JEOL 環境セミナー 2008 溶媒抽出法による臭素系難燃剤分析 日本電子データム㈱ 国際技術R&Dサポートグループ 榎本 剛司 RoHS指令における臭素化難燃剤の検査フロー 蛍光X線分析による1次スクリーニング Br のモニター(全臭素濃度の測定) 2次スクリーニングによる判別分析と簡易定量 熱脱着-GC/MS法 GC/MSによる精密分析 溶媒抽出法をメインに、検討されている RoHS指令における臭素化難燃剤の検査フロー GC/MSによる精密分析 効率的な分析を行う為には... 設定したグレーゾーン付近の サンプルに対し、溶媒抽出法を用いた精密定量分析を行う 全てのサンプルを溶媒抽出法で処理するのではなく怪しい サンプルのみを分析 溶媒抽出法とは、 測定までの分析フロー 溶媒抽出法での前処理 分析試料(プラスチック等) ソックスレー抽出 ソックスレー抽出 前処理 クリーンアップ クリーンアップ GC/MS測定 測定 分析操作が煩雑そう 多検体の処理は可能? 熟練した分析者が必要? 結果が出るまで時間がかかる? 前処理とは 試料から測定対象物を 取り出す抽出 測定を妨害 する 物質の除去 測定対象物質を精度、 感度良く検出するための操作 よりいっそう効率的で確かな方法が求められる 臭素系難燃剤の分析に求められる効率化 効率的な抽出方法 分析精度 多検体の迅速処理 分析の効率化 効率化のポイント 難燃剤分析における効率化のポイント ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出 SPEカラムを用いた多検体処理 同位体希釈法を用いた分析精度の確認 大量注入法を用いた迅速分析 効率化のポイント 難燃剤分析における効率化のポイント ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出 SPEカラムを用いた多検体処理 同位体希釈法を用いた分析精度の確認 大量注入法を用いた迅速分析 ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出 ソックスレー抽出 -固体物質からの抽出方法 問題点 抽出時間が3時間から12時間くらいかかる 多検体の処理ができない 無人での長時間抽出ができない ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出 ソックスレー抽出 超音波抽出(溶解法) ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出 超音波抽出(溶解法) ー 超音波を用いた抽出法 良い点 超音波洗浄器を用いた抽出法 比較的短時間(30分)で抽出が可能 多検体の抽出が可能 少量の溶媒で抽出が可能 悪い点 開放系での抽出 抽出効率の悪いサンプルもある → 溶媒を新しくして複数回抽出 ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出 サンプル 超音波抽出 超音波抽出 溶媒に溶解 溶解 GC/MS測定 測定 不溶解 再度超音波抽出 GC/MS測定 測定 ポイント: 再度超音波抽出を行う場合は、抽出溶媒を新しくする ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出 ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出 -まとめ- 超音波抽出は ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出法である。 プラスチックの種類によっては抽出効率の悪い物も あるので注意しなければならない 効率化のポイント 難燃剤分析における効率化のポイント ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出 SPEカラムを用いた多検体処理 同位体希釈法を用いた分析精度の確認 大量注入法を用いた迅速分析 SPEカラムを用いた多検体処理 SPEカラムを用いた多検体処理 抽出液 - 測定を妨げる夾雑物質を含む溶液 GCカラムの劣化 GC注入口の汚染 定量下限値の上昇 夾雑物質を取り除く作業が必要 SPEカラムを用いた多検体処理 SPEカラムを用いた多検体処理 試料 抽出 ヘキサン希釈 硫酸シリカゲルクロマトグラフ操作 貧溶媒(ヘキサン)滴下し、ポリマー成分 を析出させる ヘキサンに溶け込んでいる着色物質 や不飽和炭化水素を除去 定容 測定用試料(GC/MS) *硫酸シリカゲル シリカゲルを硫酸でコーティングしたもの SPEカラムを用いた多検体処理 フィルターろ過 VS 硫酸シリカゲル 夾雑ピークの消失 フィルターろ過 ベースラインが下がる 硫酸シリカゲル(1g) サンプル :ポリエチレン SPEカラムを用いた多検体処理 SPEカラムを用いた多検体処理 -まとめ- 良い点 フィルター感覚で使用することができる 芳香族炭化水素や着色物質、添加剤等の夾雑物を取り除く ことができる。 