それぞれ異なるキャラクターで 魅了する、エレハモからの 最新歪み系3

エフェクター 部門
electro-harmonix
個性的なモデルを揃えるエレクトロ・ハーモニックス。2013 年も
ユニーク、かつマニアックなモデルを続々と発表してきた。それら
の中から、ここではこの秋に発表されたばかりの最新の歪み系3
機種をチェックしてみた。それぞれの異なるキャラクターに注目!
ま ず は、OD Glove
試奏!
からチェックしていこ
う。こちらは、ゲインの
設定で、クランチ系の軽めの歪み
からやや深めのディストーションま
でをカヴァーできるペダルだ。
第一印象は、音が太く、70 年代
ブルース・ロック系の男臭い音作り
にもぴったりということ。トーン・
ツマミは、特性を変化させるポイ
ントの設定が絶妙で、右に回すと
徐々に切れのあるサウンドになり、
左に回すと高域が少しずつ絞られ
てサウンドを曇らせることができ
た。そして、トーン特性を変化さ
せられるミニ・スイッチを装備して
いて、これをオンにすると、中域を
ぐっと太くすることができた。甘く
暖かみのあるトーンをほしい時に
有効だろう。エッジを効かせたリ
フやクランチ系の切れのあるバッキ
ング・プレイではオフ、ソロやリー
ド、あるいはシングルコイルのサウ
ンドを太くしたいといった場合はオ
ンといった使い分けがおすすめだ。
また、このOD Gloveを通すだけ
で音が太くなるので、アンプのブー
スター的に使うのにもぴったりだ
ろう。なお、パネル内には、動作
電圧を9vから18vに変更すること
ができるスイッチも装備し、9vで
は引き締まったトーンに、18vでは
広がりを感じさせるサウンドになっ
た。
続いては、チューブ・スクリーマー
的なクラシカルなオーバードライブ・
サウンドを作り出してくれるEast
River Driveだ。滑らかな歪みが
特徴で、チューブ・アンプとの相性
が抜群。クランチ程度にセッティン
グされたアンプと組み合わせると、
適度にコンプレッションが効いた
伸びのある気持ちいい歪みを生み
出してくれる。トーン・コントロー
ルも扱いやすく、上げればピッキン
グのアタック感があるパンチの効い
たサウンドに、絞れば甘く滑らか
エレクトロ・ハーモニックス
なサウンドになっていく感じだ。シ
ングルコイル系のギターで甘いドラ
¥10,290(税込み)
イヴ・サウンドを作りたい時などは、
トーンを絞りドライヴとヴォリュー
コスト・
オール
音質
マニ
ムをフルに設定するといいだろう。
パフォー
ラウンド
重視
アック
マンス
また、ハムバッキング系のギター
で、トーンとドライヴ、ヴォリュー
〈仕様〉
●コントロール:ヴォリューム、
ムをフルに設定して、マーシャル系
ゲイン、トーン、シフト・スイッチ ●入
のスタック・アンプと組み合わせれ
出力端子:インプット、アウトプット ●
外形寸法:72
(幅)×50
(高さ)×110
(奥行
ば超強力なメタル系ドライヴ・サウ
き)mm ●重量:240g
ンドも作りだせた。
最 後 は70 年 代 に
登 場したヴィンテー
ジ・ドライヴ・ ペダ
ル、HOT TU BE S
を当時の回路のまま
にコンパクトなサイズ
で復活させたという
HOT TUBES nano
をチェックしてみよう。
サウンドは野太く、シ
ングルコイル系のギ
本体内部のスライド式スイッチで動 作電 圧を9vと18vと
ターで使用した時も
で切り替え可能。トーンのキャラクターを変えられるぞ
➡
OD Glove
66
➡
トーンの効きがよく、音にパンチを加え
たり、逆になめらかさを出すことができる
存在感のある歪みを作り出せるの
が特徴となっている。オーバード
ライブ・コントロールを低めに設定
すれば、クリーン~クランチ系の穏
やかな歪みでサウンド的には甘く
太い感じ。オーバードライブ・コン
トロールが12 時をすぎたあたりか
らだんだんと歪みに荒々しさが増し
ていき、フル・ドライヴではファズ
的な歪みまで作り出せた。そして、
トーン・コントロールは、上げると
低域がカットされていきカラッとし
た乾いたサウンドに、絞ると低域
に重さが増していき、重たいサウン
ドに変化。トーン・コントロールは
ミニ・スイッチでオフにできて、オ
フにするとクセのないストレートな
サウンドになった。
3機種ともに、それぞれに異な
る個性があり、エレハモのペダル
らしいマニアックさも持っているこ
とが感じられた。そして、ギタリス
ヴィン
テージ
シンプル
音質
重視
エレクトロ・ハーモニックス
East River Drive
¥10,290(税込み)
オール
ラウンド
音質
重視
シンプル
プロ
指向
〈仕様〉
●コントロール:ヴォリューム、
ドライヴ、トーン ●入出力端子:インプッ
ト、アウトプット ●外形寸法:72
( 幅)
×50
( 高さ)×110
( 奥行き)mm ●重量:
240g
トの細かな好みに応えてくれること
だろう。一味違う歪みを求めてい
るプレイヤーはチェックしてみてほ
しい。
マニ
アック
〈仕様〉
●コントロール:ヴォリューム、
オーバードライブ、トーン、トーン・スイッ
チ ●入出力端子:インプット、アウトプッ
ト ●外形寸法:72
(幅)×50
(高さ)×110
(奥行き)mm ●重量:240g
このミニ・スイッチでトーン・コントロー
ルのオン/オフを切り替えられる。 オフに
するとストレートなキャラクターとなる
➡
それぞれ異なるキャラクターで
魅了する、エレハモからの
最新歪み系3モデル
エレクトロ・ハーモニックス
HOT TUBES nano
¥10,290(税込み)
electro-harmonix 2013-2014
マルチ・エフェクターも登場
エレクトロ・ハーモニックス
と言えば、単体のコンパクト・
エフェクターの印象が強いが、
じつは現在、マルチ・エフェク
ターも3モデル発表している。
その中で、2013 年に発表され
た最新のモデルであるEpitome
(エピトミー)を紹介しよう。
これは、同社の人気モデル
で あ るMicro POG
( オ クタ ー
ブ・ジェネレーター)とStereo
▲Epitome
( ¥71,400)
Electric Mistress
(フランジャー
/コーラス)
、Holy Grail Plus
(リバーブ)が1台にまとまったアナログ・マルチ・
エフェクター。コーラスとリバーブの順を入れ替えて、多彩な効果を作ること
もできるモデルだ。
■問い合わせ:日本エレクトロ・ハーモニックス㈱(http://www.electroharmonix.co.jp/)