欧州債務危機の発生と対応、今後の方向性

一橋大学 経済学部/経済学研究所
三井住友銀行寄附講義
「EUにおけるガバナンスと経済運営」
欧州債務危機の発生と対応、今後の方向性
2014年4月30日
三井住友銀行
経営企画部金融調査室長
佐藤 学
© Copyright Sumitomo Mitsui Banking
Corporation
本日のトピックス
はじめに
欧州債務危機の背景
欧州債務危機の発生
欧州債務危機への対応
欧州経済の現状と今後の方向性
おわりに
1
本日のトピックス
はじめに
欧州債務危機の背景
欧州債務危機の発生
欧州債務危機への対応
欧州経済の現状と今後の方向性
おわりに
2
前回の振り返り
ユーロ参加するための条件
ユーロに参加するための4つの条件
マーストリヒト条約において課せられた条件
①物価
過去1年間、消費者物価上昇率が、消費者物価上昇率の最も低い
3カ国の平均値から1.5%以上乖離しないこと
②金利
過去1年間、長期金利上昇が消費者物価上昇率が最も低い3カ国の
平均値の2%以内の範囲内にあること
③為替
2年間、独自に切り上げを行わずに、深刻な緊張状態を与えることなく
欧州通貨制度の為替相場メカニズムの通常の変動幅を尊重すること
④財政
過剰財政赤字状態でないこと
(財政赤字対GDP比:3%以下、債務残高対GDP比:60%以下)
金融政策の
一本化に
不可欠
財政の
安定化
安定・成長協定 (1996年12月合意)
ユーロ参加国に財政規律の基準の遵守を義務付け
財政赤字対GDP比:3%以下、債務残高対GDP比:60%以下
⇒財政赤字基準に違反した場合に制裁
3
(1)欧州債務危機の背景
①金利の平準化 ~ 短期金利
ユーロ圏諸国のインフレ率とECBの政策金利
6
(%)
アイルランド
5
ギリシャ
スペイン
ECB
政策金利
4
3
2
1
フランス
ドイツ
0
00
01
02
03
04
05
06
07
(年/四半期)
(資料)Eurostat、ECB
4
(1)欧州債務危機の背景
①金利の平準化 ~ 長期金利
ユーロ圏諸国の名目GDP成長率と長期金利
(%)
12
10
8
名目GDP成長率
(2000~2007年平均値)
長期金利
(2000~2007年平均値)
6
4
2
0
ドイツ
フランス
ギリシャ
アイルランド
イタリア
ポルトガル
スペイン
(資料)IMF、Bloomberg
5
(1)欧州債務危機の背景
①金利の平準化 ~弊害 (不動産バブル)
欧州主要国の
住宅価格の推移
欧州主要国の
商業用不動産価格の推移
(2003年=100)
180
(2003年=100)
180
アイルランド
160
スペイン
140
120
160
イタリア
140
アイルランド
120
スペイン
イタリア
100
100
ドイツ
80
ドイツ
80
60
60
03
04
05
06
07
08
(資料)Thomson Datasteream、Hypoport group
09
(年)
40
03
04
05
06
07
08
(年)
09
(資料)Investment Property Databank(IPD Index)
6
(1)欧州債務危機の背景
②財政規律の緩み
ユーロ圏主要国の
財政収支対GDP比
ユーロ圏主要国の
政府債務残高対GDP比
(%)
(%)
2
1
120
ドイツ
0
▲1
フランス
▲2
100
「安定・成長協定」
基準
ギリシャ
イタリア
イタリア
80
フランス
▲3
▲4
ポルトガル
違
反
▲5
60
ポルトガル
40
「安定・成長協定」
基準
▲6
▲7
違
反
ドイツ
20
ギリシャ
▲8
2000
01
02
03
04
05
06
07
(年)
0
2000
01
02
03
04
05
06
07
(年)
(資料)IMF
7
(1)欧州債務危機の背景
③競争力の格差 ~ 労働生産性(Unit Labor Cost)
ユーロ圏諸国の単位当たり労働コスト(Unit Labor Cost)
低
(2000年=100)
150
単位当たり労働コスト(ULC : Unit Labor Cost)
140
アイルランド
ULCが低い → 少ない労働コストで
多くの生産が可能
スペイン
ギリシャ
イタリア
ポルトガル
130
競
争
力
120
フランス
110
100
ドイツ
高
90
2000
01
02
03
04
05
06
07
08
(年)
(資料)通商白書
8
(1)欧州債務危機の背景
③競争力の格差 ~ 輸出競争力
