoto, T.: Cancer Chemother Pharmacol., 56 (Supple. 7), 4-9, 2005. 1α,25-dihydroxyvitamin D3 is a preventive factor in the metastasis of lung cancer. Nakagawa, K., Kawaura, A., Kato, S., Takeda, E., Okano, T.: Carcinogenesis, 26, 429-440, 2005. Intestinal and renal adaptation to a low Pi-diet of type II NaPi-cotransporters in VDR and 1 α-OHase deficient mice. Capuano, P., Radanovic, T., Wagner, C. A., Bacic, D., Kato, S., Uchiyama, Y., St-Arnoud, R., Murer, H., Biber, J.: Am. J. Physiol. Cell Physiol., 288, C429-C434, 2005. Vitamin D receptor ablation alters skin architecture and homeostasis of dendritic epidermal T cells. Meindl, S., Rot, A., Hoetzenecker, W., Kato, S., Cross, S., ElbeBurger, A.: Br. J. Dermatol., 152, 231-241, 2005. The DNA mismatch repair gene hMSH2 is a potent coacytivator or oestrogen receptor α. Wada-Hiraike, O., Yano, T., Nei, T., Matsumoto, Y., Nagasaka, K., Takizawa, S., Oishi, H., Arimoto, T., Nakagawa, S., Yasugi, T., Kato, S., Taketani, Y.: Br. J. Cancer, 92, 2286-2291, 2005. Androgen receptor null male mice develop late-onset obesity caused by decreased energy expenditure and lipolytic activity but show normal insulin sensitivity with high adiponectin secretion. Fan, W., Yanase, T., Nomura, M., Okabe, T., Goto, K., Sato, T., Kawano, H., Kato, S., Nawata, H.: Diabetes, 54, 1000-1008, 2005. Circulating FGF-23 is regulated by 1α,25-Dihydroxyvitamin D3 and phosphorus in vivo. Saito, H., Maeda, A., Ohtomo, S., Hirata, M., Kusano, K., Kato, S., Ogata, E., Segawa, H., Miyamoto, K., Fukushima N.: J. Biol. Chem., 280, 2543-2549, 2005. Neuronal leucine-rich repeat protein 4 functions in Kallay, E., Bises, G., Bajna, E., Bieglmayer, C., Gerdenitsch, W., Steffan, I., Kato, S., Armbrecht, H. J., Cross, H. S.: Colonspecific regulation of vitamin D hydroxylases-a possible approach for tumor prevention. Carcinogenesis, 26, 1581-1589, 2005. Identification of amino acid residue of CYP27B1 responsible for binding of 25-hydroxyviatmin D3 whose mutation causes vitamin D-dependent rickets type I. Yamamoto, K., Uchida, E., Urushino, N., Sakaki, T., Kagawa, N., Sawada, N., Kamakura, M., Kato, S., Inouye, K., Yamada, S.: J. Biol. Chem., 280, 30511-30516, 2005. Impaired flow-dependent control of vascular tone and remodeling in P2X4-deficient mice. Yamamoto, K., Sokabe, T., Matsumoto, T., Yoshimura, K., Shibata, M., Ohura, N., Fukuda, T., Sato, T., Sekine, K., Kato, S., Isshiki, M., Fujita, T., Masuda, H., Kobayashi, M., Kawamura, K., Kamiya, A., Ando, J.: Nature Medicine, 12, 133-137, 2005. Study of androgen receptor functions by genetic models. Matsumoto, T., Takeyama, K., Sato, T., Kato, S.: J. Biochem., 138, 105-110, 2005. Role of the vitamin D receptor in FGF23 action on phosphate metabolism. Inoue, Y., Segawa, H., Kaneko, I., Yamanaka, S., Kusano, K., Kawakami, E., Furutani, J., Ito, M., Kuwahata, M., Saito, H., Fukushima, N., Kato, S., Kanayama, H., Miiyamoto, K.: Biochem. J., 390, 325-331, 2005. Androgen receptor gene knockout male mice exhibit impaired cardiac growth and exacerbation of angiotensin II-induced cardiac fibrosis. Ikeda, Y., Aihara, K., Sato, T., Akaike, M., Yoshizumi, M., Suzaki, Y., Izawa, Y., Fujimura, M., Hashizume, S., Kato, M., Yagi, S., Tamaki, T., Kawano, H., Matsumoto, T., Azuma, H., Kato, S., Matsumoto, T.: J. Biol. Chem., 280, 29661-29666, 2005. 「学会賞」 平成17年度日本農芸化学会農芸化学奨励賞 武山 健一 「核内レセプターリガンドの生理作用発現機構に関する研究」 13th Workshop on Vitamin D Young Investigator Travel Award 山本 陽子 「A Tissue-Specific Function by Unliganded Nuclear Receptor」 〈分子情報研究分野〉 「原著論文」 Subcellular localization of the tumor suppressor protein APC in developing cultured neurons. Shimomura, A., Kohu, K., Akiyama, T. and Senda, T. : Neurosci. Lett., 375,81-86, 2005. Role of the kinesin-2 family protein, KIF3, during mitosis. K. Haraguchi, T. Hayashi, T. Jimbo, T. Yamamoto and T. Akiyama. : J Biol. Chem. 281, 4094-4099, 2005. Cloning of novel LERGU mRNAs in GPR30 3' untranslated region and deletion of 2 bp-deletion polymorphism in gastric 17 cancer. Kakinuma, N., Sato, M., Yamada, T., Kohu, K., Nakajima, M., Akiyama, T., Ohwada, S. and Shibanaka, Y.: Cancer Sci.: 96, 191-196, 2005. Maize plants mutated in NAD(P)H-dependent HC-toxin redutase gene (Hm1) is vulnerable to H2O2 stress. Hayashi, M., Takahashi, H., Kawai-Yamada, M., Tezuka, T. and Uchimiya, H. :Plant Biotechnology, 22, 69-70, 2005 Wnt signaling regulates the sequential onset of neurogenesis and gliogenesis via induction of BMPs. Kasai, M., Satoh, K. and Akiyama, T.: Genes Cells, 10, 777-784, 2005. Mammalian Bax initiates plant cell death through organelle destruction. Yoshinaga, K., Arimura, S., Hirata, A., Niwa, Y. Yun, D.J., Tsutsumi, N., Uchimiya, H. and Kawai-Yamada, M. :Plant Cell Reports, 24, 408-417, 2005 Viral FLIP enhances Wnt signaling downstream of stabilized β-catenin, leading to control of cell growth. Nakagiri, S., Murakami, A., Takada, S., Akiyama, T. and Yonehara, S.: Mol. Cell. Biol. 25, 9249-9258, 2005. The mammalian homolog of the Drosophila discs large tumor suppressor protein upregulates expression of the ELR+ CXC chemokine Scyb5. Aiba, T., Kohu, K., Ishidao, T., Yasui, N., Horii, A., Aburatani, H. and Akiyama, T.: Biochem. Biophys. Res. Commun. 337, 191-194, 2005. A functional link between Disrupted-in-schizophrenia 1 (DISC1) and the eukaryotic translation initiation factor 3 (eIF3). F. Ogawa, M. Kasai and T. Akiyama. : Biochem. Biophys. Res. Commun. 338, 771-776, 2005. Role of the Rho GTPase-activating protein RICS in neurite outgrowth. Nasu-Nishimura, Y., Hayashi, T., Ohishi, T., Okabe T., Ohwada, S., Hasegawa, Y., Senda T., Toyoshima C., Nakamura T. and Akiyama, T. : Genes Cells in press. The tumor suppressor LKB1 induces p21 expression in collaboration with LMO4, GATA-6 and Ldb1. Setogawa, T., Shinozaki-Yabana, S., Masuda, T., Matsuura, K. and Akiyama, T. : Biochem. Biophys. Res. Commun. in press. Wnt signaling and the tumor suppressor APC. T. Akiyama.:Recent Advances in Gastrointestinal Carcinogenesis. in press. 〈情報伝達研究分野〉 「原著論文」 JNK antagonizes Akt-mediated survival signals by phosphorylating 14-3-3. J. Sunayama, F. Tsuruta, N. Masuyama and Y. Gotoh: J. Cell. Biol. 170, 295-304, 2005. Stage-dependent fate determination of neural precursor cells in mouse forebrain. Y. Hirabayashi and Y. Gotoh: Neurosci. Res. 51, 331-336, 2005. 「総説」 神経系前駆細胞と脳がん幹細胞 伊藤靖浩、後藤由季子 Medical Science Digest 31, 353-357, 北 隆館 2005 Aktの活性化因子と哺乳類における機能 樋口麻衣子、後藤由季子 実験医学 23 増刊, 1679-1685, 羊土社 2005 細胞生存シグナルと死シグナルのバランスによる生死決定機構 砂山潤、鶴田文憲、後藤由季子 実験医学 23, 2006-2011, 羊 土社 2005 〈細胞機能研究分野〉 「原著論文」 High throughput metabolome and proteome analysis of transgenic rice plants (Oryza sativa L.). Takahashi, H., Hotta, Y. Hayashi, M., Kawai-Yamada, M., Komatsu, S. and Uchimiyia, H. :Plant Biotechnology, 22, 47-50, 2005 Enhanced dihydroflavonol-4-reductase activity and NAD homeostasis leading to cell death tolerance in transgenic rice. Hayashi, M., Takahashi, H., Tamura, K., Huang, J. Yu, L.H., Kawai-Yamada, M.,Tezuka, T. and Uchimiya, H. : Proc.Nat. Acad.Sci.U.S.A., 102, 7020-7025, 2005 Proteome approach to characterize the methylmalonatesemialdehyde dehydrogenase that is regulated by gibberellin. Tanaka, N., Takahashi, H., Kitano, H., Matsuoka, M., Akao, S., Uchimiya, H. and Komatsu, S.: Journal of Proteome Research, 4, 1575-1582, 2005 Functional analysis of Arabidopsis ethylene-responsive element binding protein conferring resistance to Bax and abiotic stressinduced plant cell death. Ogawa, T., Pan, L., Kawai-Yamada, M., Yu, LH., Yamamura, S., Koyama, T., Kitajima, S., Ohme-Takagi, M., Sato, F., and Uchimiya, H. :Plant Physiology, 138, 1436-1445, 2005 Mitochondrial behaviour in the early stages of ROS stress leading to cell death in Arabidopsis thaliana. Yoshinaga, K., Arimura, S., Niwa, Y., Tsutsumi, N., Uchimiya, H. and Kawai-Yamada, M.: Annals of Botany, 96, 337-342, 2005 A novel Arabidopsis gene causes Bax-like lethality in Saccharomyces cerevisiae. Kawai-Yamada, M., Saito, Y., Jin, L., Ogawa, T., Kim, KM., Yu, LH., Tone, Y., Hirata, A., Umeda, M. and Uchimiya, H.: The Journal of Biological Chemistry, 280, 39468-39473, 2005 Ectopic endoreduplication caused by sterol alteration results in serrated petals in Arabidopsis. Hase, Y., Fujioka, S., Yoshida, S., Sun, G., Umeda, M. and Tanaka, A.: J. Exp. Bot., 56, 1263-1268, 2005 「総説」 Control of cell division and transcription by cyclin-dependent kinase-activating kinases in plants. Umeda, M., Shimotohno, A. and Yamaguchi, M.: Plant Cell Physiol. 