第 31回 歯 科 衛 生 研 究 会 平成 21年 7月 講 演 抄 録 日 時 / 平成 21年 7月 15日 (水 )午 後 4時 30分 会 / 日本歯科 大学新 潟 生 命歯学部 アイ ヴイホ ール 場 日本歯科大学新潟短期大学 歯科衛生研究会 会 副 会 長 小菅直樹 長 近藤敦子、 宮崎晶子 実行委 員長 高橋正志 企画運 営委員 中村直樹 、浅沼直樹、佐藤律子、土 田智子、原 田志保 、三 富純子 庶務連絡 委員 佐藤治美、筒井紀子、菊地ひとみ、坂井 由紀、吉 富美和 事務担 当委 員 前川 岳、丸 山早 苗 [一 般講演・ 講演者の方 へ ] 1)コ ン ピュータで投影をする方は、発表デ ー タを USBフ ラ ッシュメモ リー または CD― Rに て ご持参 くだ さい。 2)当 日午後 2時 30分 か ら、 コ ンピュー タ投 影テス トおよび予備 ノー ト パ ソ コ ンヘ の デ ータの保存を行 いますので、デ ータを持 ってお集 ま り くだ さい。 3)一 般講演の発 表時間は 8分 (予 鈴 7分 で 青 ランプ、終鈴 8分 で赤 ラン プ)、 討論時間は 4分 で す。 4)そ の他のお知 らせ事 項は、当 日受付 で致 します。 第 31回 歯科衛生研究会プログラム 日時 平成 21年 7月 15日 (水 )16時 30分 ∼ 18時 29分 会場 日本歯科大学新潟生命歯学部 アイヴイホール <16:30-16:35> 「開会 の 辞 」 シンポ ジウム :『 知 りた い !! 専攻科 』 座長 中村直樹 <16:35-17:05> 1.歯 科衛生士教 育 の現状 と将 来 ∼専攻科で何 を学ぶのか∼ 荒井 桂 (日 本歯科大学新潟短期大学・ 学科長 ) <17:05-17:25> 2.専 攻科で学んだ こと ∼ 2年 間を振 り返 って∼ 菊地 ひ とみ (日 本歯科大学新 潟短期大学 ・助手 ) <17:25-17:45> 準備 ・ 総合討 論 <17:45-18:00> 感謝状 の授与・ 休憩 一般講演 座長 渡部 泉 <18:00-18:12> 1.ヒ トの大臼歯の エ ナメル突起 の形成過程 に関する一考察 ○高橋正志 1、 森 和久 2、 又賀 泉 2 (1新潟短期大 学、 2新 潟生 命歯学部 口腔外科学講座 ) <18:12-18:24> 2.H20年 度 現任歯科 衛生士教 育の実際 ご ∼学術 研究活動 への第 一 歩 として∼ ○遠藤祐香 1、 長谷川沙 弥 1、 坂井 由紀 1、 三 富純子 1、 近藤敦子 2 (1新潟病 院歯科衛生科、 2新 潟病院総合診療 科 ) <18:24-18:29> 「閉会の辞」 シンポジウム :「 知りたい !! 専攻科 」 歯科衛生士教育の現状と将来 ∼専攻科で何を学ぶか∼ シ ンポ ジウム :「 知 りた い !! 専攻科 」 専攻科 で学 んだ こと 新潟短期大学・ 学科長 新潟短期大学・ 助手 ○荒井 桂 本学 は昨年度創立 25周 年 を迎 え ま した。 最初 は 新潟 歯 学 部 附 属新 潟 専 門学校 でス タ ー トしま した。そ して、 さ らにそれ を発展 させ て 昭和 62 年 に新潟短期大学 を設立 しま した。設立 当初 は 2 年制で スター トしま したが、 平成 14年 には全 国 の短期大学 に先駆 けて教育制度 を改革 し、教育 内 容 の充実・介護福祉 に貢献 し得 る歯科衛 生士 を育 成す るため、 3年 制 に移行 しま した。 さ らに、 卒業後 の さ らな る資質 の 向 上のた め、 平成元 年 に臨床研修 歯科衛 生士 の制度 を設 け、歯 科衛生学科 で学 んだ基 礎 的知識 の上 に、更 に高度 な技 術 を修 得 して 応 用 能 力 をそ な えた 歯科 衛 生 士 を育成す る こととしま した。さ らに、それ を発 展 させ て 平成 9年 に専 攻 科 歯科衛 生学 専 攻 を 設 置 しま した 。 専攻科 は当初 1年 制でスター トしま したが、さ らなる資質 の 向上 に向けて、発展 的 に改組 し、平 成 17年 に 2年 制 の コー ス も導入 し、 2つ のコー ス を選 択で きるよ うに しま した 。