将来の公共サービスのあり方 に関する世論調査 <ポイント> 平成28年3月 内閣府 政策統括官(経済社会システム担当) ポイント1 持続的に公共サービスを提供していくために改革が必要な分野 持続的に公共サービスを提供していくために改革が必要な分野(問9)について、 ○ 介護や健康・医療、子ども・子育て分野等の国民に身近な社会保障サービスについて、一層の改善を希望 ○ 年齢別にみると、年齢層により、改善を希望している分野が異なる →20~30歳代は「子ども・子育て分野」、40~60歳代は「介護分野」の割合が高い(6割以上) [改革が必要な分野] [改革が必要な分野 介護分野(介護,高齢者支援等) 59.7 年齢別 ] 54.9 55.1 60.8 介護分野(介護,高齢者支援等) 54 健康・医療分野(医療や予防・健康づくり等) 50.9 62.8 43.6 47.7 49 52.8 58.8 48 健康・医療分野(医療や予防・健康づくり等) 60.9 子ども・子育て分野(出産や育児支援等) 43.5 43.5 47.9 39.6 子ども・子育て分野(出産や育児支援等) 25.5 年金分野 26.7 社会福祉分野(障がい者や母子家庭への 支援等) 雇用・労働分野(ハローワークでの雇用支 援等) 33.8 26.7 社会福祉分野(障がい者や母子家庭への支援 等) 29.1 24.3 雇用・労働分野(ハローワークでの雇用支援等) 公的扶助分野(生活保護等) 20~29歳 30~39歳 40~49歳 38.3 36 40.8 35.3 29.2 14.7 公的扶助分野(生活保護等) 71 44.4 41.1 38.2 47.5 38.2 年金分野 37.6 69.4 24.6 32.3 31.8 33 35.1 28.6 25.2 21.6 30.6 25.4 19.8 50~59歳 60~69歳 70歳以上 1 ポイント2 公共サービスの水準と負担の関係についての考え方 公共サービスの水準と負担の関係についての考え方(問13)について、 ○ 国民の負担が増加しても公共サービスの水準は維持すべきとの意見は少ない ○ 年齢別、都市規模別にみても、その傾向に差異はない [公共サービスの水準と負担の関係についての考え方] 17.7 46.8 19.7 負担が増加しても,現在の水準を維持すべき 負担の増加を防ぐため,現在の水準を下げる その他 6 1.1 8.7 負担増加を一定に抑制し水準低下を一定に抑える 負担を減らすため現在の水準を大幅に引き下げる わからない [年齢別] 20~29歳 30~39歳 40~49歳 18 12.6 70歳以上 20.3 55.6 16.3 50~59歳 60~69歳 49.6 22.4 48.7 48.3 19.1 1.9 6.1 17.9 6 1.9 4.9 18.4 39.1 0.5 2.3 0.3 6.9 17.7 47.3 5.3 6.5 23.2 21.9 16.8 1.5 5.3 0.7 4.6 5.3 9.4 17.2 [都市規模別]※都市規模区分:大都市(東京都区部、政令指定都市)、中都市(人口10万人以上の市)、小都市(人口10万人未満の市)、町村 大都市 17.9 中都市 17.5 小都市 町村 50 48.3 18.4 15.3 負担が増加しても,現在の水準を維持すべき 負担を減らすため現在の水準を大幅に引き下げる 19.2 42 44 負担増加を一定に抑制し水準低下を一定に抑える その他 6 4.5 19.3 20.5 20.7 8.8 5.3 0.7 0.2 1.6 6.6 8.8 1.4 8.8 14 負担の増加を防ぐため,現在の水準を下げる わからない 2 ポイント3 地域の公共サービスに満足していない要因 公共サービスの地域差の有無(問2)について、 ○ 地域の公共サービスに満足していない方は、地域差があると考える割合が高い(約6割) ○ 一方、地域差の有無について、総数、年齢別、都市規模別でみると、 傾向としては、大きな差異はないが、50歳代、小都市で、地域差があると考える方が多い [「公共サービスに満足していない方」の地域差に対する考え方] 満足している 26.7 51.8 どちらともいえない 40 37.2 満足していない [公共サービスの地域差の有無 総数 小都市 町村 わからない 総数/年齢別] 22.8 57.1 14.3 40.2 42.5 36.3 17.3 47.4 43.4 16.3 33.6 30.7 23 43.3 26.4 25.9 43.7 [公共サービスの地域差の有無 中都市 15.7 43.6 50~59歳 大都市 ない 28.6 40~49歳 70歳以上 24.9 33.6 30~39歳 60~69歳 22.7 59.4 ある 20~29歳 21.5 29.9 都市規模別] 28 50 32.8 22 43.5 39.9 23.8 36.5 37.3 23.6 44 ある ない 18.7 わからない 3 ポイント4 経済・財政一体改革への国民の理解 経済・財政改革を進めるための方策(問12)について、 ○ 経済と財政の一体的な再生を目指す方向性について、多数の方の御理解をいただいている ○ 年齢別、都市規模別にみても、その傾向に差異はない(20歳代、町村では、経済の再生優先が多い) [経済・財政改革を進めるための方策] 36.1 30.6 経済・財政を一体的に改革すべき いずれも重要とは思わない 0.7 22.1 経済の再生(景気対策など)を優先すべき その他 8.7 1.9 財政再建(歳出効率化など)を優先すべき わからない [年齢別] 20~29歳 29.3 30~39歳 36.8 40.7 40~49歳 37.9 50~59歳 38.9 60~69歳 38.2 70歳以上 30.4 23.8 34 21.9 31.7 26.7 22.2 1.4 1.4 21.1 8.3 0.5 3.3 1.4 0.3 3.9 2 0.4 6 1.5 0.8 7.5 1.6 21.5 29.7 31 2.3 23.3 18.4 [都市規模別] 1.5 大都市 38.5 中都市 31.2 36.1 22 30 6.8 0.9 22.8 9.1 1.2 1.2 小都市 町村 36.5 28.6 27.3 37.3 22.4 18 8.1 3.1 0.7 2.7 14 経済・財政を一体的に改革すべき 経済の再生(景気対策など)を優先すべき 財政再建(歳出効率化など)を優先すべき いずれも重要とは思わない その他 わからない 4 「経済・財政再生計画」 1.経済財政の現状と課題 ① ② ① 三本の矢の取組により、「デフレ脱却・経済再生」と 「財政健全化」は双方ともに大きく前進。しかし、財 政と社会保障制度は現状のままでは立ち行かない。 こうした状況の脱却のために、「デフレ脱却・経済再 生」、「歳出改革」、「歳入改革」を3本柱として推進し、 安倍内閣のこれまでの取組を強化。 ② 政府はもとより広く国民全体が参画する社会改革と して、「経済・財政一体改革」を断行。 ③ 2.計画の基本的考え方 ① 「経済再生なくして財政健全化なし」を基本方針とし、 今後5年間(2016~2020年度)を対象期間とする。 歳出改革、歳入改革においても経済再生に寄与す る改革。 ② 歳出改革は、「公的サービスの産業化」、「インセン ティブ改革」、「公共サービスのイノベーション」に取 り組む。公共サービスの質や水準を低下させること なく、経済への下押し圧力を抑えつつ公的支出を抑 制。歳出全般にわたり、安倍内閣のこれまでの取組 を強化し、聖域なく徹底した見直しを進める。 ③ 3.目標とその達成シナリオ、改革工程 歳入面では、経済環境を整える中で、消費税率の 10%への引上げを平成29年4月に実施。安定的な 経済成長を持続させる「経済構造の高度化、高付 加価値化」を進めること等を通じて新たな歳入増を 実現。 ④ ⑤ ⑥ 「経済・財政一体改革」を推進することにより、経済再生を進め るとともに、2020年度の財政健全化目標1を堅持。具体的には、 2020年度のPB黒字化を実現することとし、そのため、PB赤字 対GDP比を縮小。債務残高の対GDP比を中長期的に着実に 引下げ。 当初3年間(2016~18年度)を「集中改革期間」と位置づけ、集 中的に取り組む。専門調査会を設置し、速やかに改革工程、K PIを具体化するとともに、改革の進捗管理、点検、評価を行う。 改革努力のメルクマールとして、2018年度のPB赤字の対GD P比▲1%程度を目安。 国の一般歳出については、安倍内閣のこれまでの取組を基調 として、社会保障の高齢化による増加分を除き、人口減少や賃 金・物価動向等を踏まえつつ、増加を前提とせず歳出改革に 取り組む。社会保障関係費については、高齢化要因も考慮し、 安倍内閣におけるこれまでの増加ペースを踏まえつつ、消費 税率引上げに伴う充実を図る。ただし、各年度の歳出について は、一律でなく柔軟に対応する。地方においても、国の取組と 基調を合わせ取り組む。 これらの目安2に照らし、歳出改革、歳入改革等の進捗状況を 評価し、必要な場合は、歳出、歳入の追加措置等を検討。 2017年4月の消費税率10%への引上げに向けては、その円滑 な実施に必要となる経済環境を整えるため、必要に応じ機動 的に対応。 1.国・地方を合わせた基礎的財政収支について、2020年度までに黒字化、その後の債務残高対GDP比の 安定的な引下げを目指すこと(当面の財政健全化に向けた取組等について-中期財政計画(平成25年8 月8日閣議了解))をいう。 2.国の一般歳出の水準の目安については、安倍内閣のこれまでの3年間の取組では一般歳出の総額の 実質的な増加が1.6兆円程度となっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を2018年度まで 継続させていくこととする。地方の歳出水準については、国の一般歳出の取組と基調を合わせつつ、 交付団体をはじめ地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、2018年度までにお いて、2015年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する。 