彡現地直送レポート8月2日(PDFファィル 455KB)

中学生海外研修 in Darwin
7月30日~8月17日
研修レポート vol.4
有田川町教育委員会
社会教育課 三角 治
8 月 2 日(木)
今日もダーウィンの空は抜けるよう
に青く、そして太陽は心地よい光を放
っています。スタッフの常駐場所はダ
ーウィンの中心部(シティ)です。宿
舎の道路を挟んで向かいの両側では高
層ビルを建築中。今、ダーウィンは好
景気なのです。街がどんどん新しく、
そして大きくなりつつあります。まだ
夜も明けやらぬ 6 時前からその建築中
のビルに作業員の人々があつまって
ダーウィンの夜明け
作業を始めています。どうやら突貫工事のようです。なんだかパワーを感じますね。
建築中のマンション、こんなのがいっぱい!
今日はキャンプ…
さて、今日はDS校、2 日目です。今日の予定は
2 日間にわたる自然体験キャンプです。集合時間は
8 時 15 分、私たちスタッフは早めに学校に着き、子
ども達を待ちます。8 時になると子ども達は大きな
荷物を抱えてホストとともにやってきだしました。
荷物の中身は、寝袋、シーツ、そして枕など。こち
らではキャンプは一般的な娯楽の一つ、だから各家
庭にはキャンプ道具は必ずと言っていいほどそろっ
ています。それにしても大きな荷物です。バスに積
めるの??
8:15、約束の時間ですが、まだ 2 家庭ほど来てい
ません。やっぱり…、どうも時間通りに事が運ばな
いのです。まぁ、それを見越して 8:15
に時間を設定しています。8:30 頃ま
でに全員集まってバスに乗れれば余
裕かな、というのが本音。
やっぱりというか、案の定、バス
に乗り始めたのは 8:30 でした。今日
の移動はドリップストーン校のスク
ールバスを使います。このバスはす
ごく思い出が詰まったバスです。10
年前に初めてDS校に来たときから
いつも利用しているバス、十分に整
備をしながら長く大切に使われています。後ろに貼ったステッカーは「1990
ソーラーチ
ャレンジ」というもの。1990 年と言うからにはもうすでに 17 年前だから、少なくても 17
年以上使っているという勘定になります。DS校の先生に聞くと 20 年くらい使っているそ
うです。
一番後ろの席は子ども達の荷物でいっぱいになりました。子ども達と現地の先生 2 人が
乗ればもう満席です。スタッフの荷物とDS校のS先生は私の車に乗せて、出発準備が整
いました。ちなみに、昨日の夕方、レンタカーを借りて行きました。ここダーウィンでは、
公共交通機関がそんなに発達していなく、車社会なのです。ですから、私はいつもレンタ
カーを利用しているのです。もう一つ、レンタカーを使う理由は、何か事があったときに
はすぐに行動がとれると言うことです。去年も体調不良を急に訴えたことが数回ありまし
たが、家に駆けつけたり、場合によっては病院に行ったりとか、そんなときの対応にもレ
ンタカーは必要なのです。
なかなか出発しない
では、本日から始まる自然体験キャンプに話を戻しましょう。今日の訪問先は先ずはワ
イルドライフパークです。自然の中で動植物に親
しんでもらうように作られた施設、1 時間20分
くらいで到着するはずです。
やっと学校を出たのが予定を遙かに遅れて
8:40。でもこんなモンでしょ、オーストラリアだ
から…。でも、私の車に同乗しているDS校のS
先生は「10 時の鳥のショーに間に合いたいの。だ
から早い時間に出発しないと間に合わないです
から…」とチョッピリ焦り顔で言います。ただ、
他のDS 校の男性の先生方はおおらか(?)で「大
丈夫、間に合うさ!」と言いつつ、なかなか進みません。やっと出発したと思ったらガソ
リンスタンドに立ち寄ってキャンプに使う氷を買うようです。同乗しているDS校の生徒
が降りてきて、バスの窓を洗いだしました。もちろん、遊び半分でおふざけ行為、水をか
けて遊んでいます。大きな身体で、まるで大人みたいに見えますが、でもそれは見かけだ
け。中身はまだあどけない中学生達のようです。彼らと比べて格段に幼く見える日本の子
ども達と中身は全く同じです。まだ騒いでいます。危ないなぁ、注意をしようかなと思っ
た矢先、DS校の先生が「中に入れ!」と叫びました。オ~、ファンキーな先生だけど、
やっぱり先生は先生だ、怒るときは怒るんだ(当たり前やけど)。ミック先生は氷を買って
います。DS校のS先生、「ちょっとぉ~、急がないと間に合わないかもしれないのに…」
と遂にしびれを切らし、車を降りて言いに行きました。しかし、DS校の男性の先生方は
気にしていないようでした。S先生、お疲れ様です!
