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Músicas Renascentistas Portuguesas e outras
relacionadas com Missão de quatro jovens à Europa
~Concerto das Músicas Antigas em Saikai ~
天正遣欧少年使節にゆかりの
ポルトガルおよびその他のルネサンス音楽
~子どもと大人のための西海市古楽演奏会~
Primeira Parte / 第 1 部
演奏 西海市立西海南小学校 6 年生/ Interpretação: 6.º ano da Escola Primária
Municipal Saikai-Minami
指揮 佐古 恵津子(西海市立西海南小学校教諭)/ Direcção: Etsuko Sako
協力 グループ『葦』/ Colaboração: Grupo “Ashi”
1.VillanellaⅡ / ヴィッラネッラⅡ
コシモ・ボッテガリの 1574 年の曲集より
2.Se do mal que me quereis / あなたが私に求める苦しみのもとに
「エルヴァシュの古歌謡集」より
3.Perdi a Esperança / 私は望みを失った
「エルヴァシュの古歌謡集」より
4.Ecce nova gaudia / この新しき喜び
ヘンリクス・ベルギニカーのタブラチュア本(1600 年頃)より
Segunda Parte / 第 2 部
演奏 西山 まりえ(アルパ) / Interpretação: Marie Nishiyama (harpa)
5.HimnoⅡ, Ave maris stellaⅡ, DúoⅤ /
賛歌 2、めでたし海の星 2、デュオ 5
アントニオ・デ・カベソン作曲 1578 年の曲集から
6.Con qué la lavaré / お顔を何で洗いましょう
ミゲル・デ・フエンリャーナ 1554 年の曲集から / ホァン・バスケス原曲
7.Fantasia 8 / ファンタジア 8
ルイス・ミラン 1536 年の曲集から
8.Pavana 2 / パヴァーナ 2
ルイス・ミラン 1536 年の曲集から
9.Falai mina amor / 語れ、わたしの愛よ
ルイス・ミラン 1536 年の曲集から
Terceira Parte / 第 3 部
かいぎゃく
演奏 諧 謔 アンサンブル
Interpretação: Conjunto “Humor”
佐藤豊彦(ラウデ / ヴィオラ / ヴィオラ・デ・アルコ)
Toyohiko Satoh (alaúde / viola / viola de arco)
山田千代美(ソプラノ)
Chiyomi Yamada (soprano)
大竹尚之(リコーダー)
Naoyuki Otake (flautas )
10.Moresca detta Canarie / カナリー風モーロ人の踊り
ジュリオ・チェーザレ・バルベッタ 1585 年の曲集から
11.Las Endechas de Canarias / カナリアの挽歌
ポルトガル古歌 / ミゲル・デ・フエンリャーナ 1554 年の曲集から
12.Fantasia (~Adieu mes amours ) / ファンタジア(さらば恋人よ)
ルイス・ミラン 1536 年の曲集から / ジョスカン・デプレ原曲
13.Villancico en Portugues “Levay-me, amor, daquesta terra” /
ポルトガルのヴィランシーコ「愛よ、私をこの大地より放ちたまえ」
ルイス・ミラン 1536 年の曲集から
14.Recercada / レセルカーダ
ディエゴ・オルティス 1553 年の曲集から
15.Já dei fim a meus cuidado / もはや私は憂いをはらった
作者不詳
16.Las tristes lagrimas mias / 我が悲しき涙よ
作者不詳
17.A la villa voy / 町へ
作者不詳
かなしみ
18.Mille regretz / 千々の 悲 嘆
ジョスカン・デプレ作曲
かなしみ
19.Mille regretz / 千々の 悲 嘆
ジョスカン・デプレ作曲 / ヴォルフ・ヘッケル 1556 年編
20.Moresca detta Canarie II / カナリー風モーロ人の踊り II
ジュリオ・チェーザレ・バルベッタ 1585 年の曲集から
21.Paseábase el rey moro / モーロ王は行く
ルイス・デ・ナルバエス 1538 年の曲集から
Gravação: Centro Cultural de Ôshima, Saikai a 21 de Janeiro de 2007
“Concerto das Músicas Antigas em Saikai”
録 音:2007 年 1 月 21 日 西海市大島文化ホール
『子どもと大人のための西海市古楽演奏会』 Letras e Traduções / 歌詞対訳
翻訳 2~19:諏訪 勝郎 / 21:佐藤 豊彦
2.Se do mal que me quereis
Se do mal que me quereis, contentamento levais,
Quanto mais forte mo dais, Toanto mor bem me fazeis.