自国通貨建のケース
ドイツ
競争力上昇
GIIPS
競争力低下
自国通貨高
自国通貨安
輸出競争力低下
輸出競争力上昇
輸出競争力収斂
単一通貨ユーロのケース
ドイツ
競争力上昇
GIIPS
競争力低下
単一通貨「ユーロ」
割安な相場環境
割高な相場環境
輸出競争力上昇
輸出競争力低下
輸出競争力格差拡大
9
(1)欧州債務危機の背景
④域内不均衡 ~ 経常収支
ユーロ圏諸国の経常収支
(億ユーロ)
3,000
ユーロ導入
その他
2,000
ベネルクス
1,000
ドイツ
0
フランス
イタリア
▲ 1,000
スペイン
ポルトガル
ギリシャ
▲ 2,000
アイルランド
▲ 3,000
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
(年)
(資料)Eurostat
10
(1)欧州債務危機の背景
⑤金融市場の統合
GIIPS諸国向け対外与信額の推移
[ドイツ]
[フランス]
(10億ドル)
(10億ドル)
900
1,000
ギリシャ
800
ポルトガル
900
700
800
600
700
ギリシャ
ポルトガル
アイルランド
アイルランド
600
500
イタリア
400
500
イタリア
400
300
300
200
スペイン
100
200
スペイン
100
0
2000
01
02
03
04
05
06
07
(年)
0
2000
01
02
03
04
05
06
07
(年)
(資料)BIS
11
(1)欧州債務危機の背景
小括 ~ 欧州債務危機の原因(概要)
身の丈に合わない
低金利環境
不動産バブルの発生
・マイナスの実質金利
・長期金利の収斂
財政規律の緩み
参加国間の
競争力格差拡大
・南欧諸国における
構造改革の遅れ
・単一通貨導入による
輸出競争力格差
経常収支不均衡
金融市場の統合
12
(1)欧州債務危機の背景
リーマンショックの影響
2008年9月
リーマンショック
景況感の悪化
金融機関の
資金繰り逼迫
財政赤字拡大
不動産価格下落
欧州債務危機へ
13
本日のトピックス
はじめに
欧州債務危機の背景
欧州債務危機の発生
欧州債務危機への対応
欧州経済の現状と今後の方向性
おわりに
14
(2)欧州債務危機の発生
ユーロ圏各国の経済力
ユーロ圏の名目GDPの構成 (2012年)
アイルランド
ポルトガル 0.16
(2%)
0.17
ギリシャ
0.19
(2%)
その他
0.6
(7%)
2012年のユーロ圏の
名目GDP総額は、
9.5兆ユーロ
(2%)
ベネルクス
1.0
(11%)
スペイン
1.0
(11%)
イタリア
1.6
(17%)
ドイツ
2.6
(28%)
フランス
2.0
(21%)
<GIIPS諸国の占める割合>
ギリシャ
2.0%
アイルランド
1.7%
ポルトガル
1.7%
スペイン
10.8%
イタリア
16.5%
計
32.8%
(資料)IMF
(単位:兆ユーロ)
15
(2)欧州債務危機の発生
危機の発端 ~ ギリシャ債務危機
ギリシャ長期金利の推移
粉飾発覚
格下げ相次ぐ
再建計画
支援要請
実現可能性に疑念
支援姿勢を巡り対立
他国へ波及
市場の不安感高まり
(%)
13
EFSF創設
ECB国債買取開始
12
11
ギリシャ政府
財政健全化
計画発表
10
9
8
7
ギリシャ政府
支援要請
政権交代
財政統計粉飾発覚
6
5
4
09/10
09/11 09/12
10/1
10/2
10/3
10/4
10/5
10/6
10/7
10/8
(年/月)
(資料)Bloomberg
16
(2)欧州債務危機の発生
危機の伝染(Contagion) ~ アイルランド、ポルトガル
アイルランド・ポルトガルの
長期金利の推移
[ アイルランド支援要請 (2010/11) ]
(%)
15
(背景)
アイルランド
13
2010年11月
アイルランド支援要請
11
ポルトガル
9
[ ポルトガル支援要請 (2011/4) ]
(背景)
7
・構造改革の遅れ、輸出競争力の低下
→長期の景気低迷
→経常収支赤字の持続
⇒ユーロ圏最大の対外純債務
2011年4月
ポルトガル支援要請
5
3
10/4
・リーマンショックによる不動産バブル崩壊
→不良債権の増加による金融機関救済
⇒政府による救済コストの増大
10/7
10/10
11/1
11/4
11/7
(年/月)
(資料)Bloomberg
17
(2)欧州債務危機の発生
大国への波及 ~ スペイン、イタリア