クロマトのベースラインが下がる 悪い点 1gに充填済みの硫酸シリカゲルカラムが販売されていない → 1g/10mlに充填したカラムを販売 効率化のポイント 難燃剤分析における効率化のポイント ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出 SPEカラムを用いた多検体処理 同位体希釈法を用いた分析精度の確認 大量注入法を用いた迅速分析 同位体希釈法を用いた分析精度の確認 前処理操作の妥当性をどのように保証するか? - 人はミスをするもの 試料 操作ミスをしやすい所 抽出 ヘキサン希釈 硫酸シリカゲルクロマトグラフ操作 定容 測定用試料(GC/MS) 同位体希釈法を用いた分析精度の確認 同位体希釈法 -化合物中の炭素Cを13Cでラベル化した化合物を使う Br Br Br Br O Br Br Br Br Br Br Deca-PBDE(PBDE-209) 分子中の炭素(12C)を安定同位体13Cでラベル化した化合物 ・ 物理化学的性質は同じ(前処理で同じ挙動を示す) ・ 分子の質量数が12多い(MSで見分けることができる) 同位体希釈法を用いた分析精度の確認 使用方法 未知試料 試料 例えば 13C-Deca-PBDE (200pg) 抽出 ヘキサン希釈 硫酸シリカゲルクロマトグラフ操作 定容 測定用試料(GC/MS) 定量値 Deca PBDE 100ppm 回収率50% (100pg) どこかでミスをした可能性があるのでは? 同位体希釈法を用いた分析精度の確認 12C -Deca-PBDE 13C -Deca-PBDE 12C -Nona-PBDE 13C -Nona-PBDE 12C -Deca-PBDE 13C- 同位体希釈法を用いた分析精度の確認 同位体希釈法 -まとめ- 良い点 分析操作の妥当性の評価を回収率という形で評価できる 悪い点 13Cのラベル化STDの価格が高い → 大塚製薬(CIL社)と共同でRoHS用PBDE STDの作成 13CのDeca-、Nona-(206,207,208)、含み高濃度のSTDを販売 効率化のポイント 難燃剤分析における効率化のポイント ソックスレー抽出に代わる効率的な抽出 SPEカラムを用いた多検体処理 同位体希釈法を用いた分析精度の確認 大量注入法を用いた迅速分析 大量注入法を用いた迅速分析 1μL注入 100μL大量注入 1.E+06 1.E+08 8.E+05 8.E+07 S 6.E+05 6.E+07 4.E+05 4.E+07 2.E+05 2.E+07 0.E+00 10 10.5 11 11.5 Time (min) 12 12.5 13 0.E+00 S 10 10.5 11 11.5 12 Time (min) ¾ 標準サンプルのようなきれいなサンプルは 感度up(S/Nの向上)が期待できる 12.5 13 大量注入法を用いた迅速分析 1μL注入 100μL大量注入 20.E+06 20.E+08 夾雑物 Time (min) S 夾雑物 S Time (min) ¾汚い試料では夾雑物ピークも増大するため、 感度UP(S/N 向上)は望めない!! GC注入口とイオン源を汚すだけ!! 大量注入法を用いた迅速分析 溶出 濃縮乾固 定容 測定 20.E+06 N2 Purge 夾雑物 S GC 5ml で溶出 0.5ml 注入量 1 μl. まで濃縮 Time (min) GCへ注入する試料の絶対量が同じ! 溶出・定容 測定 20.E+06 濃縮操作の省略 夾雑物 前処理時間の短縮 5ml で溶出 S GC 注入量 10 μl. Time (min) GC大量注入法を用いた前処理の迅速化、簡易化 大量注入法を用いた迅速分析 大量注入法を用いた迅速分析 -まとめ- 良い点 濃縮操作の省略 洗物(ガラス器具)の削減 試料量の削減、感度up 悪い点 大量注入を感度upのみの為に使用するとGCの注入口、 イオン源等の汚染が気になる JEOLが提案する溶媒抽出法による難燃剤分析 試料 試料 ~50mg 抽出 超音波抽出(トルエン) 30min 13C-ラベル化 STD添加 ヘキサン希釈 1/5 ~ 1/10の混合比でポリマーを析出 硫酸シリカゲルクロマトグラフ操作 硫酸シリカゲル1g 定容 測定用試料(GC/MS) お客様の定量下限値に インジェクション量を設定 前処理から測定まで6検体で300分 測定はオートサンプラで自動化 JEOLメソッドによるトータルサポート JEOLメソッドでは、蛍光X線分析により全臭素量を測定し、規制値以上の 定量値を示したサンプルに対して... RoHS対応スクリーニング・ソリューションパック (熱脱着-GC/MS法) サンプル前処理を簡略化し、分析スピードを重視したソリュションパック RoHS対応精密分析・ソリューションパック (溶媒抽出/溶解-GC/MS法) 100ppm付近のグレーゾーンサンプルに対応した、精密定量分析の ソリューションパック JEOLメソッドによるトータルサポート お客様の要求 検体数 検出下限 予算 お客様の要求にあった 効率的な分析法のご提案 日本電子データム PBDE分析におけるノウハウ 消耗品 標準品 装置の納入から 分析のトレーニングまで トータルサポート ご相談ください
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