こんな事は屡々あります。まぁ、
おおざっぱで大陸的(?)でイイと言えば
良いのかもしれませんが、とにかく日本と
は時間の流れ方が違うようです。
車はやっとハイウエイに入ります。日本
とは違いハイウエイと言っても無料。制限
時速は、町中では 60km/h ですが、少し郊
外に行くと 80km/h、そして郊外のハイウエ
イでは 110km/h、そして大平原の所では
130km/h とだんだん制限速度が上がってい
きます。私たちはスチュワート・ハイウエイを走ります。これをまっすぐ南に 2,000km ほ
ど行けば有名な「ウルル」です。ウルルは現地語、一般的に呼ばれているのは「エアーズ
ロック」と言う名です。でも、2,000km だもの、ダーウィンと同じ州だけど気の遠くなる
ような距離です。ちなみに、オーストラリアの内陸部に行くと制限速度はないそうです。
ハプニング…
ハイウエイを走っていると、前を行くDSスクールバスに異変が…。「アッ、ヤバイ
ぞ!!」と思うまもなくタイヤが突然バーストしたのです。パンクやっちゃいました…。
DS校のマイクロバスは、後ろのタイヤがダブルになっていて、その内側が突然バースト。
パァーンという音とともにタイヤがちぎれて後ろを走る私の車のフロントガラスにぱちぱ
ちと当たりました。バスのドライバーは気がついていないのか、止まる気配がないのです。
アララ…、やっぱり止まった方が良いかも…。ワタクシ、ホーンを鳴らしつつ、パッシン
グして知らせますが、バスは止まりません。バーストしてもスピードもそんなに出ていな
かったし、内側のタイヤなので直ちに危険ということはないのですが、ここは止まって様
子を見た方が良いと思います、当たり前やけど…。で、ブ~、ブッゥ~、プ、プップゥ~、
とクラクションを鳴らしますが止まれヘン!
パッシン
グしても駄目…。仕方なく真横に車を併走させて、窓を開
けて大声で「パンクやでぇ~!!」と運転しているDS校
先生のサイモンに叫びます。「ンッ?」と言う顔をしたヒ
ゲ面のサイモン先生、やっと気がついて止まりました。
二回目やんかぁ~、と去年のことを思い出しました。去
年はもう一つのグループのパーマストン校で同じ事があ
りました。スチュワートハイウエイを走っているとき
こんな事故を見ました、注意しなきゃ!
に同じようにパンクしたのです。でも、無事で良かった。大事には至らず何もなくて…。
写真のようになったら大変だもの。S先生は「昨日、このバスを点検に出してるはずなん
だけど…」と言ってます。点検に出してもパンクはパンクですから仕方がないですね。車
の古いのとパンクは関係ありませんから…。
どうやらここでの修理は無理みたいです。目的地まではあと少しなので、ミックとサイ
モンが検討の結果、ゆっくりこのまま走ろう!という結果となりました。やっぱり…。車
は急にスピードを落としゆっくり目的地に向かいます。
何とか到着したのは、DS校のS先生が心配した時間の 10 分前でした。間に合いました。
で、スクールバスは生徒達を卸してそのまま修理に向かいます。
何とか時間に間に合いました。でもこのハプニングに気がついた生徒は半分ぐらい。何
があったのか、全く気がついていない子どもが多いのは何故???
寝てたの???