スペイン・イタリアの
長期金利の推移
(%)
2011年11月
ベルルスコーニ
政権退陣
8
[ スペイン支援要請 (2012/6) ]
2012年6月
スペイン支援要請
7
(背景)
・リーマンショックによる不動産バブル崩壊
→不良債権の増加による金融機関救済
⇒政府による救済コストの増大
・景気回復のための財政支出拡大
⇒財政赤字の拡大
6
[ イタリア危機 ]
スペイン
5
(背景)
・構造改革の遅れ、輸出競争力の低下
→長期の景気低迷 →財政赤字の持続
⇒政府債務残高の高止まり
イタリア
4
3
10/4
10/8 10/12 11/4
11/8 11/12 12/4
(年/月)
・政治的スキャンダル頻発
⇒投資家の不安感増大
(資料)Bloomberg
18
(2)欧州債務危機の発生
長期金利上昇による経済への影響
長期金利上昇
財政再建圧力の
高まり
金融機関の保有
国債の価値下落
緊縮財政
金融機関
自己資本比率低下
経営危機
※自己資本比率
=自己資本÷リスクアセット
不良債権増加
マクロ経済
の低迷
信用収縮
19
(2)欧州債務危機の発生
欧州債務危機の世界経済への波及
金融システム
実体経済
ギリシャ債務危機・
周縁国への波及
欧
長期金利上昇
国債価格下落
財政再建策に
伴う緊縮財政
公的資金注入
による財政悪化
州
マーケット混乱
銀行の業績悪化
金融システム不安
信用収縮の加速
マーケット混乱
欧
州
域
外
投資家のリスクオフ
加速
欧州経済の
悪化
企業・消費者の
マインド悪化
日本
円高の加速
新興国からの
資金逃避
景気悪化
米国、新興国の景気悪化
20
本日のトピックス
はじめに
欧州債務危機の背景
欧州債務危機の発生
欧州債務危機への対応
欧州経済の現状と今後の方向性
おわりに
21
(3)欧州債務危機への対応
欧州債務危機への対応策
財政危機
<必要となる対応策>
GIIPS諸国のデフォルト危機
① 新たな財政協定
② 財政支援の枠組み
GIIPS諸国の長期金利上昇
③ 市場の安定化
銀行の資金繰り不安
④ 流動性の供給
銀行の経営危機
⑤ 銀行監督等の統一
金融危機
22
(3)欧州債務危機への対応
①新たな財政協定
安定・成長協定 (1996年12月合意)
ユーロ参加国の財政規律の基準の遵守を義務付け
財政赤字対GDP比:3%以下、債務残高対GDP比:60%以下
⇒財政赤字基準に違反した場合に制裁
違反国相次ぐも、制裁実施せず
財政規律基準は形骸化
新たな財政協定 (2012年1月合意、3月署名)
ユーロ参加国の財政規律の基準の遵守を義務付け
・財政赤字対GDP比を0.5%以下に抑制
・公的債務残高対GDPが60%を上回った場合、毎年超過分の1/20相当分の債務削減
⇒過剰財政赤字に対し一定期間内に十分な対応をとらない場合、制裁
(制裁発動に係る裁量の余地を制限)
⇒ 2013年1月発効
23
(3)欧州債務危機への対応
②財政支援の枠組み整備
制度が未整備(二国間融資などで対応)
2010/5 ギリシャ一次支援
ギリシャとユーロ圏諸国との二国間融資とIMFからの支援
スロバキアが国内世論の反発で救済参加を見送るなどの問題も
暫定的な財政支援制度
2010/6 欧州金融安定ファシリティ(EFSF)、欧州金融安定メカニズム(EFSM)創設
恒久的な財政支援制度
2012/10 恒久的な支援メカニズムとして欧州安定メカニズム(ESM)発足
24
(3)欧州債務危機への対応
②財政支援の枠組み ~ EFSM、EFSF、ESM
欧州における財政支援の枠組み
欧州金融安定化メカニズム
EFSM: European Financial
Stabilisation Mechanism
欧州金融安定ファシリティー
EFSF : European Financial
Stability Facility
欧州安定化メカニズム
ESM : European
Stabilisation Mechanism
法的地位
法的根拠
リスボン条約に基づく
EUの機能
ルクセンブルグ法に基づく
非公開(民間)企業
国際法に基づく
政府間機関
継続期間
一時的
(2010年6月~2013年6月)
一時的
(2010年6月~2013年6月)
恒久的な機関
融資上限
600億ユーロ
4,400億ユーロ
5,000億ユーロ
支援の方法
欧州委員会がEUに予算を
裏付けに資金調達し、重債
務国へ金融支援
(資料)ESM等資料より作成
ユーロ圏参加国の政府保証
をもとに、EFSFが債券を発
