【優秀賞】株式会社PFU 「仕事と家庭の両立支援」労使協議会の設置と、地域の子育て環境構築を支援 住 所:石川県かほく市宇野気ヌ 98-2 ホームページ:http://www.pfu.fujitsu.com/ 従業員数:2,015 人(内訳:男性 1,813 人 業 女性 202 人) 種:情報通信業 Ⅰ.組織内でのワーク・ライフ・バランス推進活動 1.WLB推進の課題やその課題解決により目指した目標、および活動開始時期 ①労働環境整備(育児休職・短時間勤務) ②企業全体の環境整備 ③企業の実状を踏まえた行動計画策定 ④取り組みの効果(行政官庁への届出→達成→認定) ⑤社会全体への支援 ⑥地域における子育て環境の支援 ○活動開始時期:2004 年7月より 2.課題解決に向けた経営トップのリーダーシップやその具体的な取組み 次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境の整備に関する企業の社会的責 任を果たしていくため、労使による「仕事と家庭の両立支援」労使協議会を 2004 年7月に 設置。定期的に協議を重ね、働きやすい職場環境の構築や仕事と家庭の両立に向けた各制度 の設計、施策の実施、社内への情報発信を行っている。 また、労使による「労働時間協議会」を月に1度開催し、労働時間の適正化および休暇取得 促進などの施策を実施している。 以降、必要な環境整備、制度改善および、一人ひとりが自律的に業務に取り組む企業風土醸 成に取り組んできた。 (具体的な取組み) ・「仕事と家庭の両立支援」労使協議会(通算 32 回)および、労働時間協議会の定期開催 ・イントラ「仕事と家庭の両立支援HP」を活用した周知・啓発の実施等 3.従業員の働きがいや働きやすさを高めるために有効であった取組み、仕組みや工夫 (1)仕事と家庭の両立支援に関する制度運用の更なる充実/一層の利用促進 職場ヒアリングによる、実効性の高い制度見直しの検討および働きやすい職場環境の推進 の他、ホームページや社内講習会を活用し、更に社内への情報提供による啓発活動を実施。 ①育児関連 ・短時間勤務制度の適用範囲の拡充:6時間まで⇒小学校3年生の年度末まで 7時間まで⇒小学校卒業まで ・育児のための時間外勤務制限⇒小学校卒業まで ・始業時刻の繰り下げ(フレックスコアタイムの変更)⇒小学校卒業まで ・子の看護休暇制度の拡充⇒小学校卒業までの子を対象とし、子1人につき5日/年、2人 以上で 10 日/年(病気・ケガの看護だけでなく予防接種や健康診断でも利用可) ・「母親・父親教室」及び「パパ子育て講座」の開催によるワーク・ライフ・バランスの推進。 仕事をするうえで社員に大事にして欲しい家庭、特に子育ては重要な対象と考え、会社側 が企画運営し、子育てにおける悩みや課題を解消・子供との接し方を充実させるための講 座を実施。本講座は、現役小児科医による「母親・父親教室」と題して、テーマ別に全7 回のシリーズ開催。本社所在地である石川よりTV会議システムで3拠点に中継、また、 広く全社への啓発活動として、全講座内容をDVD化し、全国の社員および、育休中の社 員へ貸出を実施。詳細内容や、各回のアンケートから子育てに関するFAQコーナーを作 成し、イントラネットに公開した。 ・「次世代育成ニュース」発行による啓発活動 ・育児休職入り前と復職の際に、上司及び人事担当者による面談を実施し、「安心して休職 できる」 、「スムーズな復職ができる」環境作りを実施。 ・休職者への定期の社内情報提供。 (異動情報等) ・子供が生まれた男性社員及び上司への「ワーク・ライフ・バランスのススメ」メール送信。 ・子を持つ予定の社員からの相談対応。 ②介護関連 ・介護休職期間⇒3年間 ・介護のための短時間勤務制度⇒3年間 ・対象単位⇒配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫 ・家族の介護のための半日年次休暇取得回数制限の緩和⇒最大 20 回/10 日分 ・介護セミナーの開催と介護施設訪問による介護現場の実態把握、 「次世代育成ニュース」 発行による啓発活動。