Porque serdes vos servida, A custa de meu tormento.
He o mor contentamento, Que posso ter nesta vida.
Assi que se vós gozais, deste mal que me fazeis,
Tanto mor bem me fazeis, Quanto mais forte mo dais.
あなたが私に求める苦しみのもとに
よろこ
あなたが私に求める苦しみのもとに、あなたが導く 悦 びがあり、
あなたが私にそれを強いれば強いるほど、あなたは私に最大の幸福をなす。
くもん
なぜなら、私の苦悶によって、あなたに与えることのできるものこそ、
よろこ
この人生で私がもつことの出来る最大の 悦 びなのだから。
たの
あなたが私になすこの苦しみを、あなたが愉しむや、
あなたは私に最大の幸福をなす、あなたが私に苦しみを強いれば強いるほどに。
3.Perdi a Esperança
Perdi a esperança,
Ficou me hum receo, Do mal que me veo,
Ficou me hum receo, Do mal que me veo.
Já me vi em dias, Que de confiado,
Não dera um cuŷdado, Por mil alegrias.
As minhas porfias,
J’agora areceo, Polo que me veo,
J’agora areceo, Polo que me veo.
私は望みを失った
私は望みを失った、
私は不安に襲われた、私にもたらされた苦しみから、
私は不安に襲われた、私にもたらされた苦しみから、
つい最近、私が見たもの、それは信頼に値すべきもの、
いくせん
幾千もの喜びゆえに、注意すら与えなかったのだ。
私の試練よ、
いまや私は不安にとらわれている、私にもたらされたものによって、
いまや私は不安にとらわれている、私にもたらされたものによって。
4.Ecce nova gaudia
Ecce nova gaudia anni reduxit orbita,
Quapropter cuncti mortals hilariter,
hilariter, hilariter, hilariter, conjubilemus.
Facit haec solemnia nativitas Dominica.
この新しき喜び
この新しき喜びが、毎年、繰り返され、
ゆえに、すべての人々が、陽気になり、
よろこ
わか
朗らかになり、快活となって、共に 歓 びを頒ち合うでしょう。
ささ
主の生誕のこの日、祝祭を奉げましょう。
11.Las Endechas de Canarias
Si los deifines mueren amores,
Triste de mí, que harán los hombres
Que tienen tiemos los corazones?
カナリアの挽歌
愛ゆえに、もしもイルカが亡くなるのなら、
私はどれほど悲しみに暮れ、
あの心優しき男たちは、何をなすだろう?
13.Villancico en Portugues,
”Levay-me, amor, daquesta terra”
Levay-me, amor, daquesta terra,
Que non fareimais vida en ela.
Levay-me, amor, á iha perdida,
Levay-me convosco poys soys minha vida.
Que corpo sem alma non vive ena terra,
Que non farei mais vida en ela.
ポルトガル語のヴィランシーコ
「愛よ、私をこの大地より放ちたまえ」
愛よ、私をこの大地より放ちたまえ、
と き
この地で、もはや人生を費やすことのないように。
愛よ、かの失われた島へと私を攫いたまえ、
あなたとともに私を運びたまえ、なぜならあなたこそ私の命、
この地で、魂なき肉体が生きぬように、
と き
この地で、もはや人生を費やすことのないように。
15.Já Dei Fim a Meus Cuidados
Já dei fim a meus cuidados, Ficaŷ embora esperanças,
Dias de tristes lembranças, Tempos mal afortunados.
Quanto pude trabalheŷ, E nada me aproveitou,
Acabeŷ, e acabou O que tanto desejeŷ.
Ficaŷ bens desesperados, Antre vossas esperanças,
Dias de tristes lembranças, E dores acompanhados.