行(EFSF債)し、重債務国へ
金融支援。
債権の弁済順位は、他の債
権者と同列の地位。
ESMが債券発行し、金融支
援(ESM参加国が資本金を
拠出)。
債権の弁済順位は、IMFに
次ぐ優先的な地位。
25
(3)欧州債務危機への対応
(参考)ギリシャ支援における民間債権者の関与
ギリシャ支援
第一次支援策(2010年5月)
第二次支援策(2011年7月)
二国間融資(ユーロ圏諸国)
800
IMF
300
合計
1,100
⇒上記支援も財政危機は沈静化せず
各国承認にあたり、フィンランドが担保要求、
スロバキア議会が一時否決
2011年10月、①公的負担を1,300億ユーロ
に増額、②債務交換により国債額面を
50%ヘアカットすることに合意
(公的負担)
EFSF
IMF
(民間負担)
債務交換等
合計
1,090
977
113
540
1,630
ギリシャ支援は決着したものの、
民間負担による財政支援が、
他国のケースにも適用されるとの
懸念も存在
⇒2011年12月の欧州理事会にて、
ギリシャにおいて民間保有の国債割
引を求めたのは、特例的な措置との
位置づけ
26
(3)欧州債務危機への対応
③市場の安定化 ~ ECBによる国債買入れ
ECBによる国債買入れプログラム
SMP
( Securities Markets Programme )
OMT
( Outright Monetary Transactions )
2010年5月導入
2012年9月導入
( SMP実施の概要 )
・条件
特になし
(ECBが必要と判断した場合実施)
・規模
不明(明示なし)
・ECBの優先弁済権
事実上あり
( OMT実施の概要 )
・条件
EFSF/ESMに財政支援要請
それに伴う財政再建などの
厳格な条件の受入れ
・規模
無制限
・ECBの優先弁済権
なし
重債務国の長期金利の高騰を抑制し、
財政再建、構造改革を実施するための「時間を買う」政策
27
(3)欧州債務危機への対応
④流動性の供給 ~ ECBによるLTRO
LTROとは
ECBによる域内金融機関向けの
期間3年の資金供給オペレーション
(Long-Term Refinancing Operation)
LTROの効果
(%)
(10億ユーロ)
1.2
1,400
第2回
LTRO
1.0
(第1弾)
2011年12月21日入札、22日供給
⇒約4,900億ユーロ
(第2弾)
2012年2月29日入札、3月1日供給
⇒5,300億ユーロ
0.8
Euribor-OIS
スプレッド
(ユーロ建て)
1,200
1,000
800
0.6
600
0.4
第1回
LTRO
400
0.2
200
総額1兆ユーロの資金を
銀行システムに供給
ECBの
金融機関向け貸出
0.0
11/1
11/4
11/7
11/10
12/1
12/4
0
(年/日)
(資料Bloomberg、ECB
28
(3)欧州債務危機への対応
⑤銀行監督等の統一 ~ 銀行同盟
銀行同盟 ( Banking Union )
(背景)
ユーロ圏の銀行は、国境を越えて
自由に活動出来る一方、
銀行の監督制度やセーフティネットが
各国によって相違
銀行危機が他国にも波及する
リスクが存在
(実現に向けて必要となる制度)
①共通の銀行監督制度
単一監督制度 ( SSM )
2012年12月、EU財務相会合にて、
ユーロ圏の銀行監督体制を一元化する
単一監督メカニズム
( SSM:Single Supervisory Mechanism)
創設に合意
→2014年11月以降、導入。
「重要度の高い」銀行に関する監督権限
をECBに委譲
(SSMによる効果)
SSMを前提に、ESMから経営上問題のある
銀行に対して、直接資本注入を実施すること
が可能に
②共通の破綻処理制度
③共通の預金保険制度
銀行の経営危機によって、
財政が悪化するリスクを軽減
29
(3)欧州債務危機への対応
政策対応を受けた市場の反応
ギリシャ、ポルトガル、アイルランドの長期金利推移
ECB
2度のLTRO
(%)
40
25
ECBドラギ総裁
「ユーロ防衛のために
何でもやる」発言
ギリシャ国債
ヘアカット
35
30
EU
新たな財政協定
ECB
イタリア
スペイン
国債買取開始
ECB
OMT導入
EU
ESM発足
20
15
EU
SSM合意
ポルトガル
ギリシャ
10
5
アイルランド
0
11/01
11/07
12/01
12/07
13/01
13/07
14/01
(年/月)
(資料)Bloomberg