Wildlife Park
さぁ、帽子とお弁当を持ってワイルドライフパークに行きましょう。と子ども達に声がけ
します。ワイルドライフパークは日本の動物園や植物園と違って、自然を極力残しながら
オーストラリアに生息する動植物を見ることが出来る場所です。土地が広いから出来るの
かもしれませんが、コンクリートや建物に囲まれていない自然な形での施設というのは良
いですねぇ。では、野鳥の所に行きましょう。施設のスタッフがオーストラリアにいる鳥
の話をしてくれます。彼女の手には鳥が
とまっています。彼女の号令一つで飛ん
だり戻ったり。すごいですね、鳥をここ
までしこんでいるなんて。もちろん餌を
使ってですけど。ホンマ、餌を使っても
人間(子ども)は言うことキカンのに…
なぁんて。まぁ、これは君たちの事じゃ
ないよ。みんな良い子達だもんね。
(これ
はホントです!)この鳥のショーは大変
興味深いんだけど、スタッフ女性の早口英語が理解でき無くてチョッピリ困ったのは生徒
達。こんな早口の英語、分からなくて当たり前、しゃ~ない、しゃ~ない!
ところで、さっきからDS校のS先生がキョロキョロしています。どうしたのですか?
「うちの生徒が 2 人いないの…」ですって。
「さっき、トイレに行くと言って戻ったんだけ
どねぇ」と困り顔。何度か探したんだけどどこに行ったの?
私も探しに行きます。探し
回り、走り回ること 10 分程度、いましたよぉ~、全然関係のないところに!
しい顔が急にオニになりました。「早く来なさい!どこに行ってるのよ!」
S先生の優
いやはや、い
ずこも同じですねぇ…。
園内にはワラビー、ディンゴ(犬に似た動物)、エミュー、クロコダイルなどオーストラ
リア国得の動物たちが自然の中でのびのび暮らしています。いいですねぇ。
そこへ、園のスタッフがやってきました。「特別やでぇ~、持たせてあげるわぁ」という
彼女。持ってきたのはワニ…。小さい奴です
からご安心を。口にはガムテープが貼ってあ
るのでかまれません。一人ずつもって記念写
真を撮ってイイと言うことで、みんな代わる
代わる持ちます。わぁ~、気持ち悪~い、と
言いながらもみんな楽しそうに持って「はい、
ポーズ!」。ただ一人だけ逃げ出したのはツ
ーリストのYさんだけでした…。
10 時から園内を歩きづめ、チョッピリ疲
れてきた子ども達です。でも、森林や沼、そ
していろんな動植物に興味津々。つらそうな
のは一緒に来ているオーストラリアの子の
ようです。すぐにベタッと座ってしまいます。
ジベタリアンは日本だけじゃない!
ストラリアにも生息していた!
オー
地べたに
べったり座る「ジベタリアン」は世界共通な
のかも。
ソロソロお昼です。ではお昼にしましょう! とみんなに言います。「何食べるのぉ~」
と子ども達。昼ご飯や、当たり前やん! というと、何人かの子が「お弁当、バスのなかぁ
~」と言います。なんやて!
バスぅ?
バスは修理に行ってしまってるやんかぁ、降り
るときに帽子とお弁当と貴重品を持って、って言ったでしょ!
降りるときに言ったでしょ!
からね。
ホンマ…にぃ~。だから
仕方ない、買いなさい!自分で! お小遣いがあるはずです
「お金あまり持ってなぁ~い!」と一方では叫んでいる
子もいます。実は、ホームステイ各家庭ではお昼はお弁
当を持たせてくれるか、それが出来ない場合は何ドルか
持たせてくれているはずです。無いも~ん、とある子ど
も。そんなはずはない、とDS校のS先生。ホストの子
に聞いてみると「俺が持ってるよ」だって。みんな、ち
ゃんと聞いておいてよね。
お昼を食べるだけで一波乱。まぁ、中学生だからこん
なモンかなぁ。私はチキンバーガーを食べました。5 ド
ル 50 セント、結構なお値段やねぇ。日本円で言うと 580
円くらい。オーストラリアは最近物価が高いのです。
では、午後は森林の方に行きましょう。熱帯雨
林にはどんな植物と動物がいるかを調べましょ
う。アクエリアムではオーストラリアだけにしか
いない淡水魚「バラマンディ」が悠々と泳いでい
ます。大きくなると体長は2mを超します。淡泊
な味で美味しい…やっぱりそうきますか?