もはや私は憂いをはらった
もはや私は憂いをはらい、いまや私は希望さえ抱くにいたった。
と き
哀しき思い出の日々も、いまや幸せな時間。
どれだけ私が悩もうと、私には何もならなかった。
私は死に、私が待望したものも消えた。
私は絶望を財産とした、あなたの希望の間で。
哀しき思い出の日々よ、つきまとう苦しみよ。
16.Las tristes lagrimas mias
Las tristes lágrimas mías,
En piedras hazen señal,
Y en vos nunca, por mi mal.
Lágrimas bien empleadas,
De mis entranhas salidas,
Aunque mal agradecidas
No sin causa derramadas.
Llorando penas passadas.
En pietras hazen señal,
Y en vos nunca, por mi mal.
我が悲しき涙
私の悲しみの涙は、
岩をも穿つ、
しかし、私の痛みが、あなたへと到ることはない。
真摯なる涙は、
私の深奥からあふれ、
好ましくはないが、
ゆ え
理由なく流れはしない。
か な
悲哀しき過去ゆえに泣くのだ。
私の涙は岩をも穿つが、
私の痛みが、あなたへと到ることはない。
17.A la villa voy
A la villa voy,
De la villa vengo,
Si no son amores,
No sé que me tengo
Tengo mi cuidado
Con dolor crecido,
Y es aborrecido
De mi el ganado.
Llena de dolores
La vida sostengo,
Si no son amores,
No sé que me tengo
町へ
町へと行き、
町より帰る、
もしもそれが愛でないのなら、
私の有するものが何であるかを私は知らない。
かなしみ
私の悲哀は、
苦痛のなか、いや増すばかり、
もはや愛しい羊さえも煩いばかり。
苦痛にみちて、
私は生き続けている。
もしもそれが愛でないのなら、
私の有するものが何であるかを私は知らない。
18&19.Mille regretz
Mille regretz de vous habandonner,
Et d’eslonger vostre fache amoureuse,
J’ay si grand dueil et paine douloureuse,
Qu’on me verra brief mes jours deffiner,
qu’on me verra brief mes jours deffiner,
brief mes jours deffiner,
brief mes jours deffiner.
かなしみ
千々の 悲 嘆
わ
か
ち
ぢ
あなたを残して別離れるがゆえに、千々の悲しみに暮れ、
愛しいあなたと別離れるがゆえに、
わたしは凄まじき葛藤と耐え難き痛みとに苛まれる、
さだめ
なんと短いわたしの宿命であろうか、
なんと短いわたしの宿命であろうか、
わたしの短き宿命よ、
わたしの短き宿命よ
20.Paseábase el rey moro
Paseábase el rey moro
por la ciudad de Granada
cartas le fueronvenidas
como alhamaera Granada
Ay, mi Alhama!
Las cartas echo en el fuego
y al mensajero matara
echo mano a sus cabellos
y las sus barvas mesava
Ay, mi Alhama!
Apeoso de una mula
y en un cavallo cavalga
mando tocar sus trompetas
sus añafiles de plata
Ay, mi Alhama!
Porwue lo oyessen los moros
que andavan por ellarada
quatro a quarto cinco acinco
juntadose a gran batalla
Ay, me Alhama!