30
本日のトピックス
はじめに
欧州債務危機の背景
欧州債務危機の発生
欧州債務危機への対応
欧州経済の現状と今後の方向性
おわりに
31
(4)欧州経済の現状と今後の方向性
好転しつつある経済環境
ユーロ圏諸国の実質GDP成長率
(前期比・%)
2.0
ユーロ圏諸国の景況感
(100=中立水準)
120
1.5
1.0
110
ドイツ
ドイツ
0.5
フランス
ユーロ圏
ユーロ圏
100
0.0
▲ 0.5
90
スペイン
▲ 1.0
▲ 1.5
フランス
スペイン
イタリア
イタリア
11
(資料)Eurostat
12
13
(年/期)
80
11
12
13
14 (年/期)
(資料)欧州委員会
32
(4)欧州経済の現状と今後の方向性
欧州経済に残存するリスク要因
ユーロ圏諸国の財政収支見通し
ユーロ圏諸国の失業率
(対GDP比・%)
(%)
0
▲2
▲4
見込み
ギリシャ
ギリシャ
25
スペイン
イタリア
スペイン
ポルトガル
20
▲6
ポルトガル
15
イタリア
ユーロ圏
▲8
▲ 10
▲ 12
アイルランド
▲ 14
2011
12
(資料)IMF
13
14
15
16
17
18
(年)
10
フランス
5
ドイツ
0
09
10
(資料)Eurostat
11
12
13
14 (年/月)
33
(4)欧州経済の現状と今後の方向性
金融の動向 (貸出残高・不良債権比率)
ユーロ諸国不良債権比率
EU圏内貸出残高
(前年同月比・寄与度%)
30
4
3
(%)
ギリシャ
25
家計向け
2
アイルランド
合計
1
20
金融機関向け
0
15
イタリア
▲1
ポルトガル
10
▲2
スペイン
非金融企業向け
▲3
5
フランス
▲4
▲5
ドイツ
11
(資料)ECB
12
13
(年/月)
14
0
08
09
10
11
12
13
(年)
(資料)IMF
34
(4)欧州経済の現状と今後の方向性
デフレ懸念の高まり ~ ユーロ圏の日本化? ~
ユーロ圏の消費者物価指数
ユーロ諸国の名目賃金
(前年同期比・%)
6
(前年同月比・%)
3.5
スペイン
4
3.0
ドイツ
消費者物価指数
2
フランス
イタリア
2.5
0
ECB目標上限
2.0
▲2
1.5
▲4
1.0
コア消費者物価指数
▲6
ポルトガル
0.5
▲8
0.0
▲ 10
11
(資料)Eurostat
12
13
14
(年/月)
2010
11
12
13
(年/月)
(資料)Eurostat
35
(4)欧州経済の現状と今後の方向性
危機の解決に向けて求められること
ユーロ圏統合深化のため求められる4つの統合
金融
目的:ユーロ圏の金融安定化
手段:銀行同盟 ~ 監督制度、破綻処理、預金保険制度
財政
目的:ユーロ圏の持続可能な財政メカニズムの構築
手段:財政規律の遵守 → 予算制度の統一
経済
目的:ユーロ圏の競争力格差の是正
手段:南欧諸国の構造改革、競争力強化
政治
目的:ユーロ圏の統一した意見の表明(国際会議等)
手段:EU諸機関の機能強化
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(4)欧州経済の現状と今後の方向性
ユーロは崩壊するか? ~ 欧州債務問題から見えてくるもの ~
欧州債務危機の構図
ドイツ、北欧諸国
 ユーロ導入によるメリットを享受
 労働市場改革による高い競争力
 ユーロを維持するためには、
南欧諸国において、厳しい緊縮財政、
構造改革が必要不可欠との立場
 重債務国の救済にあたり、
自国の財政負担を極力抑制
フランス
 ドイツとの格差
景気循環:経済成長、失業率
経済構造:労働生産性
 大国としてドイツとは歩調を合わせる
GIIPS諸国
 ユーロ導入によりバブルを経験
 労働市場改革が進まず、低い競争力
 支援条件とされる、厳しい緊縮財政、
構造改革に強い反発
 民衆の不満蓄積から、政治的にも
不安定な状況が持続
意見の対立はありながらも、
ユーロ圏が瓦解するまでには至らず。
危機が深刻化しても、
結局は自律的に対処している状況。
(欧州の問題解決のスタイル?)
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本日のトピックス
はじめに
欧州債務危機の背景
欧州債務危機の発生
欧州債務危機への対応
欧州経済の現状と今後の方向性
おわりに
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