第 一 のコー ス は 1年 制で あ り、これ は歯科衛 生学科で 学 んだ基 礎 的知識 の上 に、更 に専門的知識お よび 高度 な技 術 を修得 して、応用能 力をそな えた 歯科衛 生士 を育 成す る ことを 目的 とします。第 二 のコー ス は 2年 制です。 これ は、歯科衛 生学科 で 学んだ基礎 的知 識 の上 に、さ らに専 門的知識お よび 高度な技術 を 学ぶ とともに、 明星大学 (平 成 21年 度 生か らは 淑徳大学 )の 第 3学 年 に編入学 し、そ の通信教 育 部 にお けるカ リキ ュ ラム を修 得 し、学 士 の 資格 を 取 得 して 指 導 者 とな りうる 歯科衛 生士 を育 成 す る ことを 目的 と します。 このよ うな過 程 を辿 って、 本学 は次 の 50周 年 に向か って 新た なスター トライ ンにつ きま した 。 これ らの 過 程 と専 攻科 歯科 衛 生 学 専 攻 の 概 要 について述 べ た い と思 い ます。 ∼ 2年 間 を振 り返 って∼ ○ 菊 地ひ とみ 私 は将 来、教育 の現 場 に 携わ りた い と思 って い た。歯科衛 生士 とぃ う職 業 が第 一 希望 ではなか っ たが、本学在 学 中 に、専攻科 2年 制 コー ス に進 学 す ると歯科 衛 生士教 員 になれ ると聞き、専攻科 に 進 む こ とを決 めた。 専攻科 2年 制 コー スでは、明星大学 の通信 教育 で心理・ 教育学 を学び 、短大 で 専門的科 目・ 臨床 研 修・ 教 育研 修 を学 ぶ 2つ の カ リキ ュ ラム が あ る。 明星大学で は、 レポ ー ト・ 試験・ ス クー リング の 3つ の方法か ら心理・ 教 育学 を学 び、学士 (教 育学)の 資格 を修得 す る。 専門的科 日では、手話講 座 、歯科衛 生予 防処置 特 論、高齢者 歯科 特論 、生 命科学演 習 、科 学論 文 論 を受講す る。次 に、臨床研 修 で は、歯科衛 生士 学科で学 んだ基 礎知識 の上 に、さ らに専 門的知識 お よび 高度 な技術 を修得す る。そ して 、教 育研修 で は、歯科衛 生士 と して 習得 した 専 門知識・ 技術 お よび 態度 を、歯科 衛 生士教 育 の実習現場 で実 際 に適用 す る体 験 を通 じて、学 生 に対す る理 解 を深 め、教育 に必 要な実践的能 力お よび 自己教 育 力 を 形成す る。 専攻科 の 2年 間 で は、病 院 と明星大学 との両立 が 大変 な時 期 もあった。また 、教育実 習 にお いて は、教 え る立 場 にな って “人 に教え る "こ との難 しさと緊張感 を感 じた。そ して、ィ ンス トラクタ ー として授業 に初 めて参加 し、学 生 との接 し方 に つ いて も考 え させ られた。本 当 に専攻科 を選 んで 良か ったのか 迷 うこともあったが 、歯科衛 生士教 員 の先 生方や、病 院 の指導 医・指導衛 生士 の理 解 もあ り、実 りの多 い専攻科 生活 を送 る こ とがで き た。そ して 現在 、かた ちは違 うものの 教育 に携 わ る ことが で き、教 える ことの 喜びや楽 しさを感 じ て い る。 現在 、進路 に迷 って い る人、既 に進路 を決 めて い る人 に共通 して 言 えるのは、「進路 を選択す る 時 には、 目的 を持 つ こ とに意 義が ある」という こ 京 Fi l 決 めて いただ けれ ば幸 いで あ る。 ヒ トの大 臼歯 のエ ナメル突起 の形成過程 に関す る一考察 新潟短期大学 ○高橋正志 新潟生命歯学部 口外 森 和久、又賀 泉 【目 的】 ヒ トの大自歯にみ られるエナメル突 起 の表面形態 と組織構造 を詳細に検討 し、エナメ ル突起 の形成過程について考察 した。 材料 と方法 】 抜去後、ただちに 10%中 性ホル 【 マ リンで固定 した、エナメル突起 のみ られ るヒ ト の大臼歯を使用 した。エナメル突起を含む水平方 向 の連続研磨標本を作製 し、偏光顕微 鏡 と位相差 顕微鏡で観察 した。エナメル突起 を含む歯冠頬側 面 の詳細な形態を、定法 によ り、S-800型 走査電 顕 (日 立)で 観察 した。 