モーロ王は行く
モーロ王は行く
グラナダの街中を
アルハマ(アルハンブラ)が、
墜ちたしらせを受け取りし
王怒り、手紙を燃やし、
使者を殺さん
怒りの王は髪千切り、
髭をむしって、馬に乗り
そこここに住む、
モーロ人に聞こえるように
長い銀のトランペットを
吹かせたもう
銀のトランペットは、
彼方に響き渡り
彼を慕うモーロ兵たちは、
溢れ出るかのごとく
最後の戦いを目指して
集まりなん
Comentário / 解説
1.VillanellaⅡ / ヴィッラネッラⅡ
コジモ・ボッテガリ(Cosimo Bottegari 1554-1620)の 1574 年 11 月 4 日
付手稿『アリアとカンツォーネ曲集(Arie e canzoni in musica)』より。ヴィ
ッラネッラとは、イベリア半島で生まれ、イタリアのナポリに花咲いたルネ
サンス時代の世俗音楽のひとつ。軽快かつ機知に富んだ作風が特徴。ボッテ
ガリはイタリアの歌手、リュート奏者。中浦ジュリアンら天正遣欧少年使節
がフィレンツェを訪れたとき、ボッテガリもフィレンツェでメディチ家宮
廷の演奏家として滞在していた。なお、上記手稿は、当時のイタリア独唱曲
の数少ない例を伝えるものとして重要である。
2.Se do mal que me quereis / あなたが私に求める苦しみのもとに
『エルヴァシュの古歌謡集(Cancioneiro Musical d’ Elvas)』より。作者不
詳。ポルトガル語。
「エルヴァシュの古歌謡集」は、1928 年ごろ、音楽学者マ
ヌエル・ジョアクィム(Manuel Joaquim)によって発見され、『オルテーン
シ ア 公 共 図 書 館 の 歌 曲 と 詩 歌 集 (Cancioneiro Musical e Poético da
Biblioteca Pública Hortênsia)』として、1940 年に出版されている。オルテ
ーンシア公共図書館のコレクションを基礎とするエルヴァシュ市立図書館
において保管されていた。発見時には、背表紙の上部に『ロマンス集
(ROMANCES)』とあったという。
『エルヴァシュの古歌謡集』の楽曲は
いずれも 1500 年頃に作られたものであるが、16 世紀中期にポルトガルで
編纂され親しまれた。
3.Perdi a Esperança / 私は望みを失った
同じく『エルヴァシュの古歌謡集』より。作者不詳。ポルトガル語。失恋を
モチーフとしている。中世の詩に顕著な並行体およびリフレインの名残が
見られ、古いポルトガルの詩のスタイルを継承していると考えられる。古く
からポルトガルの人々に親しまれてきた詩に、当時のスタイルで曲が付い
たとも考えられる。
4.Ecce nova gaudia / この新しき喜び
17 世 紀 初 頭 に 編 纂 さ れ た と 考 え ら れ る ヘ ン リ ク ス ・ ベ ギ ニ カ ー
(Henricus Beginiker)のタブラチュア手稿より。クリスマスの訪れを喜
び、祝うラテン語聖歌。原曲は4声のポリフォニーで書かれているが、ここ
では3声に編曲され、アルパ(ゴシック・ハープ)、リコーダー及び合唱と
いうアンサンブルの形で演奏された。
5.HimnoⅡ, Ave maris stellaⅡ, Dúo V / 賛歌 2、めでたし海の星、デュオ
5
アントニオ・デ・カベソン(Antonio de Cabezón 1510-1566)作曲。
『ア
ントニオ・デ・カベソンの鍵盤楽器、ハープ、ビウエラのための楽譜集
(Obras de música para tecla, arpa y vihuela de Antonio de Cabezón)』
(1578 年)より。アントニオ・デ・カベソンは作曲家、オルガン奏者。スペ
イン国王カルロス 1 世、フェリペ 2 世に仕えた。カベソンは鍵盤楽器の特質
を示す書法を開拓し、鍵盤楽器における革新的な仕事を果たした。演奏家と
して、その運指法は進歩的であった。また作曲家として、変奏曲形式におけ
る先駆的かつ多彩な作品を遺した。当時、イベリア半島において「カベソン
が作曲の核心を発見した」(Ingeniosa comparación entre lo antiguo y lo
presente,1539 より)と称賛された。
6.Con qué la lavaré / お顔を何で洗いましょう
ミゲル・デ・フエンリャーナ(Miguel de Fuenlhana 生没年不詳)作曲。
1554 年にセビーリャ(スペイン)で出版された『ビウエラのための楽譜集
オルフェウの竪琴(Libro de música para vihuela, “Orphénica Lyra”)』
