到達目標 ①食品の主要成分の構造や性質を説明できる ②食品の物性

授業コード・科目名
担当教員
単位数
配当年次
期間
到達目標
授業の概要
授業の計画
SI12A 食品学Ⅰ
棟方 秀和
2 講義・演習の別 講義
1 必修・選択の別 必修
2012年度 前期
①食品の主要成分の構造や性質を説明できる
②食品の物性について説明できる
③食品成分の反応の機構について説明できる
④食品のもっている機能性について説明できる
食品学Ⅰは栄養士法施行規則に定める科目区分「食品と衛生」の中の必修科目です。また、フード
スペシャリスト課程、フードサイエンティスト課程、中学校教諭二種課程においても指定されている科目
です。さらに本学では卒業のための必修科目にも指定されていますので、卒業するためには必ず単位
を取得しなければならなりません。最も基本的な科目の1つです。
食品学は食品成分の化学的性質・物理的性質(物性)・機能性や食品の分類・利用法などを学ぶ学
問です。食品学Ⅰでは、主に食品成分の化学的性質・物性・機能性や食品成分間の反応について学
びます。
第1回 オリエンテーション・人間と食品
1.オリエンテーション
2.人間と食品
2.1.食品の定義
2.2.食品成分
2.3.食品の機能
2.4.食料自給率
(2.5.食糧と環境)
(2.6.食物連鎖)
第2回 食品の分類と食品成分表
1.食品の分類
1.1.原料・生産方式による分類
1.2.栄養成分による分類
1.3.食品成分表・各種統計に用いられる分類
2.食品成分表
2.1.利用目的
2.2.成分表の利用法
2.3.食品の一般成分分析法の概要←食品学実験
第3回 食品成分の化学①-水-
1.水の特性
2.自由水と結合水
3.水分活性と水分含量
4.食品の貯蔵性
第4回 食品成分の化学②-炭水化物-
1.糖質の化学(生化学)
1.1.単糖類
*ペントース・ヘキソース・ケトース・アルドース・グルコース・がラクトース・フルクトース・不斉
炭素原子・α型・β型・(エピマー・ヘミアセタール・アノマー)
1.2.二糖類
*マルトース・スクロース・ラクトース・イソマルトース・グリコシド結合(α1.4-結合、α1.6-結
合)
1.3.多糖類
*でんぷん(アミロース・アミロペクチン)、グリコーゲン、セルロース、ペクチン・グルコマンナ
ン・食物繊維
(1.4.複合糖質)
(*ムコ多糖類)
2.単糖類・少糖類の食品における所在
3.多糖類の食品における所在
4.多糖類の構造と食品物性
5.食物繊維の成分
第5回 食品成分の化学③-脂質-
1.脂質の化学(生化学)
1.1.単純脂質
*トリアシルグリセロール・ジアシルグリセロール・モノアシルグリセロール・脂肪酸(飽和脂
肪酸・一価不飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸・n-3系脂肪酸・
n-6系脂肪酸・必須脂肪酸・中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸)・エステル結合・エステル
1.2.複合脂質
*リン脂質・疎水性領域・親水性領域・グリセロリン脂質・ホスファチジルコリン・スフィンゴリ
ン脂質
1.3.誘導脂質
*コレステロール・ステロイド・胆汁酸・エイコサノイド
2.脂質の食品における所在
3.必須脂肪酸・コレステロールの食品分布
4.食用油脂
(5.脂質の物性)
第6回 食品成分の化学④-タンパク質-
1.アミノ酸(生化学)
1.1.種類と構造
*L-α-アミノ酸・アミノ基・カルボキシル基・側鎖・必須アミノ酸・可欠アミノ酸・たんぱく質非
構成アミノ酸
1.2.性質
*両性電解質・側鎖の特徴(酸性・塩基性・脂肪族・芳香族・SH基)
2.ペプチド(生化学)
2.1.ペプチドの性質
*ペプチド結合・ペプチド(ジペプチド・オリゴペプチド・ポリペプチド)
2.2.生理活性ペプチド
*ペプチドホルモン
3.たんぱく質(生化学)
3.1.分類
*形態(繊維状・球状)・機能(酵素・筋肉・運搬・免疫 等)・溶解性
3.2.構造(一次構造と高次構造)
*アミノ酸配列・側鎖間の相互作用・サブユニット・(αへリックス・βシート)
4.アミノ酸の食品における所在
5.食品たんぱく質の構造・種類・分類・性質
第7回 食品成分の化学⑤-ビタミン-
1.ビタミンの化学(生化学・栄養学)
1.1.ビタミンの分類・種類・化学名
2.水溶性ビタミンの食品における所在
3.脂溶性ビタミンの食品分布
4.ビタミンの調理・加工による変化
第8回 食品成分の化学⑥-無機質-
1.無機質の分類(栄養学)
1.1.主要ミネラル
*Ca・P・K・Mg・Na・Clなどの生理作用および欠乏症と過剰症
1.2.微量ミネラル
*Fe・Mo・Zn・Co・Mn・Seなどの生理作用および欠乏症と過剰症
2.無機質の食品における所在
第9回 嗜好成分の化学①-色・香りの成分-
1.色の成分
1.1.色素成分の種類・構造・性質
1.2.色素成分の食品における分布
2.香りの成分
第10回 嗜好成分の化学②-味の成分-
1.味の成分
1.1.基本味
1.2.味物質
1.3.味の相互作用
(1.4.味覚の認識)
(1.5.補助味)
第11回 食品の物性
1.食品の物性
1.1.食品のテクスチャー
1.2.食品のコロイド
(1.3.食品のレオロジー)
2.官能検査
2.1.食品の評価法
第12回 食品成分の変化①-化学的変化-
1.化学的変化
1.1.非酵素的褐変
1.2.油脂の酸化
1.3.たんぱく質の変性
1.4.でんぷんの糊化・老化
1.5.光による成分変化
1.6.成分間相互作用
第13回 食品成分の変化②-酵素的変化-
1.酵素的変化
1.1.酵素的褐変
1.2.食品成分の酵素による変化
(1.3.酵素による味・色・香り成分の生成)
第14回 食品の機能性-保健機能食品・特別用途食品-
1.食品の三次機能
2.保健機能食品と特別用途食品
2.1.栄養機能食品
2.2.特定保健用食品
2.3.特別用途食品
準備学習
使用テキスト
参考書
成績評価の方法
特記事項
第15回 まとめ
教科書をよく読み、理解できるところと理解できないところを明確にした上で授業に臨みましょう。予
習した内容等については提出を求めませんが、自主的に学習しましょう。
菅原 龍幸・福澤 美喜男 編著 『Nブックス 食品学Ⅰ(第2版)』 建帛社
①森田 潤司・成田 宏史 編『新食品・栄養科学シリーズ 食品学総論』 化学同人
②桜井 芳人 編 『総合食品事典』 同文書院
※その他、授業の中で紹介します
受講態度(17点)、授業レポート(28点)、期末試験(55点)
※第1回目の授業の時に詳しく説明します
化学的性質を学ぶためには、高校レベルの化学の知識が必要です。物性を学ぶためには物理の基
礎的な知識が必要となります。みなさんのなかには、高校で物理や化学を選択しなかった人もいると思
います。化学や物理を選択していなくても理解できるように授業を進めるようにしますが、みなさんも自
主的に物理や化学の基礎的な知識を身につけるように努力してください。わからない場合は、遠慮なく
棟方に質問してください。