46, 1437-1442, 2005 Oxidative stress and plant cell death suppressors. Kawai-Yamada, M.,Yoshinaga, K., Ogawa, T., Ihara-Ohori, Y., Uchimiya, H.: Plant Biotechnology, 22, 419-422, 2005 植物の細胞死とミトコンドリア 川合真紀 吉永恵子:蛋白質核 酸酵素増刊「二層膜オルカネラの遺伝学」, pp. 1883-1884, 共立 出版, 2005 「出版本」 シロイヌナズナの培養系と形質転換法 梅田正明:植物細胞工学 シリーズ21「モデル植物の実験プロトコール」, pp. 145-148, 秀 潤社, 2005 〈細胞増殖研究分野〉 「原著論文」 Stabilization of integrin-linked kinase by binding to Hsp90. Aoyagi, Y., Fujita, N. and Tsuruo, T. :Biochem Biophys Res Commun, 331, 1061-1068 (2005). Taxoids and abietanes from callus cultures of Taxus cuspidata. Bai, J., Ito, N., Sakai, J., Kitabatake, M., Fujisawa, H., Bai, L., Dai, J., Zhang, S., Hirose, K., Tomida, A., Tsuruo, T. and Ando, 18 M. :J Nat Prod, 68, 497-501 (2005). Naito, M. :Biochem Biophys Res Commun, 330, 279-285 (2005). Brain pericytes contribute to the induction and up-regulation of blood-brain barrier functions through transforming growth factor-beta production. Dohgu, S., Takata, F., Yamauchi, A., Nakagawa, S., Egawa, T., Naito, M., Tsuruo, T., Sawada, Y., Niwa, M. and Kataoka, Y. : Brain Res, 1038, 208-215 (2005). Saturable distribution of tacrine into the striatal extracellular fluid of the rat: evidence of involvement of multiple organic cation transporters in the transport. Sung, J.H., Yu, K.H., Park, J.S., Tsuruo, T., Kim, D.D., Shim, C.K. and Chung, S.J. :Drug Metab Dispos, 33, 440-448 (2005). Binding and phosphorylation of par-4 by akt is essential for cancer cell survival. Goswami, A., Burikhanov, R., de Thonel, A., Fujita, N., Goswami, M., Zhao, Y., Eriksson, J.E., Tsuruo, T. and Rangnekar, V.M.: Mol Cell, 20, 33-44 (2005). Blockade of the stromal cell-derived factor-1/CXCR4 axis attenuates in vivo tumor growth by inhibiting angiogenesis in a vascular endothelial growth factor-independent manner. Guleng, B., Tateishi, K., Ohta, M., Kanai, F., Jazag, A., Ijichi, H., Tanaka, Y., Washida, M., Morikane, K., Fukushima, Y., Yamori, T., Tsuruo, T., Kawabe, T., Miyagishi, M., Taira, K., Sata, M. and Omata, M. :Cancer Res, 65, 5864-5871 (2005). Involvement of mitochondrial aggregation in arsenic trioxide (As2O3)-induced apoptosis in human glioblastoma cells. Haga, N., Fujita, N. and Tsuruo, T. :Cancer Sci, 96, 825-833 (2005). CXCL13 is an arrest chemokine for B cells in high endothelial venules. Kanemitsu, N., Ebisuno, Y., Tanaka, T., Otani, K., Hayasaka, H., Kaisho, T., Akira, S., Katagiri, K., Kinashi, T., Fujita, N., Tsuruo, T. and Miyasaka, M. :Blood, 106, 2613-2618 (2005). Akt/protein kinase B-dependent phosphorylation and inactivation of WEE1Hu promote cell cycle progression at G2/M transition. Katayama, K., Fujita, N. and Tsuruo, T.: Mol Cell Biol, 25, 5725-5737 (2005). Enhanced expression of Aggrus (T1alpha/podoplanin), a platelet-aggregation-inducing factor in lung squamous cell carcinoma. Kato, Y., Kaneko, M., Sata, M., Fujita, N., Tsuruo, T. and Osawa, M.: Tumour Biol, 26, 195-200 (2005). p53-defective tumors with a functional apoptosome-mediated pathway: a new therapeutic target. Mashima, T., Oh-hara, T., Sato, S., Mochizuki, M., Sugimoto, Y., Yamazaki, K., Hamada, J., Tada, M., Moriuchi, T., Ishikawa, Y., Kato, Y., Tomoda, H., Yamori, T. and Tsuruo, T. :J Natl Cancer Inst, 97, 765-777 (2005). Defects of the apoptotic pathway as therapeutic target against cancer. Mashima, T. and Tsuruo, T.: Drug Resist Updat 8, 339-343 (2005). Functional characterization of adenosine transport across the BBB in mice. Murakami, H., Ohkura, A., Takanaga, H., Matsuo, H., Koyabu, N., Naito, M., Tsuruo, T., Ohtani, H. and Sawada, Y. :Int J Pharm, 290, 37-44 (2005). Drug resistance in chemotherapy for breast cancer. Saeki, T., Tsuruo, T., Sato, W. and Nishikawsa, K. :Cancer Chemother Pharmacol, 56 1, 84-89 (2005). Identification of ATF-3, caveolin-1, DLC-1, and NM23-H2 as putative antitumorigenic, progesterone-regulated genes for ovarian cancer cells by gene profiling. Syed, V., Mukherjee, K., Lyons-Weiler, J., Lau, K.M., Mashima, T., Tsuruo, T. and Ho, S.M. :Oncogene, 24, 1774-1787 (2005). 3-Phosphoinositide-dependent protein kinase-1-mediated IkappaB kinase beta (IkkB) phosphorylation activates NFkappaB signaling. Tanaka, H., Fujita, N. and Tsuruo, T. J Biol Chem, 280, 40965-40973 (2005). Bioactive tetrahydrofuran lignans from Peperomia dindygulensis. Wu, J.L., Li, N., Hasegawa, T., Sakai, J., Kakuta, S., Tang, W., Oka, S., Kiuchi, M., Ogura, H., Kataoka, T., Tomida, A., Tsuruo, T. and Ando, M. J Nat Prod, 68, 1656-1660 (2005). G-Quadruplex stabilization by telomestatin induces TRF2 protein dissociation from telomeres and anaphase bridge formation accompanied by loss of the 3' telomeric overhang in cancer cells. Tahara, H., Shin-Ya, K., Seimiya, H., Yamada, H., Tsuruo, T. and Ide, T. :Oncogene, 25, 1955-1966 (2006). 〈形態形成研究分野〉 「原著論文」 The highly ordered assembly of retinal axons and their synaptic partners is regulated by Hedgehog/Single-minded in the Drosophila visual system. Umetsu, D., Murakami, S., Sato, M. and Tabata, T. :Development, 133, 791-800, 2006. DWnt4 regulates the dorsoventral specificity of retinal projections in the Drosophila melanogaster visual system. Sato, M., Umetsu, D., Murakami, S., Yasugi, T. and Tabata, T. :Nature Neuroscience, 9, 67-75, 2006. DPP signaling controls development of the lamina glia required for retinal axon targeting in the visual system of Drosophila. Yoshida S, Soustelle L, Giangrande A, Umetsu D, Murakami S, Yasugi T, Awasaki T, Ito K, Sato M, Tabata T.: Development, 132, 4587-98, 2005. 「総説」 モルフォゲン 武井ゆき、多羽田哲也 発生システムのダイナミクス 上野直人、八杉貞雄、野地澄晴編、蛋白質 核酸 酵素 50, 575-582, 2005 ドイツの森深く研究者の集う所:EMBL 吉田章子 発生システムのダイナミクス 上野直人、八杉貞雄、野地澄晴編、蛋白質 核酸 酵素 50, 824-825, 2005 Tankyrase 1 as a target for telomere-directed molecular cancer therapeutics. Seimiya, H., Muramatsu, Y., Ohishi, T. and Tsuruo, T. :Cancer Cell, 7, 25-37 (2005). 〈細胞形成研究分野〉 「原著論文」 Development of a minimal cell-free translation system for the synthesis of presecretory and integral membrane proteins. Y. Kuruma, K. Nishiyama, Y. Shimizu, M. Muller and T. Ueda: Biotechnol. Prog., 21, 1243-1251, 2005 HtrA2 cleaves Apollon and induces cell death by IAP-binding motif in Apollon-deficient cells. Sekine, K., Hao, Y., Suzuki, Y., Takahashi, R., Tsuruo, T. and Genes coding for SecG and Leu2-tRNA form an operon to give an unusual RNA comprising mRNA and a tRNA precursor. K. Nishiyama and H. Tokuda: Biochim. Biophys. Acta, 1729, 19 166-173, 2005 Disruption of rpmJ encoding ribosomal protein L36 decreases the expression of secY upstream of the spc operon and inhibits protein translocation in Escherichia coli. A. Ikegami, K. Nishiyama, S. Matsuyama and H. Tokuda: Biosci. Biotechnol. Biochem., 69, 1595-1602, 2005 Mechanisms underlying energy-independent transfer of lipoproteins from LolA to LolB, which have similar unclosed β-barrel structures. N. Taniguchi, S. Matsuyama and H. Tokuda: J. Biol. Chem., 280, 34481-34488, 2005 「総説」 大腸菌リポタンパク質の輸送. 成田新一郎、徳田元:実験医学, 23, 2283-2288, 2005 バクテリアのABC蛋白質. 徳田元:植田和光編「ABC蛋白質」学会出版センター,pp.9-28, 2005 Noguchi T., Fujimoto H., Sano H., Miyajima A., Miyachi H, and Hashimoto Y. :Bioorg. Med. Chem. Lett. 15, 5509-13, 2005. Transcriptiion elongation factor SII is required for definitive hematopoiesis. Ito T., Arimatsu N., Takeuchi M., Kawamura N., Nagata M., Saso K., Akimitsu N., Hashimoto H., Natori S., Miyajima A. and Sekimizu K. :Mol. Cell Biol. 26, 3194-3203, 2006. 「総説」 オンコスタチンMによる肝再生の制御. 田中稔: 実験医学・増刊「サ イトカインの多彩な機能と臨床応用」, pp124-130, 羊土社、2005 〈発生分化構造研究分野〉 「原著論文」 The deacetylase HDAC1 negatively regulates the cardiovascular transcription factor Kruppel-like factor 5 through direct interaction. T.Matsumura, T.Suzuki, K.Aizawa, Y.Munemasa, S.Muto, M.Horikoshi & R.Nagai: J.Biol.Chem., 280, 12123-12129, 2005 「学会賞」 日本農芸化学会賞 徳田元 「細菌における蛋白質局在化機構の研究」 Purification, crystallization and preliminary X-ray diffraction analysis of the histone chaperone cia1 from fission yeast. T.Umehara, Y.Otta, K.Tsuganezawa, T.Matsumoto, A.Tanaka, M.Horikoshi, B.Padmanabhan & S.Yokoyama: Acta Crystallogr. F, 61, 971-973, 2005 〈機能形成研究分野〉 「原著論文」 Neuronal leucine-rich repeat protein 4 is required for hippocampus-dependent long-lasting memory. Bando T., Sekine K., Kobayashi S., Watanabe A., Rump A., Tanaka M., Suda Y., Kato S., Manabe T., and Miyajima A. : Mol. Cell Biol. 25, 4166-4175, 2005. A decade of histone acetylation: marking eukaryotic chromosomes with specific codes. A.Kimura, K.Matsubara & M.Horikoshi: J.Biochem., 138, 647-662, 2005 Runx1 promotes angiogenesis by down-regulation of insulinlike growth factor binding protein-3. Iwatsuki K., Tanaka K., Kaneko T., Kazama R., Okamoto S., Nakayama Y., Ito Y., Satake M., Takahashi S., Miyajima A., Watanabe T., and Hara T. :Oncogene 23, 1129-1137, 2005. Expression of neuritin during liver maturation and regeneration. Kojima N., Shiojiri N., Sakai Y., and Miyajima A. :FEBS Letters 579. 