より。原曲はホアン・バスケス(Juan Vasquez1510?-1560?)の手によ
る4声のヴィランシーコ。フエンリャーナはビウエラ奏者、作曲家。フェリ
ペ 2 世の宮廷に仕え、完成されたビウエラ奏者と讃えられた。ビウエラとは
一般的にビウエラ・デ・マーノ vihuela de mano を指す。6 コースの複弦
を有する撥弦楽器。形状はギターに似て、リュートの調弦をもつ。16 世紀、
イベリア半島で隆盛を誇ったと考えられている。ここでは、バロック・ハー
プ(ダブル・ハープ)による独奏で。
7.Fantasia 8 / ファンタジア 8
ルイス・ミラン(Luys Milán 生没年不詳)作曲。1536 年にバレンシア
(スペイン)で出版された『エル・マエストロと題されたビウエラ・デ・
マーノのための楽譜集 (Libro de música de vihuela de mano intitulado
El Maestro) 』 より 。フ ァン タジ アと は、 ギリ シア 語「ファンタシア
(phantasia)」を起源とする。その派生語は、ヨーロッパにおいて古くか
ら想像(力)につながる意味で使用されたが、15 世紀末に音楽用語として
使われ始めた。ルネサンス時代、作曲家あるいは演奏家の想像力および技量
より着想と形式が得られた器楽作品をさす。また、そのような即興演奏も意
味した。
8.Pavana 2 / パヴァーナ 2
同じくルイス・ミランの『エル・マエストロ』より。パヴァーナは、パヴァ
ーヌと同義。パヴァーヌとは、16 世紀初頭から 17 世紀前半まで
流行した宮廷舞踊、舞曲。イタリアを起源とするといわれるが、その名は孔
雀を意味するスペイン語 pavón に由来する。パヴァーヌは、舞踏会におい
て最初に行われる行列の踊りとして用いられたという。
9.Falai mina amor / 語れ、わたしの愛よ
同じくルイス・ミラン作。ルイス・ミランはスペインの作曲家、ビウエラ
奏者。
『命令の遊戯(El juego de mandar)』(1535 年)、スペイン王フェ
リペ 2 世に献呈された『宮廷人(El cortesano)』(1561 年)などの楽譜
集を残した。特に、楽譜集『エル・マエストロ』は、16 世紀にスペインで出版
された7つのビウエラ曲集の最初のものであるとともに、曲の演奏速度
(テンポ)を言葉で指定した最初の出版物として知られている。なお、同楽
譜集はポルトガル国王ジョアゥン 3 世 D. João Ⅲ(在位 1521-1557)に献じ
られた。
10.Moresca detta Canarie / カナリー風モーロ人の踊り
ジュリオ・チェーザレ・バルベッタ( Giulio Cesare Barbetta 1540?1603?) 作 曲 。 1585 年 出 版 の 『 リ ュ ー ト の た め の タ ブ ラ チ ュ ア 曲 集
(Intavolatura di liuto)』より。バルベッタはパドヴァ(イタリア)出身
の作曲家、リュート奏者。『リュートのタブラチュア曲集第 1 巻(Il primo
libro dell’ intavolatura de liuto)』(1569)、
『ヘクサコルドとヘプタコル
ドの新しいタブラチュア集(Novae tabulae)』(1582)などの楽譜集で
知られる。カナリーとは、アフリカ西岸の大西洋に位置するカナリア諸島の
こと。モーロ人とはイスラム教徒を指す。ポルトガルではマヌエル 1 世
(D. Manuel I 在位 1495-1521)の治世に、イスラム教徒の楽士たちが宮
廷に仕えていたという。
11.Las Endechas de Canarias / カナリアの挽歌
1554 年に出版されたミゲル・デ・フエンリャーナの『ビウエラのための
楽譜集オルフェウの竪琴』より。カナリア諸島をとりまく大海原をモチーフ
とし、航海の恐怖と海の神秘を歌ったポルトガルの古い歌である。なお、フ
エンリャーナは 1574 年から 1577 年までポルトガル王セバスティアゥン
(D. Sebastião 在位 1557-1578)に仕えた。
12.Fantasia(~Adieu mes amours) / ファンタジア(さらば恋人よ)
ルイス・ミランの『エル・マエストロ』より。ルネサンス期ポリフォニー
( 多声音楽 ) の模 範と さ れ た ジ ョ ス カ ン ・ デ プ レ の 「さらば恋人よ
(Adieu mes amours)」を原曲とする。16 世紀前半、長い音を細かく刻み、
短い音に分割して演奏する装飾様式が生まれた。即興的な装飾変奏曲形式
として、スペインにおいてグローサ(glosa)と呼ばれた。この曲は、その形
