2012 年 7 月 18 日 自然派・オーガニック化粧品市場に関する調査結果 2012 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内の自然派・オーガニック化粧品市場の調査を実施した。 1.調査期間:2012 年4月~6 月 2.調査対象:化粧品メーカー、小売店等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話および店頭調査 <自然派化粧品とは> 本調査における自然派化粧品とは、①天然植物原料を主成分としている、②化学合成成分の配合を抑制してい る、の 2 つともあてはまる化粧品をさす。 <オーガニック化粧品とは> 本調査におけるオーガニック化粧品とは、①第三者機関のオーガニック認証を取得している、②使用原料の大 部分を自社及び提携農園のオーガニック素材を使用している、③ブランドラインアップの大部分にオーガニック素 材を用いている、のいずれかがあてはまる化粧品をさす。 【調査結果サマリー】 2011 年度の自然派・オーガニック化粧品市場は前年度比 6.7%増の 93,000 百万円 自然派・オーガニック化粧品市場は、敏感肌女性の増加、安全・安心志向の高まり、エコやロ ハスなど環境を重視したライフスタイルを意識する消費者の増加、社会貢献に配慮した道徳的消 費(エシカル消費)の高まりを背景に、近年急速に拡大している市場であり、2011 年度の市場規 模は、前年度比 6.7%増の 93,000 百万円(ブランドメーカー出荷金額ベース)となった。 「エイジングケア」「美白」など機能性製品やエントリー価格帯の製品が増加 本来、「自然派」や「オーガニック」を訴求してきた自然派・オーガニック化粧品であるが、他ブ ランドとの差別化のために、「エイジングケア」や「美白」などの機能を持つシリーズが増加、また、 他ブランド利用者を自然派・オーガニック化粧品にブランドスイッチさせるため、手頃なエント リー価格帯の製品も増加している。 将来予測:今後も着実に成長していく 環境を重視したライフスタイルの定着に加え、自然派・オーガニック化粧品の消費者における 認知度も上昇し、市場は着実に成長を続けると考える。2012 年度の自然派・オーガニック化粧品 市場を、98,700 百万円(前年度比 6.1%増、ブランドメーカー出荷金額ベース)と予測する。 ◆ 資料体裁 資料名:「自然派・オーガニック化粧品マーケティング総鑑 2012 年版」 発刊日:2012 年 6 月 29 日 体 裁:A4判 205 頁 定 価:126,000 円(本体価格 120,000 円 消費税等 6,000 円) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 営業本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2012 Yano Research Institute Ltd. 2012 年 7 月 18 日 【 調査結果の概要 】 1. 市場概況 2011 年度の自然派・オーガニック化粧品市場規模を、前年度比 6.7%増の 93,000 百万円(ブ ランドメーカー出荷金額ベース)と推計した。 近年、敏感肌女性の増加、安全・安心志向の高まり、エコやロハスなど環境を重視したライフ スタイルを意識する消費者の増加、社会貢献に配慮した道徳的消費(エシカル消費)の高まり等 を背景に同市場は近年急速に拡大している。 2. 注目すべき動向 2-1.これまでの自然派化粧品市場 自然派化粧品市場のパイオニアは「ハウス オブ ローゼ」であるが、本格的に市場が形成され だしたのは、イギリスの「ザ・ボディショップ」が登場した 1990 年代からである。「ザ・ボデ ィショップ」が成功したことから、1990 年代後半にアメリカの「オリジンズ」、フランスの「ロ クシタン」などが日本に登場した。2000 年代に入っても海外ブランドの導入が続いたが、その後、 大手海外ブランドの日本法人設立による直接市場参入への切り替えが進んだ。近年は、国産ブラ ンドの参入が相次いでいる。 2-2.これまでのオーガニック化粧品市場 オーガニック化粧品市場は、オーガニック化粧品先進国であるドイツ、イギリス、アメリカ、 オーストラリアなどの外資系ブランドが中心となっている。海外ブランドで日本市場に初めて登 場したのが、スイスの「ヴェレダ」であり、1980 年代にはイギリスの「ニールズヤードレメディ ーズ」が登場したが、1970~1980 年代は市場の黎明期であった。本格的に市場が形成されだした のは 1990 年代後半にオーストラリアの「ジュリーク」、ドイツの「ロゴナ」などが日本に登場 した頃からである。こちらも近年は、国産ブランドの参入が相次いでいる。 2-3.今後の注目すべき動向 自然派・オーガニック化粧品市場で今後注目すべきこととして、次のような事柄があげられる。 まず、国産ブランドメーカーの市場参入による競争激化である。また、これまでブランド専門店 での販売が主であったが、地方在住者むけの通信販売や百貨店、ドラッグストアなど販売チャネ ルの多様化が進む。製品面では、「自然派」や「オーガニック」で訴求するだけでなく、「エイジン グケア」や「美白」などの機能を付加した製品が増加している。また、他ブランド利用者を自然派・ オーガニック化粧品ブランドへブランドスイッチさせるために、エントリー価格帯の比較的手頃 な製品も増加している。他に小売店において、自然派・オーガニック化粧品のコンセプトや使用 素材、取扱方法などをくわしく説明するカウンセリング販売の強化がはかられている。 3. 将来予測 自然派・オーガニック化粧品市場は、環境を重視したライフスタイルの定着に加え、参入プレ イヤーの増加による自然派・オーガニック化粧品の消費者における認知度上昇、主要ブランドの 店舗数拡大や商品拡充による顧客接点の増加により、今後も成長していくと考える。 2012 年度の自然派・オーガニック化粧品市場は、98,700 百万円(前年度比 6.1%増、ブランド メーカー出荷金額ベース)と予測する。 Copyright © 2012 Yano Research Institute Ltd. 2012 年 7 月 18 日 図 1. 自然派・オーガニック化粧品市場規模推移 (単位:百万円) 98,700 100,000 93,000 87,200 83,000 78,300 80,000 73,400 60,000 40,000 20,000 0 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度(予) 矢野経済研究所推計 注 1:ブランドメーカー出荷金額ベース 注 2:(予)は予測値 Copyright © 2012 Yano Research Institute Ltd.
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