5 4.歳出改革等の考え方・アプローチ [Ⅰ]公的サービスの産業化 民間の知恵・資金等を有効活用し、公共 サービスの効率化、質の向上を実現。十分 に活用されていない公的ストックを有効に活 用。新たな民間サービスの創出を促進。 [Ⅱ]インセンティブ改革 国民一人ひとり、企業、自治体等の 意識や行動の変化を促す仕組みを 構築。インセンティブが十分働く仕 組みとするための改革を推進。 [Ⅲ]公共サービスのイノベーション 「公共サービスの徹底した見える化」、「エ ビデンスに基づくPDCAの徹底」、「マイナ ンバー制度の活用やITを活用した業務の 簡素化・標準化」に重点的に取り組む。 5.主要分野毎の改革の基本方針と重要課題 歳出改革は聖域なく進める。社会保障と地方行財政改革・分野横断的な取組等は、特に改革の重点分野として取り組む。 [1]社会保障 [3]地方行財政改革・分野横断的な取組等 ① ① ② ③ 社会保障・税一体改革を確実に進めつつ、経済再生と財政健全化 及び制度の持続可能性の確保の実現を目指した改革を行う。 安倍内閣のこれまで3年間の経済再生や改革の成果と合わせ、社 会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸 び(1.5兆円程度)となっていること、経済・物価動向等を踏まえ、その 基調を2018年度まで継続していくことを目安とし、効率化、予防等や 制度改革に取り組む。この点も含め、2020年度に向けて、社会保障 関係費の伸びを、高齢化による増加分と消費税率引上げとあわせ行 う充実等に相当する水準におさめることを目指す。 医療・介護提供体制の適正化、インセンティブ改革による生活習慣 病の予防・介護予防、公的サービスの産業化の促進、負担能力に応 じた公平な負担、給付の適正化、薬価・調剤等の診療報酬に係る改 革及び後発医薬品の使用促進を含む医薬品等に係る改革等に取り 組む。 [2]社会資本整備等 ① ② 中長期的な見通しの下、マネジメントを含めた効率化を図りながら計 画的に推進。 社会資本の整備については、既存施設やソフト施策の最大限の活 用を図りつつ、人口減少等を踏まえ、選択と集中の下、ストック効果 が最大限発揮されるよう重点化した取組を進めるとともに、重点分野 の優先度・時間軸を明確化。公共施設の管理・運営については、ス トック量を適正化。コンセッションなど多様なPPP/PFIを拡大。 ② 地域の活性化と頑張る地方を支援する仕組みへの地方 交付税制度等の改革、国と地方を通じた歳出効率化に 取り組む。 行政の効率化と利用者のニーズを踏まえたサービス向 上の両立。マイナンバー制度の導入を突破口とした更な るIT化と業務改革、公共サービスに関する情報の「見え る化」に取り組む。 [4]文教・科学技術、外交、安全保障・防衛等 ① ② 文教・科学技術分野については、少子化の進展を踏まえ た予算の効率化、民間資金の導入促進、予算の質の向 上・重点化等に取り組む。 ODAの適正・効率的かつ戦略的活用に取り組む。「中期 防衛力整備計画」に基づき、防衛力を効率的に整備。 [5]歳入改革、資産・債務の圧縮 ① ② ③ 経済成長と税収増をより確実なものとする。「経済構造の 高度化、高付加価値化」等を通じた歳入増を実現。 持続的な経済成長を維持・促進するとともに、経済成長を 阻害しない安定的な税収基盤を構築する観点から、税体 系全般にわたるオーバーホールを進める。その中で、将 来の成長の担い手である若い世代に光を当てることによ り経済成長の社会基盤を再構築する。 資産・債務の圧縮を進める。 6 経済・財政再生アクション・プログラム ポイント ○ 躍動感ある改革推進が重要。柱は「見える化」と「ワイズ・スペンディング」に よる「工夫の改革」 。 一億総活躍社会の実現に資するもの ○ 「見える化」 -①関係主体・地域間で比較できて差異が分かる、②行政の運 営改善や成果の有無・程度が分かる、③改革への課題の所在が分かる。改 革への国民の理解、納得感を広げる ○ 「ワイズ・スペンディング」 -政策効果が高く必要な歳出に重点化、重点化す べき歳出と抑制すべき歳出のメリハリをつけた思慮深い配分、大きな構造変 化の中で経済と財政を大きく立て直すという積極的な発想 ○ 主要な改革項目80項目の全てについて、改革の具体的な内容、規模、時期 等について明確化。KPI(180程度)を進捗管理、構造変化、マクロ効果の階 層により体系化 ○ 単年度主義を超えるコミットメント -改革効果の着実な発現が重要。実効的 なPDCAサイクル(的確なチェック、次のアクションとプランニングへの確実な 反映)の構築に取り組む。計画初年度のスタート時点から、改革の浸透による 効果の発現に伴う影響などについて一定の幅のある目途を提示 7
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