4562-456, 2005. Oncostatin M inhibits proliferation of rat oval cells, OC15-5, inducing differentiation into hepatocytes. Okaya A., Kitanaka J., Kitanaka N., Satake M., Kim Y., Terada K., Sugiyama T., Takemura M., Fujimoto J., Terada N., Miyajima A., and Tsujimura T. :Am. J. Pathology 166, 709-719, 2005. Selective activation of STAT5 unveils its role in stem cell selfrenewal in normal and leukemic hematopoiesis. Kato Y., Iwama A., Tadokoro Y., Shimoda K., Minoguchi M., Akira S., Tanaka M., Miyajima A., Kitamura T., and Nakauchi H. :J. Exp. Med. 202: 169-179.2005. Podocalyxin is a CD34-related marker of murine hematopoietic stem cells and embryonic erythroid cells. Doyonnas R., Nielsen J.S., Chelliah S., Drew E., Hara T., Miyajima A., and McNagny K.M. :Blood 105, 4170-4178, 2005. TEF, an antiapoptotic bZIP transcription factor related to the oncogenic E2A-HLF chimera, inhibits cell growth by down-regulating expression of the common chain of cytokine receptors. Inukai T., Inaba T., Dang J., Kuribara R., Ozawa K., Miyajima A., Wu W., Look A.T., Arinobu Y., Iwasaki H., Akashi K., Kagami K., Goi K., Sugita K., and Nakazawa S. :Blood 105, 4437-4444, 2005. Angiogenesis inhibitors derived from Thalidomide. Structural similarity between histone chaperone Cia1p/Asf1p and DNA-binding protein NF-κB B.Padmanabhan, K.Kataoka, T.Umehara, N.Adachi, S.Yokoyama & M.Horikoshi: J.Biochem., 138, 821-829, 2005 Gene selectors consisting of DNA-binding proteins, histones, and histone-binding proteins regulate the three major stages of gene expression. S.Muto and M.Horikoshi: Nuclear Dynamics, pp.143-172, 2006 Regulation of histone acetylation and nucleosome assembly by transcription factor JDP2. C.Jin, K.Kato, T.Chimura, T.Yamasaki, K.Nakade, T.Murata, H.Li, J.Pan, M.Zhao, K.Sun, R.Chiu, T.Ito, K.Nagata, M.Horikoshi & K.K.Yokoyama: Nature Struct.Mol.Biol., 331-338, 2006 「出版本」 「クロマチン エピジェネティクスの分子機構」 Bryan M. Turner著・堀越正美訳:シュプリンガー・フェアラー ク東京(株)、2005 「図解 遺伝子の調節機構―λファージの遺伝子スイッチ―」 Mark Ptashne著・堀越正美訳:オーム社、2006 「遺伝情報発現調節タンパク質」 堀越正美編著:廣川書店、2006 〈生体超高分子研究分野〉 「原著論文」 Structural role of countertransport revealed in Ca 2+ pump crystal structure in the absence of Ca2+. K. Obara, N. Miyashita, C. Xu, I. Toyoshima, Y. Sugita, G. Inesi and C. Toyoshima :Proc. Nat. Acad.Sci. USA, 102, 14489-14496, 2005 The average conformation at micromolar [Ca 2+ ] of Ca 2+ ATPase with bound nucleotide differs from that adopted with the transition state analog ADP·AlFx or with AMPPCP under crystallization conditions at millimolar [Ca2+]. M. Picard, C. Toyoshima and P. Champeil: J. Biol. Chem., 280, 20 18745-18754, 2005 Protonation of the acidic residues in the transmembrane cationbinding sites of the Ca2+ pump. Y. Sugita, N. Miyashita, M. Ikeguchi, A. Kidera, and C. Toyoshima: J. Am. Chem. Soc., 127, 6150-6151, 2005 Molecular mechanism for stabilizing a short helical peptide studied by generalized-ensemble simulations with explicit solvent. Y. Sugita and Y. Okamoto: Biophys. J., 88, 3180-3190, 2005 Molecular dynamics simulations of DNA dimers based on replica-exchange umbrella sampling. I. Test of sampling efficiency. K. Murata, Y. Sugita and Y. Okamoto: J. Theor. Comp. Chem., 4, 411-432, 2005 Molecular dynamics simulations of DNA dimers based on replica-exchange umbrella sampling. II. Free energy analysis. K. Murata, Y. Sugita and Y. Okamoto: J. Theor. Comp. Chem., 4, 433-448, 2005 Structures of a peptide fragment of β2-microgloblin studied by replica-exchange molecular dynamics simulations: Towards the understanding of the mechanism of amyloid formation. M. Nishino, Y. Sugita, T. Yoda and Y. Okamoto: FEBS Lett., 579, 5425-5429, 2005 Effects of the fixed end in single-molecule imaging techniques: A replica exchange molecular dynamics simulation. Y. Kawashima, Y. Sugita, T. Yoda, Y. Okamoto: Chem. Phys. Lett., 414, 449-455, 2005 Constitutive activation of the pH-responsive Rim101 pathway in yeast mutants defective in late steps of the MVB/ESCRT pathway. M. Hayashi, T. Fukuzawa, H. Sorimachi and T. Maeda: Mol. Cell. Biol. 25, 9478-9490, 2005 Aspergillus nidulans HOG pathway is activated only by twocomponent signaling pathway in response to osmotic stress. K. Furukawa, Y. Hoshi, T. Maeda, T. Nakajima and K. Abe: Mol. Microbiol., 56, 1246-1261, 2005 Dictyostelium discoideum requires an Alix/AIP1 homolog, DdAlix, for morphogenesis in alkaline environments. S. Ohkouchi, H. Saito, F. Aruga, T. Maeda, H. Shibata and M. Maki: FEBS Lett. 579, 1745-1750, 2005 Activation of the HOG pathway upon cold stress in Saccharomyces cerevisiae. M. Hayashi and T. Maeda: J. Biochem. (in press) Stomach-specific calpain, nCL-2, localizes in mucus cells and proteolyzes the β-subunit of coatomer complex, β-COP. S. Hata, S. Koyama, H. Kawahara, N. Doi, T. Maeda, N. Toyama-Sorimachi, K. Abe, K. Suzuki and H. Sorimachi: J. Biol. Chem. (in press) Identification and characterization of Arabidopsis gibberellin receptors. M. Nakajima, A. Shimada, Y. Takashi, Y-C Kim, S-H. Park, M. Ueguchi-Tanaka, H. Suzuki, E. Kato, S. Iuchi, M. Kobayashi, T. Maeda, M. Matsuoka and I. Yamaguchi: Plant J. (in press) 「出版本」 カルシウムポンプの構造と機能, 杉田 有治,豊島 近:蛋白質・核酸・酵素,増刊号「生命秩序 を担う生体超分子」 (阿久津秀雄、月原冨武、嶋田一夫 編) ,50, 1271-1277, 共立出版、 2005 〈生体有機化学研究分野〉 「原著論文」 Tubulin-polymerization inhibitors derived from thalidomide S. Inatsuki, T. Noguchi, H. Miyachi, S. Oda, T. Iguchi, M. Kizaki, Y. Hashimoto, and H. Kobayashi:Bioorg. Med. Chem. Lett., 15(2), 321-325, 2005 Enhancement of all-trans retinoic acid-induced HL-60 cell differentiation by thalidomide and its metabolites T. Noguchi, C. Shinji, H. Kobayashi, M. Makishima, H. Miyachi, and Y. Hashimoto :Biol. Pharm. Bull., 28(3), 563-564, 2005 Novel non-steroidal/non-anilide type androgen antagonists: discovery of 4-substituted pyrrole-2-carboxamides as a new scaffold for androgen receptor ligands K. Wakabayashi, H. Miyachi, Y. Hashimoto and A. Tanatani: Bioorg. Med. Chem., 13(8), 2837-2846, 2005 Design and aynthesis of subtype-selective cyclooxygenase(COX) inhibitors derived from thalidomide H. Sano, T. Noguchi, A. Tanatani, Y. Hashimoto and H. Miyachi:Bioorg. Med. Chem., 13(9), 3079-3091, 2005 Cell differentiation inducers derived from thalidomide T. Noguchi, H. Miyachi, R. Katayama, M. Naito and Y. Hashimoto :Bioorg. Med. Chem. Lett., 15(13), 3212-3215, 2005 A new class of androgen receptor antagonists bearing carborane in place of a steroidal skeleton S. Fujii, Y. Hashimoto, T. Suzuki, S. Ohta and Y. Endo :Bioorg. Med. Chem. Lett., 15(1), 227-230, 2005 Potent Androgen Antagonists Based on Carborane as a hydrophobic Core Structure S. Fujii, T. Goto, K. Ohta, Y. Hashimoto, T. Suzuki, S. Ohta and Y. Endo:J. Med. Chem., 48(14), 4654-4662, 2005 Nuclear receptor antagonists designed based on the helixfolding inhibition hypothesis Y. Hashimoto and H. Miyachi:Bioorg. Med. Chem., 13(17), 5080-5093, 2005 Ligands with dual vitamin D3-agonistic and androgenantagonistic activities S. Hosoda, A. Tanatani, K. Wakabayashi, H. Miyachi, K. Nagasawa and Y. Hashimoto:Bioorg. Med. Chem. Lett., 15(19), 4327-4331, 2005 Design and synthesis of phthalimide-type histone deacetylase inhibitors C. Shinji, T. Nakamura, S. Maeda, M. Yoshida, Y. Hashimoto and H. Miyachi:Bioorg. Med. Chem. Lett., 15(20), 4427-4431, 2005 Angiogenesis inhibitors derived from thalidomide T. Noguchi, H. Fujimoto, H. Sano, A. Miyajima, H. Miyachi and Y. Hashimoto:Bioorg. Med. Chem. Lett., 15(24), 5509-5513, 2005 Guanidine-thiourea bifunctional organocatalyst for the asymmetric Henry (nitroaldol) reaction. Y. Sohtome, Y. Hashimoto and K. Nagasawa :Adv. Synth. Catal., 347, 1643-1648, 2005 Total synthesis of (+)-batzelladine A and (-)-batzelladine