飾る場所、収納場所ありきのひな人形選び 商戦は平均価格帯 15~20 万

<2016 年 吉德のひな人形商戦・プレスリリース>
平成 28 年(2016 年)吉德 ひな人形 商戦情報
購入予算と同等に、飾る場所、収納場所ありきのひな人形選び
商戦は平均価格帯 15~20 万円前後の「親王飾り」が中心
【目次】
・現在のひな人形の完成は、江戸時代後期
・商戦のピークは 1 月最終週
・ひな人形マーケットは 400 億円市場
・ひな商戦の主役は親王飾り、そして三段飾り。
・商品別の平均価格帯(税込)予測
・吉德がお薦めするひな人形の上手な選び方
・吉德ひな人形のラインアップと価格(税込)
・吉德これくしょん「おひなさま展」開催(1 月 16 日~)のお知らせ
◆現在のひな人形の完成は、江戸時代後期 (吉德資料室)
日本の美しい伝統行事、3 月 3 日の「ひなまつり」
(桃の節句、または 3 月最初の巳の日
であることから上巳の節句とも呼ばれる)は、その起源を遠く奈良・平安時代に見ること
ができます。節句は本来「節供」と書き表し、当時は季節の変り目に神に供え物を捧げて
身の安泰を祈ったことに由来しています。ちなみに、この節句が 3 月 3 日となったのは奇
数の月と日が重なると、より強い神のご加護と幸せが得られるという古来の重日(ちょう
じつ)思想によるものです(5 月 5 日の端午、9 月 9 日の重陽の節句も同じ考え方から生ま
れています)
。
「ひな」は「ひひな(ひいな)
」とも呼ばれ、もともと「小さな人形」のことでした。平
安時代、貴族の女児の間にこの人形で遊ぶ「ひひな遊び」がありましたが、こうした遊び
と節句の風習が混じり合って、後の「ひなまつり」が形作られました。
時を経て、江戸中期になると上巳の節句は一般的に「ひなまつり」と呼ばれるようにな
り、美しい人形を飾る楽しいお祭りとしての行事に発展しました。ひな人形は京都で誕生
しましたが、江戸文化が華やかな江戸時代後期には生粋の江戸生まれの「古今雛」が完成。
写実的な面相と華麗な衣裳が人気を博しました。現在のひな人形もおおよそこの流れを汲
んでいます。また、初節句を祝う習慣が生まれたのもこのころからと言われています。
(参考:江戸時代 1600~1867 年・ 吉德創業 1711 年)
◆商戦のピークは 1 月最終週
ひな人形は、女児の成長を見守る「守り神」のような存在です。
新年が明け、今年もまた「女児の誕生をお祝いし、健やかな成長と幸せを祈る」3 月 3 日
の「ひなまつり」に向けてのひな人形商戦が始まりました。
商戦が本格化するのは例年新年明けの1月中旬、ピークは 1 月最終週ですが、かわいい
子ども・孫のために『早く気に入ったひな人形を買い求めたい』との購入者側の思いから、
その時期は年々早くなる傾向にあります。
創業 305 年、江戸最古の人形専門店(創業 正徳元年・1711 年)
、株式会社吉德(本社:東
京 都 台 東 区 浅 草 橋 、 代 表 取 締 役 社 長 : 12 世 ・ 山 田 德 兵 衞 、 資 本 金 : 1 億 円 ・
www.yoshitoku.co.jp) では東京・浅草橋本店はじめ全国直営 10 店舗(北海道・札幌、
埼玉県・熊谷/久喜、東京都・荒川/八王子、千葉県・柏/市原、神奈川県・大和/横浜、福
岡県・小倉)および全国各地の特約店舗を挙げて商戦に臨んでいます。
◆ひな人形市場は 400 億円市場と推測 (吉德調べ)
ひな人形商戦は初節句を迎える長女市場を中心に展開されます。
平成 27 年の女児出生数は約 49 万人(平成 26 年度 488,006 人:厚労省発表データ)と推
定されます。そのうち初節句を迎える長女の出生数は約 23 万人(平成 26 年度 229,580 人:
同)
、その 8 割(約 18 万 3 千人)が何らかの形で新規にひな人形を購入(平均 15 万円~20
万円の支出)すると予測すれば、約 275 億円~約 366 億円という計算になります。その他
親族などからのお祝いの人形(脇飾りとなる市松人形、浮世人形、吊るし飾り等)の購入
額を加えると、ひな人形市場の規模は概ね 400 億円と見ることができます。
(参考: 平成 26 年度出生率【人口千対】
:8.0
合計特殊出生率:1.42)
◆商戦の主役は親王飾り、そして三段飾り
ひな人形には、大別して七段、五段、三段の各「段飾りセット」
、そして「親王飾り」の
4 種類があり、価格もサイズも様々です。
近年では、購入金額と同等に、家の中の飾る場所と節句後の収納場所のスペース確保を
第一に考えたひな人形選びをする方が増えています。
間口・高さが1mを超える七段、五段飾りは購入対象がやや限定的となり、購入者の目
は間口 80cm 未満の女雛・男雛一対の「親王飾り」に集まっています。
