Yano Research Institute Ltd

2015 年 10 月 21 日
セルフケア健康機器市場に関する調査結果 2015
―市場は微増傾向、自治体によるセルフケアプログラムに注目集まる―
【調査要綱】
矢野経済研究所では、下記の調査要綱にて国内のセルフケア健康機器市場の調査を実施した。
1.調査期間: 2015 年 6 月~9 月
2.調査対象: セルフケア健康機器市場に参入している企業及び関連団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、ならびに文献調査等併用
<セルフケア健康機器市場とは>
本調査におけるセルフケア健康機器市場とは、家庭用の健康管理機器、フィットネス機器、健康回復機器、健康治
療機器などを対象とする。主な機器として健康管理機器では「電子血圧計」、「電子体温計」、「体重体組成計」、「尿
糖計」、「心電計・心拍計」、「歩数計・活動量計」、フィットネス機器では各種機器(トレッドミル、ステッパー、エアロバイ
ク、等)、健康回復機器では「マッサージチェア」、「フットマッサージャー」、「ハンディマッサージャー」、「フェイスケ
ア」、健康治療機器では「電位治療器」、「低周波治療器」、「吸入器」である。なお、医療施設やスポーツクラブなどに
おける業務用機器を含まない。
【調査結果サマリー】
◆ 2014 年のセルフケア健康機器市場は前年比 3.2%増の 2,295 億 4,000 万円と推計
2014 年の国内におけるセルフケア健康機器の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比
3.2%増の 2,295 億 4,000 万円と推計した。価格競争や消費税引き上げによる個人消費の低迷が売
上伸長に影響したものの、市場全体としては微増傾向で推移した。2015 年におけるセルフケア健康
機器の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比 2.0%増の 2,341 億 8,000 万円を予測する。
◆ 「スマホアプリ連動」、「ロコモ予防」、「ストレスチェック」等と関連させた製品展開が進む
歩数計、活動量計等の健康管理機器を中心に、データ管理をスマートフォンアプリ上で行う製
品展開が広がっている。この他、ロコモティブシンドローム(運動器症候群、略称「ロコモ」)
の予防を主目的とした情報発信や、従業員 50 人以上の事業所に対して 2015 年 12 月から義務化
されるストレスチェック制度※と関連づけた製品開発なども一部で見られる。
◆ 製品普及のきっかけとして注目される、自治体による住民向け“セルフケアプログラム”
健康長寿社会の実現を目的に、地域の住民を対象とした自治体によるセルフケアプログラムが全
国各地で展開されている。健康への取り組みを数値化し、達成度に応じて商品券や地域通貨等に
交換する形が一般的な内容となっているが、活動量計等の継続的な利用を促す新しい製品普及モ
デルとしてセルフケア関連機器メーカーが注力しており、今後の動向が注目される。
◆ 資料体裁
資料名:「2015 年版 セルフケア健康機器の市場実態と将来展望」
発刊日:2015 年 9 月 30 日
体 裁 :A4 判 269 頁
定 価 :125,000 円(税別)
◆ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社HPからも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
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2015 年 10 月 21 日
【調査結果の概要】
1. 市場概況と予測
2014 年の国内におけるセルフケア健康機器の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年
比 3.2%増の 2,295 億 4,000 万円と推計した。
参入企業同士による価格競争や消費税引き上げによる個人消費の低迷が影響し、各市場で
売上伸長の鈍化が見受けられた。一方で、国内外のメーカーによる新製品投入が続いている活
動量計や、継続的な広告展開と外国人観光客からの需要取り込みにより製品販売を増加させた
フェイスケア機器が伸長したことで、全体としては微増傾向で推移した。
2015 年におけるセルフケア健康機器の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比 2.0%
増の 2,341 億 8,000 万円を予測する。引き続き価格競争等による売上伸長の鈍化が見られるもの
の、スマートフォンアプリと連動した製品展開を行っている健康管理機器や、フェイスケアを中心と
した健康回復機器が一定の売上を構築し、市場伸長を牽引していくものと予測する。
2. 注目すべき動向
2-1. 「スマホアプリ連動」、「ロコモ予防」、「ストレスチェック」等と関連させた製品展開が進む
スマートフォンの普及に伴い、歩数計、活動量計等の健康管理機器を中心に、計測したデータ
の管理をスマートフォンアプリ上で行う製品展開が広がっている。独自に専用アプリを開発し自社
機器と合わせた製品展開を行う企業があるほか、アプリ開発企業と提携し、既に普及している健
康関連アプリと連携させることで、自社製品の拡販を進める企業もあるなど、様々な取り組みが行
われている。
また、運動器の障害により歩行等移動機能が低下した状態を指す「ロコモティブシンドローム」
(運動器症候群、略称「ロコモ」)に関して、日常的に運動を行うことでこれを予防しようとする取り
組みが見られる。主にフィットネス機器メーカーが積極的に取り組んでおり、家庭で運動を行うこと
の有用性などについて、インターネット等を通じた情報発信に注力している。
その他、従業員 50 人以上の事業所に対して 2015 年 12 月から義務化されるストレスチェック制
度※に合わせた製品展開を行う企業もある。制度施行が製品販売にどのような影響を与えるか、今
後の動向が注目される。
2-2. 製品普及のきっかけとして注目される、自治体による住民向け“セルフケアプログラム”
健康長寿社会の実現が国策として進められている中、地域の健康増進を目的に、住民を対象
とした自治体による“セルフケアプログラム”が全国各地で展開されている。健康への取り組みを数
値化し、達成度に応じて商品券や地域通貨等に交換する形が一般的な内容となっており、主に
歩数計や活動量計が同プログラムで活用されている。
こうした自治体の取り組みは、活動量計等の継続的な利用を促すものであり、新しい製品普及
モデルを検討する上で有用であることから、メーカー各社とも同プログラムに積極的に参画してい
る。その他のセルフケア健康機器がプログラムにどのように関連させられるかも含めて、今後の製
品の拡がりが期待されている。
※ストレスチェック制度とは 2014 年 6 月に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、労働者の心理的な
負担の程度を把握するための、医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施を事業者に義務付ける制度により実
施される。従業員 50 人以上の事業所に対して、従業員にストレスチェックと面談指導の実施等を義務づけ、必要な場合
には、作業の転換、労働時間の短縮その他の適切な就業上の措置を講じなければならないこととする。
出所:厚生労働省「労働安全衛生法の一部を改正する法律案の概要」より一部抜粋
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2015 年 10 月 21 日
図 1.セルフケア健康機器市場規模推移と予測
(百万円)
矢野経済研究所推計
注1. メーカー出荷金額ベース
注2. セルフケア健康機器市場とは家庭用の健康管理機器、フィットネス機器、健康回復機器、健康治療機器などを対象
とし、医療施設やスポーツクラブなどにおける業務用機器を含まない
注3. 2015 年は予測値
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