D, and identification of their target protein. J. Shimokawa, T. Ishiwata, K. Shirai, H. Koshino, A. Tanatani, T. Nakata,Y. Hashimoto and K. Nagasawa:Chem. Eur. J., 11, 6878-6888, 2005 Helical Structure of N-Alkylated Poly(p-benzamide)s A. Tanatani, A. Yokoyama, I. Azumaya, Y. Takakura, C. Mitsui, M. Shiro, M. Uchiyama, A. Muranaka, N. Kobayashi and T. Yokozawa:J. Am. Chem. Soc, 127, 8553-8561, 2005 21 Lissoclibadins 1-3, three new polysulfur alkaloids, from the ascidian Lissoclinum cf. badium HW Liu, T. Fujiwara, T. Nishikawa, Y. Mishima, H. Nagai, T. Shida, K. Tachibana, H. Kobayashi, REP. Mangindaan and M. Namikoshi:Tetrahedron 61 (36), 8611-8615, 2005 selectivity for the c-MYC G-quadruplex structure. J. Seenisamy, S. Bashyam, V. Gokhale, H. Vankayalapati, D. Sun, A. Siddiqui-Jain, N. Streiner, K. Shin-ya, E. White, W. D. Wilson and L. H. Hurley: J. Am. Chem. Soc., 127, 2944-2959, 2005 Seven new meroditerpenoids, from the marine sponge Strongylophora strongylata, that inhibited the maturation of starfish oocytes HW. Liu, M. Namikoshi, K. Akano, H. Kobayashi, H. Nagai and XS. Yao:J. Asian Nat. Prod. Res., 7 (4), 661-670, 2005 Antioxidant activity of propofol and related monomeric and dimeric compounds. M. Ogata, K. Shin-ya, S. Urano and T. Endo: Chem. Pharm. Bull., 53, 344-346, 2005 「総説」 サリドマイドとがん治療 野口友美,橋本祐一 がん分子標的治療,3(1), 16-23, メディカルレビュー社, 2005 薬害の克服を目指した創薬化学 サリドマイドをマルチ創薬テンプレートとして活用したサリドマ イドの構造展開と活性拡張 宮地弘幸,橋本祐一 ファルマシア,41(1), 33-37, 2005 PPARを標的とした創薬 影近弘之, 宮地弘幸 日本臨床, 63(4), 549-555, 2005 新たなる創薬手法によるサリドマイドの構造展開とがん治療 橋本祐一 血液・腫瘍科, 51(1), 7-15, 2005 立体化学のための分析技術:NMR による解析 小林久芳、降旗一夫 ぶんせき, 2005(3), pp.118-124, 2005 Analysis of patent applications relating to peroxisome proliferator-activated receptor (PPAR) ligands in 2004 H. Miyachi Expert Opin. Ther. Patent. 15: 1521-1530(2005). 「出版本」 橋本 祐一, レチノイド受容体,「生物薬科学実験講座」 ,Vol.7-1. 情報伝達物[1], 受容体, 石橋貞彦・市川厚・堅田利明編集,廣川書店,pp.218-230, 2005 橋本 祐一, レチノイドとサリドマイドをリードとする生物応答調節剤の創製 研究 --- 構造展開と活性拡張 --「ケミカルバイオロジー・ケミカルゲノミクス」 ,半田宏編,シュ プリンガー・フェアラーク東京,pp.135-146, 2005 橋本祐一, 生体内分子と反応する医薬品,「スタンダード薬学シリーズ」,第3 巻 化学系薬学.ターゲット分子の合成と生体分子・医薬品の化 学.日本薬学会編,第15章.東京化学同人.pp.235-240, 2005 「学会賞」 日本薬学会創薬科学賞 首藤紘一、橋本祐一、影近弘之、小林洋一、大野竜三 「レチノイドの医薬化学研究とタミバロテンの創製」 日本薬学会奨励賞 棚谷綾 「核内受容体活性制御仮説に基づく特異的リガンドの創製研究」 〈活性分子創生研究分野〉 「原著論文」 Mevashuntin, a novel metabolite produced by inhibition of the mevalonate pathway in Streptomyces prunicolor. K. Shin-ya, Y. Umeda, S. Chijiwa, K. Furihata, K. Furihata, Y. Hayakawa and H. Seto: Tetrahedron Lett., 46, 1273-1276, 2005 Design and synthesis of an expanded porphyrin that has Deoxyverrucosidin, a novel GRP78/BiP down-regulator, produced by Penicillium sp. S.-J. Choo, H.-R. Park, I.-J. Ryoo, J.-P. Kim, B.-S. Yun, C.-J. Kim, K. Shin-ya and I.-D. Yoo: J. Antibiot., 58, 210-213, 2005 Prunustatin A, a novel GRP78 molecular chaperone downregulator isolated from Streptomyces violaceoniger. Y. Umeda, S. Chijiwa, K. Furihata, K. Furihata, S. Sakuda, H. Nagasawa, H. Watanabe and K. Shin-ya: J. Antibiot., 58, 206-209, 2005 Studies on terpenoids produced by Actinomycetes. H. Takagi, K. Motohashi, T. Miyamoto, K. Shin-ya, K. Furihata and H. Seto: J. Antibiot., 58, 275-278, 2005 Novel antitumor and neuroprotective substances discovered by characteristic screenings based on specific molecular targets. K. Shin-ya: Biosci. Biotech. Biochem., 69, 867-872, 2005 Trapping effect of eugenol on hydroxyl radicals induced by L-DOPA in vitro. M. Ogata, D. Kaneya, K. Shin-ya, L. Li, Y. Abe, H. Katoh, S. Seki, Y. Seki, R. Gonda, S. Urano and T. Endo: Chem. Pharm. Bull. 53, 1167-1170, 2005 Telomerase inhibition, telomere shortening, cell growth suppression and induction of apoptosis by telomestatin in childhood neuroblastoma cells. N. Binz, T. Shalaby, P. Rivera, K. Shin-ya and M A. Grotzer: Eur. J. Cancer, 41, 2873-2881, 2005 G-Quadruplex stabilization by telomestatin induces TRF2 protein dissociation from telomeres and anaphase bridge formation accompanied by loss of the 3’telomeric overhang in cancer cells. H. Tahara, K. Shin-ya, H. Seimiya, H. Yamada, T. Tsuruo and T. Ide: Oncogene, in press Thioviridamide, a novel apoptosis inducer in transformed cells from Streptomyces olivoviridis. Y. Hayakawa, K. Sasaki, H. Adachi, K. Furihata, K. Nagai and K. Shin-ya: J. Antibiot., 59, 1-5, 2005 A total synthesis of spiruchostatin A. T. Doi, Y. Iijima, K. Shin-ya, A. Ganesan and T. Takahashi: Tetrahedron Lett., 47, 1177-1180, 2005 The telomerase inhibitor telomestatin induces telomere shortening and cell death in Arabidopsis. L. Zhang, K. Tamura, K. Shin-ya and H. Takahashi: Biochim. Biophys. Acta, 1763, 39-44, 2005 〈創生研究分野〉 「原著論文」 Protein Boson Peak Originated from Hydration-Related Multiple Minima Energy Landscape. Y. Joti, A. Kitao and N. Go: J. Am. Chem. Soc., 127, 8705-8709, 2005 Switch interactions control energy frustration and multiple flagellar filament structures A. Kitao, K. Yonekura, S. Maki-Yonekura, F. A. Samatey, K. Imada, K. Namba, and N. Go:Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103, 4894-4899, 2006 22 「総説」 べん毛による細菌の泳ぎ方と方向転換の分子機構 今田勝巳, Fadel A. Samatey, 松波秀行, 長島重広, 北尾彰朗, 米倉 功治, 眞木さおり, 難波啓一: 蛋白質核酸酵素, 50(10), 1328-1334, 2005 生体超分子のユニバーサルジョイント―in silico で探る細菌べん 毛フックのメカニズム 北尾彰朗, Fadel A. Samatey, 松波秀行, 今田勝巳, 難波啓一: 蛋 白質核酸酵素, 50(10), 1335-1340, 2005 「出版本」 Extension of the Normal Mode Concept: Principal Component Analysis, Jumping-Among-Minima Model and their Applications to Experimental Data Analysis, Akio Kitao: in Normal Mode Analysis. Theory and Applications to Biological and Chemical Systems edited by Qiang Cui & Ivet Bahar, Chapter 12, 233-251, Chapman & Hall/CRC, Mathematical and Computational Biology Series, 2006 〈高次機能研究分野〉 「原著論文」 Brain pericytes contribute to the induction and up-regulation of blood-brain barrier functions through transforming growth factor-beta production. Dohgu, S., Takata, F., Yamauchi, A., Nakagawa, S., Egawa, T., Naito, M., Tsuruo, T., Sawada, Y., Niwa, M. and Kataoka, Y. : Brain Res, 1038, 208-215 (2005). Functional characterization of adenosine transport across the BBB in mice. Murakami, H., Ohkura, A., Takanaga, H., Matsuo, H., Koyabu, N., Naito, M., Tsuruo, T., Ohtani, H. and Sawada, Y.: Int J Pharm, 290, 37-44 (2005). HtrA2 cleaves Apollon and induces cell death by IAP-binding motif in Apollon-deficient cells. Sekine, K., Hao, Y., Suzuki, Y., Takahashi, R., Tsuruo, T. and Naito, M. :Biochem Biophys Res Commun, 330, 279-285 (2005). 〈高次構造研究分野〉 「原著論文」 Developmentally programmed remodeling of the Drosophila olfactory circuit. E. C. Marin, R. J. Watts, N. K. Tanaka, K. Ito and L. Luo: Development 132: 725-773, 2005 DPP signaling controls development of the lamina glia required for retinal axon targeting in the visual system of Drosophila. S. Yoshida, L. Soustelle, A. Giangrande, D. Umetsu, S. Murakami, T. Yasugi, T. Awasaki, K. Ito, M. Sato and T. Tabata: Development 132: 4587-4598, 2005 「総説」 グリア細胞の貪食作用と軸索分岐の再編成. 粟 崎 健, 伊 藤 啓: ク リ ニ カ ル ニ ュ ー ロ サ イ エ ン ス 23: 184-186, 2005. ショウジョウバエにおける蛍光イメージング実験. 伊藤啓: バイオテクノロジージャーナル 5: 477-485, 2005. 「教科書」 神経系の形成と機能を制御する遺伝情報. 粟崎健, 伊藤啓:「もうひとつの脳∼微小脳の研究入門」 (桑沢清明、 富永佳也、山口恒夫 編), pp. 163-199, 培風館, 2005. 〈バイオリソーシス研究分野〉 「原著論文」 Transfer of the misnamed "Alysiella" sp. IAM 14971 (=ATCC 29468) to the genus Moraxella as Moraxella oblonga sp. nov. C.-H. Xie and A. Yokota: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 55, 331-334, 2005 Dyella japonica gen. nov., sp. nov., a γ-proteobacterium isolated from soil. C.-H. Xie and A. Yokota: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 55, 753-756, 2005 Pleomorphomonas oryzae gen. nov., sp. nov., a nitrogen-fixing bacterium isolated from paddy soil of Oryza sativa. C.-H. Xie and A. Yokota: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 55: 1233-1237, 2005 Phylogenetic analysis of Alysiella and related genera of Neisseriaceae: Proposal of Alysiella crassa comb. nov., Conchiformibium steedae gen. nov., sp. nov., Conchiformibium kuhniae sp. nov. and Bergeriella denitrificans gen. nov., comb. nov. C.-H. Xie and A. Yokota: J. Gen. Appl. Microbiol., 51, 1-10, 2005 Azospirillum oryzae sp. nov., a nitrogen-fixing bacterium isolated from the roots of the rice plant Oryza sativa. C.