式を代表するもののひとつである。ディエゴ・オルティス著『グローサにつ
いての試論』(1553 年)には、さまざまな例が紹介されている。なお、本来
グローサは詩の一形式であり、音楽家がその形式や技法を模倣して変奏を
試みた楽曲についてもグローサと呼ばれた。
13.Villancico en Portugues “Levay-me, amor, daquesta terra” / ポルトガル
のヴィランシーコ「愛よ、私をこの大地より放ちたまえ」
同じくルイス・ミランの『エル・マエストロ』より。航海へと乗り出すポ
ルトガルの男たちの気持ちを歌っている。ヴィランシーコとは、大衆的な性
格の詩に楽曲のついたもの。主に、クリスマス、公現祭、聖母の祝日などに際
して歌われ、17 世紀に隆盛した。しかしながら、1723 年、ポルトガルでは禁
止された。
14.Recercada / レセルカーダ
ディエゴ・オルティス(Diego Ortiz 1510?-1570?)の 1553 年の曲集よ
り。オルティスはスペインの作曲家、音楽理論家。ナポリ(イタリア)のス
ペイン副王礼拝堂楽長を務めた。変奏曲(ディフェレンシアス
diferencias)による楽譜集を初めて出版した一人であるとともに、ヴィオ
ラ・バスタルダ(viola bastarda 16 世紀から 17 世紀にかけて主にイタリ
アで使用された擦弦楽器)のための作曲を行った最初の音楽家の一人。ま
た、音楽理論書『グローサについての試論(Trattado de glosas)』を著した
( 1553 年 ) 。 レ セ ル カ ー ダ と は 、 イ タ リ ア 語 の リ チ ェ ル カ ー レ
(ricercare)と同義。オルティスの『グローサについての試論』では、26 曲
の教材的性格の作品がレセルカーダと名づけられている。
15.Já dei fim a meus cuidado / もはや私は憂いをはらった
『エルヴァシュの古歌謡集』より。作者不詳。
『エルヴァシュの古歌謡集』は
2 部からなる。第 1 部では、65 歌が綴られ、いずれも 3 声である。16 歌がポ
ルトガル語、49 歌がカスティーリャ語である。記譜は、白色計量符が使用さ
れている。1496 年に編纂された『王宮の古歌謡集(Cancioneiro Musical de
Palacio)』とあわせ見ると、フアン・デル・エンシーナ(Juan del Encina
1469-1529)の手になる 4 篇、およびペドロ・デ・エシュコバル(Pedro de
Escobar 1465?-1535?)による 3 篇が認められる。写本の第 2 部は、譜面の
ない 36 篇の詩からなる。3 篇がポルトガル語である。この作品は、第 1 部に
収録されたポルトガル語による 16 歌のうちのひとつ。失った恋を述懐す
る歌。
16.Las tristes lagrimas mias / 我が悲しき涙よ
『エルヴァシュの古歌謡集』より。作者不詳。カスティーリャ語。恋情が想
い人に届かぬ痛苦が歌われている。
17.A la villa voy / 町へ
同じく『エルヴァシュの古歌謡集』より。作者不詳。カスティーリャ語。離
れた町に暮らす恋人のもとへと足繁く通う恋心が歌われている。悲痛な想
いの表れた歌詞に対して、曲調は明るい。
ち
ぢ
かなしみ
ち
ぢ
かなしみ
18.Mille regretz / 千々の悲嘆
ジョスカン・デプレ(Josquin Desprez 1440?-1521)作曲。ジョスカン・
デプレは前期ルネサンス音楽の巨匠と讃えられる。その構築美は他の追随
を許さない。
「千々の悲嘆」は、16 世紀のヨーロッパ諸国で愛唱された。スペ
イン国王フェリペ 2 世の父である神聖ローマ帝国皇帝カール 5 世(Karl
V 在位 1519-1556)も好んだといわれる。ヨーロッパより帰国した天正遣
欧少年使節が豊臣秀吉に謁見した際、西洋音楽を披露したことが知られて
いるが、そのとき演奏されたのは「千々の悲嘆」ではなかったかともいわれ
ている。
19.Mille regretz / 千々の悲嘆
ジョスカン・デプレ作曲。
「千々の悲嘆」はその美しい旋律ゆえに、多くの
音楽家に取り上げられた。スペインの音楽家ルイス・デ・ナルバエス Luys
de Narváez(1500?-1555)は、カール 5 世が好んだことから「皇帝の歌(La
Cancion del Emperador)」として、ビウエラのためのソロ曲にあらためた
同じくスペインの作曲家クリストバル・デ・モラレス
Cristóbal de Morales(1500?-1553)は、ミサ曲とした。ここに収録したのは