【 結 果】 走査電顕で観察すると、エナメル突 起 と連続す る隆線である自歯稜 は堤 防状 に豊隆 していたが、い くつかのコブ状に特 にふ くらんだ 部分があった。自歯稜では、周波条が咬頭側 に軽 く凸彎 していた 。 自歯稜は頬側面溝 とは連続せ ず、近遠心 に少 しずれ、下顎大自歯ではやや遠心 にずれるものが多かった。自歯稜をさらに咬頭頂 の方へた どると、頬側面溝に沿って伸びる頬側面 隆線を構成する小さな隆線 に連続 し、咬頭頂付近 まで伸びる場合 もあった。自歯稜 とエ ナメル突起 の移行部 の水平方向の研磨標本 を位相差顕 微鏡 で観察すると、根面溝に対応するエナメル・象牙 境 の陥凹の中央か ら始 まるエナメル小柱は、自歯 稜 の頂点か ら少 しはなれたエ ナメル 質表面 に達 した。エナメル突起の中央部と先端部の水平方向 の研磨標本 を偏光顕微 鏡 で観 察す ると、エ ナメル 突起 は根面溝 の 中央 に あるの で はな く、根 面溝 に 対 して 自歯稜がみ られ る側 に少 し寄 って いた。 考 察 】 今 回 の観察 結果か ら、エ ナ メル 突起 【 の 形成過程 を復元す ると次 のよ うにな る。エ ナ メ ル突起 は、まず咬頭 頂付近で頬側 面隆線 を構成す る小 さな 隆線 と して始 まる。これが 頬側面溝 に沿 つて 下降 し、発達 して 自歯稜 を形成す る。 次 に、 自歯稜 を形成 して きた一 塊 のエ ナ メル 芽 細 胞 層 だ けが歯頸 部付近で根 面溝 の方 へ 移動 し、ほ ぼ根 面 溝 に沿 って下 降 しなが らエ ナ メル 質 を形 成 し 続 け、そ の結果 エ ナメル 突起 が 形成 され る。エ ナ メル突起 の部分 では、エ ナ メル・象牙 境が 凹彎 し て い る に もか か わ らず エ ナ メル 質 表 面が 凸 彎 し て お り、 歯 の 発 生学 上 矛 盾 した 組 織 構 造 を示 す が、筆者 の仮説 にもとづ けば、エ ナ メル突 起 を形 成す る一塊 のエ ナ メル 芽細胞 層 は、元 来隆線 を形 成 して きた もので あるとい う ことにな り、この現 象 を合理 的 に説 明で きる もの と思われ る。 H20年 度 歯科衛生士 教育 の実際 ∼学術・ 研究活動へ の第一歩 として 1 第 30回 歯科衛生研究会でご報告 させていただ いたように、歯科衛 生科は、H20年 度 より個 々の レベルア ップ、科全体 の意識改革を行 うべ く、日 的別 グルー プ活動を行 ってきた。我 々学術研究グ ルー プは、歯科衛生士関連学会 にて、学術研究発 表を行 うための基盤 を作 ることを 目的に活動 し、 その一環 として、現任・ 新人歯科衛生士教育を企 画・ 実施 したので、報告する。 【 対象】 日本歯科大学新潟病院歯科衛生科 26名 【 活動内容】 学術・研究グループでは、平成 20年 度新人・ 現任歯科衛生士教育として、①口腔内写真撮影お よびパソコンヘの取り込み方法、②論文の書き方 および文献検索の方法、③パワーポイントの使用 方法を企画し、実施した。①②は資料を作成・配 布し、③は講義形式で行った。 また、そのフィー ドバ ックを得るため、平成 21 年 3月 に見やすさ・ 内容・ 理解度の 3項 目を優・ 良・ 可・ 不可 の 4段 階で評価 していただ いた。 活動結果】 【 ①② の資料 は、各診療科 に 1部 ず つ配布 した。 そ の ためか 、歯科衛 生士 一 人 ひ と りが 確実 に 目を 通 したのかが 不透明であ った。 また、す べ ての教育項 目にお いて 、 日標 に対す る、具体 的な評価方法 を決定 して いた もの の、実 施 には到 らなか った。 当 グル ー プの 歯科 衛 生士 教 育 に対 す る 評価 は 優・良が ほとん どで 、不可 とい う評価 はな か った。 また、参考 にな った 、解 りやすか った とい う意見 次回の 「歯科衛生研究会 」は平成 22年 3月 10日 に開催する予定です。 多数の講演の 申 し込みをお待ちしています。
© Copyright 2024 Paperzz