-H. Xie and A. Yokota: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 55, 1435-1438, 2005 Mitsuaria chitosanitabida gen. nov., sp. nov., an aerobic, chitosanase-producing member of the‘Betaproteobacteria’ . D. Amakata, Y. Matsuo, K. Shimono, J. K. Park, C.S. Yun, H. Matsuda, A. Yokota, and M. Kawamukai: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 55, 1927-1932, 2005 Polyamine distribution profiles within cyanobacteria. R. Hosoya, K. Hamana, M. Isobe, and A. Yokota: Microbiol. Cult. Coll., 21, 3-8, 2005 Reclassification of the genus Methylobacterium species: M. chloromethanicum and M. dichloromethanicum as synonyms of M. extorquens, and M. lusitanum as a synonym of M. rhodesianum. Y. Kato, M. Asahara, D. Arai, K. Goto and A. Yokota: J. Gen. Appl. Microbiol., 51, 287-299, 2005 Identification and characterization of lactococcal and Acetobacter strains isolated from traditional Caucasusian fermented milk. T. Ishida, A. Yokota, Y. Umezawa, T. Toda, and K. Yamada: J. Nutr. Sci. Vitaminol., 51,187-193, 2005 Reclassification of Alcaligenes latus IAM 12599T, IAM 12664, and [Pseudomonas] saccharophila as Azohydromonas lata gen. nov., comb. nov., Azohydromonas australica sp. nov., and Pelomonas saccharophila gen. nov., comb. nov. C.-H. Xie, and A. Yokota: Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 55, 2419-2415, 2005 「出版本」 Genus VIII. Devosia Nakagawa, Sakane, and Yokota 1996, 20VP. Nakagawa, Y., Sakane, T., and Yokota, A.:「Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology, 2 nd ed., Vol. 2, Part C」(Ed. by D.J. Brenner, N.R. Krieg, J.T. Staley, and G.M. Garrity), pp. 509-512, Springer, 2005 23 おめでとう!大学院博士・修士課程修了者 平成18年3月をもって大学院博士課程及び修士課程を修了された 方々と論文タイトルは以下のとおりです。 (かっこ内は所属大学院 研究科) 長い間の研究活動の結実、おめでとうございます。分生研での研 究生活を糧として、さらに各界でご活躍されることを期待してい ます。 博士課程 〈分子遺伝研究分野〉 丸山 真一朗 (農学生命科学研究科) 原始光合成生物における光環境応答とその進化に関する研究 〈染色体動態研究分野〉 太田 信哉 (農学生命科学研究科) 大腸菌の挿入因子IS1の転移とその制御機構に関する分子遺伝学 的研究 〈核内情報研究分野〉 伊藤 紗弥 (農学生命科学研究科) 遺伝学的アプローチによる核内レセプター新規転写共役因子の機 能解析 目崎 喜弘 (農学生命科学研究科) エストロゲン受容体の新規転写共役因子のBRD4機能解析 吉村 公宏 (農学生命科学研究科) WSTF(Williams syndrome transcription factor)の生体内高次機 能の解析 沢津橋 俊 (農学生命科学研究科) クロマチン構造を介したエクダイソンレセプター転写制御機構に 関する研究 〈情報伝達研究分野〉 吉松 剛志 (工学系研究科) 神経系前駆細胞の未分化性を制御する分子機構の解析 平林 祐介 (新領域創成科学研究科) 神経系前駆細胞におけるWntシグナルの機能の解析 〈細胞機能研究分野〉 林 光紀 Hm1 様遺伝子過剰発現イネの解析 (理学系研究科) 河野 淳 (理学系研究科) シロイヌナズナサイクリンD4の機能解析 吉永 恵子 (農学生命科学研究科) 植物細胞死におけるオルガネラ動態の解析 〈細胞増殖研究分野〉 片山 量平 アポトーシス抑制分子FLIPの新規機能解析 (薬学系研究科) 〈形態形成研究分野〉 梅津 大輝 (理学系研究科) ショウジョウバエの視覚中枢神経節の形成に必要な神経細胞の相 互作用 〈細胞形成研究分野〉 宮本 重彦 (農学生命科学研究科) ABCトランスポーター LolCDEによるリポ蛋白質選別機構 宮崎 恵美 (九州大学大学院システム生命科学府システム生命科 学専攻) Sorting and Topogenesis of Multispanning Membrane Proteins in Mammalian Cells 〈機能形成研究分野〉 岡部 繭子 マウスオーバル細胞の分離とその性状解析 伊藤 寛明 樹状細胞の発生、分化機構及び機能の解析 (理学系研究科) (理学系研究科) 〈生体超高分子研究分野〉 金子 雅昭 (農学生命科学研究科) プロテインホスファターゼ耐性型p38変異体の単離と解析 米山 京 (農学生命科学研究科) 活性化型TOR変異体を用いた酵母TOR経路の生理機能の解析 〈生体有機化学研究分野〉 五月女 宜裕 (薬学系研究科) 多官能基型有機分子触媒の創成研究∼多点認識反応場の高度化と 不斉炭素-炭素結合半応の実践∼ 〈高次機能研究分野〉 大畑 広和 (新領域創成科学研究科) アポトーシス阻害タンパク質Apollonによるcyclin Aのユビキチン 化と分裂期制御に関する研究 〈高次構造研究分野〉 大綱 英生 (名古屋大学大学院理学研究科) ショウジョウバエを用いた、低次視覚中枢と高次中枢を結ぶ視覚 投射神経経路の解析 〈バイオリソーシス研究分野〉 謝 承暉 (農学生命科学研究科) Phylogenetic studies on nitrogen-fixing bacteria(窒素固定細菌 の系統分類に関する研究) 修士課程 〈分子遺伝研究分野〉 塩澤 美紀 (農学生命科学研究科) シロイヌナズナにおけるテロメラーゼの機能と発現制御系の解析 寺下 優 (農学生命科学研究科) 原始紅藻Cyanidioschyzon merolae 10Dにおける窒素同化機構の 解析 前田 英樹 (農学生命科学研究科) シロイヌナズナにおける葉緑体シグマ因子SIG6の機能解析 〈染色体動態研究分野〉 マルシア ユリ コンドウ (農学生命科学研究科) Analysis of wild rice strains by insertion polymorphism of retroposon p-SINE1. 〈核内情報研究分野〉 大矢 博之 (農学生命科学研究科) クロマチンリモデリング複合体WINACのシグナル依存的新規調 節機構の解析 岡田 麻衣子 (農学生命科学研究科) 24 細胞周期依存的な核内レセプターの機能解析 越田 伊織 (農学生命科学研究科) DEAD-box型RNAヘリケースp68及びp72生体内高次機能の解析 〈分子情報研究分野〉 大野 陽子 (農学生命科学研究科) 新規RNA結合タンパク質D8によるアポトーシス誘導の機構 山角 祐介 (農学生命科学研究科) 新規核膜タンパク質FLJ10407の機能に関する分子生物学的研究 相良 将樹 (理学系研究科) 癌抑制遺伝子産物APCの新規結合因子の単離と機能解析 〈情報伝達研究分野〉 大橋 淳一郎 脳発生における死細胞の除去機構の解析 (工学系研究科) 桑原 篤 (工学系研究科) Wntシグナルによる大脳皮質神経系前駆細胞の運命制御メカニズ ムの解明 岩井 謙一 (工学系研究科) 生存シグナルによるApoptosome制御機構の解析 川口 大地 (新領域創成科学研究科) マウス大脳皮質発生におけるNotch-Delta経路の機能解析 森永 光一郎 (新領域創成科学研究科) マウス肢芽発生におけるautophagyとapoptosisの関係の解析 〈細胞機能研究分野〉 保里 善太 (新領域創成科学研究科) カルモデュリンを介した細胞死抑制機構の研究・レーザーテック 小島 祥子 (新領域創成科学研究科) シロイヌナズナのサイクリンA3の機能解析 渡辺 綾子 シロイヌナズナAtNADK2遺伝子の機能解析 (理学系研究科) 〈細胞増殖研究分野〉 青柳 ゆみ子 (薬学系研究科) Hsp90との結合を介したILKの安定化機構の解析 長瀬 祥子 血小板凝集因子Aggrusの癌における発現検討 (医学系研究科) 〈形態形成研究分野〉 北田 祐介 (理学系研究科) ショウジョウバエ新規POUドメイン転写因子Bananaの視覚系形 成過程における役割 田井 美也子 (理学系研究科) ショウジョウバエ視神経軸索の投射を規定する視覚中枢側作用因 子の探索 〈細胞形成研究分野〉 坂本 ちひろ (農学生命科学研究科) 内膜局在化シグナルを持つリポ蛋白質を外膜に局在化させる LolCDE変異体の解析 田中 慎哉 (農学生命科学研究科) 緑膿菌Lolシステムによるリポ蛋白質の選別的輸送 鶴水 良次 (農学生命科学研究科) リポ蛋白質の外膜局在化因子LolBの水溶性変異体による機能解析 〈機能形成研究分野〉 宮岡 佑一郎 (理学系研究科) Oncostatin M (OSM)による脂肪細胞分化抑制機構の解明 岡崎 有羽子 (理学系研究科) 肝成熟におけるLutheran blood group glycoproteinの機能解析 〈生体超高分子研究分野〉 高橋 美穂子 (理学系研究科) 阻害剤によって明らかになったE2状態におけるCa2+ -ATPaseの柔 軟性 関 勝之 (農学生命科学研究科) 酵母TOR経路制御因子Lst8pの機能解析 佐藤 純子 (農学生命科学研究科) 恒常的活性化型mTORの探索とkog1温度感受性変異株の単離と解 析 〈生体有機化学研究分野〉 佐野 紘子 (薬学系研究科) COX-1選択的阻害剤の創製研究∼血管新生阻害剤への展開∼ 進士 千尋 (薬学系研究科) 環状アミド骨格を有する新規ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の 創製 細田 信之介 (薬学系研究科) ビタミンD活性および抗アンドロゲン活性を有するジフェニルメ タン誘導体の構造展開 前田 満将 (薬学系研究科) フッ素化アルキル基を有するレチノイドアンタゴニストの創製 若林 賢一 新規アンドロゲンアンタゴニストの創製研究 (薬学系研究科) 〈高次機能研究分野〉 高島 あさみ (新領域創成科学研究科) Apollonノックアウトマウスの表現型解析 菊池 亮 (新領域創成科学研究科) アポトーシス阻害タンパク質Apollonによるcyclin D、cyclin Eの 分解制御機構の解析 〈バイオリソーシス研究分野〉 肖 恬 (農学生命科学研究科) Taxonomic studies on the strains of genus Microbacterium and related genera(Microbacterium 属および近縁菌種の分離と同定 に関する研究) 李 冰 (農学生命科学研究科) Phylogenetic studies on actinomycetes belonging to the genus Kitasatospora and Rhodococcus(Kitasatospora 属および Rhodococcus 属放線菌の系統分類に関する研究) 25 次代のホープ達 平成17年3月に博士・修士課程を卒業された方々の進路を紹介し ます。 〈分子遺伝研究分野 博士卒 丸山 真一朗(農学生命科学研究科) :東京大学リサーチフェロー 修士卒 塩澤 美紀(農学生命科学研究科) :株式会社富士通ビー・エス・ シー 寺下 優(農学生命科学研究科) :株式会社味の素 前田英樹(農学生命科学研究科) :株式会社キリンビール 〈染色体動態研究分野 博士卒 太田 信哉(農学生命科学研究科) :日本学術振興会特別研究員(エ ジンバラ大学に留学) 〈核内情報研究分野〉 博士卒 伊藤 紗弥(農学生命科学研究科) :日本学術振興会特別研究員 目崎 喜弘(農学生命科学研究科) :秋田大学医学部 吉村 公宏(農学生命科学研究科) :株式会社大地 沢津橋 俊(農学生命科学研究科) :独立行政法人科学技術振興機 構ERATO研究員 修士卒 大矢 博之(農学生命科学研究科) :株式会社産業経済新聞社 越田 伊織(農学生命科学研究科) :株式会社ヤクルト本社 〈情報伝達研究分野〉 博士卒 吉松 剛志(工学系研究科) :分生研博士研究員 平林 祐介(新領域創成科学研究科) :分生研博士研究員 修士卒 大橋 淳一郎(工学系研究科) :都内私立高校 岩井 謙一(工学系研究科) :武田薬品工業株式会社 〈細胞機能研究分野〉 博士卒 河野 淳(理学系研究科) :果樹研究所 吉永 恵子(農学生命科学研究科) :理研ビタミン株式会社 修士卒 保里 善太(新領域創成科学研究科) :レーザーテック株式会社 小島 祥子(新領域創成科学研究科) :株式会社羊土社 渡辺 綾子(理学系研究科)東京大学理学系研究科技術系職員 〈細胞増殖研究分野〉 博士卒 片山 量平(薬学系研究科) :㈶癌研究会癌化学療法センター研究 員 修士卒 青柳 ゆみ子(薬学系研究科) :厚生労働省 〈形態形成研究分野〉 博士卒 梅津 大輝(理学系研究科) :理学系研究科生物化学専攻COE研 ◆ 分生研卒業生進路紹介 ◆ 究拠点特任研究員 〈細胞形成研究分野〉 博士卒 宮崎 恵美(九州大学大学院システム生命科学府システム生命科 学専攻) :日本医科大学大学院医学研究科加齢科学系専攻細胞生物 学分野博士研究員 宮本 重彦(農学生命科学研究科):株式会社カネカ 修士卒 坂本 ちひろ(農学生命科学研究科):ハウス食品株式会社 田中 慎哉(農学生命科学研究科):興和株式会社 鶴水 良次(農学生命科学研究科) :株式会社ミツカングループ本 社 〈機能形成研究分野〉 博士卒 岡部 繭子(理学系研究科):アステラス製薬株式会社 修士卒 岡崎 有羽子(理学系研究科):株式会社資生堂 〈生体超高分子研究分野〉 博士卒 金子 雅昭(農学生命科学研究科):山本秀策特許事務所 米山 京(農学生命科学研究科):株式会社医学生物学研究所 修士卒 高橋 美穂子(理学系研究科) :新日鉄ソリューションズ株式会社 関 勝之(農学生命科学研究科):アサヒビール株式会社 佐藤 純子(農学生命科学研究科):住友商事株式会社 〈生体有機化学研究分野〉 博士卒 五月女 宣裕(薬学系研究科) :薬学系研究科有機合成化学流動助 手 修士卒 佐野 紘子(薬学系研究科):万有製薬株式会社 進士 千尋(薬学系研究科):特許庁 〈高次機能研究分野〉 博士卒 大畑 広和(新領域創成科学研究科) :国立がんセンター研究所リ サーチレジデント 〈高次構造研究分野〉 博士卒 大綱 英生(名古屋大学大学院 理学研究科 生命理学専攻) :独 立行政法人科学技術振興機構BIRD研究員 〈バイオリソーシス研究分野〉 博士卒 謝 承 暉( 農 学 生 命 科 学 研 究 科 ): ポ ス ド ク Department of Biochemistry and Molecular Biology, University of Arkansas for Medical Sciences, USA 修士卒 肖 恬(農学生命科学研究科) :NTTデータフロンティア株式会社 26 < Welcome to IMCB > 分子遺伝 高師 義幸 小沢 友希 肖 咭 −新人紹介− 分子情報 農学生命科学研究科 博士1年 農学生命科学研究科 修士1年 農学生命科学研究科 修士1年 船戸 洸祐 辻 真之介 高瀬 宏文 奥野ます美 理学系研究科 修士1年 農学系研究科 修士1年 農学系研究科 修士1年 技術補佐員 形態形成 清水 一道 阿部 崇志 理学系研究科 修士1年 理学系研究科 修士1年 写真:左から、肖、小沢、高師 写真:左から、高瀬、辻、奥野、船戸 写真:左から、清水、阿部 染色体動態(渡邊研) 細胞機能 吉田 江里 松島 智美 田中 瞳 理学系研究科 修士1年 理学系研究科 修士1年 技術補佐員 写真:前列左から、多田、丹野 後列左から、山岸、石黒、作野 丹野 悠司 石黒 伸茂 多田 健志 山岸 有哉 作野 剛士 農学生命科学研究科 博士1年 理学系研究科 修士1年 理学系研究科 修士1年 理学系研究科 修士1年 学術研究支援員 染色体動態(大坪研) 平尾 嘉利 西村啓士郎 応用生命工学研究科 博士1年 研究生 写真:左から、松島、吉田、田中 写真:左から、平尾、西村 機能形成 Kasim Vivi 廣瀬 恵一 斉藤 滋 工学系研究科 博士3年 理学系研究科 博士2年 COE技術員 細胞増殖・高次機能 松尾 純一 倉田 敦夫 西本 理恵 新領域創成科学系研究科 博士1年 新領域創成科学系研究科 修士1年 学術研究支援員 事務部 写真:左から、西本、松尾、倉田 小倉 聡司 神山 忍 庶務係員 庶務係員 写真:左から、廣瀬、斉藤、Kasim 細胞形成 石丸 琴美 徳田 洋子 山崎 俊介 農学生命科学研究科 修士1年 農学生命科学研究科 修士1年 農学生命科学研究科 修士1年 写真:左から、徳田、石丸、山崎 写真:左から、神山、小倉 27 発生分化構造 佐野 徳彦 古賀 公章 坂本 真紀 理学系研究科 修士1年 薬学系研究科 修士1年 理学系研究科 修士1年 生体超高分子(前田研) 畠山 理広 宮崎 隆幸 賓 範浩 角井 雅之 農学生命科学研究科 修士1年 農学生命科学研究科 修士1年 農学生命科学研究科 修士1年 技術補佐員 写真:左から、古賀、坂本、佐野 核内情報 海老原佳苗 岩崎 恵 吉田 智恵 井上 和樹 村田 拓哉 遠藤 匠 上田 崇 今井 祐記 ERATO研究員 ERATO技術員 ERATO技術員 農学生命科学研究科 修士1年 農学生命科学研究科 修士1年 農学生命科学研究科 博士2年 農学生命科学研究科 博士2年 博士研究員 写真:前列左から、吉田、岩崎、海老原 後列左から、井上、今井、遠藤、上田、村田 生体有機化学 創生 竹村 和浩 有馬 聡史 原田 隆平 写真:左から、畠山、宮崎、角井、賓 産学官連携研究員 新領域創成科学研究科 修士1年 理学系研究科 修士1年 写真:左から、原田、竹村、有馬 生体超高分子(豊島研) 近藤 洋平 助手 平田 絢美 学術研究支援員 梅村 義弘 CCS社 ネットワークサポート 臼井 伸也 新谷 陽子 佐藤 伸一 藤本 悠 星野 健太 湊 太郎 李 鐘光 三澤 隆史 丸山 慶輔 福岡 葉子 薬学系研究科 博士1年 薬学系研究科 修士1年 薬学系研究科 修士1年 薬学系研究科 修士1年 薬学系研究科 修士1年 薬学系研究科 修士1年 薬学系研究科 修士1年 研究生 研究生 研究生 写真:左から、梅村、平田、近藤 情報伝達 伊達 靖 小野口真広 鈴木はな絵 二宮 寿洋 金 明煥 岡崎 朋彦 古館 昌平 簑島 弘 新領域創成科学系研究科 修士1年 新領域創成科学系研究科 修士1年 工学系研究科 修士1年 工学系研究科 修士1年 工学系研究科 修士1年 工学系研究科 修士1年 工学系研究科 修士1年 工学系研究科 博士3年 写真:前列左から青山、迫、福岡、丸山、臼井 後列左から湊、星野、李、佐藤、三澤 写真:前列左から、古館、岡崎、二宮 中列左から、小野口、鈴木、簑島 後列左から、金、伊達 高次構造 池林 智紀 遠藤 啓太 新領域創成科学研究科 修士1年 科学技術振興機構研究員 バイオリソーシス 福永 幸代 農学生命科学研究科 博士1年 Christpher Jakosalem Belmonte 農学生命科学研究科 大学院研究生 Sharbanee Mitra 農学生命科学研究科 修士1年 金 星 農学生命科学研究科 修士1年 廣瀬 健人 受託研究員 写真:上 左から、Belmonte、Mitra、金、福永 下 左から、Belmonte、Mitra、金、廣瀬 写真:左から遠藤、池林 活性分子創生 土屋 泰子 事務補佐員 写真:土屋 28 2005年分生研セミナー一覧 2005年1月11日 仲野 徹 教授 (大阪大学大学院 生命機能研究科・時空生物学医学系 研究科・病理学 「遺伝子制御による細胞の未分化性維持」 2005年4月8日 Peter Lawrence (MRC Laboratory) 「Pattern formation in Drosophila development, a personal history」 2005年1月28日 2005年4月12日 Andrew D.Peel 菅野 純 先生 (University of Cambridge) 「Evidence for the concerted evolution of insect engrailed genes & some ideas on the evolution of (国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究セン ター毒性部長) 「毒性メカニズム解析を目指した“Percellome"トキシコ insect segmentation mechanisms.」 