ヴ ォルフ・ ヘ ッ ケ ル ( Wolff Heckel 1515?-1562? ) の 『リュート曲集
(Lautten Buch)』(1556 年)によるヴァージョンである。ヘッケルはド
イツのリュート奏者、作曲家、編曲家。
20.Moresca detta Canarie Ⅱ / カナリー風モーロ人の踊りⅡ
ジュリオ・チェーザレ・バルベッタ作曲。
『リュートのためのタブラチュ
ア曲集(Intavolatura di liuto)』(1585 年)より。収録曲 10 番の別ヴァ
ージョン。
21.Paseábase el rey moro / モーロ王は行く
ルイス・デ・ナルバエスの『ビウエラ演奏のためのデルフィンの 6 巻の
楽 譜 集 (Los seys libros del Delphin de musica de cifra para tañer
vihuela)』(1538 年)より。ルイス・デ・ナルバエスはスペインの作曲家、
ビウエラ奏者。変奏曲(ディフェレンシアス diferencias)の発展に影響を
与えた。実際、上記楽譜集に収められたディフェレンシアスは現存する最古
の変奏曲と考えられる。また、同楽譜集は演奏速度を記号で示した最古の例
でもある。ナルバエスの最も知られる作品として、先に挙げたジョスカン・
デプレ「千々の悲嘆」のディフェレンシアスである「皇帝の歌」、およびビウ
エラ伴奏歌曲であるこの「モーロ王は行く」が挙げられる。「モーロ王は行
く」は、1492 年のグラナダ陥落をテーマとし、キリスト教徒に敗れるモーロ
人の姿を歌っている。
(註)なお、収録曲 1、4、10、11、13、19、21 は佐藤豊彦の編曲による。
Músicas Renascentistas Portuguesas e outras
relacionadas com Missão de quatro jovens à Europa
~Concerto das Músicas Antigas em Saikai ~
天正遣欧少年使節にゆかりのポルトガルおよびその他のルネサンス音楽
~子どもと大人のための西海市古楽演奏会~
Direcção Artística: Toyohiko Satoh (Ex-professor de Koninklijik
Conservatorium, Den Hague)
芸術監督:佐藤 豊彦(元オランダ王立ハーグ音楽院教授)
Orientação de Harpa: Marie Nishiyama
アルパ指導:西山 まりえ
Orientação de Coro & Instrumentos: Grupo “Ashi”
合唱&楽器指導:グループ『葦』
Gravação, Mistura & Masterização: Kenichi Sakai (Kenny’s)
録音、ミキシング&マスタリング:酒井 憲一(Kenny’s)
Fotos: Kazuko Shida (Conselho de Educação e Cultura da Câmara
Municipal de Saikai)
写真:志田 和子(西海市教育委員会)
Produção, Coordenação & Comentário: Katsuro Suwa (Conselho de
Educação e Cultura da Câmara Municipal de Saikai)
プロデュース、コーディネート&解説:諏訪 勝郎(西海市教育委員会)
Patrocínio: Embaixada de Portugal em Tóquio, Associação LusoNippónica de Nagasaqui
後援:駐日ポルトガル大使館、長崎日本ポルトガル協会
Parceiro Oficial: Fundação de Desenvolvimento Social de Banco JûHachi
オフィシャル・パートナー:財団法人十八銀行社会開発振興基金
Projecto & Realização: Câmara Municipal de Saikai, Clube de
Amizade Luso-Nippónica de Saikai
企画&制作:西海市、西海市ポルトガル友好倶楽部
非
売
品
Foto de Capa: Ilustração de “Los seys libros del Delphin de musica de cifra
para tañer vihuela”, Luys de Narváez, 1538.
表紙写真:『ビウエラ演奏のためのデルフィンの 6 巻の楽譜集』ルイス・デ・
ナルバエス(1538 年)より
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