日
本人って水族館で魚やカニを見ると「美味しそ
う!」と叫んでしまう人が多いみたいです。日本
の中学生達も「うまそうやなぁ」と言ってました。
元に戻り、バラマンディはオーストラリア固有の
淡水魚で、食用にもなりますが、一日に 3 匹まで
しか釣ってはいけないそうです。しかも 50cm 以
下は絶対川に戻さないといけないという決まり
があります。自然保護、さすがです。ワニもいま
す。でっか~い!
口の長いのはウオーター・ク
ロコダイル、これはそんなに大きくならないらし
いけれど、ここにあるソルトウオーター・クロコ
ダイルはでかい!
またまた話が長くなってきてしまいました。で
は早めに次に行きましょう。
水の生物や植物を観察したあとは、熱帯雨林の
中を歩きます。おやおや、大半の生徒達は歩くだ
け…。もっとゆっくり見てごらん、熱帯の植物や
木のすごさをね。大きいでしょう、根っこがホラ、
あんなに変わってるよ、といろいろ説明します。
勉強、勉強!
泳いじゃおうか…
時間ももう 3 時です。O 君はしきりに「ねぇ、
今日はいつ泳ぐ?
どこで泳ぐ?」とそればっ
かり聞きます。朝から…。今日の彼の興味はオ
ーストラリアで泳ぐこと、らしい。では、その
願いを叶えましょう。パンクで修理が遅くなっ
たので、そんなに遠くへは行けないのですが、
Berry Springs(ベリースプリングス)だった
ら泳げます。ほとんどの子はすでに来るときか
ら水着を着ています。泳ぐのに力が入っていま
す、さすが、若い!っていうか、やっぱり子ど
も???
ベリースプリングスで待望の水泳タイム。み
んな大喜び。ただ一人、もったいないからと言
ってバスに置き忘れた弁当を食べていたのがSさん。他に弁当をバスに置き忘れていた子
もいましたが、この子だけきっちりと食べました。えらいですねぇ。早く泳ぎたそうでし
たが…。
暫し水と戯れ、堪能したであろう子ども達、じゃ出発ぅ!と声をかけますが、2 名居ない!
DS校の 2 人です。ミック先生の怒りが爆発です。こ子だけで泳げと言ったのにどこへい
ったんやぁ~!!と怒っています。どうやら上流の方へ行ったみたいです。歩いて探しに
行きました。ね、やっぱり怒られました。いずこも同じ、先生は大変です。
やっぱ BBQ 大好き!
ではそろそろ本日のお宿へ向かいましょう。キャンプとは行っても、今回はテントじゃ
なくて、野外活動用の簡易宿泊所です。簡単な建物があり、野外活動をするところです。
子ども達に部屋割をさせてベッドメイキング。一
部屋に 3 つの 2 段ベッドが有り 6 名定員。窮屈や
けどキャンプやからしゃ~ないでぇ。家からシー
ツと枕を持ってきているので、それで寝るところ
を整えます。それが済んだら、お待たせしました。
食事の時間!
泳いでお腹のすいている子ども達に BBQ(バ
ーベキュー)です。先ずは食べるところの設営、
子ども達が力を合わせて机や椅子をセット。食
器を洗ってサラダを作って、お肉とソーセージ
を焼きます。子ども達には人気の高いバーベキ
ュー、いっぱい食べてね。一緒に食べたり飲ん
だり遊んだりする両校の子ども達、随分うち解
けてきたようです。
楽しい食事のあとは、クリケットをしたり、
卓球に興じたり、キャンプファイヤーをしたり
で楽しそう。では、ここで星空観察です。皆を
集めて夜空を見ましょう。帯のように白いもの
があります。あれは雲じゃなくて星なのです。
ミルキィーウエイ、天の川ですね。わぁ~、き
れぇぇぇいぃぃぃ~!
声をそろえて感激し
ています。では、もう一つの感激を。南十字星
を探しましょう。大きな明るい 2 つの星のすぐ
向こうにある星、あれが「南十字星」だよ。き
れいだなぁ…自然の天体ショーにみんな感動
していました。オーストラリアに来て良かった
ね。
では、明日も早いから、お休み…。