ゲノミクス」 2005年2月7日 2005年5月24日 徳永 万喜洋 教授 奈良 雅之 先生 (国立遺伝学研究所、理化学研究所・免疫センター) (東京医科歯科大学教養学部) 「細胞内1分子イメージングと定量解析」 「カルシウム結合タンパク質と金属イオンとの相互作用 に関する研究ー赤外分光法によるアプローチ」 2005年3月1日 宮脇 敦史 博士 (理化学研究所BSI先端技術開発グループ・グループ ディレクター) 「Cruising inside cells」 2005年6月15日 Dr. Paul Megee (Department of Biochemistry and Molecular Genetics University of Colorado Health Sciences Center at Fitzsimons) 2005年3月2日 齋藤 実 博士 「Sister Chromatid Cohesion and the Maintenance of Genomic integrity」 (東京都神経科学総合研究所) 「学習記憶と加齢性記憶障害の分子機構」 2005年6月15日 Dr. Iain Cheeseman 2005年3月10日 Larry Zipursky 教授 (University of California) (Ludwig Institute for Cancer Research, University of California San Diego) 「Molecular Dissection of the Metazoan Kinetochore」 「Dscam, a Large Family of Cell Surface Proteins, Regulates Development of Neuronal Connections in Drosophila」 2005年6月24日 河府 和義 助手 (東北大学加齢医学研究所免疫遺伝子制御研究分野) 2005年3月25日 「Runx転写因子によるTリンパ球の運命決定」 小川 治夫 先生 (University of Nevada) 2005年7月11日 「ホルモン結合によるANP受容体の分子内信号伝達メカ 木村 暁 先生 ニズム」 (慶應義塾大学大学院理工学研究科) 「コンピュータ・シミュレーションと画像処理を利用し 2005年3月28日 た細胞核の配置機構の解析」 Dr. Jibak Lee (Laboratory of Reproductive Biology and Biotechnology, Graduate School of Science and Technology, Kobe University) 「The differences between mitosis and meiosis Metaphase I-to-metaphase II transition in mammalian oocytes」 2005年7月12日 原 英二 教授 (徳島大学ゲノム機能研究センター) 「p16/RB-経路による細胞周期制御と癌抑制」 29 2005年7月12日 2005年10月26日 Balasundaram Padmanabhan 先生 金丸 周司 博士 (理化学研究所 ゲノム科学総合研究センター) (東京工業大学大学院生命理工学研究科) 「Structural basis for acetylated histone H4 「Infection Mechanism of Bacteriophage T4」 recognition by the human Brd2 bromodomain」 2005年11月9日 2005年8月24日 ANDREAS WEBER 博士 (Michigan State University, USA 準教授) 「Intracelluar Transport and Regulation of Metabolic Dr. Antoine H. F. M. Peters (Friendrich Miescher Institute for Biomedical Research(FMI), Basel, Switzerland) 「Epigenetic reprogramming of the mammalian germ Networks in Plants」 line」 2005年9月27日 2005年11月9日 Yosuke Mukoyama Ph.D. (Howard Hughes Medical Institute California Institute of Technology) 広田 亨 博士 (癌研究会癌研究所・実験病理部) 「オーロラキナーゼによるクロマチン制御」 「Challenging the CNS Stem Cell Hypothesis in the Embryonic Spinal Cord」 2005年11月21日 Prof. Geoffrey Greene 2005年9月30日 Jonathan Cooper,Ph.D. (Fred Hutchinson Cancer Research Center) 「Disabled family adaptor proteins in signal (The Ben May Institute of Cancer Research and Department of Biochemistry and Molecular Biology, University of Chicago) 「Understanding SERM Behavior」 transduction and endocytosis」 2005年12月2日 2005年9月30日 Prof. M.R.S Rao (Jawaharlal Nehru Centre for Advanced Scientific Research・インド) S. Shivaji 教授 (Centre for Cellular and Molecular Biology, India) 「Antarctic bacteria: clues to survival at low temperature」 「Chromatin Remodelling During Mammalian Spermatogenesis」 2005年12月12日 谷本 拓 博士 2005年10月6日 (Universität Würzburg) Prof.Heinz Saedler 「Reward processing and olfactory memory formation (Depeartment of Molecular Genetics Max-Planck- in the Drosophila brain.」 Institute of Plant Breeding Research, Cologne, Germany) 「Evolution of Morphological Novelties in Plants」 2005年12月19日 松野 健治 先生 (東京理科大学) 2005年10月17日 「小胞輸送によるNotch情報伝達の制御」 Anthony J Michael 博士 (Institute of Food Research, U. K. Head of the Technologies for Syatems Biology Partnership) 「A Systems Biology Analysis of How Plants Respond to Phenylpropanoid Depletion」 2005年10月20日 Dr. Sung Hee Baek (Seoul National University, South Korea) 「Transcriptional regulation of a metastasis suppressor gene by Tip60 and beta-catenin complexes」 津田 玲生 先生 (国立長寿医療センター研究所) 「Notchシグナルの下流で機能する転写コリプレッサー 複合体の機能解析」 30 平成17年度科学研究費補助金採択一覧 以下は分生研における平成17年度科学研究費補助金の採択一覧です。 (研究代表者、職名、研究分野、研究課題名、補助金額) ●文部科学省科学研究費補助金 □特別推進研究 渡邊 嘉典 教授 染色体動態研究分野 染色体の均等分裂と還元分裂の違いを作る分子機構 □特定領域研究 鶴尾 隆 教授 細胞増殖研究分野 がん研究の総合的推進に関する研究 88,300千円 2,500千円 徳田 元 教授 細胞形成研究分野 大腸菌細胞表層におけるリポタンパク質の選択的膜局在化と品質管理の 分子機構 26,400千円 加藤 茂明 教授 核内情報研究分野 発癌における核内受容体機能の解析 秋山 徹 教授 分子情報研究分野 がん細胞の異常増殖の分子機構 10,000千円 102,000千円 宮島 篤 教授 機能形成研究分野 肝細胞のがん化における分化制御の異常 11,300千円 鶴尾 隆 教授 細胞増殖研究分野 耐性機構を制御する分子標的薬剤 27,200千円 橋本 祐一 教授 生体有機化学研究分野 がん増悪因子を制御する抗癌剤の創製 9,000千円 多羽田 哲也 教授 形態形成研究分野 ショウジョウバエの視覚中枢形成システム 4,500千円 多羽田 哲也 教授 形態形成研究分野 ショウジョウバエの視覚系構築メカニズム 3,600千円 堀越 正美 助教授 発生分化構造研究分野 ガンキリン・INKによるサイクリン依存性キナーゼ活性制御機構の解析 1,900千円 北尾 彰朗 助教授 創生研究分野 分子認識における蛋白質のエネルギー地形階層性と水和構造変化の役割 8,000千円 北尾 彰朗 助教授 創生研究分野 生体超分子立体構造・機能解析のためのシミュレーション法開発 17,600千円 佐藤 純 助手 形態形成研究分野 ショウジョウバエ視神経軸索の視覚中枢への投射における背腹方向の投 射制御機構の解析 3,000千円 武山 健一 助手 核内情報研究分野 性ステロイド受容体による転写制御を介した脳の性分化機構の解明 9,500千円 増山 典久 助手 情報伝達研究分野 時期依存的な神経幹細胞の運命制御メカニズムの解析 3,500千円 山田 真紀 講師 細胞機能研究分野 酸化ストレスと小胞体―オルガネラ維持の分子機構 3,000千円 高田 伊知郎 助手 核内情報研究分野 核内受容体を介したクロストーク分子機構の解析 3,500千円 大坪 栄一 名誉教授 バクテリアの挿入因子ISによるゲノム再編成 3,000千円 □基盤研究 橋本 祐一 教授 生体有機化学研究分野 再生医療を支援する生物応答調節剤の創製研究 □基盤研究 徳田 元 教授 細胞形成研究分野 大腸菌におけるリポ蛋白質の選別輸送と膜局在化の分子機構 加藤 茂明 教授 核内情報研究分野 染色体構造を調節する新規核内複合体群の検索及び機能解析 10,600千円 8,900千円 10,100千円 □基盤研究 北尾 彰朗 助教授 創生研究分野 大規模分子動力学法で探るバイオナノマシンの作動原理 3,700千円 梅田 正明 助教授 細胞機能研究分野 サイトカイニン情報伝達による細胞周期の制御機構 4,700千円 伊藤 啓 助教授 高次構造研究分野 キイロショウジョウバエを用いた脳の連合野神経回路構造の体系的解析 7,000千円 後藤 由季子 教授 情報伝達研究分野 細胞運動と神経突起形成におけるPDK1-Akt経路の活性化と機能 6,000千円 横田 明 助教授 バイオリソーシス研究分野 細菌多様性の系統分類学的解析 3,100千円 堀越 正美 助教授 発生分化構造研究分野 立体構造特異性に基づく癌化制御機構の解析 11,200千円 後藤 由季子 教授 情報伝達研究分野 がん化におけるプロテインキナーゼの機能 多羽田 哲也 教授 形態形成研究分野 ショウジョウバエの視覚中枢の形成 9,100千円 14,300千円 内宮 博文 教授 細胞機能研究分野 分子育種基盤としてのストレス制御因子の解析 5,500千円 内藤 幹彦 助教授 高次機能研究分野 細胞死阻害タンパク質の機能解析とがん治療への応用 7,800千円 西山 賢一 助教授 細胞形成研究分野 大腸菌におけるFfh/4.5S RNAに依存したタンパク質膜挿入経路の完全 再構成 2,500千円 梅田 正明 助教授 細胞機能研究分野 植物発生の基盤となる細胞増殖を制御するシグナル伝達機構 堀越 正美 助教授 発生分化構造研究分野 ヌクレオソームを中心とした遺伝子情報発現制御機構の解明 2,500千円 4,200 千円 内藤 幹彦 助教授 高次機能研究分野 FLIPによるユビキチン・プロテアソームシステムの制御 秋山 徹 教授 分子情報研究分野 新規RNA結合タンパク質D8によるアポトーシス誘導の機構 7,700千円 10,700千円 □基盤研究 土本 卓 助手 染色体動態研究分野 イネのSINE、P-SINE1のエピジェネティックな発現制御のダイナミズム 1,500千円 15,300千円 中村 勉 助手 分子情報研究分野 NMDA受容体・PSD-95・SPAL-1複合体による脳高次機能の制御機構 2,300千円 杉田 有治 講師 生体超高分子研究分野 分子シミュレーションによる膜タンパク質の構造変化と物質輸送機構の 解明 15,600千円 西山 賢一 助教授 細胞形成研究分野 大腸菌におけるタンパク質細胞質膜挿入に関与する膜内在性新因子の構 造と機能解析 2,200千円 増山 典久 助手 情報伝達研究分野 AktによるDNA損傷チェックポイントの制御機構 粟崎 健 助手 高次構造研究分野 変態期のショウジョウバエにおける脳神経回路の再編成と一酸化窒素シ グナル 2,200千円 前田 達哉 助教授 生体超高分子研究分野 浸透圧ストレス情報伝達経路の解析 1,500千円 31 田村 勝徳 助手 分子遺伝研究分野 植物の罹病過程におけるテロメラーゼによる過敏感細胞死の抑制機構 1,800千円 太田 信哉 特別研究員(DC2) 染色体動態研究分野 挿入因子IS 1コードするトランスポゼースの機能と構造に関する研究 1,000千円 □若手研究 武山 健一 助手 核内情報研究分野 分子遺伝学的アプローチによる染色体構造調節因子の検索 岡部 繭子 特別研究員(DC2) 機能形成研究分野 肝幹細胞であるoval細胞における増殖・分化制御因子の同定および制御 機構の解明 900千円 5,800千円 □若手研究 山田 真紀 講師 細胞機能研究分野 植物における細胞死制御機構の解明 1,100千円 棚谷 綾 助手 生体有機化学研究分野 アミド結合の立体特性を利用した分子デバイスの構築 1,400千円 村上 智史 特別研究員(DC2) 形態形成研究分野 ショウジョウバエ視覚中枢における三次元神経ネットワーク形成機構の 分子遺伝学的解析 900千円 藤田 直也 助教授 細胞増殖研究分野 癌転移に関わる新規血小板凝集誘導因子Aggrusの血小板凝集誘導機構の 解析 1,400千円 川島 茂裕 特別研究員(DC1) 染色体動態研究分野 Bub 1キナーゼによる動原体因子シュゴシンの機能および局在の分子制 御機構 900千円 津田 岳夫 助手 生体超高分子研究分野 銅イオンポンプATP結合領域のX線結晶構造解析 2,400千円 増山 典久 助手 情報伝達研究分野 Aktによる神経幹細胞の分化と運動性の制御機構の解析 八杉 徹雄 特別研究員(DC1) 形態形成研究分野 ショウジョウバエ視覚中枢の形成に必須の因子の網羅的探索と機能解析 900千円 1,900千円 川崎 善博 助手 分子情報研究分野 神経突起伸長におけるAPCの機能 2,300千円 佐藤 純 助手 形態形成研究分野 ショウジョウバエ視覚系における視神経投射地図の形成機構 1,900千円 吉田 章子 助手 形態形成研究分野 ショウジョウバエ視覚中枢の形成過程における視神経―グリア間相互作 用の役割 1,900千円 成田 新一郎 助手 細胞形成研究分野 緑膿菌におけるリポタンパク質の局在化機構 1,800千円 □萌芽研究 橋本 祐一 教授 生体有機化学研究分野 サリドマイドの抗糖尿病薬への展開 900千円 伊藤 啓 助教授 高次構造研究分野 色覚研究の成果を活用した色覚バリアフリーな配色設計法の確立にむけ ての基礎研究 2,000千円 堀越 正美 助教授 発生分化構造研究分野 FK506結合蛋白質(FKBP)のクロマチン構造変換活性の解析 □学術創成研究費 豊島 近 教授 生体超高分子研究分野 P型イオンポンプによる能動輸送機構の構造的解明 3,400千円 51,300千円 田中 寛 助教授 分子遺伝研究分野 核・オルガネラコンソーシアムによる真核細胞の構築原理の研究 84,700千円 □特別研究員奨励費 丸山 真一朗 特別研究員(DC1) 分子遺伝研究分野 原始的染色体及び核膜の構造・機能・動態から探る真核細胞の起源 900千円 平林 祐介 特別研究員(DC1) 情報伝達研究分野 神経系前駆細胞におけるWntシグナルの機能の解析 900千円 河野 淳 特別研究員(DC2) 細胞機能研究分野 シロイヌナズナD4型サイクリンCYCD 4;2の植物形態形成における機 能解析 900千円 新井田 厚司 特別研究員(DC2) 分子情報研究分野 神経突起伸長におけるAPCの機能 1,000千円 梅津 大輝 特別研究員(DC2) 形態形成研究分野 ショウジョウバエ視覚中枢をモデルとした脳形成分子メカニズムの解明 900千円 石黒 啓一郎 特別研究員(PD) 染色体動態研究分野 放射線照射後におけるクロマチン構造変化の解析 1,100千円 橋田 慎之介 特別研究員(PD) 細胞機能研究分野 新規ストレス耐性植物の分子育種に向けたストレス応答性P450経路の同 定と機能解析 1,100千円 五月女 宜裕 特別研究員(DC2) 生体有機化学研究分野 新規有機分子触媒の開発と環境調和型不斉炭素―炭素結合反応への展開 900千円 伊藤 紗弥 特別研究員(DC2) 核内情報研究分野 核内レセプターを用いた新規染色体構造変換制御因子の機能解析 900千円 片山 量平 特別研究員(DC2) 細胞増殖研究分野 アポトーシス抑制分子FLIPの新規機能解析 900千円 国田 朱子 特別研究員(DC1) 細胞増殖研究分野 血行性癌転移形成に関与する血小板凝集因子Aggrusの機能解析 秋本 千央 特別研究員(DC1) 核内情報研究分野 Y染色体遺伝子が規定する性差の分子基盤の解明 900千円 1,000千円 加藤 茂明(外国人特別研究員・ZHAO, Y.) 