ただ、吉德では伝統的な七段飾りも数多く揃えており、市場において七段を容易に見つ
けることができない購入希望者から一定の支持を集めている側面もあります。
「親王飾り」に続くのは、親王に三人官女を加えた五人の「三段飾り」です。三人官女が
プラスされたことによる華やかな雰囲気が好まれています。また、飾り台の内部にセット
1
をすべて収納できる「収納箱飾り」も売れ筋のひとつになっています。
間口のサイズは、
「親王飾り」70~80cm、
「三段飾り」70~90cm が主流です。
「収納箱飾り」
は 60~70cm です。昨年比、全体的に若干のコンパクト化が見られます。
吉德浅草橋本店では「親王飾り」40%、「三段飾り」30%、「収納箱飾り」10%、「ケース入
り雛」10%、その他 10%の品揃えとしています。
◆商品別の平均価格帯(税込)予測
平均価格帯(税込)は
「親王飾り」 150,000~200,000 円
「三段飾り」 250,000~350,000 円
と見ています。これはほぼ前年価格と変わりはありません。
◆吉德がお薦めするひな人形の上手な選び方
・人形は「顔」がいのちです。ひな人形の顔(頭・かしら)は、大別して古風でおっと
りした表情、品のある端正な顔立ちの「京頭」と切れ長の目の愛らしく優しい写実的
な顔立ちの「江戸頭」のふたつがあります。ひとつひとつの「顔」をじっくり見比べ
て、ご自分の好みに合った「顔」を選んでください。人形の顔は頭師と呼ばれる専門
の職人がひとつひとつ筆入れして仕上げるため、微妙に表情が異なります。
・次に大切なのは衣裳です。仕立て具合など十分に吟味してください。人形職人の熟練
技でふっくらと着せ付けています。
・セット全体(顔・衣裳・付属品)のバランスも大切です。
・飾る場所を想定して、あらかじめ寸法を測っておくと安心です。また、飾る部屋との
調和も大事です。さらに、収納場所も想定しておくとよいでしょう。
・ひな人形はかなり高価な買い物です。人形の作りの良さをしっかり見極めましょう。
同じ親王飾りでも価格が違うのは衣裳の素材や作り手の技量、作り上げるまでの手間
が大きく関係しています。
・後の修理などの受け入れ対応も確認しましょう。
・値引き販売をメインにうたう店舗は要注意です。大幅な値引きを“売り”とする商品
にはそれなりの理由がある筈で、お薦めできません。
・迷ったら、販売員に相談して、希望を確実に伝えアドバイスを求めてください。節句
についての正しい歴史観を持ち合わせ、たしかな目線を持って一緒に選んでくれる販
売員がベストです。
◆吉德ひな人形のラインアップと税込価格
・能楽鶴亀雛 (378,000 円~842,400 円)三段・五段
2
・江都(えど)みやび 徳川姫君雛 (189,000 円~311,040 円)親王・三段
・春彩シリーズ
(167,400 円~345,600 円)親王・三段
・衣裳着五人飾り(248,400 円~475,200 円)三段
・花みかど雛
(172,800 円~213,840 円)親王
・衣裳着立姿雛飾り (169,560 円~199,800 円)親王
・江都(えど)みやびシリーズ(172,800 円~216,000 円)親王
・親王飾り(118,800 円~199,800 円)親王
・収納箱飾り(170,640 円~248,000 円)三段
親王
・女流作家「御雛」
(189,000 円~321,840 円)親王
・男性作家「御雛」
(162,000 円~203,040 円)親王
・京雛親王飾り(399,600 円~1,080,000 円)親王
・衣裳着段飾り(356,400 円~3,780,000 円)十五人揃い五段
同七段
・ケース入り衣裳着「御雛」
(91,800 円~178,200 円)親王・五人
・ 木目込御雛(97,200 円~267,840 円)親王・五人・七人・十五人
◆吉德これくしょん「おひなさま展」開催のお知らせ
「吉德これくしょん」は、人形研究家として知られた吉德 10 世山田德兵衞(1896-1983)
が昭和初期頃から収集した研究資料を主体とする日本有数の人形玩具ならびに文献資料等
のコレクションです。
今年もひな人形シーズンにちなみ、1 月 16 日(土)~3 月 3 日(木)の間、本社ビル(浅
草橋本店)4F の展示室にて吉德これくしょんの「おひなさま展」を開催いたします。
現代の一般的なひな人形の原形とされる、江戸の名工・原舟月が作った「古今雛」をは
じめ、江戸時代から現代に至るひな人形・ひな道具、ならびに浮世絵や古文献などの関連
資料を展示いたします。詳細は吉德ホームページ 「吉德これくしょん」ページにてご確認
ください。
以上
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