これから増加が予測される介護に関わる社員に対する支援施策の 一環として、実際の介護の現場に足を踏み入れ、目で見て、話を聞くことで、介護を取 り巻く実情を充分に認識。 (2)次世育成支援の推進による地域貢献 地域活動の一環として、皆が安心して子供を産み育てることができる社会環境の構築に貢献 する。また、企業内における親子ふれあいの機会を提供。 ・社員親子参加の「PFUフェスティバル」の開催 ・「ものづくり教室」の開催:社員と近隣住民の小学生親子を対象としたイベント ・「宇宙の学校」の開催:小学生親子を対象としたイベント ・「バレーボール教室」の開催:小中学生や東日本大震災被災地にて開催 ・新入社員によるボランティア活動:市内の老人施設 15 箇所を訪問 ・清掃ボランティア活動の実施 ・インターンシップの実施 (3)計画的な休暇取得の促進 メリハリある勤務を意識する風土を醸成するとともに、働き方を見直すことにより、より計 画的、効率的な業務遂行を行うことや、仕事以外のことにも目を向ける時間を持ち、多面的 な人格形成に役立てる。 ・労使による労働時間協議会(毎月)の実施により、総労働時間短縮と年次休暇取得促進に 向けた対策を実施。イントラネットに年次休暇の年間取得日数の目標値を周知し、4半 期毎に部署ごとに3カ月間の休暇予定を立て、取得促進をはかった。社員からも「計画 的に設定することにより休みやすくなった」などの意見もあった。 【目標値】①「最低年6日以上」⇒2011、2012 年度2年連続達成。②「平均 12 日以上」 ⇒2011、2012 年度2年連続達成。<2012 年度実績 13.5 日> ・休暇の情報を整理してイントラに掲載。 ・ワーク・ライフ・バランスの推進及び地球温暖化活動への取組みを目的とした「定時退社 日(月・水、給与・賞与支給日) 」の実施。イントラネット及び社内放送にて周知、定着 を推進するとともに見回りを実施。 (4)社員間のコミュニケーションの向上と社員の健康促進 部門を超えた交流の場を提供することで、横のつながりを構築し、互いに課題を相談・解決 しながらイキイキと働き続けられる風土を醸成するために実施。 ・女性ランチミーティングの開催(女性の健康、乳がんセルフチェック、新入社員との交流 会等)。社内における女性社員は、比率の低さを背景に(PFU:1割未満、グループ全 体:2割未満) 、ロールモデルがいないことや、結婚や出産とキャリアへの漠然とした不 安がある中、社内に相談できる人も少ないのが実態であるため、社員の交流に加えて、社 内制度等の周知や講師を招いての勉強会、新入社員の紹介の場としても活用。 ・新任幹部社員研修でのメンタル予防講演の実施 ・納涼会の開催(石川本社・東京本社・東京開発センター・関西事業所) ・各種スポーツ大会の実施 4.取組み・活動により得られた成果 ワーク・ライフ・バランス関連の制度利用者も増加し、より働き易い職場環境となった。 また、各種制度を利用するために働き方を見直すきっかけとなり、メリハリある勤務を意識 する風土の醸成につながった。 【制度利用状況】 育児休業 短時間勤務 利用状況 子の看護休暇 介護休暇 配偶者出産休暇 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 2010 年度 3 人(6.3%) 5 人(71.4%) 2人 23 人 22 人 12 人 7人 1人 42 人(平均 3.1 日) 2011 年度 4 人(6.9%) 6 人(120.0%) 2人 19 人 22 人 13 人 10 人 5人 51 人(平均3日) 2012 年度 5 人(10.4%) 8 人(100.0%) 2人 24 人 21 人 17 人 8人 0人 33 人(平均 2.9 日)
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