核内情報研究分野 分子遺伝的アプローチによる新規染色体構造調節因子の同定及び機能解 析 1,200千円 田中 寛(外国人特別研究員・BHATIA, P.) 分子遺伝研究分野 色素体転写装置の解明と操作による、植物のストレス耐性および生産性 の向上 1,200千円 加藤 茂明(外国人特別研究員・KIM, M.-S.) 核内情報研究分野 核内レセプターを介したクロマチン制御とDNAメチル化による遺伝子発 現制御機構の解明 1,200千円 ●厚生労働省科学研究費補助金 宮島 篤 教授 機能形成研究分野 シアロムチンPCLP 1による脈管内皮幹細胞の分離とその培養系を用い た血管/リンパ管の再生医療の基盤技術の確立 20,000千円 平成17年度受託研究・共同研究一覧 〈受託研究〉 機能形成研究分野・教授・宮島 篤 ㈱医学生物学研究所 ヘマンジオブラストの分離・培養に関する研究 3,300千円 核内情報研究分野・教授・加藤 茂明 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 核内受容体を利用した骨増強食品素材評価系の構築に関する研究 15,000千円 機能形成研究分野・教授・宮島 篤 (独)科学技術振興機構 胎児肝臓における造血幹細胞の増幅機構と肝臓の分化・再生機構の解析 7,150千円 分子遺伝研究分野・助教授・田中 寛 (独)科学技術振興機構 in vitro転写系によるKai(時計)蛋白質の機能解析 520千円 32 生体超高分子研究分野・助教授・前田 達哉 (独) 科学技術振興機構 酵母の塩・アルカリ応答系におけるカルパイン生理機能の解析 情報伝達研究分野・教授・後藤 由季子 (独) 科学技術振興機構 マウス大脳神経幹細胞の時期依存的シグナル応答機構の解析 (独)科学技術振興機構 核内受容体転写共役因子複合体の機能解析 1,170千円 2,340千円 創生研究分野・助教授・北尾 彰朗 (独) 科学技術振興機構 バイオナノマシン機能発現の分子動力学的シミュレーションモデリング 910千円 染色体動態研究分野・教授・渡邊 嘉典 (独) 科学技術振興機構 均等分裂と還元分裂:染色体分配機構の統合的な解明 分子情報研究分野・教授・秋山 徹 文部科学省 ヒト全遺伝子レトロウイルス型siRNAライブラリの構築 細胞機能研究分野・教授・内宮 博文 (独) 農業生物資源研究所 複合ストレス耐性イネの分子育種 3,106千円 177,500千円 10,000千円 高次機能研究分野・助教授・内藤 幹彦 メビオファーム㈱ トランスフェリン付加リポソームの作用機序に関する細胞学的研究 1,000千円 細胞増殖研究分野・教授・鶴尾 隆 ㈶先端医療振興財団 分子標的薬剤の反応性診断と治療応用 85,500千円 バイオリソーシス研究分野・助教授・横田 明 (独) 国立環境研究所 微細藻類の標準化と情報整備 500千円 細胞機能研究分野・教授・徳田 元 国立大学法人京都大学 ペリプラズム機能を支えるリポ蛋白質群の構造と機能に関する研究 12,000千円 バイオリソーシス研究分野・助教授・横田 明 ㈱広瀬 水槽から機能性微生物の分離と評価 細胞機能研究分野・講師・山田 真紀 (独) 科学技術振興機構 栄養シグナルによる細胞応答変化の解析 2,990千円(平成17年度受入額) 生体超高分子研究分野・講師・杉田 有治 (独) 科学技術振興機構 酵素反応サイクルの自由エネルギー解析 分子情報研究分野・教授・秋山 徹 (独) 産業技術総合研究所 遺伝子発現と遺伝子機能を指標にしたシグナル経路の同定 〈共同研究〉 核内情報研究分野・教授・加藤 茂明 帝人ファーマ㈱ 核内レセプターに関する研究 3,500千円 1,950千円 1,000千円 2,620千円 高次構造研究分野・助教授・伊藤 啓 (独) 科学技術振興機構 ショウジョウバエ脳神経回路の徹底解析にもとづく感覚情報処理モデル の構築 8,700千円 機能形成研究分野・助手・伊藤 暢 ㈱ギンコバイオメディカル研究所 Stat3 Eziシステムを用いた創薬研究 6,760千円 機能形成研究分野・宮島 篤・教授 ㈱リブテック 組織幹細胞特異的な遺伝子の探索と遺伝子機能に関する研究 2,820千円(平成17年度受入額) 核内情報研究分野・教授・加藤 茂明 18,680千円 バイオリソーシス研究分野・助教授・横田 明 (独)製品評価技術基盤機構 細菌の分離、分類および同定に関する研究 分子情報研究分野・教授・秋山 徹 (独)理化学研究所 LDOC1、p53、およびMDM2によって形成される複合体の機能及び立体 構造解析 21千円(平成17年度受入額) 発生分化構造研究分野・助教授・堀越 正美 (独)理化学研究所 CCGIおよびCIAの相互作用因子とYeast histone-like TAFのタンパク質 高次構造の解析 21千円(平成17年度受入額) 活性分子創生研究分野・助手・新家 一男 大鵬薬品工業㈱ 固体癌生体内環境で作用する薬剤の評価 核内情報研究分野・教授・加藤 茂明 アステラス製薬㈱ 核内受容体探索システムの開発 3,300千円 2,000千円(平成17年度受入額) 機能形成研究分野・教授・宮島 篤 ㈶千葉県産業振興センター 細胞の増殖分化に係る遺伝子並びに遺伝子産物の解析 細胞増殖研究分野・教授・鶴尾 隆 第一製薬㈱ PDK1阻害剤に関する共同研究 1,000千円 機能形成研究分野・教授・宮島 篤 ㈶先端医療振興財団・㈱医学生物学研究所 ヒト臍帯血からのヘマンジオブラスト分離培養技術の確立 核内情報研究分野・教授・加藤 茂明 中外製薬㈱ 活性型ビタミンD誘導体の骨組織への作用機序の解明 核内情報研究分野・教授・加藤 茂明 中外製薬㈱ 活性型ビタミンD及びその誘導体の作用機序解明研究 生体超高分子研究分野・豊島 近・教授 ㈳共同研究バイオ産業情報化コンソーシアム 電子線及びX線による蛋白質の構造と分子機構解析技術の開発 2,200千円 6,300千円 生体有機化学研究分野・助教授・宮地 弘幸 (独)理化学研究所 新規HDAC阻害の創製 核内情報研究分野・教授・加藤 茂明 大塚製薬㈱ 核内レセプター情報伝達メカニズムの解析 220千円(平成17年度受入額) 染色体動態研究分野・教授・渡邊 嘉典 (独)産業技術総合研究所 染色体の動原体の保護に関する研究 機能形成研究分野・教授・宮島 篤 ㈶東京都医学研究機構 肝障害モデルSCID-Alb-TRECK-Tgマウスを用いた肝臓の形成に関与す る細胞群の探索と機能解 生体超高分子研究分野・教授・豊島 近 ㈱日立ハイテクノロジーズ 電子顕微鏡用高精度傾斜ステージの開発 活性分子創生研究分野・助手・新家 一男 愛知県がんセンター 中皮腫におけるVersipelostatinの効果検証 33 ― 国際会議に出席してみて ― 細胞増殖研究分野 加藤幸成 博士研究員 発表もあり、注目に値するものであった。近年、海 外での臨床試験までの道のりがこれまでよりも格段 会議名称:AACR-NCI-EORTC Conference Molecular International に早く、日本においても、同様のspeedyな開発が Targets 必要であると痛感した。私が発表したAggrusに関 and Cancer Therapeutics する内容は、まだ前臨床試験にも到っておらず、是 開 催 地:アメリカ合衆国、フィラデルフィア 非、早急に臨床開発の段階に持っていきたいと実感 開催期間:2005年11月14日―11月18日 した。是非、来年の本会合には、新しい分子標的と 発表演題:Molecular characterization of Aggrus/ して発表できるように今後も努力して研究に励みた Podoplanin, a platelet aggregation- い。 inducing factor expressed in lung cancer and testicular germ cell tumors (ポス 機能形成研究分野 鬼塚和泉 博士課程1年 ター発表) 会議名称:47th ASH annual meeting and exposition AACRが主催する本会合は、今年はNCI, EORTIC との共催で行われた。分子標的療法を専門とする、 開催地名:アメリカ合衆国 ジョージア州アトラン タ 世界中の研究者が集った。癌の分子標的療法は、抗 開催期間:2005年12月10日―12月13日まで 体医薬や低分子化合物が中心となる。本会合では、 発表演題:Two distinct precursors of hematopoietic その標的ごとに焦点を絞り、シンポジューム、ポス stem cells and endothelial progenitors ターセッションの形式で発表が行われた。シンポ characterized by PCLP1 Expression(ポ ジュームは、その分野をリードする一流の研究者に スター発表) よる発表であり、ポスターセッションは、臨床試験 に入っている分子標的療法の発表が中心であった。 マウス胎生14.5日肝臓の血液細胞は、フローサイ 分子標的としては、血管新生関連分子、キナーゼ阻 トメトリー法でPodocalyxin-like protein 1(PCLP1) 害剤、アポトーシス誘導療法、癌免疫療法を中心に の発現レベルから、PCLP1high、PCLP1med、PCLP1dull 議論された。興味深いことは、ひとつの分子標的に 及 びPCLP1negの 4 分 画 に 分 離 で き た。 こ の う ち 対し、抗体医薬、キナーゼ阻害剤、抗癌剤などを組 PCLP1neg分画のみが血液コロニー形成能を示し、造 み合わせる、いわゆるcombination therapyを重視 血前駆細胞はPCLP1neg分画のみに含まれると予想 する発表が多かったことである。さらに放射線療法 された。一方、PCLP1med分画はコロニー形成能を と分子標的療法という新しい治療法の組み合わせの 欠くにも関わらず、OP9ストローマ細胞との共培養 で増殖し、コロニー形成能を獲得した。放射線照 射マウスへ移植した結果、培養前はPCLP1neg分画、 PCLP1med分画ともに長期間造血再建活性を示した が、OP9共培養後にはPCLP1med由来の細胞のみが造 血再建活性を示した。従ってPCLP1med分画は、ス トローマ細胞との共培養で血球前駆細胞活性を獲 得できる未分化な血球前駆細胞を含むと考えられ る。PCLP1high分画は、OP9共培養で内皮細胞様コロ ニーを生じ、VEGFの添加でVE-cadherinの発現が 誘導された。さらに新生仔肝臓に移植した結果、小 34 腸、肝臓、心臓などでCD31陽性の血管壁への寄与 しました。また、昼食や夕食は毎回第一線に立って を認めた。さらに、SCF存在下で培養し、増幅させ 活躍している癌研究者を囲んでディスカッションを た後に移植した場合においても血管内皮分化能を保 しながらとるという、食事の時まで研究の取り組み 持していた。以上の結果より、PCLP1 high 分画およ 方や自分の研究内容について考える濃い日々を送り 分画は、ストローマ細胞依存的に分化・ ました。開催地のスノーマスは標高約3000mのロッ 増殖し得る未分化な血管内皮系及び血球系の前駆細 キー山脈の中腹にあり、冬は高級スキーリゾートと 胞を含むと考えられる。 なる風向明媚な村であり、ワークショップの合間に med びPCLP1 会場のすぐ裏にあるリフトで近隣の山に登ったりし て、かなりメリハリのある生活を送ることができま した。開催期間中、アクティビティの日が一日あり、 コロラドリバーでのラフティングにも挑戦しまし た。その日はラフティングから午後ロッジに帰って 来て、仲良くなった参加者に連れられてさらにもう 一山登り、ヘトヘトになって帰って来て休む間もな く夜のレクチャーに参加するという恐ろしくハード な一日でした。 このワークショップに参加することにより基礎的な 癌の病理を習得することが出来きました。また自分 の研究内容を伝える大切さを痛感し、参加者の上手 細胞増殖研究分野 国田朱子 博士課程2年 な発表を数多く聞き討論することにより、プレゼン の勉強もできました。また何より同じ研究分野に携 会議名称:Pathobiology of Cancer-The Edward A Smuckler Memorial Workshop- わる海外の研究仲間を得ることができたことをうれ しく思います。今後この経験を自分の研究に生かし 癌の病理生物学研究会 ていきたいと思います。 開 催 地:米国 コロラド州Snowmass 最後に本ワークショップに参加するにあたり多大な 開催期間:2005年7月17日―7月24日まで 援助をいただいた応用微生物学研究奨励会に心より 発表演題:Aggrus/Podoplanin is a platelet 感謝いたします。 aggregation-inducing factor expressed on various tumors (ポスター発表) 昨年7月、コロラド州スノーマスにおいて開催 されたワークショップPathobiology of Cancerに参 加しました。このワークショップは、アメリカ癌学 会(American Association for Cancer Research)が 主催となっており、癌の基礎研究に携わる大学院生 やポスドクなどの若手研究者が世界中から集まり癌 の病理学を集中的に学ぶためのコースと著名な研究 者による最近の癌研究の動向についてのレクチャー から成り、かなり充実度の高いワークショップでし た。さらに参加者によるポスターセッションもあ り、自身の研究分野について私も参加者と熱く討論 マルーンベルズをバックにルームメイトと 35 研究室名物行事 染色体動態研究分野 石黒啓一郎 スキー・スノボー上級者の多い渡辺研 渡辺研の研究室行事で3月7日∼8日の間、野沢温 泉にスキー・スノボー旅行に行ってきました。渡辺研 の毎年恒例の行事のひとつですが、僕は渡辺研1年生 なので今年初めての参加です。スキー組は渡辺先生、 作野さん(ポスドク) 、横林さん(ポスドク) 、加々美 さん(M1) 、安藤君(M1) 、石黒(ポスドク) 。スノボー 組は北島サブローさん(助手) 、川島君(D1) 、リリー さん(M1)です。塚原君(M1)は可愛らしいショート のファンスキー持参です。田中さん(助手)は足の故 障を配慮して、今回はラボでお留守番でした。 ラボスキーというと休み休みだらだら滑るのかなっ てイメージしてましたが、渡辺先生をはじめ、渡辺研 の皆さん結構レベルの高い人が多くて早朝からリフト が終了するまで滑ってハードでした。がんがんひたす ら滑るひと、コブ斜を何度も行き来するひと、スノボー でジャンプ台に興じるひとたちもいて、皆さんそれぞ れ楽しんでるようでした。昼食の時も、休憩の時もビー ルをがぶがぶ飲んでふつうに 滑ってるひと達もいて驚 きです。渡辺先生はめちゃくちゃうまいので、ゆっく りマイペースでとろとろ滑ってくる他のひとについて あげてアドバイスまでする気配りです。 原稿書き罰ゲーム 夜行バスで着いた日に1日中あれだけ滑ったのに、 宿に着いてお風呂につかって晩メシを食った後も皆さ ん元気でした。夜は塚原君(M1) が仕入れてきたお酒も いいかんじで入ってきて、皆でやったトランプの大貧 民は熱かったです。それもそのはず。上がった人から 勝ち抜けで、最後に負けた人には分生研ニュースの原 稿書きが罰として与えられるのでした。それにしても、 3週に1回はプログレスレポートとほぼ5週に1回は 論文紹介の順番が回ってくる渡辺研のラボセミナー。 ただでさえ、こなさないといけない実験の数々と セミ ナーの準備のために自分のことで一杯 一杯 なのに、こ んな仕事が回ってくるのは正直言って面倒。 たかがトランプごときなのに、みんな結構真剣でし た。空気を読まずに無謀に勝負に出て場を乱すひと、 捨てたカードをちゃんと覚えていて確率論的に勝負に 出るひと、革命を起こして大富豪をいっきに転落させ る策略を用いるひとなど手強いです。ワシも 大貧民 な んて高校生の時以来だったでしょうか?久々だったの で忘れてましたが、やりながらなんとなく思い出して きて、ゲームごとでこんなに熱くなったのは駒寮の麻 雀トーナメント以来でした。そんなこんなで、今ワシ が研究室スキー行事の報告書いてます。 安藤君滑落 今回のスキー旅行で最も思い出深いのは、 安藤君(M1) でした。最終日の朝はあいにく天候が悪く、山頂行きゴ ンドラも運休なほどでした。お昼過ぎになって、ようや くゴンドラリフトが動き始めて、早速我々は山頂のゲレ ンデに向かうことにしました。まだ他に誰も滑っていな い圧雪されたままの状態で、しかもアイスバーン。 山頂に来て喜び勇みすぎたせいか、まだ初級者の安藤 君ちょっと転んだ拍子にそのまま数100メートルほど斜 面を滑落、迂回路への分岐点を過ぎて急斜面の上級者用 こぶゲレンデのところに進入してしまいました。目撃者 は皆、つるつる滑り落ちていく安藤君を見て、どこまで 行けば止まるんだろうって感じでただ見守ってました。 不幸なことに、スキーの片足は流れてしまって急斜面の 脇の林の中へ消えました。びびりまくる安藤君。スノー モービルの救援を呼んでくれと助けを請いましたが、こ んなつるつる急斜面まで来てもらえるはずがありませ ん。勇敢にも加々美さん(M1)が、彼のストックを拾 いあげて降りていきました。片足のスキーは杖代わりに して、あと4,500メートルは続く絶壁の上級者用斜面を 降りないといけません。がちがちな急斜面の 雪 の上に へばりつきながらうろたえている安藤君の様子は、下か ら見上げていた我々にも冷や汗ものでした。でもさすが、 リーダーの渡辺先生です。渡辺先生は、精神的に消耗の 様相を見せる安藤君に引率し、叱咤激励しながら1時間 半ほどかけて下山に成功したのです。見ていて思いまし た。サイエンスだけでなくこんなところにも、真剣での ぞむ厳しさと優しさを目の当たりにしたかんじです。 帰りのバスで他の人はお疲れモードなのに、興奮冷 めやらぬ安藤君、渡辺先生や数名のひとたちと、あの コブ斜を克服した喜びを語ってました。 皆さん怪我無く無事に楽しめたのでほんとに良かっ たです。また来年も激しいところに行きたいものです。 36 バイオテクノロジー懇談会 分子細胞生物学研究所では、企業との情報交換・交流をはかるため、従来より㈶応用微生物学研究奨励会の後援に より「バイオテクノロジー懇談会」を行ってきた。本年度は1月16日(月)、弥生講堂にて、以下の講演が行われた。 また、豊島近教授の米国科学アカデミー会員選出および鶴尾隆教授の紫綬褒章受章記念講演会も同時に行われた。 第21回バイオテクノロジ−懇談会 15:00 ― 15:10 講演 15:10 ― 15:40 15:40 ― 16:10 開会挨拶 木下祝郎 ㈶応用微生物学研究奨励会理事長 富塚一磨(キリンビール㈱医薬カンパニー医薬探索研究所主任研究員) 「分泌蛋白質の生体内機能スクリーニングにより 同定された腸管上皮の新たな成長因子 R-spondin1」 鳥居邦夫(味の素㈱ライフサイエンス研究所理事) 「脳による欠乏栄養素の認知機構」 豊島 近教授 鶴尾 隆教授 米国科学アカデミー会員選出記念 紫綬褒章受賞記念 16:25 ― 16:30 ご挨拶 宮島篤 東京大学分子細胞生物学研究所長 16:30 ― 17:00 豊島近 東京大学分子細胞生物学研究所教授 「イオン輸送体の構造研究で学んだこと」 17:00 ― 18:00 鶴尾隆 東京大学分子細胞生物学研究所教授 「抗がん剤耐性研究から学んだもの」 終了後に懇親会を開き親睦を深めた。 (分子情報研究分野 秋山徹) “東京大学で子育て”ホームページの開設のお知らせ 分生研男女共同参画ワーキンググループ “東京大学で子育て “―分生研には、お子さんを育てながら働いている方が多くおられると思います.育児と 研究、仕事の両立について困難や悩みを感じたり、将来について不安を感じられたことはないでしょうか。 分生研男女共同参画ワーキンググループ(以下、WG)が2003年に行った、研究所構成員を対象としたアンケー ト調査[分生研ニュース第27号(2004年9月発行)、22 ∼ 27ページ; http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/news/ news/news.html]では、多くの人が出産/育児とキャリア形成の両立を難しく感じていることがわかりまし た。これを受け、WGでは、育児支援に関する情報を集めたホームページを制作、開設しました。このホー ムページには大学周辺の保育施設に関する情報、その他利用可能なサービス等に関する情報がまとめられて います。また、本学の育児休暇等に関する就業規則について、要点をわかりやすい形でまとめて提供してあ ります。例えば、 子供の定期検診のために休まなければならない時は「勤務しないことの承認に関する申出書」 を庶務係に提出することで承認が受けられる、等です。 さらに、女性や若手研究者の育成支援を目的としたフェローシップ等の情報についても提供しています。 例えば本年度より、日本学術振興会の特別研究員枠に、新たに出産・育児等による研究中断からの復帰支援 のための“特別研究員RPD”枠が創設されました。日本学術振興会の発表によると、申請資格を持つのは博 士の学位取得者で過去5年以内に出産、子の養育のため概ね 3 ヶ月以上研究活動を中断した人で、年齢、性別 は問いません.現在の募集人数は各年度30人です。RPD採用者には月額364,000円の研究奨励金と、科学研究 費補助金(特別研究員奨励費)又は試験研究費の応募資格が与えられ、審査をへて毎年度150万円以内の研究 費の交付が予定されています。このような研究費に多くの方が応募し、活用することは男女共同参画の実現 に向けた活動を促進することにもつながると思われます。またホームページでは、その他男女共同参画を促 進するための制度の導入計画の情報等も紹介しています. このホームページは、分生研ホームページの“その他の活動”から閲覧できますので、ぜひ一度ご覧になっ てください。 37 教職員の異動について ○平成18年4月1日 以下のとおり異動等がありましたのでお知らせします。 〈配置換〉白 石 慈 研究助成係(図書室) ○平成18年1月1日 :史料編纂所へ 〈採 用〉近 藤 洋 平 助手(生体超高分子研究分野) 〈配置換〉小 倉 聡 司 庶務係員 ○平成18年3月31日 :教養学部から 〈辞 職〉梅 田 正 明 助教授(細胞機能研究分野) 〈再雇用〉神 山 忍 庶務係員 〈辞 職〉粟 﨑 健 助手(高次構造研究分野) :理学系研究科から 〈辞 職〉梅 田 千 景 技術専門職員 (細胞機能研究分野) 〈退 職〉鶴 尾 隆 教授(細胞増殖研究分野) 〈退 職〉池 田 恵 治 助手(活性分子創生研究分野) ※ 訂正文:分生研ニュース1月号(第31号2006.1)に掲載の「村 上靖朋 用度係長」は「村上靖朋 会計係長」の誤りでしたの で、お詫びして訂正いたします。 〈退 職〉柳 沢 久 男 庶務係員 編 集 後 記 本号の編集作業がおこなわれている頃、巷では冬季オリンピックやWBC(ワールドベースボールクラシック)で盛り上がって いるようです。以前はテレビ等で試合を観て楽しんだのですが、最近はニュースで結果を確認するだけの場合が多くなってし まいました。結果を見ただけでは心が躍ることは少ないのですが…。結果を導くプロセスを大事にすると、心が躍るような研 究成果が挙がるのではと考える今日この頃です。 城地保昌 今回から分生研ニュースの担当となり気軽に受けたつもりが、エッ?こんなにあるの?次から次と…周りの人達にもお手伝 いをしてもらい何とかやっと…皆様ありがとうございました。 最近では季節が早く巡り来ること多く、桜吹雪にうっとりすることもなく、ツツジから紫陽花の季節と模様替えが始まろう としている中、なのに私は空回り、せめて後退だけは食い止めなきゃ!と思いつつ、そうだッ!聖地甲子園へ行って虎の応援 をしなきゃ!Wカップももうすぐ始まる!と、その前に…積み残しの仕事が…トホホです。 關本美代子 分生研ニュース第32号 2006年5月号 発行 東京大学分子細胞生物学研究所 編集 分生研ニュース編集委員会(西山賢一、大橋幸男、吉田章子、城地 保昌、北島智也、關本美代子、大久保幸子) お問い合わせ先 編集委員長 西山賢一 電話 03―5841―7831 電子メール [email protected] 38 減数第一分裂特異的に染色体の還元分裂を成 立させる分子機構の解析 染色体動態研究分野 田中晃一(助手) 真核生物は体細胞分裂と減数分 裂という二つの異なる分裂様式を 使い分けている。体細胞分裂では 母細胞と同じ遺伝情報を持つ娘細 胞が生み出されるのに対し、減数 分裂では一倍体の配偶子が作られ る。減数分裂では染色体数を半 減させるために二回の連続した染 色体分離を行うが、体細胞分裂と の決定的な違いは減数第一分裂に 集約されている。体細胞分裂や減 数第二分裂ではDNA複製により生じた姉妹染色分体が一本 ずつ両極へ分配される(均等分裂)のに対し、減数第一分裂 では二本の姉妹染色分体が同一極へと移行する(還元分裂)。 従って、減数第一分裂では姉妹動原体を一方向からの微小管 と結合させる(一方向性結合)ための特別な制御機構が必要 となる。 我々の研究室では、分裂酵母の減数第一分裂における一 方向性結合の成立には、セントロメア中央領域に局在する Rec8蛋白質が必須の役割を演じることを明らかにし、その 制御に関わるMoa1蛋白質の同定に成功した(Yokobayashi and Watanabe, 2006)。Rec8は減数分裂期特異的なコヒーシ ン複合体(姉妹染色分体接着因子)の構成因子であることか ら、Rec8コヒーシンが姉妹染色分体のセントロメア中央領 域を繋ぎ留めることで姉妹動原体を同一方向へ固定させるモ デルを考えている。では、Moa1はどのような方法で一方向 性結合を確立させるのであろうか? 最近、我々はMoa1蛋 白質がPlo1キナーゼ(Poloキナーゼホモログ)と複合体を形 成し、セントロメア蛋白質Cnp3(CENP-Cホモログ)との相 互作用を介して減数第一分裂特異的に動原体へ局在すること を見いだした。リクルートされたPlo1キナーゼによるリン酸 化が一方向性結合制御の鍵を握ると予想し、現在その標的因 子の同定を試みている。同時にこのシステムが真核生物全般 に保存されている可能性を探っている。 コヒーシン複合体 セントロメア 中央領域 Plo1 Moa1 ? Rec8 cohesin Cnp3 セントロメア中央領域 二方向性結合 一方向性結合 体細胞分裂 減数第二分裂 減数第一分裂 鶴尾先生最終講義 抗がん剤耐性研究からがん分子標的治療研究へ の展開 近年のがん分子標的治療の研究の進展により、新規抗がん 剤開発の手がかりが複数見出されている。我々は、がん治療 において克服すべき最重要課題とも言える抗がん剤耐性に関 与するがん分子標的治療を中心に研究を進めている。 P糖蛋白質(P-gp)は、抗がん剤の多剤耐性現象の原因とな る分子である。我々は、現在臨床試験中のP-gp阻害剤である MS-209を開発した。 がん細胞にはP-gp以外にも抗がん剤耐性獲得に寄与する 分子および機構が存在する。アポトーシスはがん細胞の抗 がん剤感受性を調節する。すなわち、アポトーシス耐性は直 接抗がん剤耐性につながる。我々は、アポトーシス耐性関連 蛋白質として、グリオキサラーゼ1を同定した。この蛋白質 は、固形がんの抗がん剤耐性に関与する。また、固形がんに はUPR(unfolded protein response)と呼ばれる抗がん剤耐 性機構も存在する。我々は、UPR環境下において強力かつ選 択的な細胞毒性を有する複数の化合物を同定している。p53 の変異とアポプトソームの欠損も抗がん剤耐性に関与してい る。我々は、これらの異常を回避することによりがん細胞に 選択的にアポトーシスを誘導できる化合物を見出している。 アポトーシス阻害タンパク質とPI3K-Akt生存シグナル伝達 系は、抗がん剤耐性のみならず、腫瘍の発生・成長にも深く 関与している。我々は、アポトーシス阻害タンパク質であ るapollonを同定しその機能解析を進めている。また、PI3KAkt生存シグナル伝達系を阻害する化合物をいくつか見出し ている。 現在進行中の我々の研究は、抗がん剤耐性克服の新たな手 がかりにつながると考えられる。 39 LolAからLolBへのリポ蛋白質受け渡しを支 配する要因 徳田元 (細胞形成研究分野) 参考文献 (1)EMBO J., 22:3199-3209, 2003. (2)J. Biol. Chem., 280:34481-34488, 2005. (3)J. Biol. Chem., 281:3335-3342, 2006. 大腸菌細胞質膜(内膜)から外膜へリポ蛋白質を輸送する ペリプラズムのシャペロンLolAと、外膜受容体LolBは構造 がよく似ている(1)。LolAからLolBへリポ蛋白質が移行す る反応には、エネルギーの供給が不要である。結晶構造解析 から、LolAのArg43はリポ蛋白質結合サイトを閉じる働きを していると推測される。Arg43を他のアミノ酸に変えた19種 の変異LolAの機能解析から、当初予想しなかったLolBへ効 率よくリポ蛋白質を移行させる重要な働きが明らかになった (2)。Arg43がLeuになった変異体(R43L)が唯一大腸菌の 生育を支持できない変異体であったが、リポ蛋白質との結合 が最も強くなっていた。その結果、R43LからLolBへのリポ 蛋白質移行はほとんど起きない。一方、野生型LolAではリ ポ蛋白質との結合が最も弱いことも明らかになった。Arg43 は結合サイトを閉じる働きをしている他に、リポ蛋白質との 結合を弱くし、LolBへ効率よくリポ蛋白質を移行させる働き があると推測される。 また、リポ蛋白質結合サイトを構成するアミノ酸に変異を 導入した結果、結合が強くなっただけではなく、野生型LolA の機能を阻害する新しいタイプの変異体も得られた(3) 。 DWnt4はショウジョウバエ視覚系において視 神経軸索投射の背腹特異性を制御する 佐藤 純、梅津大輝、村上智史、八杉徹雄、多羽田 哲也(形態形成研究分野) Nature Neuroscience 9:67-75(2006) 様々な生物の視覚系において眼における視神経細胞の配列 は脳における投射先と正確に対応している。“retinotopy”と 呼ばれるこの対応関係が眼において受容された視覚情報を正 しく解釈するために必要である。我々はショウジョウバエの 視覚系をモデル系として研究を進め、Wntファミリーに属す る分泌性蛋白質“DWnt4”による背腹軸方向のretinotopy制 御機構を明らかにした。 ショウジョウバエの発生過程において、複眼原基上で生ま れた視神経細胞の軸索は眼柄を通してラミナ神経節と呼ばれ る脳の視覚中枢へ投射する(図A)。このとき複眼上において より背側の視神経はラミナのより背側に、より腹側の視神経 はより腹側に投射する(図B)。我々はラミナの腹側特異的に 発現する遺伝子としてDWnt4を見いだした。ラミナにおい て発現したDWnt4は腹側の視神経軸索上に存在する受容体 Dfz2によって受け取られる(図B)。DWnt4およびDfz2の変 LolAのリポ蛋白質結合サイトは開閉すると考えられる。R43L変異 体では閉じる機能が低下しているだけでなく、リポ蛋白質(LP) との結合が強くなっている。このため、LolBへのリポ蛋白質移行 が起きない。 異体においては腹側の視神経軸索が間違ってラミナの背側に 投射する (図C,D)。Dfz2の下流ではDshおよびnon-canonical Wnt経路と呼ばれるシグナル伝達が働くことにより、軸索走 行が制御される (図E) 。 脊椎動物においてEph/Ephrinファミリー分子によって retinotopyが制御されることが知られていたが、それらに 加えてWnt3が背腹軸方向のretinotopyを制御することが本 研究と同時期に報告された(Schmitt et al. Nature 439, 31-, 2006)。脊椎動物と無脊椎動物においてretinotopyの分子機構 がどのように保存されているのか、非常に興味深い問題であ る。 40 DNA結合性転写因子がヒストンシャペロン! た。更に、ⅱ)JDP2が塩基配列特異的DNA結合性蛋白質で ありながら、ヒストンシャペロン活性を持つことを証明した。 千村崇彦、堀越正美(東京大学) 、加藤広介、永田 塩基配列特異的DNA結合性因子がヒストンシャペロン活性 恭介(筑波大学) 、金春元、横山和尚(理化学研究所) Nature Struct. Mol. Biol., 13, 331-338(2006) を担っていることを示した世界最初の報告となった。また、 興味深いことに他のヒストンシャペロンであるCIAの三次構 造解析から、そのフォールドが塩基配列特異的DNA結合性 染色体からの遺伝子発現制御研究は、この10年最先端研究 因子NF-κB、p53、NF-ATなどのそれと同一であることが として欧米を中心に鎬が削られてきた。その中で、日本人研 判明し、ヒストンシャペロン及び真核細胞生物特有の塩基配 究者全体として国内外の研究を先導してきたのが唯一ヒスト 列特異的DNA結合性因子は、共通祖先がヌクレオソーム結 ンシャペロン研究分野であり、和製ヒストンシャペロンとし 合性因子として生まれ、その後いずれかの活性、あるいは両 てNAP-1(石見)、TAF-I(永田/鈴木・堀越)、CIA/ASF-1 (堀 方の活性を担う因子として派生したのではないかと考えるに 越)、そしてFKBP(堀越)の単離・機能解析が挙げられる。ヒ 至っている(J. Biochem., 138, 821-829, 2005)。これらヒスト ストンシャペロンは、ヌクレオソームアセンブリー・ディス ンシャペロンの機能・構造における新知見により、染色体か アセンブリーをATP非依存に引き起こし、染色体構造・機 らの遺伝子発現制御研究において新しい領域が切り開かれる 能制御の中心であるヌクレオソーム構造・機能制御の基盤を ことになった。 担っており、現在世界的に最も注目されているクロマチン関 連因子群である。本研究論文では、ⅰ)共同研究者の横山が 解析を進めてきた、遺伝子発現において負に働くJDP2とい う塩基配列特異的DNA結合性因子の解析を通して、この因 子がヒストンアセチル化酵素活性を抑制していることを示し 雌性個体におけるアンドロゲン受容体の機能 解明 椎名博子、松本高広、加藤茂明(核内情報研究分野) Proc Natl Acad Sci USA 103: 224-229(2006) アンドロゲン/アンドロゲン受容体(AR)は古くから男性 ホルモンとして知られており、生殖器官や脳の性分化など雄 性の性差形成、維持に必須であると考えられている。一方、 雌性におけるARの生理的重要性に関しては、これまでいっ さい不明であった。そこで我々はCre/loxPシステムを用いる ことで、世界に先駆けて雌ARKOマウスを作出し、解析を行っ た。その結果、8週齢の雌ARKOマウスにおいて産仔数が顕 著に低下していること、この産仔数低下は卵巣における卵胞 発育の障害に起因することが明らかとなった。ARKOマウス における卵胞発育不全は加齢とともに加速し、野生型マウス ではまだ妊娠可能である40週齢ですでに不妊に至ることを見 出した。このようなARKOマウスでみられる早発閉経はター ナー症候群(45, X)やさまざまなX染色体微小欠損の患者に多 く報告されており、早発閉経症におけるX染色体原因遺伝子 としてARの寄与が強く推測された。そこで次に、ARKO卵 巣のマイクロアレイ解析を行った結果、ARはその直接の標 的遺伝子であるKit ligandの転写を正に調節することにより、 種々の成長因子による卵子と顆粒膜細胞の相互作用を促し、 卵胞の発育を調節していることが明らかとなった。このよう に、アンドロゲン情報伝達の鍵因子であるARは雄性のみな らず、雌性生殖機能を調節する極めて重要な転写因子である ことが証明された。
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